葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!
大人になると徐々に親戚などの葬式に参列する機会が多くなります。
子供の頃は特に何もせずとも良かったですが、大人になるとそうはいきません。
葬式のマナーとして香典にも気を配る必要が出てきます。この香典はただお金を包んで終わり、というものではありません。
立場や状況によって相場が変わる場合や、香典をお渡しするだけでもマナーが存在するのです。
知らないとご遺族に対して失礼になる場合もあるので、いざという時に慌てないよう香典に関する基礎知識はしっかり覚えておきましょう。
葬式の香典とは?
それではまず、葬式の香典について基本的な内容をご説明します。
香典とは?
香典とは、通夜や葬儀・告別式の際にお供えする金品のこと。
「香料」とも呼ばれることがあり、花や線香などの代わりに故人へとお供えされます。
>>線香とは?身近だけど意外と知らない線香の種類や選び方、供える際の作法まで徹底解説!
もちろん故人の供養を願う意味もありますが、ご遺族の葬式の費用負担を少しでも軽くするために参列者が援助の意味も込めてお渡しするものなのです。
ただし場合によっては、花やお供え物などの物品そのものを持参する場合もあります。
>>供花の手配方法!供花の意味と費用相場と宗教ごとのマナーを紹介!
>>供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!
基本的には、通夜から参列するのであればその時に香典をお渡しするのが一般的。
通夜や葬儀にどうしても参列できない場合は、現金書留でお悔やみの手紙と一緒に喪主へ郵送することもあります。
香典袋とは?
香典袋は、上記の香典を包むための袋のこと。
「不祝儀袋」とも呼ばれており、葬式関係で香典などをお渡しする時には基本的にこの袋を使用します。
包む金額や宗教によって水引が違ったり表書きの言葉を変えたりする必要があるので、一般的なマナーとしてきちんと覚えておきましょう。
香典袋の購入方法
香典袋の入手方法ですが、コンビニやスーパーでも購入できますし、ネットでも簡単に注文することができます。ただし、後述するように宗教によっては使用できない香典袋がありますのでご注意ください。
香典袋については下記記事もご参考ください。
・香典の金額はどう書けば良い?香典袋に金額を書き入れる際の書き方や注意点を徹底解説!
・香典袋の正しい書き方を完全解説!表書き・中袋・名前・その他のマナーも紹介!
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香典のマナー・注意点
では具体的にどのような点に注意すれば良いのでしょうか?香典に関する基本的なマナーについてご紹介します。
水引の種類と選び方
水引にはいくつかの種類があり、包む金額や故人の宗教によって変える必要があります。
・仏式の場合
「黒白」あるいは「双銀」の結び切りを使います。
包む金額が5,000円程度であれば水引が印刷してある香典袋を使っても問題ありません。
それ以上の金額になる場合は、実物の水引がかかっている香典袋で包むのが一般的です。
>>仏式とは?意味・流れ・マナー・神式との違いを解説!
>>仏式葬儀とは?一般的なマナーや葬儀の流れについて徹底解説
・神式の場合
「黒白」あるいは「双銀」「双白」の結び切りを使います。
>>神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説
・キリスト教式の場合
基本的に水引はありません。つけるとすれば「黒白」の結び切りにしましょう。
どの宗教でもそこまで大きく変わることはありません。もし故人の宗教がわからなければ、「黒白」の水引を選んでおくのが無難です。
香典袋の選び方
続いては香典袋の選び方です。こちらは袋の柄に多少の違いがあり、宗教ごとで使い分ける必要があります。
・仏式の場合
「白無地」あるいは「蓮の絵柄」が描かれた香典袋を選びましょう。「蓮の絵柄」の香典袋は仏式でしか使われません。
・神式の場合
「白無地」の香典袋を選びましょう。
・キリスト教式の場合
「白無地」あるいは「十字架」「百合」が印刷された香典袋を選びましょう。
日本では仏式が多いため、基本的には「白無地」「蓮の絵柄」のどちらかになることが多いかと思います。
もし故人の宗教が分からなければ、全ての宗教で通じる「白無地」の香典袋を選んでおけば間違いありません。
薄墨を使う
香典袋には表書きを書く必要があるのですが、それらの文字は「薄墨の筆書き」で記すというのが一般的。
なぜなら薄墨は「突然の訃報を受け、悲しみによって文字が涙で滲んでしまった」という様子を表現しているためです。
薄墨の筆ペンは文具店などで購入することができます。
ボールペンやサインペンしかない場合
基本的に表書きは薄墨で書くのがマナーです。もちろん人によっては気にしないという方もいるかもしれません。
しかし、先述の通り薄墨の筆ペンなどは文具店やコンビニで手軽に購入できます。
そのためよほどの事情が無い限りは、マナーの側面からも薄墨で書くのが無難でしょう。
表書きが印字されている香典袋もある
どうしても薄墨の筆ペンなどを準備できなければ、すでに表書きが印字されている香典袋を購入するのがオススメです。
ただし、中袋に金額や住所を書く場合はボールペンでも問題ありません。
表書きは故人への悲しみを表現するために薄墨で書くのがマナーですが、中袋に書く情報はあくまでも事務的な内容です。
そのためご遺族が金額等を確認しやすくするため、ボールペンで書くと良いでしょう。
香典袋の包み方
お金は適当に香典袋に包めば良いというものではありません。
包むときのマナーがいくつかあるため、ご遺族に失礼が無いような形で香典をお渡しできるようにしっかり覚えておきましょう。
古いお札を使う
まず「香典袋に包むお札の状態」に気を配ります。
香典袋に包むお札として「新札」「ピン札」は使わないのが一般的です。
なぜなら「突然の訃報で新しいお札を用意できなかった」ということを表現しているため。
結婚式などの慶事では新札を包むのがマナーですが、弔事の場合は新札を使うとあまり良い印象を与えないので注意しましょう。
だからといってボロボロのお札を包む必要もありません。
常識的な範囲内でシワがあるお札か、あるいは新札に自分で折り目をつけてから包みましょう。
お札の枚数
「お札の枚数」にも気を配ります。割り切れる数字である偶数は「故人との縁も切れる」ということを連想させるため包まないのが一般的。
理想的な枚数は1・3・5などの奇数です。また「死=4」「苦=9」という連想をさせるため、4枚と9枚も避けるべきでしょう。
袱紗(ふくさ)に包む
上記のことに注意してお札を香典袋に包むのですが、基本的にはこの香典袋をそのままお渡しすることはマナー違反。
「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる入れ物や布に包むのが一般的です。
この慣習は「大切な香典を汚さないようにするため」という配慮から生まれているため、葬式だけでなく結婚式でもお札はふくさや布に包んでおきましょう。
袱紗には慶事用もあるので注意
この袱紗には2種類あり、「慶事用」「弔事用」に分かれています。
それぞれで使うべき色が決まっているため、弔事で慶事用の袱紗を使ったりしないようにしっかり覚えておきましょう。
袱紗の色
慶事用の袱紗としては、「赤」「オレンジ」「ピンク」「朱色」などの明るい色の物を使います。
反対に弔事用の袱紗としては、「灰色」「青色」「緑色」「紫色」「藍色」「紺色」などの暗い色の物を使います。
ただし「紫色」の袱紗はどちらの場合でも使えるので、迷ったらそれを使用すれば問題ないでしょう。
ではこの袱紗にどうやって香典袋を包むのでしょうか?これはそこまで複雑なものではありません。
・袱紗の包み方
まず袱紗をひし形に広げ、真ん中よりも少し右側に香典袋を置きます。置く時は表向きにしてください。
香典袋を置いたら、右→下→上→左の順番で包んでいきましょう。これで完成です。
ちなみに、左から包むと慶事用になってしまうので注意してください。
袱紗の種類
この袱紗にはいくつか種類があり、「爪付き袱紗」「台付き袱紗」「金封袱紗」に分かれます。
爪付き袱紗
「爪付き袱紗」は最もよく使われるタイプの袱紗。四角い形状をしており、付いている留め具でふくさがほどけないようにできます。
台付き袱紗
「台付き袱紗」には小さなお盆が付いています。ご遺族にお渡しする時は、このお盆に香典袋を乗せて差し出すと丁寧でしょう。
差し出す時は左開きになるように包みます。このお盆は両面を使うことが可能です。
ただし、それぞれの面で色が違うので「慶事の時はオレンジの面が表」「弔事の時は黒色の面が表」となるようにして使いましょう。
金封袱紗
「金封袱紗」は簡易的な形状の袱紗です。
袋状になっているため、3種類の中では最も香典袋を包みやすいでしょう。中には芯が入っているため綺麗な形のまま包むことができます。
財布のように手軽に使えるため、徐々に金封袱紗を使う方も増えているようです。
ただし簡易式の袱紗であるため、大きな金額を包む場合や故人が目上の場合はあまりオススメできません。
渡し方のマナー、渡す時に添える言葉
香典はただお渡しすれば良いものではありません。ご遺族の心象に配慮した言葉を添えつつ、手を煩わせないようにお渡しする必要があります。
では具体的にどのようにお渡しすれば良いのでしょうか?それぞれのシチュエーション別にご説明します。
「通夜・葬儀・告別式」でお渡しする場合
まず「通夜・葬儀・告別式」でお渡しする場合。受付が設置されていることが多いので、記帳を済ませその場で受付の方にお渡ししましょう。
お渡しする時には手順があり、まず香典袋をあらかじめ袱紗に包んでおき、お渡しする時に初めて香典袋を取り出します。
取り出す時は、袱紗を右手に置き、左手でそれを開いて香典袋を取り出してください。
この時、受付の方が香典袋の名前を読めるようにしてお渡ししましょう。
・添える言葉
お渡しする時にはお悔やみの言葉も一緒に述べます。受付の方も忙しいので長々と話す必要はありません。
「この度はお悔やみ申し上げます」「この度は御愁傷様です」などの簡潔な言葉で大丈夫です。
ただし使う言葉には気をつけてください。まず「次々」「重ね重ね」「再び」「度々」などの繰り返し表現は使いません。
これらの言葉は「不幸が続く」ということを連想させてしまう恐れがあります。
また、故人の宗教にも気を配った言葉を使いましょう。例えば「ご冥福をお祈りします」という言葉は、一見するとお悔やみを申し上げているように思えます。
しかし、キリスト教やイスラム教では「死後の世界で幸福になってほしい」という意味を持つ言葉はあまり好まれません。
そのため迷ったら、シンプルに「お悔やみを申し上げます」と述べておくのが一番無難です。
お悔やみの言葉については下記記事もご参考ください。
・亡くなったときにかける言葉は?お悔やみの言葉の基本から注意点まで徹底解説!
・本当にいいの?お悔やみの言葉をメールで送る際の注意点を徹底解説!
受付が設置していなかった場合
もし受付が設置されていなければ、喪主やご遺族に直接お渡ししてください。渡し方は受付の方に対して行うものと同じです。
ただし、受付の方に対してお悔やみの言葉が無くても失礼にはなりませんが、ご遺族に対しては必ず一言添えましょう。
ご遺族にお渡しするのも難しそうであれば御霊前にお供えしておけば問題ありません。
御霊前にお供えする場合は、表書きが見えるように置いてください。
・参列できない場合(後日の弔問)
続いて「葬式自体に行けない場合の渡し方」についてです。
仕事の都合がつかなかったり遠方であるということから、通夜や葬儀・告別式のどれにも参列できない場合があるかと思います。
その場合は後日自宅へ弔問に伺い、その際にお渡しすると良いでしょう。
弔問のマナー
もちろん弔問はご遺族への承諾をきちんと得てから伺います。
故人が亡くなった直後は葬式関係で色々と忙しいので、ご遺族の迷惑とならないような時間帯を確認しておくのがマナーです。
日程調整の連絡をする際は、葬式に参列できない旨もきちんとお詫びしておきましょう。
弔問をする際もあまり長居はせず、少しお話ししたらご遺族の邪魔にならないように早めに引き上げてください。
弔問については下記記事もご参考ください。
・突然の訃報にどうする?弔問できない際のお悔やみの手紙の書き方や注意点を徹底解説!
・弔問とは?意外と知らない弔問の注意点とマナーを徹底解説!
・参列できない場合(郵送)
最後に「後日お渡しするのも難しい場合」についてです。
参列者が高齢であると、距離を問わず葬式への参加が難しい可能性も出てきます。
その場合は現金書留で香典をお送りすると良いでしょう。
>>香典を郵送で送る際には手紙を添える?香典を郵送する際の注意点から手紙を添える方法を徹底解説!
できる限り葬式から日が経たないうちにお渡ししたいので、1週間以内には届くように調整してください。
香典には手紙も添える
また、香典と共にお手紙も添えるのがマナーです。お手紙には「お悔やみの言葉」「参列できない理由とお詫び」を書いておけば問題ありません。
この時、先述したような不幸が続くことを連想させる言葉は避けておきましょう。
もし後日弔問ができそうであれば、その旨も記しておくと親切です。
渡すタイミング
基本的に香典は、通夜・葬儀・告別式の中で自分が一番初めに参列する儀式の時にお渡しします。
これを考えると、大抵の方は通夜でお渡しすることになるでしょう。
通夜で渡せなった場合は葬儀・告別式で渡す
ただし人によっては、通夜から参列していたとしても「急な不幸のため香典を用意できなかった」という場合もあるかと思います。
そのような時は葬儀・告別式でお渡しすれば問題ありません。
もちろん仕事の都合などで「通夜には参列できない」という方もいるかと思います。
そのような場合は、自分が初めに参列したタイミングで香典をお渡しすれば大丈夫です。
香典を渡すのは一度
ただし注意しなくてはいけないことがあります。それは「香典を何度も渡さない」という点です。
一度香典をお渡していたとしても「金額が少し足りないので追加でお渡ししたい」ということを考える方もいるでしょう。
「相場を知らずに少ない金額で渡してしまった後に穴埋めをしたい」という気持ちだとは思いますが、それは避けてください。
なぜなら、ご遺族に香典を何度もお渡しすると「この不幸が続いていく」ということを連想させてしまうため。
そのためお気持ちはわかりますが、1回の香典で渡し終わるようにしましょう。
それでも「何かの形で気持ちを表したい」という場合は、四十九日法要などのタイミングでお供え物や花などを贈るのがオススメです。
>>49日とは?49日(四十九日)の意味や行われる法要について徹底解説!
>>四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
家族葬では香典は必要か?
家族葬で参列する場合、香典が必要かどうか迷われる方も多いと思います。家族葬の場合は、葬儀の規模が小さいこともあり香典は必ずしも必要という訳ではありません。事前に遺族へ確認することがはばかれる場合は、念のため香典を持参しておく方が良いでしょう。
家族葬については下記記事もご参考ください。
・家族葬の流れは?一般的な家族葬から一日葬まで、家族葬の流れを完全解説!
・家族葬でもお通夜は行う?家族葬の特徴から注意点まで、家族葬の様々な形式を徹底解説!
・知っておきたい家族葬と一般葬との違いとは?費用と参列基準とマナーについて
家族葬をはじめ、各葬儀プランは『やさしいお葬式』から24時間365日無料でご相談を承っています。
香典の書き方(表書き)
香典袋には「表書き」というものを書く必要があります。
これは宗教によって言葉を変える必要があるため、マナー違反とならないようにあらかじめきちんと確認しておきましょう。
表書き用のハンコやスタンプなども販売していますが、よほどの理由が無い限りは手書きで記した方が参列者の気持ちが伝わるかと思います。
表書きの書き方・選び方
表書きは「香典袋にある水引の上部」に書きます。水引の下部には自分の名前を書きましょう。
この名前の書き方にもルールがあるので後ほどご説明します。
ちなみに、表書きと名前が縦一列になるように書くと見た目が綺麗に整うので意識してみてください。
それでは具体的に、表書きにはどのような言葉を書けば良いのでしょうか?宗教別にご紹介します。
◎仏式の場合
仏式の場合は「御霊前」「御香典」「御悔」「御香料」などの表書きを使うことが多いです。
一般的には「御霊前」をよく目にしますよね。これは、仏教において「忌明けの四十九日法要が終わるまで故人の魂はこの世に存在している」という考えがあるため。
四十九日を過ぎた後に行う法要では、故人の魂が無事に成仏したということから「御仏前」と書くのが一般的です。
ただし同じ仏式でも「浄土真宗」に関しては考え方が異なります。
浄土真宗においては「亡くなったらすぐに成仏する」という考えがあるため、最初から「御仏前」と書くのが一般的です。
>>仏式とは?意味・流れ・マナー・神式との違いを解説!
>>仏式葬儀とは?一般的なマナーや葬儀の流れについて徹底解説
>>神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説
◎神式の場合
神式の場合は「御霊前」「御榊料」「玉串料」「御玉串料」「神饌料」「御饌料」などを表書きとして使います。
しかし死後50日が経つまでは「御霊前」を使うのが一般的です。なぜなら、神式では「死後50日間は霊のままである」という考えがあるため。
死後50日が経過したら「御神前」を表書きとして使います。これは「死後50日以降は故人がその家の守護神になる」という考えがあるためです。
>>神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説
◎キリスト教式の場合
キリスト教式の場合は「献花料」「御花料」「御花代」などの表書きを使います。
ただし、同じキリスト教式でも「カトリック」か「プロテスタント」かによって使える表書きが違うので注意してください。
上記の表書きはどちらの宗派でも使用可能ですが、「御霊前」はカトリックでしか使えません。
これは、プロテスタントに「御霊は異教のものである」という考えがあるためです。
ちなみに、プロテスタントのみで使える表書きとしては「忌慰料」という言葉があります。
宗教がわからない時
故人の宗派がわからない時は、「御霊前」を使うのが無難とされています。
日本では仏式がメインのため、「御霊前」と書いておけば基本的には問題ないでしょう。
しかし、もしかしたら浄土真宗やプロテスタントである可能性も否定できません。
そういったことも考慮して万が一に備えるのであれば、「御幸資」「御香奠」「御香料」を使うと良いでしょう。
これらの表書きは宗派問わず使うことが可能です。
については下記記事もご参考ください。
・仏教のお葬式と何が違うの?無宗教で行うお葬式
・無宗教葬儀を完全解説!流れ・費用・マナー・供養方法を紹介!
名前の書き方(1人の場合)
表書きだけでなく名前も忘れずに記入しておきましょう。先述の通り、水引の下部に書きます。
自分1人が香典を包んだ場合は、自分のフルネームをそのまま書けば大丈夫です。
名前の書き方(代理の場合)
代理で香典をお渡しする場合は「誰が誰の代理で参列しているのか」によって書き方が異なります。
「妻が夫の代理で参列している」という場合は、香典袋に夫の名前を書きその左下に「内」と書いてください。
「部下が上司の代理で参列している」という場合は、香典袋に社名と上司の名前を書きその左下に「代」と書きましょう。
名前の書き方(複数名・連名の場合)
香典を「社員一同」や「孫一同」という形で出す場合もあります。その時は、包んだ方の名前を最大3名まで水引の下部に書きましょう。
人数が3人よりも多い場合は、代表者の名前を書きその左下に「外一同」と書いてください。
中袋がある場合は、そこに全員の名前・住所・包んだ金額を書きます。
こうすることで誰がいくら包んだのかがわかり、ご遺族が香典返しの準備をするときの手間を省くことができるのです。
>>香典を連名で出す場合は?香典を連名で出す際の書き方やマナー、注意点を徹底解説!
名前の書き方(会社で出す場合)
会社を代表している場合は「社名と代表者氏名」を書けば大丈夫です。
香典の中袋の書き方
香典袋には「中袋」という袋がついていることが多いです。
中袋がついている場合は、ここにお札を入れてから香典袋で包んでください。
表書きとは別で、この中袋にもいくつか書くべきことがあるので確認しておきましょう。
表面の書き方(金額)
中袋の表面には自分が包んだ金額を書きます。
記載方法にはマナーがあり、「金五仟円」「金壱萬円」「金壱萬円也」というような形で書くのが一般的です。
金額を旧字体で書くのは、かつて存在した「金額を改竄されないようにする」という習慣の名残り。
そのため旧字体が正式ではありますが、「一」「二」などの現代漢数字でも特に大きな問題はありません。
裏面の書き方
裏面の左下には、自分の住所と名前を書きます。
基本的にはこれで問題ありませんが、電話番号も併記しておくとご遺族がスムーズに連絡できるようになるでしょう。
もし中袋が無い場合は、香典袋の裏面に金額と住所を書いておけば問題ありません。
書く場所は「裏面右側に金額」「裏面左側に住所」というのが一般的です。
ちなみに先述の通り、中袋に書く文字は表書きとは違い普通のボールペンなどで書きましょう。
お金の入れ方
中袋にお札を入れる時も少し注意が必要です。
香典袋を開けた時にお札の肖像画が見えないようにするため、肖像画が書いてある面を下に向け、さらに肖像画が書いてある側が袋の底に来るようにして包みましょう。
複数枚包む場合は、必ずお札の向きを全て揃えておきます。
香典袋の書き方については下記記事もご参考ください。
・香典の金額はどう書けば良い?香典袋に金額を書き入れる際の書き方や注意点を徹底解説!
・香典袋の正しい書き方を完全解説!表書き・中袋・名前・その他のマナーも紹介!
葬式での香典の金額相場(関係別)
それでは具体的に香典はどのくらいの金額を包めば良いのでしょうか?
この相場は参列者の年齢や故人との関係性によっても変わるので一概には言えません。
ただし以下のようなイメージで見ておけば大きなズレは無いでしょう。
参列者が20代である時の香典相場
〜故人との関係性が「親戚同士」である場合〜
・両親
3万〜10万円
・兄弟姉妹
3万〜5万円
・祖父母
1万円
・叔父や叔母
1万円
・甥や姪
1万〜3万円
・いとこ及びその他の親戚
3千〜1万円
〜故人との関係性が「友人」である場合〜
・友人
5千円
・友人の両親
3千〜5千円
・教師及び恩師
3千〜5千円
・子供の先生
0〜5千円
・隣近所
3千〜5千円
〜故人との関係性が「職場の仲間」である場合〜
・上司
5千円
・上司の家族
3千〜5千円
・「同僚」「部下」「後輩」
5千円
・「同僚」「部下」「後輩」の家族
3千〜5千円
参列者が30代である時の香典相場
〜故人との関係性が「親戚同士」である場合〜
・両親
5万〜10万円
・兄弟姉妹
3万〜5万円
・祖父母
1万〜3万円
・叔父や叔母
1万〜3万円
・甥や姪
1万〜5万円
・いとこ及びその他の親戚
3千〜2万円
〜故人との関係性が「友人」である場合〜
・友人
5千円〜1万円
・友人の両親
3千〜1万円
・教師及び恩師
3千〜1万円
・子供の先生
0〜5千円
・隣近所
3千〜1万円
〜故人との関係性が「職場の仲間」である場合〜
・上司
5千円〜1万円
・上司の家族
3千〜1万円
・「同僚」「部下」「後輩」
5千円〜1万円
・「同僚」「部下」「後輩」の家族
3千〜1万円
参列者が40代である時の香典相場
〜故人との関係性が「親戚同士」である場合〜
・両親
10万円〜
・兄弟姉妹
5万円〜
・祖父母
3万〜5万円
・叔父や叔母
1万〜3万円
・甥や姪
1万〜5万円
・いとこ及びその他の親戚
3千〜3万円
〜故人との関係性が「友人」である場合〜
・友人
5千円〜1万円
・友人の両親
3千〜1万円
・教師及び恩師
3千〜1万円
・子供の先生
0〜5千円
・隣近所
3千〜1万円
〜故人との関係性が「職場の仲間」である場合〜
・上司
5千〜2万円
・上司の家族
5千円〜1万円
・「同僚」「部下」「後輩」
1万円〜
・「同僚」「部下」「後輩」の家族
3千〜1万円
上記のように、参列者の年齢が高い場合や故人との血縁が近しいほど香典の額は高くなる傾向にあります。
義理の両親や兄弟姉妹であっても、同じような相場で考えれば問題ないでしょう。
香典を包まなくてよい場合
ただし、親戚であっても全く交流が無いような方の場合は、必ずしも香典を包まなくても大丈夫です。
隣近所も同様で、現代では近所付き合いが少ないことも十分考えられます。
そのため、そうした故人との関係性の深さを考慮して包むかどうかを決めましょう。
相場よりも多くお渡しする場合
場合によっては、上記の相場よりも多めにお渡しすることがあるかと思います。
そこには「故人との関係が深かったので」「喪主の負担を少しでも減らしたい」など、様々な思いがあるでしょう。
それ自体は問題ありません。しかし、相場よりあまりにも多い金額では逆にご遺族が気を遣ってしまうため、その辺りも考慮しましょう。
法事・法要での香典
ちなみに、これ以降に行う「四十九日法要」「各種年忌法要」では香典の金額は多少変動します。
一回忌と三回忌は比較的行われることが多いですが、身内だけで済ませることも増えるため親族以外の参列者は減るのが一般的。
それを考慮して、参列した際には少し多めにお渡しすることもあります。七回忌以降は、外部の者が参列することはほぼ無いでしょう。
香典の相場もここからはどんどん下がっていきます。
法事・法要の香典相場
法事・法要の具体的な相場は、5,000円から30,000円です。葬儀の相場と同様に、故人との関係性によって金額が変わります。
法事・法要の香典金額ついては下記記事もご参考ください。
・意外と相場がわからない!一周忌の香典の相場やマナーを完全解説!
・三回忌のお布施を完全解説!金額相場・書き方・渡し方・喪主・参列者のマナーを紹介!
・七回忌とは?意味とお布施・香典の相場と出席マナーを解説!
香典を辞退された時のマナー
香典を受け取ったご遺族は、参列者の方に香典返しの品を渡さなくてはいけません。
>>香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!
当然参列者の人数が増えるほど香典返しに使う金額も大きくなるため、その負担を減らすためにご遺族が香典を辞退するということも考えられます。
そうした事情も考慮し、香典を辞退されたら無理にお渡しすることは避けましょう。
ここでお渡ししてしまうと逆にご遺族の負担となる場合があります。
もしそれでも何か気持ちを表したい場合は、花を贈ったりお菓子や線香などをお供えすると良いでしょう。
>>線香とは?身近だけど意外と知らない線香の種類や選び方、供える際の作法まで徹底解説!
葬式の香典袋についてのまとめ
以上が葬式の香典に関する内容です。最後にもう一度、ご説明した内容を確認していきましょう。
・香典とは、通夜や葬儀・告別式の際にお供えする金品のこと。
-「香料」とも呼ばれることがあり、花や線香などの代わりに故人へとお供えされる。場合によっては、花やお供え物などの物品そのものを持参する場合もある。
・香典袋は、上記の香典を包むための袋のこと。
-「不祝儀袋」とも呼ばれており、葬式関係で香典などをお渡しする時には基本的にこの袋を使用する。
・水引にはいくつかの種類があり、包む金額や故人の宗教によって変える必要がある。
-仏式の場合は「黒白」あるいは「双銀」の結び切りを使う。
-包む金額が5,000円以上になる場合は、実物の水引がかかっている香典袋で包むのが一般的。
-神式の場合は「黒白」あるいは「双銀」「双白」の結び切りを使う。
-キリスト教式の場合は基本的に水引をつけない。つけるとすれば「黒白」の結び切りにしておく。
・香典袋の柄には多少の違いがあり、宗教ごとで使い分ける必要がある。
-仏式の場合は「白無地」あるいは「蓮の絵柄」が描かれた香典袋を使う。
-神式の場合は「白無地」の香典袋を使い、キリスト教式の場合は「白無地」あるいは「十字架」「百合」が印刷された香典袋を使うのが一般的。
・香典袋には表書きは「薄墨の筆書き」で書くのが一般的。
-なぜなら薄墨は「突然の訃報を受け、悲しみによって文字が涙で滲んでしまった」という様子を表現しているため。
-どうしても薄墨の筆ペンなどを準備できなければ、すでに表書きが印字されている香典袋を購入する。
・お金を香典袋に包む時にはいくつかのマナーに気をつける。
-気をつけるべきは「香典袋に包むお札として新札とピン札は使わない」「お札の枚数が偶数になるのは避ける。
-また『死=4』『苦=9』という連想をさせるため、4枚と9枚も避ける」という点。
・香典袋をお渡しする時は「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる入れ物や布に包むのが一般的。
・袱紗には2種類あり、「慶事用」「弔事用」に分かれている。
-慶事用の袱紗では「赤」「オレンジ」「ピンク」「朱色」などの明るい色の物を使い、反対に弔事用の袱紗では「灰色」「青色」「緑色」「紫色」「藍色」「紺色」などの暗い色の物を使う。
-「紫色」の袱紗はどちらの場合でも使える。
・袱紗を包む時は、まず袱紗をひし形に広げ、真ん中よりも少し右側に香典袋を置く。
-そして右→下→上→左の順番で包む。左から包むと慶事用になってしまうので注意。
・基本的に香典は、通夜・葬儀・告別式の中で自分が一番初めに参列する儀式の時にお渡しする。
-仕事の都合などで「通夜には参列できない」という場合は、自分が初めに参列したタイミングで香典をお渡しする。
・表書きは「香典袋にある水引の上部」に書く。
-水引の下部には自分の名前を書いておく。
-この表書きは宗教によって言葉を変える必要がある。
-仏式の場合は「御霊前」「御香典」「御悔」「御香料」などの表書きを使うことが多い。
-神式の場合は「御霊前」「御榊料」「玉串料」「御玉串料」「神饌料」「御饌料」などを表書きとして使い、
-キリスト教式の場合は「献花料」「御花料」「御花代」などの表書きを使うのが一般的。
・中袋にお札を入れる時は、香典袋を開けた時にお札の肖像画が見えないようにするため、肖像画が書いてある面を下に向け、さらに肖像画が書いてある側が袋の底に来るようにして包む。
・葬式での香典相場は参列者の年齢や故人との関係性によっても変わる。
-基本的には参列者の年齢が高い場合や故人との血縁が近しいほど香典の額は高くなるのが一般的。
・ご遺族が香典を辞退した場合は無理にお渡しすることは避ける。
「香典をお渡しする」というのは、故人を偲ぶ気持ちを表現するための大切な機会。
包む金額はもちろん、お渡しする時の所作も含めてその思いはご遺族にきっと伝わります。
だからこそ細かい部分にまで気を配り、最後まで気持ち良く故人をお見送りできるよう、こうした基本的な知識は覚えておきましょう。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール