告別式とは?知っておくべき遺族側・参列者側必読のマナー!
「お通夜」「葬儀」「告別式」はともに、亡くなった人を見送る儀式であることはわかっていても、それぞれの違いや意味がわかる人は少ないかもしれません。その中から今回は、「告別式」にスポットを当てて詳しく説明していきます。
告別式とは?(告別式の意味)
はじめに、お通夜や葬儀との違いを含め、告別式の意味を説明します。
葬儀の流れ
まず、「葬儀」とは、2日間にわたっておこなわれるお別れの儀式全体を指す言葉であると同時に、お通夜の翌日おこなわれる「葬儀式」のことも指します。
一般的に葬儀は、1日目=お通夜、2日目=葬儀・告別式で構成されています。
1日目は「お通夜」
このうち1日目におこなわれるお通夜は、家族や親族、友人などの身近な人たちが、ろうそくの火を絶やさずに故人とともに夜を過ごして、故人を偲ぶ儀式です。2日目の葬儀・告別式は昼間に開催され、一般の弔問客も参列します。
ただし、近年ではお通夜は、仕事関係者や近所の人も参加しやすいよう、一般的な仕事の就業後である18時~19時頃にはじまるのが通例です。
お通夜については下記記事もご参考ください。
・お通夜のタイミングはいつ?お通夜のタイミングの決め方からお通夜のマナーまで完全解説!
・お通夜のマナーとは? 服装や香典マナー、流れを喪主側参列者側で徹底解説!
2日目は「葬儀式」と「告別式」
2日目は本来、「葬儀式」と「告別式」の2つの儀式から成ります。「葬儀式」とは、家族や親族のみで、故人の冥福を祈り、見送る儀式です。一方の「告別式」は、知人や友人、会社関係者、近所の住人などを含めた一般の弔問客も一緒に、故人を見送る儀式です。
ただし、現在では「葬儀式」と「告別式」を区別することなく、一連の流れとしておこなわれることが増えています。
そうしたスタイルが定着していく過程で、一般の弔問客は、お通夜か告別式のいずれかに参列することが慣例化してきました。
いずれか一方となると、平日だと日中の参列が難しいという人も多いため、お通夜への参列を選ぶ人が多数派です。そのため、家族や親族は告別式で故人をゆっくりと偲ぶ場合が多いようです。
葬儀・告別式については下記記事もご参考ください。
・今更聞けない葬儀・告別式のマナーと費用を地域別に徹底解説!
・御葬式とは?意外と知らない御葬式のマナーや流れ、お通夜・葬儀・告別式の違いまで完全解説!
告別式を行う場所
告別式を行う斎場は、葬儀場やセレモニーホールと呼ばれる場所です。告別式の後は火葬を行う必要があるので、利便性を考えてできるだけ火葬場から近い場所を選ぶのがおすすめです。
告別式の基礎知識
先に述べた通り、告別式は、遺族だけでなく、故人と親しかった人なども含めて最期のお別れをする儀式で、社会的な意味を持ちます。そのため、原則として誰でも参列可能です。
たとえば、「ここ数年はお会いできていないけど、今でも恩を感じている」といった場合でも、告別式に参列させてもらえます。また、遠縁であまり付き合いがない場合も、親族であるなら可能な限り参列することが望ましいでしょう。
告別式の歴史
告別式の由来は、昔行われていた「野辺送り」です。野辺送りは、お寺や火葬場まで参列者で見送りをすることです。野辺送りが現在の告別式となったのです。
告別式の知っておくべき流れとマナー(遺族側)
葬儀・告別式前に準備すべきこと
葬儀・告別式は、通常、お通夜の翌日におこなわれます。そのため、お通夜が終わったら、喪主や世話役は、葬儀担当者をまじえて、葬儀・告別式の打ち合わせをする必要があります。
打ち合わせが必要なこととしては、以下のようなことが挙げられます。
葬儀についての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。『やさしいお葬式』では葬儀の見積もり、遺影写真、参列者のリストアップなど事前準備をおすすめしています。葬儀の作法や服装などについてもご相談できます。
葬儀・告別式の当日の流れ
葬儀・告別式は午前中にスタートすることが多いです。今回は、一般的な開始時間である11時スタートに設定して、葬儀・告別式がある日の一日の流れをご説明します。
遺族・親族は、葬儀開始の1時間前に集合します。集合後は、葬儀担当者と段取りの最終確認、受付準備をおこない、会葬礼状、会葬御礼品を用意します。また、弔辞や弔電の名前、読み上げる順番についても確認しましょう。
>>会葬礼状とは?意味と必要なケースと例文一覧!
葬儀・告別式の弔問客は、開始時間の30分程前までに受付を済ませるのが一般的。遺族・親族も、葬儀開始の15~20分前には着席できるように受付をすすめましょう。
>>弔問とは?意外と知らない弔問の注意点とマナーを徹底解説!
僧侶が入場したら、司会者の案内で葬儀・告別式が開式となります。
僧侶による読経および弔事・弔電の紹介がおこなわれます。
はじめに僧侶が焼香します。その後、喪主、遺族、一般弔問客の順番で焼香をおこないます。焼香の際に注意すべき点は、「喪主は遺族に対して礼をしない」ということ。この点は一般弔問客のマナーと異なりますので覚えておきましょう。
>>焼香とは?よく聞くけど以外と知らない焼香の意味や種類、宗派ごとにことなる焼香の作法まで完全解説!
焼香が終わったら、僧侶の退場を合掌して見送ります。僧侶が退場し終わると、司会者が閉式を宣言。その後、出棺の準備をおこないます。出棺準備中、一般参列者は式場の外などで待機しています。この間に、遺族は生花で故人のまわりを飾りながら最期のお別れをします。生花を飾り終わったら、棺に蓋をして、喪主から順番に棺にくぎ打ちします。釘打ちが終わったら、遺族や親族で棺を運んで、寝台車に乗せます。
>>出棺の挨拶のポイントは?出棺の挨拶のポイントから出棺のマナーまで徹底解説!
火葬場に到着したら、「納めの式(おさめのしき)」をおこないます。納めの式とは、火葬炉の前でおこなう最期のお別れのこと。僧侶が同行している場合には読経をお願いして、遺族は焼香をおこないます。火葬時間は約1時間。その間、遺族および同行者は控室でしばらく待機となります。
>>火葬するには火葬許可証が必要!発行の流れや再発行について解説
火葬が終わったら、遺骨を骨壺に納める「骨上げ(こつあげ)」をおこないます。この際、足から順番に箸で骨を拾って骨壺に納めていきます。また、拾う順番は、最初が喪主で、血縁が深い順に後に続きます。骨上げが終わったら、骨壺および「埋葬許可証」を受け取ります。埋葬許可証は納骨時に必要となるものなので、無くさないように大切に保管しておくことが必要です。
>>埋葬許可証の意味とは?発行から提出までの流れや紛失時の対処法を解説
骨上げが終わったら、斎場または自宅で還骨法要(かんこつほうよう)をおこないます。法要の内容は、僧侶による読経および焼香となります。また、現代では、列席者のスケジュールを合わせることが難しいため、還骨法要と同時に初七日法要をおこなう場合も多くなっています。
>>初七日とは?意味・数え方・お供え・お経・知っておきたい常識とマナー
還骨法要が終わったら、僧侶やお世話になった方たちとともに「精進落とし(しょうじんおとし)」の会食をおこないます。会食のはじめと終わりには、喪主があいさつします。はじめの挨拶では、式が滞りなく済んだことに対する感謝を述べ、精進落とし後には、改めてお世話になったお礼を述べましょう。
告別式の知っておくべき流れとマナー(参列者側)
一般弔問客として葬儀・告別式に参列する場合は、開式から閉式までの参列となります。所要時間は1時間半程度。葬儀・告別式の開始を11:00と設定した場合の流れとマナーを以下に紹介します。
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葬儀・告別式の受付は、開式の30分程前までに済ませるのが理想です。式がはじまる直前に慌ただしく滑りこむことのないようにして、開式の15分前までには着席しましょう。また、受付では香典を渡します。前日にお通夜にも出席していて既に渡している場合や、急ぎで用意できなかった場合は、記帳のみで問題ありません。
告別式がはじまると僧侶が入場してきます。その間、数珠を手にして心静かに待ちます。僧侶が入場したら、司会者が開式のあいさつを述べます。
僧侶による読経および弔事・弔電の紹介がおこなわれます。
はじめに僧侶が焼香します。その後、喪主、遺族、一般弔問客の順番で焼香をおこないます。焼香の所要時間は参列人数に左右されるため、長引く場合もあります。
>>焼香とは?よく聞くけど以外と知らない焼香の意味や種類、宗派ごとにことなる焼香の作法まで完全解説!
焼香が終わったら、僧侶の退場を合掌して見送ります。僧侶が退場し終わると、司会者が閉式を宣言。その後、遺族および親族は出棺の準備をおこなうので、この間、一般弔問客は式場の外などで待機することになります。遺族と親族が最期のお別れを終え、棺に蓋をしたら、遺族と親族によって棺が寝台車まで運ばれるので、一般弔問客はそれを見守ります。
>>出棺の挨拶のポイントは?出棺の挨拶のポイントから出棺のマナーまで徹底解説!
告別式の服装・持ち物(遺族側)
葬儀・告別式における遺族の喪服は、男性は洋装が多く、女性は洋装と和装の割合が同じくらいです。和装または洋装によって格の違いはないので、用意しやすいもの、着慣れているものを選んで問題ありません。
男性の喪服
洋装の場合、ビジネススーツではない、ブラックスーツを着用します。シャツは白無地、ネクタイは光沢のない黒無地のものを選びましょう。靴および靴下は黒。ネクタイピンやポケットチーフなどの装飾品は使用しません。時計やアクセサリー類も外しましょう。カフスボタンをつける場合、黒石のものを選んでください。
女性の喪服
洋装の場合、黒無地の光沢がない生地のワンピースまたはスーツを着用します。中に着用するブラウスは襟元が詰まったものを選び、スカートは、正座した際に膝が隠れるくらいの丈のものを選んでください。ストッキングは、肌がうっすらと透ける厚さの黒。厚手素材のタイツはNGなので、冬場などで寒い場合は、ヌーディカラーの厚手のタイツを履き、その上から薄手の黒のストッキングを重ね履きしましょう。靴も黒。光沢のない素材のものを選びましょう。
和装の場合は、黒無地の着物を着用します。足袋は白、帯は黒を選びます。
喪服については下記記事もご参考ください。
・ユニクロで喪服を用意できる?ユニクロで喪服を用意する際のメリットやデメリット、注文方法を完全解説!
・急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!
・お通夜のマナーとは? 服装や香典マナー、流れを喪主側参列者側で徹底解説!
学生・子どもの喪服
学生は、制服を喪服として着用できます。制服がない場合は、黒や紺などの地味な色の洋服を着用します。柄が入ったものやフリルなどのデザインは避け、シンプルなものを選びましょう。靴は、黒や紺などの地味な色のもの。靴下は、白か黒でくるぶし丈のものがいいでしょう。新生児の場合、肌色や薄いピンクなど控えめな色のものを着せましょう。
喪服を持っていない場合
喪服を持っていない場合、急なことで用意する時間がない場合は、葬儀屋からレンタルすることも視野に入れるといいでしょう。喪服のレンタル代相場は1万円~2万円程度ですが、レンタルをおこなっていない葬儀屋もあるので、まずは先方に確認してみてください。
アクセサリーに関して
男女ともに結婚指輪と婚約指輪以外のアクセサリーはつけないのが基本ですが、洋装の場合、真珠のアクセサリーならつけてもいいとされています。ただし、ネックレスをつける場合は、不幸が重なることを連想させる二連のデザインはNG。必ず、一連のタイプを着用するようにしてください。真珠の色は、白または黒、黒に近いグレーなら問題ありません。
ちなみに、なぜ真珠のアクセサリーならOKかというと、真珠は昔から、涙の象徴とされているため。亡くなった人を弔う場に適した宝石であるということです。
また、和装の場合は、結婚指輪と婚約指輪以外のアクセサリーの着用は不可とされています。
持ち物に関して
・数珠
自分の宗派にあった数珠で構いません。信仰している宗派がない場合は、どの宗派でも使用OKとされる略式の数珠を用意しましょう。
・バッグ
光沢のない生地でシンプルなデザインのバッグを持ちます。サイズは小ぶりで、ショルダーやトートは避けるのが基本。金具や装飾が派手なものも避けましょう。
・ハンカチ
白無地のものが望ましいですが、持っていない場合、色物や派手なデザインのものを避けてシンプルなものを持ちましょう。
・メモ帳および筆記具
喪主や世話係の場合は特に、葬儀屋との打ち合わせの際などにメモが必要になることがあります。
告別式の服装・持ち物(参列者側)
葬儀・告別式における一般弔問客の服装は、基本的には遺族同様喪服ですが、急なことで用意する時間がなかった場合などは、地味な服装であれば平服でも構わないとされています。
反対に、和装の正喪服などをまとって、遺族より格が上になってしまうのは厳禁ですので注意が必要です。
男性の喪服
ビジネススーツではない、ブラックスーツを着用します。シャツは白無地、ネクタイは光沢のない黒無地のものを選びましょう。靴および靴下は黒。ネクタイピンやポケットチーフなどの装飾品は使用しません。時計やアクセサリー類も外しましょう。カフスボタンをつける場合、黒石のものを選んでください。
女性の喪服
黒無地の光沢がない生地のワンピースまたはスーツを着用します。中に着用するブラウスは襟元が詰まったものを選び、スカートは、正座した際に膝が隠れるくらいの丈のものを選んでください。ストッキングは、肌がうっすらと透ける厚さの黒が望ましく、厚手素材のタイツは避けた方が良いでしょう。冬場などで寒い場合は、ヌーディカラーの厚手のタイツを履き、その上から薄手の黒のストッキングを重ね履きしましょう。靴も黒色、光沢のない素材のものを選びましょう。
学生・子どもの喪服
学生は、制服を喪服として着用できます。制服がない場合は、黒や紺などの地味な色の洋服を着用します。柄が入ったものやフリルなどのデザインは避け、シンプルなものを選びましょう。靴は黒や紺などの地味な色のもの。靴下は白か黒でくるぶし丈のものがいいでしょう。新生児の場合、肌色や薄いピンクなど控えめな色のものを着せましょう。
アクセサリーに関して
男女ともに結婚指輪と婚約指輪以外のアクセサリーはつけないのが基本ですが、洋装の場合、真珠のアクセサリーならつけてもいいとされています。ただし、ネックレスをつける場合は、不幸が重なることを連想させる二連のデザインはNG。必ず一連のタイプを着用するようにしてください。真珠の色は、白または黒、黒に近いグレーなら問題ありません。
持ち物に関して
・香典
ただし、お通夜などで既に渡している場合は必要ありません。
香典については下記記事もご参考ください。
・香典金額の相場を完全解説!地域別の金額・書き方・包み方・渡し方も紹介!
・葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!
・香典を完全解説!意味・歴史・金額相場・書き方・包み方・渡し方を解説!
・袱紗(ふくさ)
香典を持参する際は、袱紗に包んでいくのがマナーです。どうしても用意できない場合は、ハンカチや風呂敷などで代用します。ただし、最近はコンビニや100均でも売られているので、急な場合でも手に入りやすいです。
・名刺
遺族に、自分と故人との関係性を伝えたいときなどに便利です。香典に添えて渡すと、後々、遺族側も確認しやすく助かります。
・数珠
自分の宗派にあった数珠で構いません。信仰している宗派がない場合は、どの宗派でも使用OKとされる略式の数珠を用意しましょう。
・バッグ
光沢のない生地でシンプルなデザインのバッグを持ちます。サイズは小ぶりで、ショルダーやトートは避けるのが基本。金具や装飾が派手なものも避けましょう。
・ハンカチ
白無地のものが望ましいですが、持っていない場合、色物や派手なデザインのものを避けてシンプルなものを持ちましょう。
・替えのストッキング
女性の場合、あると安心なのが替えのストッキング。伝線した際は焦らずトイレで履き替えましょう。
・エプロン
故人への恩返しのためにも遺族を手伝いたい気持ちがあるなら、エプロンや割烹着を用意しておくと、お茶出しなどの手伝いを申し出やすくなるでしょう。また、面識がない遺族が多い場合も、エプロンをつけていれば、お手伝いしているのだとわかってもらいやすいですよ。ただし、エプロンの色は白か黒にしましょう。
告別式の参列をおこなう際に必要な準備
葬儀・告別式に着ていくもの、持っていくものの準備ができたら、忘れ物がないか今一度確認しましょう。その際、併せて確認したいのがニオイ。葬儀・告別式の場では香水の香りはタブーとされるため、前日に、スーツに染みついた香りに気づいた場合などは、風通しのよい場所に干してニオイを飛ばしてください。
葬儀・告別式の直前には、携帯電話や時計など、音が出るものがマナーモードになっているか確認することも大切。本番中に音が鳴ってしまうと周りに迷惑をかけますし、なにより、厳粛な雰囲気が壊れて台無しです。アラームなどの設定も改めて確認しましょう。
弔事のマナーについては下記記事もご参考ください。
・知っておきたい家族葬と一般葬との違いとは?費用と参列基準とマナーについて
・お通夜のタイミングはいつ?お通夜のタイミングの決め方からお通夜のマナーまで完全解説!
・御葬式とは?意外と知らない御葬式のマナーや流れ、お通夜・葬儀・告別式の違いまで完全解説!
告別式に参列する際の注意点
遅刻した場合
葬儀・告別式に遅刻することはマナー違反ですが、仕事の都合や交通状況によってはやむを得ない場合もあるでしょう。
万が一遅刻した場合、まずは遅れたことを会場の係員にお詫びします。係員が近くにいない場合は、慌てて探し回ることなく落ち着いて係員を探して、途中からでも参列できそうかどうかを尋ね、参列できそうであれば、タイミングを見計らって式場へ案内してもらいましょう。
香典を渡せなかった場合
遅刻して香典を渡し損ねた場合は、香典は後日渡すようにしましょう。出棺やそれに伴う会場への移動などでバタバタしているときに渡すと、かえって迷惑をかけてしまうことになりかねません。日を改めて喪主の自宅に伺うか、遠方に住んでいて気軽に尋ねることができない場合は、現金書留で喪主宛てに郵送しましょう。
>>お通夜の開始時間と所要時間は?流れ・遅刻する場合の対応方法!
受付の手伝いを頼まれた場合
葬儀・告別式の受付の手伝いを頼まれたら、受付がはじまる1時間くらい前に集合して、準備に参加しましょう。また、遅刻する人がいる場合を想定して、葬儀・告別式がはじまってからも受付できるようにしておく場合、受付担当者は先にお焼香を済ませておくこともあります。
受付の仕事
受付の仕事は、おおまかに以下のようなことだということを覚えておきましょう。
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- ・参列者に記帳をお願いする
- ・香典を受け取る
- ・返礼品の用意がある場合、一人ひとりに返礼品を渡す
- ・会場へ案内する
- ・香典を会計係に渡す
その他、トイレの場所などを尋ねられることもあるので、開始前に場所を確認しておきましょう。
受付の業務については下記記事もご参考ください。
・葬儀の受付を頼まれたら?葬儀の受付の流れから注意点まで完全解説!
・あなたもお願いされるかもしれない。お葬式の受付係について紹介します!
使ってはいけない言葉
受付の際、遺族にお悔やみの言葉を述べるのはマナーですが、その際、告別式の場にふさわしくない「忌み言葉」をうっかり使ってしまわないよう注意が必要です。代表的な忌み言葉には以下のようなものがあります。
不吉とされる言葉
・消える:死ぬことを連想させるため
・大変:苦労を連想させるため
・落ちる:不幸に陥ることなどを連想させるため
・4、9:「死」や「苦しみ」を連想させるため
※葬儀社の駐車場にはこの数字の使用を避けている場所もございます。
重ね言葉(不幸が重なることを連想させる言葉)
・重ね重ね
・くれぐれ
・重々
・たびたび
・いよいよ
・ますます
生死に関する直接的な表現
・死ぬ
・死亡
・急死
私語は控える
告別式に限らず弔事では私語はできるだけ控えましょう。参列者同士の会話はもちろん、遺族へ不必要に頻繁に話しかけるのは控えるべきです。
遺族に死亡理由を尋ねる
私語と同様に、ご遺族へ死亡理由を尋ねることも止めましょう。もし、声を掛けるのであれば短時間で手短に済ませます。
お悔やみの言葉については下記記事もご参考ください。
・「お悔やみ申し上げます」の正しい意味は?「ご愁傷さまです」との違いや伝える際の注意点を徹底解説!
・亡くなったときにかける言葉は?お悔やみの言葉の基本から注意点まで徹底解説!
・本当にいいの?お悔やみの言葉をメールで送る際の注意点を徹底解説!
通夜振る舞いを断るのはNG
会食である通夜振る舞いに誘われた場合は、参加するのがマナーです。時間が無い場合でも一口でも良いので口を付けましょう。
告別式をスムーズにおこなうためのポイント
葬儀・告別式は、初めてのことで何をすればいいかわからない、どう振る舞えばいいかわからないとい人も多いはず。そのため、当日あたふたすることがないよう、事前に開式から閉式までの流れなどについて調べておくといいでしょう。
それでもわからないことがあれば、年配の親族や葬儀屋などに質問しましょう。誰しも初めてのことはわからないものなので、わからないことを恥ずかしがる必要はありません。故人に安心して旅立ってもらうためにも、しっかりと準備を進めることが大事です。
焼香の作法
ちなみに、「わからないこと」の筆頭として挙げられがちなのが焼香になります。
焼香の際は、左手に数珠を持ち、右手の親指・人差し指・中指の3本の指で抹香(まっこう)をつまみ、目の高さまで持ちます。この動作を「おしいただく」といいますが、おしいただきの動作の後、指をこすりながら抹香を香炉の中に落とすことを1~3回繰り返すのが一般的です。
また、焼香には「立礼焼香(りつれいしょうこう)」「座礼焼香(ざれいしょうこう)」「回し焼香(まわししょうこう)」の3種類があり、どのスタイルで焼香をおこなうかは、葬儀場の規模や様式によって異なりますが、この機会に3種類の作法を覚えておきましょう。
立礼焼香
椅子式の式場でおこなわれることが多い焼香です。
-
- ①焼香の順番になったら、祭壇に進み、祭壇の前で参列者の方を向いて一礼します
- ②焼香台の手前で、遺族や祭壇を見て一礼します
- ③抹香をつまみ、香炉の中に落とします
- ④宗派の作法にならって、③を1~3回繰り返します
- ⑤改めて遺影に向かって合掌。一礼します
- ⑥遺影の方を向いたまま2、3歩下がり、遺族に一礼した後、席に戻ります
座礼焼香
畳敷きの式場でおこなわれることが多い焼香です。基本的な順序は立礼焼香と同じです。
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- ①焼香の順番になったら前に進み、焼香台の手前で、腰を落とした状態で遺族に一礼します
- ②祭壇の遺影に向かって一礼します
- ③腰を落としたまま、膝で焼香台まで進んで合掌します
- ④抹香をつまんで、香炉の中に落とします
- ⑤宗派の作法にならって、④を1~3回繰り返します
- ⑥合掌します
- ⑦祭壇前から下がって、遺族に一礼してから、立ち上がって元の場所に戻ります
回し焼香
会場が狭い場合などは、列席者一人ひとりが順番に祭壇前に向かうのではなく、焼香炉が回ってくる場合があります。焼香炉が回ってきたら、畳敷きの会場の場合は、自分の前に置き、その場で焼香を終えたら隣の人に回します。椅子式の会場の場合は、自分の膝の上に乗せた状態で同じことをおこないます。
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- ①隣の人から香炉が回ってきたら、軽く礼をして受け取ります
- ②香炉を自分の前に置いた状態で、祭壇に向かって合掌します
- ③抹香をつまみ、焼香炉に落とします
- ④宗派の作法にならって、③を1~3回繰り返します
- ⑤合掌してから一礼します
- ⑥反対隣の人に香炉を回します
抹香をつまみ、おしいただき、落とすという基本的な作法の回数は、ほとんどの場合1回もしくは3回なので、前の人の真似をすれば問題ありません。
宗派ごとの焼香の方法
ただし、前の人が間違えると、間違いに倣ってしまう可能性もあるので、宗派ごとの違いを覚えておくのもいいかもしれません。
真言宗:おしいただき、3回おこなう。
日蓮宗:おしいただき、1回または3回おこなう。
日蓮正宗:おしいただき、3回または1回おこなう。
臨済宗:おしいただき、1回おこなう。※おしいただかなくてもよい。
浄土真宗:おしいただき、1回おこなう。
曹洞宗:2回おこなうが、1回目はおしいただき、2回目はおしいただかない。
浄土宗:回数に決まりはなし。
天台宗:回数および作法に決まりはなし。おしいただくかどうかも参列者の自由。
焼香については下記記事もご参考ください。
・焼香とは?よく聞くけど以外と知らない焼香の意味や種類、宗派ごとにことなる焼香の作法まで完全解説!
告別式参列を会社に伝える際の伝え方
夕方以降におこなわれるお通夜はともかく、日中におこなわれる葬儀・告別式に参列するとなると、会社を休まなければならない場合があります。葬儀・告別式で会社を休む場合、一般的には忌引き休暇をとることになりますが、忌引き休暇で取得できる休暇日数は故人との関係にもよるので、まずは、誰の葬儀・告別式に参列するかを伝えましょう。
会社への連絡
会社への連絡は、メールではなく電話でおこないます。夜遅い時間などで電話するのが憚られる場合は、一度メールで連絡を入れておき、翌日に改めて電話するといいでしょう。連絡先は、直属の上司が基本。人事部が一括で休暇管理をおこなっている場合でも、上司には直接連絡を入れることが必要です。
なぜなら、業務の引継ぎ作業が必要だから。やむを得ない理由だからこそ、自分の担当業務が滞って誰かに迷惑をかけることがないよう、仕事の内容を把握している上司に連絡を入れ、トラブル発生を事前に防ぐことが大切です。
忌引き休暇
連絡の際には、何日間休むことができるかも確認しましょう。一般的には、配偶者が亡くなった場合は10日間、親が亡くなった場合は7日間、子どもが亡くなった場合は5日間、祖父母が亡くなった場合は3日間であることが多いですが、会社によって異なる場合もあります。
また、休暇スタートの日を亡くなった日にするか、亡くなった翌日にするかも、会社によって異なります。何日休むかを自分で決めることはできないので、必ず会社に確認しましょう。
忌引き休暇については下記記事もご参考ください。
・忌引とは?忌引の意味から気になる休暇の申請方法とマナーまで徹底解説!
・忌引休暇とは?突然の訃報に、忌引休暇で対応するための方法や忌引休暇の一般的な期間を完全解説!
・祖母の葬式には参列すべき?祖母の葬儀に参列する際の注意点や香典相場から忌引について徹底解説!
よくある質問
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香典の相場はどのくらい?
- 香典の額は、故人との関係の深さ、年齢や社会的な地位などによっても異なりますが、一般的には、故人が両親の場合は3万円~10万円、祖父母のばあいは1万円~5万円とされています。また、2万円、4万円などの割り切れる数はタブー。どうしても2万円を包みたい場合は、1万円札1枚、5,000円札2枚にするなどします。
- 香典相場については下記記事もご参考ください。
・香典の相場を完全解説!故人との関係別・書き方・包み方・渡し方も紹介!
・香典を完全解説!意味・歴史・金額相場・書き方・包み方・渡し方を解説!
・ 3分で分かる法事のお金の相場(香典・お布施):お金の入れ方と袋の書き方!
香典には古いお札を使用する
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風邪や花粉症の場合、マスクはしていていい?
- 特に風邪の場合、周りの人に移さないためにもマスクの着用は望ましいとされます。しかし、焼香のタイミングだけは、必ずマスクを外しましょう。焼香に立つ前と席に戻った後はマスクをしたままで構いません。
※昨今のコロナウイルスなどへの対応は「マスクをしたままでも止むを得ない」と判断できます。
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お供え物はしてもいい?
- 香典と合わせて、故人が好きだったものを贈りたいと思うこともあるでしょう。その場合、遺族に迷惑をかけないよう、賞味期限が短いものはなるべく避けてください。
供物については下記記事もご参考ください。
・供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!
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お通夜と葬儀・告別式の両方とも出てもいい?
- もちろん、両方とも参列してもまったく問題はありません。故人を偲ぶ気持ちを大切にして、しっかりとお見送りしてあげましょう。
告別式についてのまとめ
「告別式」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【告別式とは?】
●遺族だけでなく、故人と親しかった人なども含めて最期のお別れをする儀式
●原則として誰でも参列可能です
●遠縁であまり付き合いがない場合も、親族であるなら可能な限り参列することが望ましい
【葬儀・告別式の流れ】
①喪主・遺族集合
②受付開始
③葬儀・告別式開始
④読経、弔辞・弔電の奉読
⑤焼香
⑥閉式・出棺
⑦火葬
⑧骨上げ
⑨還骨法要・初七日法要
⑩精進落とし
【告別式の服装・持ち物】
●遺族側
-男性、女性は喪服
-数珠
-バッグ
-ハンカチ
-メモ帳および筆記具
●参列者側
-香典
-袱紗(ふくさ)
-名刺
-数珠
-バッグ
-ハンカチ
-(必要があれば)替えのストッキング
-(必要があれば)エプロン
【告別式の注意点】
●遅刻して香典を渡し損ねた場合は、香典は後日渡すようにする
●日を改めて喪主の自宅に伺うか、遠方に住んでいて気軽に尋ねることができない場合は、現金書留で喪主宛てに郵送しましょう
●告別式の場にふさわしくない「忌み言葉」をうっかり使ってしまわないよう注意が必要
●焼香の方法が分からない場合は、前の人に合わせる
【香典の相場】
●一般的には、故人が両親の場合は3万円~10万円、祖父母のばあいは1万円~5万円
●2万円、4万円などの割り切れる数はタブー
お通夜や葬儀・告別式は、一生のうちに何度も経験することではないですし、宗派による違いもあり、戸惑う場面が出てくることもあるかもしれません。しかし、はじめからすべてのマナーを心得ている人などほとんどいないので、わからないことがあっても焦ったり恥ずかしがったりする必要はありません。
大切なのは、故人をしっかりお見送りしてあげたいと思う気持ちです。故人に安心して旅立ってもらうためにも、不明な点などがある場合は、みんなで教え合いながら、故人にも喜んでもらえるような告別式にしてあげられるといいですね。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール