家族葬とは?流れ・費用・マナー・選ばれる理由を完全解説!
2021/7/23 情報更新
最近は雑誌やメディアで取り沙汰されている「家族葬」。
ご自宅のポストにも「家族葬」の葬儀案内のチラシが投函されていることもあるでしょう。
それらには葬儀費用が安く抑えることができるなど、「家族葬」のメリットが多く記載されています。
このページでは、大切なご家族のお葬式のスタイルを決める際の一つの選択として「家族葬」を考える上での、「家族葬」の流れ・費用・マナー・メリット、デメリットなどを解説しています。ぜひ参考になさってください。
家族葬の基礎知識
家族葬とはどのようなものなのでしょうか。まず、特徴や選ばれる理由について解説します。
家族葬とは?
家族葬とは、一般的には家族や親族、生前の故人の親しい友人を中心に故人をお見送りする葬儀スタイルのことを言います。
家族葬が広まっている背景
家族葬が全国的に広まっている背景には、大きく4つの理由があります。
1, 人間関係の繋がりの稀薄化
2, 各家庭の厳しい経済状況
3, 宗教に対する概念の変化
4, 高齢化社会
が挙げられます。
地域コミュニティの希薄化に伴い、高齢化社会において、高齢者が高齢者の葬儀を執り行うケースも多々あり、精神的にも体力的にも追いついていかない、という場合もあります。
また、故人が会社人であったならば、退職後、会社においても付き合いがあった方々とも疎遠になっていくと、参列していただく人数もおのずと減り、小規模な家族葬を選ぶことが多くなっています。
今後も家族葬が選ばれる傾向は続くといってよいでしょう。
家族葬の範囲・特徴
家族葬は、葬儀に参列する方の多くが気心知れた近しい人になります。
よって儀礼的な事などに気を遣わずに済み、精神的にも負担が軽く済みます。
少人数で故人とゆっくりとお別れをすることができます。
また人数的にも約15名から50人程度になることが多いため、飲食費や返礼品などの費用を抑えることが可能です。
家族葬が向いているケース
家族葬は故人様と身内や故人様の生前、ごく親しかったご友人と最期をゆっくりと過ごしたい方に向いています。
家族葬が選ばれる理由
家族葬は、ごく近しい方だけで集まり故人をお見送りするので、心行くまで最期の時を過ごすことができます。
また余計な気を使うことも少ないでしょう。さらには、参列者が少ないため、葬儀にかかるお金を抑えることも可能になり、少額で葬儀をすることもできます。
近年は、こぢんまりと心暖かく故人様をお見送りできる家族葬が選ばれる傾向にあります。
家族葬については下記記事もご参考ください。
・家族葬でも香典は必要?家族葬で香典を用意する際の相場や家族葬へ参列できない際の対処について徹底解説!
・家族葬の費用相場は?損をしないための全国相場と費用を安くする方法を解説!
・家族葬の流れは?一般的な家族葬から一日葬まで、家族葬の流れを完全解説!
家族葬をはじめ、各葬儀プランは『やさしいお葬式』から24時間365日無料でご相談を承っています。
電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。『やさしいお葬式』では葬儀の見積もり、遺影写真、参列者のリストアップなど事前準備をおすすめしています。葬儀の作法や服装などについてもご相談できます。
「やさしいお葬式」では、お客様のご要望に丁寧にお応えして業界最安値水準で家族葬をご案内しています。
→ やさしいお葬式の家族葬
家族葬と他の葬儀形式との違い
一般葬儀との違い
他の葬儀形式の一つに一般葬儀があります。
一般葬儀と家族葬の違いは、簡単に言うと、葬儀に参列していただく方をどこまで広げるか、につきます。
先ほども記述しましたが、家族葬は、ご家族ご親族、極親しいご友人など、故人と親密な交流があった身近な方々だけでお見送りする葬儀スタイルです。
一般葬は、ご家族、親戚、ご友人に加え、仕事関係や趣味友達、ご近所様など、一般の方に広く参列していただき葬儀スタイルです。
そのため、家族葬より一般葬儀のほうが参列者の人数が増えますし、それに伴って葬儀費用もかさむ傾向になっています。
一般葬については下記記事もご参考ください。
・仏式葬儀とは?一般的なマナーや葬儀の流れについて徹底解説
・葬式の金額は?一般的な葬儀費用の平均から、葬儀費用の内訳、費用を抑える工夫まで徹底解説!
火葬式(直葬)との違い
火葬式(直葬)は家族葬で一般に行われるお通夜や告別式を執り行わず、火葬と収骨のみを行います。葬儀スタイルの中で一番シンプルなスタイルです。
火葬式・直送についての詳細は下記の記事もよく読まれています。
・火葬式を完全解説!費用・流れ・マナー・香典・一般葬儀との違いを紹介!
・火葬(直葬)の費用を完全解説!相場・内訳・費用を抑える方法を紹介!
・火葬式って何?メリット・デメリットや費用相場などを詳しく紹介
・周囲の理解を得ることが大切!直葬を選ぶときの注意点について
創価学会の友人葬との違い
創価学会の友人葬とは、創価学会を信仰される学会員の方の葬儀スタイルです。
故人の身内や友人が集まり執り行われます。参列者は創価学会員だけではなく一般の方、また宗派、宗教も問われません。
家族葬と違うのは、お布施や僧侶も必要がない点でしょう。
>>創価学会の墓地は?墓苑の種類から金額相場まで完全解説!
>>創価学会のお墓は?創価学会のお墓の特徴からお参りの特徴まで完全解説!
密葬との違い
密葬は家族や親族など、ごく近親者のみの内々で葬儀を執り行います。
この点においては家族葬と違いはほとんどありませんが、一番の違いは、密葬で葬儀を執り行った後、後日に本葬や社葬、お別れの会など小規模なものから大規模な式や会を執り行うことが前提となっていることが多いということです。
密葬については『密葬とは何?密葬を行うメリット・デメリットなどを徹底解説』もよく読まれています。
家族葬の流れ
次に、家族葬の流れについてご説明します。まずはご逝去されてから葬儀当日までの流れです。
死去まで
1,死亡診断:病院で医師による死亡判断が行われます。
>>臨終の前にはどのような症状があるの?臨終前の症状を体と心に合わせてわかりやすく解説
>>葬式の準備はどうすればよい?ご臨終から葬儀後の法要まで、必要な準備を完全解説!
当日まで
では葬儀当日、当日以降の流れはどのようになるのでしょうか。見ていきましょう。
当日・当日以降
続いて、告別式当日の流れです。
1, 告別式:故人との最後のお別れの儀式である告別式を執り行います。最後に棺にお花をおさめ、火葬場に向かいます。告別式の流れは、受付(受付がない場合もあります)、開式、僧侶による読経、弔辞弔電、お焼香、式中初七日、閉式、ご出棺という流れになります。
>>告別式とは?知っておくべき遺族側・参列者側必読のマナー!
2, 火葬場まで移動:炉前読経の後(一部地域では炉前読経は行われず、 出棺前読経になります)、火葬を行います。火葬後は箸で骨を収骨して骨壺に納めます。骨壺は自宅に持ち帰ります。
>>ご先祖のお骨壺の大きさを知っていますか?地域で大きさ・種類が違うお骨壺について
3, お支払い:すべてが滞りなく終えたあと、葬儀屋さんに支払いを済ませます。(現金、クレジットカード、ローンなど)
当日以降(家族葬が終わった後の流れ)
家族葬を終えた後に、参列者の方に非常識だな、薄情だな、と思われてしまうのは悲しいものです。
そうならないように関係者の皆様へのお礼や挨拶を怠らないようにしましょう。
挨拶状とお礼の品を送る
ここでいう関係者とは、葬儀には参列されず供花や弔電を送ってくださった方を指します。
その方々に心のこもった挨拶状とともにお礼の品を送ります。お礼のお品の相場は3,000円〜5,000円(税抜)が一般的です。
お礼の品については葬儀屋さんで相談に乗ってもらえるところもあるので、確認してみるとよいでしょう。
>>香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!
喪中はがきを送る
また、故人の関係者で葬儀のお知らせをしなかった場合は、住所録や年賀状をもとに後日「葬儀は近親者のみにて執り行った」ことをハガキで報告しておきましょう。
お知らせする時期が10月から12月にあたる場合は、年賀状欠礼(辞退)案内と一緒にお知らせしてもよいでしょう。
葬儀後の役所関連の手続き
また、葬儀後の役所関連の手続きも行う必要があります。
全て並べてみると、気が遠くなるほどの手続きがあります。ご自分で行うのもありですが、代行業者もあるので検討してみるとよいでしょう。
亡くなった後の各種手続きについては下記記事もご参考ください。
・家族が亡くなくなった時こそ冷静に!死亡に際して必要な手続き
・葬儀後の手続きに必要なのは?相続から保険、年金関係まで、必要な手続きを徹底解説!
・死亡手続きを完全解説!するべきこと・期間・費用を一覧で紹介!
四十九日法要や納骨
その後、四十九日法要や納骨を行います。
最近の主流は、ご自宅の仏壇やお墓の前で、10~15人ほどの故人や家族の小規模で、個人が信仰、または属していた宗教儀式で法要を終えることが多いです。
無宗教葬を行った場合は、お食事会などで故人を偲ぶこともあります。
四十九日法要については下記記事もご参考ください。
・四十九日法要とは?四十九日の意味から法要の流れ、準備すべきものや費用まで完全解説!
・49日とは?49日(四十九日)の意味や行われる法要について徹底解説!
・四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
家族葬の分かりやすい流れは下記もご参考ください。
→ やさしいお葬式の家族葬
家族葬の費用内訳と相場
家族葬の費用にはどんな項目があるのでしょうか。家族葬の費用は大きく分けると「葬儀一式の費用」「飲食の費用」「寺院の費用」の3つの項目になります。
その3つの項目「葬儀一式の費用」「飲食の費用」「寺院の費用」の内訳をさらに細かく見てみましょう。
葬儀一式の費用の内訳
飲食の費用
寺院の費用
僧侶に渡すお布施(仏式の葬儀を行う家族が、読経や戒名のお礼)一覧にしてみると大変多くの内訳がありますね。
ではそれぞれいくらくらいの費用がかかるのでしょうか。
家族葬の全国の費用相場(2020年の全国インターネット調査より)ですが、参列者を55名とした場合「葬儀一式の費用」は約119万円、「飲食の費用」は約31万円、「寺院の費用」は約24万円という結果が出ています。
当然ですが地域によっても家族葬の費用の相場に違いがあります。(葬儀一式費用、飲食接待費、寺院の費用、返礼品費用の合計)
北海道:約95万円
東北地方:約114万円
関東地方:約125万円
中部地方:約132万円
近畿地方:約107万円
中国地方:約98万円
四国地方:約100万円
九州地方:約101万円
沖縄県:約67万円
このように家族葬の費用相場が一番安い沖縄県では約67万円、一番高い中部地方では約132万円と約2倍の差額が生じています。
家族葬の費用については下記記事もご参考ください。
・家族葬の費用相場と内訳について!支払い方法や遺産を使う際の注意点も紹介
・家族葬によるメリットデメリットから、家族葬で葬儀を行う場合の費用相場までを徹底解説!
・知っておきたい家族葬と一般葬との違いとは?費用と参列基準とマナーについて
業界最安値水準の「やさしいお葬式」での家族葬費用の内訳は下記にもご案内しています。
→ やさしいお葬式の家族葬
家族葬のマナー・注意点
葬儀では常にマナーも気になります。家族葬のマナーや注意点はどのようなものがあるのでしょうか。
施主の場合のマナー・注意点
葬儀において「施主」という言葉を聞いたことがありますか?「喪主」という言葉は耳にされたことがあるでしょう。
施主と喪主の違い
最初に「施主」と「喪主」の違いを簡単にご説明します。
葬儀において、「施主」と「喪主」の立場は大変よく似ています。しかしながら位置付けが少し違います。
「施主」は「布施する主」という意味を持ち、葬儀全般の費用を負担し、支払う人のことを言います。そして喪主のサポート役の立場でもあります。
「喪主」の位置付けは、遺族の代表で葬儀を執り行う役目を担います。
細かくは葬儀屋との打ち合わせや参列者などへの連絡の窓口、菩提寺や参列者の接待や挨拶、そして出棺時などの挨拶などが挙げられます。
大変重要な役目でありますが、喪主になりうるには性別や年齢、血縁関係も関係ありません。
施主は喪主のサポート役という概念でしたが、近年では施主と喪主の役割を兼任するケースが多くなっています。
参列者への接待やご挨拶は、参列していただいた感謝をゆっくりと丁寧に心を込めて伝えましょう。
施主と喪主については下記記事もご参考ください。
・施主と喪主の違いとは?葬儀における施主の役割を解説!
・喪主と施主の違いは?それぞれの役割から喪主と施主の兼任まで完全解説!
・喪主とは?喪主の決め方と役割、服装、マナー、挨拶を解説!
葬儀での供花の置き方
祭壇の両脇に供花を置きますが、その順番を決めるのも施主の重要な仕事です。
供花の並べ順の主流は、祭壇を挟み血縁関係の近い順から、右、左へとおいていく並べ方です。施主が単独で決めるのではなく、親族の意見も取り入れながら順番を決めていくとトラブルにもならないでしょう。
そして供花をいただいた方々へのお礼をする仕事もあります。
後日、お礼状を返礼品と一緒に送るのが一般的です。粗相がないように、どなたから供花をいただいたということをしっかりとノートなどにメモしておきましょう。
お礼状の例文を参考までに2つほど挙げておきます。
供花をいただいた方へのお礼状の例文①
謹啓 故○○の葬儀に際しましては、立派なご供花を賜り有り難く厚くお礼申し上げます。
早速式場に供え葬儀に一層の彩りを添えさせていただくことができました。
○○の最後を飾って下さいましたご芳情に心よりお礼申し上げます
お陰様をもちまして葬儀も滞りなく終えさせて頂きました
早速拝趨の上ご挨拶申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもって謹んで御礼申し上げます
供花をいただいた方へのお礼状の例文②
このたびは父○○の葬儀に際し立派な供花を賜り誠にありがとうございました
謹んでお受けいたし霊前に飾らせていただきました
いまごろは、優しい心といっぱいの花の香につつまれて、光り輝く静かな政界に旅立っていることと思います。
故人の一生を華やかにお見送り下さいましたお心に厚くお礼申し上げます。
供花については下記記事もご参考ください。
・供花の手配方法!供花の意味と費用相場と宗教ごとのマナーを紹介!
・知らないと恥をかく!供花の手配方法や相場を徹底解説!
法事や法要での役割
また、葬儀後に執り行われる法事や法要を執り行う役割もあり、行うことは5つほどあります。
1, 法事や法要を執り行うお寺にお伺い(挨拶代わり)をたてる
2, 式場や会食場所などの会場と日時を決める
3, 参加者に案内状を送付する(相手の予定も考え遅くても1か月前にはご案内しましょう)
4, 会食場所やメニューを決定する
5, 引き出物の予約や準備する
法事や法要などの日程は、予約が埋まってしまいそうな週末・長期休暇・お盆・お彼岸の時期に予定する場合は、早めの日程調整をしないといけません。
希望の日にちが取れない可能性が出てきます。
参列してほしい方に送る挨拶状は、往復はがきを利用します。切手は郵便局で仏事用の切手を購入してください。
返信用には出欠を促す内容を印刷しますが、その返送期日は、法事や法要が行われる10日前までに設定しておきましょう。
参列者の人数が決まらないと会食や引き出物の数の予約ができません。
参列者が少ない場合はハガキを使う必要もないので、電話で連絡を取る方法もあります。
法事・法要の案内状の例文を参考までに2つほど挙げておきます。
法事・法要の案内状の例文①
謹啓
○○の候 皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、来る○月○日は、故父 ○○ の○○忌に当たります。
生前お世話になりました皆様のご来臨をいただき、ささやかではございますが供養のしるしにお斎を差し上げたいと存じます。
ご多用のところ誠に恐縮ではございますが ご参会賜りますようご案内申し上げます。
お手数ではございますが○月○日までに同封の葉書にて ご返信いただければ幸いです。
敬具
法事・法要の案内状の例文②
謹啓
○○の候 皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。
つきましては 生前ご親交を賜りました皆様のご来臨をいただき、ささやかながら追善の供養をいたしたく存じます
さて左記により
亡父 ◯◯◯◯◯◯◯(俗名 ◯◯◯◯)◯◯回忌
(平成○○年○○月○○日死去)
法要を相営みたく存じます。お忙しいところ誠に恐縮ではありますが、ご列席賜りますようご案内申し上げます。 敬 具
記
日 時 令和○○年○○月○○日〇曜日
午前○○時より
場 所 □□□
○○市○○町○○番地
なお法要の後、午後◯◯時より○○ホテルにてお斎を予定しております。
ホテルへの送迎は◯◯駐車場にバスを用意しております。どうぞご利用ください。
お手数ながらご都合のほどを、同封葉書にて○月○日までに返信にてお知らせ下さいますようお願い申し上げます。
会食のメニュー
会食のメニューも決める必要があります。
一般的には、お寿司やお弁当を用意しますが、僧侶も同席する場合は、精進料理や会席料理、懐石料理をお出しするのがよいでしょう。
お子様がお見えになる場合は、お子様用のメニューも用意しておきましょう。併せて引き物の準備や予約も忘れないようにしましょう。
卒塔婆供養とは?
施主の仕事には卒塔婆供養も含まれます。
卒塔婆供養とは、故人の成仏を願うことと、家族の近況報告をすること役割があります。初七日や回忌、彼岸、盆などに執り行われることが多いです。
卒塔婆供養の金額ですが、1本につき2,000円~10,000円程度です。卒塔婆供養の金額とともに、僧侶や寺院に5,000円程度のお布施も用意しておきましょう。
卒塔婆については下記記事もご参考ください。
・塔婆とは?塔婆の意味から塔婆代の金銭相場、包み方まで徹底解説!
・卒塔婆とは?意味と種類と供養方法と相場を解説!
・必要ではないものと思っていませんか?「塔婆」を準備する意味とは?
服装のマナーや注意点
施主は葬儀において代表者とも言えます。そのため、参列者の皆さんに不快な思いをさせてはいけません。施主にふさわしい振る舞いや服装をしましょう。
施主が男性の場合の服装の注意点
施主は、三回忌まで喪服を着用するしきたりがあります。洋装の場合はブラックスーツ(ダブルまたはシングル)あるいはモーニングジャケットを着用します。
ワイシャツは白地のもの、黒無地のネクタイを合わせます。小物類の時計やベルトも金色など目立つものは避けましょう。そして靴や靴下も黒にします。
和装の場合は、黒無地染め抜き五つ紋付きの羽二重に羽織、仙台平の袴を合わせましょう。足袋は白や黒で、草履は黒の鼻緒、足袋は黒または白地のものを合わせます。
ちなみにお通夜はブラックのスーツを着用するのが一般的です。
施主が女性の場合の服装の注意点
女性が施主の場合は、黒の喪服を着用します。シンプルなフォーマルスーツやアンサンブル、もしくはワンピースがよいでしょう。かばんや靴など光沢のない黒を選びます。
デザインもシンプルなものがよいでしょう。ストッキングも黒を着用します。アクセサリーは身に着けるなら真珠を使用したものにしましょう。
和装にする場合は、正式には黒無地染め抜き五つ紋付に、黒無地の丸帯になります。
羽二重か一越ちりめんの生地の着物です。足袋や襦袢(じゅばん)は白色を、草履や帯揚げなどの小物類は黒色にします。夏は絹織物を着用します。
弔事での服装については下記記事もご参考ください。
・急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!
・お葬式の靴はどう選ぶ?お葬式の靴のマナーや選び方、靴下や喪服まで徹底解説!
・お通夜の髪型はどうする?男性と女性の髪型の注意点を徹底解説!
施主の香典についてのマナー
次に施主の香典についてのマナーや注意点についてです。
施主は葬儀の費用を負担する人です。葬儀全般にかかった費用から香典を差し引き、足りない分を施主が支払います。そのため、施主が香典を包む必要はありません。
香典については下記記事もご参考ください。
・香典の金額はどう書けば良い?香典袋に金額を書き入れる際の書き方や注意点を徹底解説!
・葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!
施主の供花についてのマナー
最期に施主の供花についてのマナーや注意点をみていきましょう。
葬儀において施主が供花を用意しなければいけない、という決まりごとはありません。
それぞれの判断にゆだねられます。しかし、施主の供花がないのは何事だ、などとトラブルにならないとは限らないので、事前に親族に相談することをお勧めします。
しかし、地域によっては施主が供花を用意する風習がありますので、事前に葬儀屋に聞いておきましょう。
その地域の風習を知らなかった、と後から問題にならないためにも、下調べなどもしておかれるとよいでしょう。
家族葬は比較的少人数のシンプルな葬儀スタイルです。
人数が少ないことが考えられるため、祭壇がさみしくならないように、施主が事前に供花を用意する場合もあります。
>>供花の手配方法!供花の意味と費用相場と宗教ごとのマナーを紹介!
家族葬での案内方法
家族葬を執り行う際の参列者は、家族や親族、生前の故人の親しい友人が主になります。
参列していただけるかの連絡は電話、またははがきで連絡しましょう。また親族や故人の友人にはあらかじめ「家族葬」であることを伝えておきましょう。
葬儀に参列を遠慮していただく方々には「家族葬をおこなうこと」と同時に「家族葬」について簡単にわかりやすく説明しておかれると親切です。
その際に、香典や供花をお断りするかどうかも家族内で相談し、参列をご遠慮いただく方々に心をこめて丁寧にお伝えしましょう。
通知状の送り方
故人の生前の友人や知人で、葬儀の連絡をしなかった方々には、葬儀が終わって1週間から2週間の間に、死亡した故を知らせる「通知状」をお送りしましょう。
「通知状」の例文を挙げておきます。
母〇〇儀 かねてより入院療養中でございましたが、去る〇月□日に病状がにわかに悪化し、午前〇時□分、享年〇〇歳で他界いたしました。
なお葬儀と納骨は故人の希望により近親者のみにて●月〇日滞りなく相済ませました。
ここに謹んでお知らせ申し上げますとともに生前中賜りましたご厚諠に心よりお礼申し上げます。
令和〇年〇月
〒〇〇〇-〇〇〇
〇〇県〇〇市〇〇区〇〇
長男 〇〇〇〇
生前の故人の交友関係が広い場合は、後日にお別れの会を執り行う場合もあります。
お別れ会については下記記事もご参考ください。
・お別れ会を完全解説!相場・流れ・特徴・マナーを3分で紹介!
・新型コロナウイルスで亡くなった故人へのエンバーミングプランと最後の面会プランと直葬プラン(火葬)とお別れ会プラン(後葬)への対応を開始しました。
参列者の場合のマナー・注意点
死亡通知状や訃報連絡に葬儀案内がある場合は、遺族は参列を希望されています。ご遺族からの参列願いととっても構わないでしょう。
逆に葬儀の案内の記載がなければ、参列は控えたほうがよいでしょう。
参列者の服装についてのマナー
葬儀での服装の基本は、喪服、または礼服を着用します。
男性の場合:シングルまたはダブルのブラックスーツ(シャツは白、ネクタイ・靴下・靴は全て黒)
女性の場合:黒のスーツ、ワンピースまたはアンサンブルを着用します。(靴、ストッキング、バックなどは黒。肌の露出は控えてください。)
お子様の場合:学校の制服がある場合は制服を、ない場合は、カジュアルな服装は避け、おとなしめの落ち着いた服を着用しましょう。
お通夜の服装マナーについて
お通夜の服装は「準喪服」か「略喪服」を着用します。
(準喪服とは)
男性の場合は、ブラックスーツ、女性の場合は、ブラックフォーマルになります。
(略喪服とは)
男性の場合は、黒、紺、グレーなどのダークスーツ
女性の場合は、黒、紺、グレーなどのワンピース、スーツ、アンサンブル
学生の場合は、制服、リクルートスーツ など。
お悔やみの言葉で注意すべき点について
家族葬においては、受付を設けていない場合があります。
通常は受付でお悔やみの言葉をお伝えするのですが、受付がなければお悔やみの言葉を述べることもできません。
そのような場合は、ご遺族にお悔やみの言葉を伝えましょう。
お悔やみの言葉を伝えるタイミング
本来、お悔やみの言葉を伝えるのは受付をするタイミングがベストとされています。
しかし、家族葬ということで、マナー的には正解ではありませんが、気にすべき点ではないでしょう。
では、お悔やみの言葉をどう伝えればいいのか、と悩む方もいらっしゃるでしょう。一般的によく使われているお悔やみの言葉は
「この度は誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます」です。
「ご逝去」「他界される」「急なことで」「突然のご不幸」「ご生前」「お元気なころ」などの言葉を使い述べるのも間違いではありません。
ご遺族に死因などあれこれ尋ねるのは、不謹慎です。愛する家族を失ったご遺族の悲しみは計り知れません。故人の死を悼む気持ちと心を込めて短めに伝えましょう。
お悔やみの言葉を述べる際に言ってはいけない言葉がありますのでご紹介します。
不幸が重なることを連想させる言葉
重ねる、重ね重ね、くれぐれも、もう一度、また、たびたび、しばしば、再三、ますます、引き続き、繰り返し、など
「苦しむ」「死」を連想させる直接的な言葉
死ぬ、死去、死亡、九、四、亡くなる、急死、事故死、生きる、生存中、など
お悔やみの言葉については下記記事もご参考ください。
・身近な誰かが亡くなった時の言葉はどうすればいい?一般的なお悔やみの言葉から例文まで完全解説!
・お悔やみの言葉はどう伝えればよいの?お悔やみの言葉を伝える際の注意点を例文を交えて完全解説!
・亡くなったときにかける言葉は?お悔やみの言葉の基本から注意点まで徹底解説!
参列者の焼香のしかた
焼香は宗派・宗旨により、お作法が違います。一番良いのは故人の宗派に合わせることです。迷った場合は、前の方のお焼香の仕方を真似ましょう。
>>焼香とは?よく聞くけど以外と知らない焼香の意味や種類、宗派ごとにことなる焼香の作法まで完全解説!
家族葬に参列する場合の香典相場
家族葬では香典を辞退されることが多いのですが、辞退の意向を聞いていないのであれば、念のため5,000円~1万円程度の香典を準備しておけば恥をかくこともないでしょう。
香典や供花を辞退します、ということを聞いているのであれば、そのご意向に従いましょう。
無理に香典を押し付ける形になってしまうのは、ご遺族の負担になりかねません。
>>最近増えている香典辞退という選択肢、その理由や辞退の仕方や辞退された場合の対処について徹底解説!
家族葬のメリット・デメリット
家族葬はまだまだ世に広く知られていませんが、雑誌やメディア等で見聞きしたことがある方も多いため、家族葬を選択することが多くなっています。
雑誌やメディアで見聞きする家族葬ですが、故人の最期をお見送りする大切なセレモニーです。後悔しないように、メリット、デメリットを知っておきましょう。
家族葬のメリット
・故人との最期のお別れの時間を心行くまでゆっくり過ごすことができます。遺族や故人のごく親しい友人だけで執り行われる小規模な家族葬のみができることです。
・義理で参列される方への対応が軽減され精神的にも楽でいられます。
家族葬のデメリット
一般葬では広く故人の関係者に葬儀の連絡をし、参列いただいた方々に、挨拶として参列のお礼や、故人の死去に至る経緯を一度に多くの方に伝えることができる反面、家族葬はごく身近な方にしか葬儀案内をしないため、後からご不幸を知った方の対応をしないといけない場合があります。
一度に対応を終えることができず、結果、精神的な負担を強いられることが考えられます。
また葬儀の連絡がなかった、とトラブルになることも。その場合は理解を得る努力をしなければなりません。
また、家族葬では一般的に香典を見込めないため、一般葬より葬儀費用の負担が大きくなる可能性があります。
家族葬のメリット、デメリットについては下記記事もご参考ください。
・家族葬とは?家族葬のメリット・デメリットから参列者をどこまで招待するかまで徹底解説!
・家族葬によるメリットデメリットから、家族葬で葬儀を行う場合の費用相場までを徹底解説!
・家族葬ってどんなお葬式?メリット・デメリットや料金の内訳も紹介
家族葬についてのまとめ
「家族葬」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【家族葬とは?】
●家族葬とは、一般的には家族や親族、生前の故人の親しい友人を中心に故人をお見送りする葬儀スタイルのこと
●人数的にも約15名から50人程度になることが多いため、飲食費や返礼品などの費用を抑えることが可能
●ごく親しかったご友人と最期をゆっくりと過ごしたい人向け
【家族葬と一般葬儀との違い】
●一般葬は、ご家族、親戚、ご友人に加え、仕事関係や趣味友達、ご近所様など、一般の方に広く参列していただき葬儀スタイル
●家族葬より一般葬儀のほうが参列者の人数が増えますし、それに伴って葬儀費用もかさむ傾向がある
【家族葬の流れ】
●当日まで
①葬儀社に依頼を行います。
②ご安置:ご自宅や病院など、お亡くなりになった場所に故人を葬儀屋さんがお迎えに来る
③各々の打合せ:式の日程やお葬式プラン内容・お見積り、僧侶(お坊さん)のお手配などお葬式の内容を決める
④納棺:葬儀屋さんスタッフが安置場所まで来てくれ、故人を棺に納め、葬儀場まで搬送
⑤お通夜:翌日の葬儀まで故人とゆっくりとすごす
●当日・当日以降
①告別式:故人との最後のお別れの儀式である告別式を執り行う
②火葬場まで移動:炉前読経の後(一部地域では炉前読経は行われず、 出棺前読経になります)、火葬を行う
③お支払い:すべてが滞りなく終えたあと、葬儀屋さんに支払いを済ませる
●当日以降
①葬儀には参列されず供花や弔電を送ってくださった方に挨拶状とお礼の品を送る
②故人の関係者で葬儀のお知らせをしなかった場合は、住所録や年賀状をもとに後日「葬儀は近親者のみにて執り行った」ことをハガキで報告する
③葬儀後の役所関連の手続きをおこなう
④四十九日法要や納骨をおこなう
【家族葬の費用内訳と相場】
●「葬儀一式の費用」は約119万円、「飲食の費用」は約31万円、「寺院の費用」は約24万円
●地域により差もあり、家族葬の費用相場が一番安い沖縄県では約67万円、一番高い中部地方では約132万円と約2倍の差額が生じている
【家族葬のマナー・注意点】
●施主の場合のマナー・注意点
-祭壇の両脇に供花を置きますが、その順番を決める
-供花をいただいた方へのお礼状を送る
-葬儀後に執り行われる法事や法要を執り行う役割
-会食のメニューも決める
-卒塔婆供養をおこなう
-施主にふさわしい振る舞いや服装をする
-参列者への案内
●参列者の場合のマナー・注意点
-葬儀の案内の記載がなければ、参列は控えたほうがよい
-服装は、喪服または礼服を着用する
-お悔やみの言葉を述べる
-香典辞退の連絡なければ香典を包む
-焼香は宗教によって作法が異なるので注意
【家族葬のメリット】
●故人との最期のお別れの時間を心行くまでゆっくり過ごすことが可能
●義理で参列される方への対応が軽減され精神的にも楽でいられる
●費用を抑えられる
【家族葬のデメリット】
●後からご不幸を知った方の対応をしないといけない場合がある
●葬儀の連絡がなかった、とトラブルになることもある
●家族葬では一般的に香典を見込めないため、一般葬より葬儀費用の負担が大きくなる可能性もある
家族葬は故人の家族や親族、生前の故人と親しい友人だけで執り行うアットホームな葬儀スタイルです。
義理で参列する方もいないため、そういった方に気を遣うことなく故人との最期のお別れを身近な人たちだけで、心ゆくまで時間を過ごすことができます。
そういった温かみのある葬儀スタイルですが、葬儀を行われたことを知らずあとから知った、なぜ知らせてくれなかったのか、というようなトラブルも起こりえます。
故人の最期のセレモニーに心残りがないよう、家族葬を選択するのであれば、家族内でしっかりと話し合いをしておきましょう。
「やさしいお葬式」では、お客様のご要望に丁寧にお応えして業界最安値水準で家族葬をご案内しています。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール