葬式手配は故人が亡くなってすぐに行うのが得策です。理由は葬儀日程を決める上で葬儀場や火葬場の予約が必須な事と、行政手続きも代行してもらえるからです。ありがちな葬式会社とのトラブルも事前に注意点を知ることで回避可能に。本記事で全て解説します!
2021/7/26 情報更新
葬儀を行う上で、諸々の手配や手続きを行ってくれるのが葬儀屋/葬儀社です。
しかし、葬儀屋は実際に葬儀を行う時以外では関わることがないため何をしてくれるのか、どんな種類があるのかなど葬儀屋について知らないことはたくさんあると思います。
この記事では葬儀屋の手配方法や、葬儀屋を手配するタイミング、葬儀の流れや費用について詳しく解説していきます。
INDEX
葬儀屋/葬儀社とは?
葬儀屋/葬儀社とは、遺体の管理や葬式に関わることを取り仕切り、問題なく行えるように手配する会社のことです。
葬儀屋以外にも葬儀会社や葬儀店と呼ばれることがあります。葬儀を行うには特に資格などは必要ありません。
また、国や地方自治体への認可や届出も必要がありませんので、誰でも「葬儀屋」を名乗り営業することができます。
葬祭ディレクターとは?
しかし、平成7年に「葬祭ディレクター」という民間の資格が誕生しました。
葬祭ディレクターとは、「葬祭ディレクター技能審査協会」という民間の団体が認定する資格で、試験内容は厚生労働省が認定したものとなっています。
一級葬祭ディレクターの受験資格は「葬祭実務経験5年以上、または二級合格後2年以上の葬祭実務経験者」となっており、合格率は50〜60%です。
二級葬祭ディレクターの受験資格は「葬祭実務経験2年以上」となっており、合格率は70%となっております。
このように葬儀屋の中でも「葬祭ディレクターの資格」を持つ従業員が多い葬儀屋を選ぶと良いかもしれません。
葬祭ディレクターについては下記記事もご参考ください。
・葬祭ディレクターとは?資格取得の方法と費用・年収・将来性を徹底解説!
・3分で分かる新型コロナ・感染症で死亡した方のお葬式!1級葬祭ディレクター冨安氏が解説!
葬儀屋/葬儀社とは?
葬儀屋が行ってくれるサービスの中にはどのようなものがあるのでしょうか。
葬儀屋や契約するプランによって内容は異なりますが、メジャーなサービスは下記のようなものが挙げられます。
・遺体のケア(ドライアイス・エンバーミングなど)
>>エンバーミングとは?聞き馴染みのないエンバーミングについてその役割や方法、長所短所まで徹底解説!
・遺体の搬送
>>ご遺体の長距離搬送とは⁉︎長距離搬送を手配する方法・段取りについて
・遺体の安置、納棺
>>納棺とは?意味・流れ・入れるもの・マナーを完全解説!
・自宅の安置に必要なものの手配
>>故人様を預かる施設が足りない⁈都会のご安置所事情
・遺影の準備
>>遺影写真の原稿で悩まないようにするには
・僧侶の手配
>>寺院手配サービスとは⁉︎寺院(僧侶)を手配する方法とは?
僧侶派遣は『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。
・供花や供物の手配
>>供花の手配方法!供花の意味と費用相場と宗教ごとのマナーを紹介!
>>供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!
・斎場、火葬場の予約
>>斎場とはどんな場所?斎場の選び方・種類・火葬場との違いを目的別に完全解説!
>>火葬場の使用料金とは?地域で大きく違いのある火葬場の使用費について
・通夜、告別式の設営、司会進行
>>意外と知らないお通夜の流れとマナー
>>告別式とは?知っておくべき遺族側・参列者側必読のマナー!
・食事会などの料理の手配
>>おとき(お斎)とは?意味とマナーと香典相場を3分で解説!
・霊柩車やマイクロバスなどの手配
>>葬儀・葬式の心付けとは⁉火葬場や霊柩車の運転手などに渡していた心付けについて
・礼状、香典返しの手配
>>香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!
葬儀屋/葬儀社のタイプ
葬儀屋にはいくつかのタイプがあります。どのようなタイプがあるのかは下記の通りです。
・葬儀を専門として取り扱う葬儀屋/葬儀社
・互助会
>>知っておけば費用感がわかる「互助会の仕組み」とは?
・冠婚葬祭を取り扱う業者
>>冠婚葬祭にはどんな意味がある?それぞれの言葉の意味!
・葬儀に関わる仏壇やギフトなどを取り扱う業者
>>仏壇はどうやって処分すればよいの?仏壇を処分する方法や注意点を完全解説!
また、葬儀を専門に取り扱っていても自社で斎場を所有している会社もあれば、斎場をレンタルして葬儀の一連の流れを取り扱う業者もあります。
さらに、一般葬が得意な会社や社葬などの大規模の葬儀を強みにしている会社など、葬儀を専門に取り扱っていたとしても強みは会社ごとに異なりますので注意しましょう。
葬儀屋の役割とは?
①ご遺体の安置
葬儀屋の役割の一つ目は遺体の安置です。
病院で死亡が確認されたら、個人の遺体を霊安室から引き取り、移動させます。
遺族の自宅に運ぶ場合には、布団などに安置しドライアイスなどで保管します。斎場や葬儀屋で安置する場合には、専用の部屋で遺体を保管します。
②葬儀の手配
二つ目は、葬儀を手配することです。遺族と複数回の打ち合わせを行い、どのような葬儀を行いたいのか、葬儀の宗派はなんなのかなどをヒアリングします。
大体の葬儀の内容が固まったら、実際に葬儀の日程を調整し式場の手配を行います。
そのほかに葬儀に必要な遺影や霊柩車、火葬場の手配などの詳細について詰めていきます。
葬儀の手配については下記記事もご参考ください。
・葬儀の手配方法とは⁉︎いざと言う時に困らないお葬式の手配方法について
・お葬式の依頼方法はどうすれば良い⁉︎葬儀社手配の方法とは
・お葬式に必要なものは?想像以上にお葬式は手配するものが沢山
③通夜や葬儀の設営・司会進行
三つ目は、通夜や葬儀の設営・司会進行です。葬儀場での設営は、祭壇の設置や供花・お供え物を用意します。
>>葬儀の祭壇はどう選ぶ⁉︎葬儀に使用する祭壇の種類について
そのほか参列者の人数に合わせて椅子を配置し、返礼品の準備や受付の設置を行います。
参列者が集まってきたら、式場への案内や誘導を行います。本番の葬儀では司会進行を行います。
具体的には弔電の紹介や焼香の案内などです。
葬儀が終わったら火葬場に向かい、遺骨や遺影を遺族へ引き渡して終了です。
このように葬儀屋の役割とは故人が亡くなってから葬儀の終了までのトータルサポートを行うことです。
弔電については下記記事もご参考ください。
・どうやって送るの?弔電の送り方から費用・注意点までを徹底解説!
④葬儀後のサポート
葬儀社は、契約によっては葬儀後にもさまざまなサポートをおこなってくれます。四十九日法要の手配も葬儀社にお願いできる場合があります。どこまでサポートが必要かしてもらえるのか相談してみましょう。
互助会との違い
先ほど紹介した葬儀屋の種類の中で、互助会というものがありました。
互助会とは?
互助会とは、結婚式や葬儀のような冠婚葬祭行事に備えて、毎月定額でお金を積み立てていくサービスで、経済産業省からの認可を受けています。
互助会が日本で登場したのは1948年で、当時はTVや新聞などのマスメディアに取り上げられました。
そして、その制度が日本で受け入れられ、現在では全国に300社以上あるようです。
互助会のメリット
互助会を利用するメリットとして、あらかじめ毎月定額を積み立てておくことにより、突然の葬儀などで大金を用意しなくてはいけない時に対応ができるという点です。
また、積立金を葬儀費用に充てた際に余った場合は、葬儀後にかかる仏壇や墓石の購入費に充てることができます。
互助会によっては温泉旅館や遊戯施設などの提携施設で割引を受けることができます。
互助会のデメリット
互助会を利用するデメリットとしては、満期を迎える前に解約した場合、解約手数料が発生することと、原則契約を行ってから積立が満期になるまで時間が必要となり、契約時の内容を忘れていることが多いことです。
生命保険などと同様に定期的な現状の確認が必要です。
解約手数料について、互助会によって異なりますので、契約の時点で確認しておきましょう。
また、積立金だけでは多くの場合葬儀費用を全てまかなうことができません。
そのため、足りない分の費用を支払えるように貯金をしておくことが重要です。
ちなみに互助会に加入した場合、積み立てた費用はその互助会の提携先の葬儀場でしか使用できません。
そのため、故人の意向に沿った葬儀を行うことができないような場合があるのでこちらも合わせて注意しましょう。
葬儀費用については下記記事もご参考ください。
・今更聞けない葬儀・告別式のマナーと費用を地域別に徹底解説!
・葬式の金額は?一般的な葬儀費用の平均から、葬儀費用の内訳、費用を抑える工夫まで徹底解説!
・葬儀費用がない時にどうすればいい?葬儀費用の相場から、費用がない場合の対処法を徹底解説!
葬儀屋を手配するタイミング
では葬儀屋を手配するタイミングはいつがベストなのでしょうか。
理想のタイミングは故人が亡くなった直後です。亡くなるとすぐに行政上の手続きなどが発生するため、そういった手続きを葬儀屋に代行してもらうためです。
また、迅速に葬儀を執り行うために、早めに葬儀の日程や火葬場の予約状況などを確認してもらうためです。
葬儀日程については下記記事もご参考ください。
・葬儀日程の決め方とは?通夜・葬式・法事法要の日程の決め方を完全解説!
・葬式の流れを徹底解説!日程調整のポイントや必要書類とは?
・仏滅と葬式の関係とは?葬式の日程を決めるときの注意点についても解説
葬儀屋を手配する際に準備すること
葬儀屋を手配する際に、遺族側と病院側でやらなければならないことがあります。
遺族側と病院側でやること
①死亡診断書の作成
一つ目は死亡診断書の作成です。
故人が病院で亡くなった場合には速やかに主治医から死亡診断書を作成してもらいます。
また、病院や自宅以外で亡くなり、その死亡原因も不明である場合には監察医に解剖や検死をしてもらい死亡検案書の作成を依頼します。
この書類は今後様々な手続きに必要になります。
②家族や親戚などへの連絡
二つ目は、家族や親戚などへの連絡です。亡くなったという事実を速やかに関係者へ伝えましょう。この時点では葬儀の詳しい日程などは決まっていなくて問題ありません。
訃報については下記記事もご参考ください。
・訃報とは?今さら聞けない訃報の意味から伝え方まで、例文を交えて完全解説!
・訃報の連絡はどう送る?伝えるべき内容から範囲、例文まで徹底解説!
・訃報のお知らせを完全解説!文例集と書き方・マナー・送り方・返信の仕方を紹介!
③末期の水
三つ目は、末期の水という儀式を行います。いわゆる死に水を取るというものですが、箸先に脱脂綿やガーゼをくくりつけ、水を含ませて故人の唇を湿らせます。
この儀式は病院で行う場合と自宅で行う場合があります。
④エンゼルケア
四つ目は、看護師や業者によってエンゼルケアを行ってもらいます。エンゼルケアとは身体の清拭や鼻口耳へ脱脂綿を詰め、着替えや死化粧などです。
>>エンゼルケアとは?聞いたことはあっても詳しくは知らないエンゼルケアについてその目的や内容を徹底解説!
このように、葬儀屋ではなく医者や看護師によって行なってもらう作業があります。
⑤死亡届を提出する
ご遺体の安置が終わったら死亡届を提出します。死亡届は7日以内に提出しなければいけないというルールがありますので、できるだけ早めに対応しましょう。
死亡届の提出については下記記事もご参考ください。
・死亡届の基礎知識を押さえておこう!書き方やその他の手続きについても解説
・意外と知られていない「死亡届の提出方法」について徹底解説!
⑥火葬許可証の入手
死亡届と一緒に火葬許可証の申請もおこないましょう。火葬許可証がないと火葬をおこなうことができませんので、ご注意ください。
>>火葬するには火葬許可証が必要!発行の流れや再発行について解説
葬儀屋/葬儀社を手配する際に検討すべきこと
葬儀屋はできる限り早めに手配しなければなりませんが、急いで決めてしまうことでトラブルを引き起こす恐れがあります。
そのため、葬儀屋と打ち合わせをする前に遺族や親族であらかじめ葬儀の方針を決めておく必要があります。
具体的に決めておかなければならないことは、葬儀を行う斎場に希望はあるのか、どのような葬儀を行いたいのかなどについてです。
斎場
まずは斎場を決めておく必要があります。もし故人や遺族の意向で希望する斎場がある場合には、その斎場で行えるのかどうか葬儀屋に確認する必要があります。
理由としては、葬儀屋によって指定の斎場を利用しないといけない場合があるからです。
また、葬儀屋には自社斎場を所有している場合としていない場合があります。
特に斎場の希望がない場合には、葬儀屋が所有している斎場か民営もしくは公営の斎場を借りることになります。
斎場や葬儀場については下記記事もご参考ください。
・葬儀場とは?公営と民営の違いから葬儀場の選び方まで完全解説!
・斎場とはどんな場所?斎場の選び方・種類・火葬場との違いを目的別に完全解説!
・コロナへの葬儀社・火葬場・斎場の葬義/葬式への対応方法まとめ!
葬儀形式・規模
続いて、葬儀の形式や規模を決める必要があります。参列者の人数によって、また希望する葬儀によって抑える会場の規模が異なるからです。
規模が大きくなればなるほど葬儀費用は高くなります。また、葬儀を行うには故人の宗派や宗教を確認しておく必要があります。
日本人の大多数は仏教式ですが、それ以外にもキリスト式や神道式などがあります。
葬儀形式
宗派の確認が済んだら葬儀の形式についてです。葬儀の形式ですが一般葬・家族葬・一日葬・火葬式(直葬)かなどを決めましょう。
形式によって作法や費用が異なりますので注意してください。
主な葬儀形式と特徴
では具体的な葬儀の形式について、特徴や相場と合わせて見ていきましょう。
・一般葬
一般葬とは、その名の通り一般的に行われる葬儀です。通夜と告別式の日を分けて行います。参列者は遺族、親族、友人知人など幅が広いのが特徴です。
一般葬については下記記事もご参考ください。
・知っておきたい家族葬と一般葬との違いとは?費用と参列基準とマナーについて
・仏式とは?意味・流れ・マナー・神式との違いを解説!
・家族葬
家族葬とは、遺族や親族のほか故人と親しい間柄だった友人などで行う小規模な葬儀のことです。
参列者が少ないため、故人の意向に沿った葬儀を行えるほか、一般葬に比べ費用を抑えられるという点で近年選ばれることが多い葬儀です。
家族葬については下記記事もご参考ください。
・家族葬とは?流れ・費用・マナー・選ばれる理由を完全解説!
・家族葬の費用相場は?損をしないための全国相場と費用を安くする方法を解説!
・家族葬でもお通夜は行う?家族葬の特徴から注意点まで、家族葬の様々な形式を徹底解説!
・密葬
密葬とは、後日に本葬もしくはお別れ会などを行うことを前提として、身内だけで行う葬儀のことです。
参列者が多い時などに、故人とのお別れの時間を持つために行われます。家族葬と混合されがちなので注意しましょう。
密葬については下記記事もご参考ください。
・密葬とは何?密葬を行うメリット・デメリットなどを徹底解説
・社葬
社葬とは、葬儀の流れは特に変わりませんが葬儀の運営を会社が行うというものです。費用は会社が全額負担することが一般的です。
また、社葬の目的として、故人を偲ぶとともに会社の組織力や団結力などを社外へアピールするという広報的な意味合いを持つことが多いです。
社葬の場合、参列者の規模によって相場が著しく変動しますが一千万円以上になることが多いです。
社葬については下記記事もご参考ください。
・社葬とは?意味・流れ・マナー・費用を完全解説!
・社葬の目的は追悼だけではない!企業が行う目的や費用について解説
・無宗教葬
無宗教葬とは、宗派や宗教に制限されることなく自由な形式で行う葬儀のことです。
一般的に音楽の演奏や合唱などが行われることが多く、葬儀場の許可が得られる範囲であれば演出に制限はありません。
費用の相場ですが、内容によって大きく変わるため葬儀屋に問い合わせてみましょう。
無宗教葬については下記記事もご参考ください。
・仏教のお葬式と何が違うの?無宗教で行うお葬式
・無宗教葬儀を完全解説!流れ・費用・マナー・供養方法を紹介!
・一日葬
一日葬とは、通常通夜と告別式の日を分けず葬儀の行程を一日で済ませる葬儀のことです。
参列者への宿泊費や会食などの食事の費用を抑えることができますが、葬儀を行うにあたっての費用は抑えることはほぼできません。
一日葬については下記記事もご参考ください。
・葬儀の1日葬とは?1日で行うお葬式の特徴について
・一日葬とは?流れ・メリット・デメリット・食事・マナーを完全解説!
・色々なお葬式の形 一日でお葬式を行う「一日葬」とは?
・直葬(火葬式)
直葬とは、通夜や告別式を行わずに火葬だけで済ませる葬儀のことです。
葬儀の中でも一番費用を抑えることができますが、周囲の反対を受ける可能性があるので注意しましょう。
直葬(火葬式)については下記記事もご参考ください。
・直葬(火葬)の費用を完全解説!相場・流れ・メリット・デメリットを紹介!
・火葬のみで葬儀を行う「直葬」を完全解説!
・葬儀無しで火葬のみ?直葬の流れからメリットデメリットまでを徹底解説!
最近の流れ・傾向
では、最近ではどの形式の葬儀が選ばれる傾向にあるのでしょうか。
今までは親族や近所の方など色んな方を招いて盛大に葬儀を行なっていましたが、近年では少子高齢化などの影響により、一般葬を選ぶ方が減ってきています。
また、経済的な事情から葬儀にかける費用を減らしたいという方が増え、家族葬や直葬を選ぶ方が増加傾向にあるようです。
その背景として、価値観の多様化により伝統などに重きを置かなくなり、葬儀にも合理性が求められてきています。
葬儀の流れ
葬儀の流れは形式、宗教、宗派によってそれぞれ作法やマナーなども異なります。ではどのような葬儀が具体的に行われるのかについて見ていきましょう。
形式別での流れの違い
一般葬と家族等、密葬の流れ
一般葬は通夜、葬儀、告別式、火葬、骨上げ、精進落としの順番で行います。また、家族葬や密葬も基本的な流れは変わりません。
一日葬の流れ
一日葬では通夜を行わず、葬儀の行程を一日で済ませることになります。
午前中〜お昼過ぎのいずれかの時間帯で告別式を行い、僧侶による読経や焼香を済ませたら出棺し火葬場へ向かいます。
火葬場に着いたら僧侶に再び読経をしてもらい焼香を行います。火葬が終われば骨上げを行い、骨壷に遺骨を納めます。
火葬式の流れ
火葬式(直葬)の場合は通夜や告別式は行いません。
そのため、まずは火葬を行いますが故人が亡くなってから24時間以内は火葬してはいけないという法律があるため、亡くなった日の翌日に火葬を行います。
まず故人が亡くなって24時間が経過したら、病院の安置所で納棺を行います。
納棺が済んだら火葬場へ出棺し火葬を行い骨上げとなります。火葬の際には僧侶に依頼をして読経をしてもらうことができます。
密葬の流れ
密葬の場合は納棺から火葬までは一般葬と特に流れは変わりません。火葬後1ヶ月以内に本葬を執り行います。
社葬の流れ
社葬の場合、一般的な流れの中に葬儀委員長のあいさつや参列者が多いため指名された人のみで焼香を行うことがあります。
宗教・宗派による流れの違い
仏式の流れ
仏式では、遺族・親族・参列者の入場、僧侶の入場、開式の辞、僧侶の読経、弔辞・弔電紹介、焼香、僧侶退場、閉式の辞の順で行われることが一般的です。
神道での流れ
神道式では、まず帰幽奉告(きゆうほうこく).を行います。帰幽奉告とは、神棚や祖霊舎に故人の死を奉告して神棚や祖霊舎へ白い紙を貼って塞ぎます。
次に枕直しを行います。遺体を着替えさせて北枕にし、安置します。遺体のすぐそばに祭壇を設け、その上には米や水などを供えます。
そして納棺の儀を行います。納棺の儀が終わったら、通夜・遷霊祭を行います。これは仏式で言う所の通夜にあたる儀式です。
神職が祭詞と祭文を唱え、参列者は玉串を奉って拝礼します。その後遷霊祭と呼ばれる遺体から魂を抜く儀式に移ります。
翌日には葬場祭、火葬祭、埋葬祭、帰家祭、直会を行います。葬場祭では弔辞や弔電の読み上げ、玉串奉奠が行われます。
火葬祭では神職が祭詞を奏上し、参列者は玉串を捧げます。その後遺体の火葬を行います。埋葬祭とは、遺骨を埋葬するために銘旗や花を供える儀式です。
帰家祭は自宅に戻った後に手を塩や水で清め、霊前に葬儀の終了を伝える儀式です。そして直会に移行します。
直会とは、儀式でお世話になった神職や関係者に対してねぎらう宴を行います。
神道(神式)については下記記事もご参考ください。
・神社のお葬式とは?神道のお葬式の流れから作法まで完全解説!
・神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説
キリスト教の流れ
キリスト教式では、宗派がカトリックなのか、プロテスタントなのかによって流れが異なります。それではカトリックについてから解説します。
カトリックでは葬儀と告別式は別々に行われます。
葬儀の流れは入堂聖歌、開式の辞、葬儀のミサが行われます。
聖歌とともに神父が入堂し、聖水と祈りが捧げられます。そして神父が棺に聖水を入れ、献香して葬儀の開式を告げます。
ミサでは神父によって聖書の朗読と説教が行われ参列者は祈りを捧げます。告別式では入堂聖歌、聖歌斉唱、弔辞・弔電紹介、献花、遺族からのあいさつが行われます。
プロテスタントの場合は開式、牧師による聖書朗読・祈祷、弔辞・弔電の紹介、オルガンでの演奏、献花が行われます。
宗教ごとの弔事の違いについては下記記事もご参考ください。
・前もって理解しておこう!葬儀の種類や宗教ごとの違いを解説
・棚経とは?宗教ごとに違うお盆の棚経を完全解説!
・後悔しない祭壇の選び方:意味と宗教ごとの祭壇と相場を解説!
葬儀費用の内訳と相場
葬儀費用の全国平均は150〜200万円程度だと言われています。葬儀費用の内訳は、主に「三大費用」と呼ばれる三種類に分けることができます。
一つは葬儀一式費用です。葬儀一式費用とは、祭壇・霊柩車・スタッフなどの人件費・斎場や火葬場の施設利用費など葬儀を行うにあたって必ず必要となる費用のことです。
二つ目は飲食接待費用です。飲食接待費用とは、通夜振る舞いや精進落としなどの食事会にかかる費用と返礼品や香典返しなどにかかる費用のことです。
三つ目は僧侶へのお布施です。読経料や戒名料、お車代が含まれます。
先祖代々のお墓を管理しているお寺を「菩提寺(ぼだいじ)」と呼びます。昨今は、お寺とのお付き合いも薄くなってきており菩提寺を持っていない方も多いです。その場合は僧侶を手配することもできます。
僧侶派遣は『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。
お布施については下記記事もご参考ください。
・お布施を完全解説!意味・相場・表書き・裏書などを解説!
・四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
・お布施はどれくらいの金額を包めば良い?なかなか知らないお布施の金額の相場からお布施のマナーまで完全解説!
一般葬の費用内訳と相場
一般葬の費用の内訳は、葬儀一式費用・飲食接待費用・僧侶へのお布施が主要になります。費用が変動しやすいのは、斎場の規模による施設利用費です。
葬儀屋/葬儀社への費用相場は100〜150万円程度です。
家族葬の費用内訳と相場
家族葬の費用の内訳は、一般葬同様に葬儀一式費用・飲食接待費用・僧侶へのお布施が主要になります。
しかし、一般葬と違い参列者の割合は身内が多いため飲食などの接待費を削ることができます。
また、基本的に規模が小さいため抑える斎場の費用を安く抑えることができます。
葬儀屋/葬儀社への費用相場は50~100万円ほどです。
>>知っておきたい家族葬と一般葬との違いとは?費用と参列基準とマナーについて
一日葬の費用内訳と相場
一日葬の費用の内訳は、一般葬と家族葬同様に葬儀一式費用・飲食接待費用・僧侶へのお布施が主要になります。
しかし、一日葬では通夜を行わないため通夜振る舞いなどの食事費用は発生しません。
また、会葬礼状も必要がないことが多く、製作費用などを削ることができます。
葬儀屋/葬儀社への費用相場は50〜100万円程度です。
>>負担は軽くても心を込めた見送りができる!一日葬の内容を解説
火葬式(直葬)の費用内訳と相場
火葬式では通夜や告別式は行わないため、火葬場しか施設利用料がかかりません。
また、僧侶の読経代やお車代などのお布施代も発生しません。
そのため、費用の内訳は寝台車のレンタル代、遺体を納める棺、火葬場の利用料、骨壷代が発生します。
火葬場の利用料以外は全て数千円から数万円程度なため、葬儀費用を格段に抑えることができます。
葬儀屋/葬儀社への費用相場は20〜40万円程度です。
>>火葬式って何?メリット・デメリットや費用相場などを詳しく紹介
葬儀費用を抑えるためのポイント
では、葬儀費用を安く抑えるためにはどうすれば良いのでしょうか。
葬儀場と火葬場の費用を抑える
まずは葬儀費用の中でも占める割合が高い施設利用費を抑えましょう。
葬儀場と火葬場には公共団体などが運営する公営のものと、民間企業が運営している民営のものがあります。
公営の施設の方が利用費が安い
公営の施設は地方自治体が税金で運営しているため、利用費が安いという特徴があります。
しかし、そもそも公営の施設は数が少ないため混雑状況によっては利用できない可能性があります。
>>葬儀場とは?公営と民営の違いから葬儀場の選び方まで完全解説!
葬儀形式を安いものにする
次に葬儀の種類を安いものを選ぶ方法があります。
一般葬の相場は100〜150万円程ですが、火葬式であれば地域差もありますが、約20万円〜40万円で行うことができます。
そのほかにもプランの見直しやオプションの調整などを行い、予算と擦り合わせていきましょう。
また、多くの場合に参列者からいただく香典によって葬儀費用を賄うことが想定されます。
参列者の数が多ければ多いほどいただく香典は多くなりますが、その分葬儀の規模を大きくしなければいけません。
しかし、家族葬などの親しい間柄のみで行う葬儀の場合には参列者が少ないため希望が小さい葬儀ですが、香典の一人当たりの額は大きくなります。
このように、香典と葬儀費用の収支のバランスを考えることも大切です。
香典については下記記事もご参考ください。
・香典のお札はどうやって入れるの?香典のお札の入れ方から香典の包み方やマナーまで徹底解説!
・葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!
・香典の金額はどう書けば良い?香典袋に金額を書き入れる際の書き方や注意点を徹底解説!
葬儀費用を補填するには?
葬儀費用は大きな金額になるため、自治体や保険などの制度が整っています。
事前に申請しなければいけないものや、書類が必要なものなど受け取るものによって条件が異なりますので注意しましょう。
医療給付金の活用
故人が何らかの医療保険に加入していた場合、給付金を受け取ることができます。
受け取れる給付金の種類は葬祭費・埋葬料・埋葬費の三種類があります。
葬祭費の受け取り方
葬祭費は被保険者が亡くなった際に葬儀を行うことで受け取ることができます。
金額は住んでいる自治体によって異なりますが、数万円前後です。また、申請の期限は死亡日から2年以内です。
>>忘れてはいけない⁈申請すれば頂ける葬祭費・埋葬料とは?給付金制度の概要と申請時のポイント
埋葬料の受け取り方
埋葬料は被保険者かその扶養者が亡くなった時に遺族が受け取れるものです。こちらも申請の期限は死亡日から2年以内です。
>>埋葬料とは?請求方法・申請書の書き方・振り込まれる時期を完全解説!
>>お骨を埋葬をするために貰える費用がある⁈「埋葬料」とは?金額や申請時の注意点
埋葬費の受け取り方
埋葬費は被保険者が死亡し、埋葬料の支給を受け取れる人がいない場合にそのほかの人が葬儀を行った際に受け取ることができる給付金です。
埋葬については下記記事もご参考ください。
・埋葬とは?意味・手続の流れ・必要物・給付金・注意点を完全解説!
・埋葬について理解を深めよう!必要な書類や火葬から埋葬までの流れ
葬祭扶助制度の活用
また、自治体が支給する葬祭扶助制度というものがあります。遺族が生活保護を受給しており、経済的に困窮していると判断された場合に受け取ることができます。
葬祭扶助で受け取れる金額は、自治体により多少違いがありますが、大人の場合206,000円以内で子供の場合は164,800円以内と上限が設けられています。
葬祭扶助では火葬式(直葬)になる
多くの場合、葬祭扶助を受け取って行う葬儀の形式は火葬式(直葬)になり、僧侶の読経などは行いません。
申請方法は住民票の登録をしている市町村の役所か福祉事務所になります。申請する人は基本的には喪主ですが、葬儀屋が代行することもあります。
注意しておきたいのが、葬祭扶助は事前に申請しなければ受け付けてもらえないということです。葬儀後に申請をしても給付金はもらえないので注意しましょう。
>>葬祭扶助とは?支給の条件から金額、申請方法まで徹底解説!
葬儀保険の活用
葬儀保険とは、葬儀の費用負担を軽減させることを目的としたもので、「少額短期保険」と一般的に呼ばれるものです。
2006年4月1日に、保険業法の内容の一部を改正することを目的として施行された制度です。この葬儀保険の条件は主に下記の三種類があります。
・保険期間は1年、あるいは損害保険の場合は2年
・死亡保険金額は被保険者一人につき300万円以下である
・最大保証金額は被保険者1人につき1,000万円まで
葬儀保険の種類
葬儀保険の種類には「保険金定額タイプ」と「保険料一定タイプ」の二種類があります。
保険金定額タイプは受け取る保険金は一定ですが、年齢が上がれば月々の保険料の支払いが高額になるというものです。
保険料一定タイプは月々の保険料の支払いは一定ですが、亡くなった時の年齢に応じて受け取れる金額が変動するタイプです。
自分の収入や貯蓄などと相談し、自分に最適なプランを選ぶと良いでしょう。
葬儀保険のメリット
葬儀保険のメリットとして、一つ目は高齢者でも加入しやすいという点があります。
本来生命保険などは告知審査が厳しく恒例であるほど加入が難しくなります。
それに比べて葬儀保険は受け取る金額が低額なため審査が緩く、持病や傷病歴がある人でも加入しやすくなっています。
二つ目は保険金の受け取りまでの時間が短いという点があります。通常葬儀費用の支払いは葬儀後一週間以内に行わなければなりません。
そのため、葬儀保険の場合は書類送付後即日から2日以内に振り込まれることが多いようです。
三つ目は月額の保険料が安いという点です。年齢が上がるにつれて保険料も上がりますが、月額1,000〜2,000円程度で加入できる葬儀保険もあります。
葬儀費用を抑える方法については下記記事もご参考ください。
・葬儀を安くする6つの方法を解説!葬儀費用の相場と内訳を紹介!
・葬儀費用がない時にどうすればいい?葬儀費用の相場から、費用がない場合の対処法を徹底解説!
・葬式の金額は?一般的な葬儀費用の平均から、葬儀費用の内訳、費用を抑える工夫まで徹底解説!
葬儀屋を手配する際のトラブル
葬儀屋を手配する際のトラブルとして、あらかじめ渡されていた見積りよりも葬儀後に高額な支払いを要求されたというようなことがあります。
やはり事前に追加費用が発生するのかなどを確認しておきましょう。
また、生前予約を行い前金として契約金を支払っていたが葬儀を行う前に葬儀会社が倒産してしまったというようなケースがあります。
こういった事態を避けるために、契約内容に倒産した場合は返金されるか、もしくは前金が不要な葬儀屋を選ぶようにしましょう。
そのほかに、契約内容と実際のサービス内容に乖離があるということもあり得ます。
対処法として、口頭ではなく全て文章として書面化してもらうようにしましょう。口頭の説明の場合、言い逃れされてしまう恐れがありますので注意してください。
葬儀屋を手配する際の注意点
葬儀屋を手配するにあたって、注意しておきたいことや事前に確認しておかなければならないことがあります。
多くの場合、故人や遺族の意向である希望を叶えることができるのかを要点において、契約を確認してみましょう。
希望する斎場で葬儀を行えるか?
葬儀屋によっては、自社で斎場を所有している場合があります。その場合は通常自社の斎場で葬儀は行われます。
そのため、事前に斎場に希望があるのかどうかを葬儀屋に伝えておきましょう。そうすることによって認識の齟齬を防ぐことができます。
希望する内容の葬儀ができるか?
故人や遺族の意向に沿った葬儀が行えるのかは葬儀屋選びで最も重要な要素の一つになります。予算や宗教、演出など希望する内容はひとそれぞれです。
また、故人の葬儀は一度きりのものです。自分たちの希望は余すことなく葬儀屋の担当者に伝えましょう。
また、希望を伝えても丁寧な対応をしてくれない場合や、説明が曖昧な場合は避けたほうが無難です。
きちんと懇切丁寧な対応をしてくれる葬儀屋を選ぶよう心がけましょう。
宗派・地域での風習に対応できるか?
特定の宗派や地域によって葬儀の風習は様々です。そういった風習に対応できるかどうかを事前に確認しておきましょう。
一般的に地域での風習に関しては地域密着型の葬儀屋が強いことがあります。
大手だからといって選ぶのではなく、そういった細やかな点まで対応してくれるのかを確認しておくことが大切です。
会社・担当者が信頼できるか?
葬儀屋の担当者とは、葬儀の形式や流れなどについて複数回打ち合わせをすることになります。
そのため、少しでも対応や態度に不信感があれば避けたほうが無難です。
対応が丁寧か、質問に的確に返答できるか、対応はスピーディかなどに注目して選ぶようにしましょう。
見積もりは明確か、適正か?
葬儀を行う前に、予算や希望を伝えることで見積もりをもらうことが一般的です。
見積もりを確認する中で注意しておきたいことは、どの項目がセットになっており、どこからがオプションになっているのかを確認することです。
葬儀屋とのトラブルの中で、葬儀後に見積もりよりも大幅に高い費用を請求されたというようなこともあります。
そのため、見積もりが明確かを確認すると同時に、追加費用の発生はあり得るのかもチェックしておきましょう。
葬儀についての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。
葬儀費用が用意できているか。払えない場合は?
葬儀費用の全国平均は150〜200万円程度だと言われています。急な葬儀で手元に現金がないということも考えられます。
そのような場合、葬儀屋がローンを取り扱っているかもしくはカード払いに対応しているかを確認しましょう。
・葬儀ローン
葬儀会社の中には、信販会社と提携して葬儀ローンを取り扱っていることがあります。
葬儀ローンのメリットとして、葬儀屋が仲介してくれるため契約内容がわかりやすいという点と審査基準のボーダーが控えめで与信審査も早いという点があります。
デメリットとしては葬儀屋が取り扱っているローンは銀行などが取り扱っているローンに比べて金利が高い傾向にあるということです。
もし葬儀ローンを利用したいときは、葬儀屋にその旨を伝えて渡される申込書に記入し、与信審査の結果を待ちます。
無事審査が通ればそのまま契約書にサインをして申し込みをすることができます。
>>葬儀のローン払いを完全解説!種類・メリット・デメリットを紹介!
・カードローン
葬儀会社がクレジットカード払いに対応している場合は、カードローンを使用することができます。
クレジットカードの場合、契約内容によって分割払いやボーナス払いなど自分の収入に合わせて好きなように支払い方法を変えることができるというメリットがあります。
また、ポイントが貯まるのもメリットの一つです。
注意しておきたい点として、クレジットーカードには限度額が設定されています。
そのため、限度額を上回るような支払いの場合は使用できないので注意してください。
・相続財産からの支払い
また、遺産相続した財産の中から葬儀費用を捻出する方法があります。
その際、故人の凍結口座から現金を引き出したい場合には注意が必要です。銀行口座は契約人が死亡した連絡を受けると口座を凍結し、現金の移動ができないようにします。
そのため、凍結口座から引き出すためには本人確認書類や印鑑が必要となります。
また、引き出す金額にも上限が定められており、一つの金融機関につき150万円まで、かつ法定相続分の三分の一までです。
つまり、1,000万円相続した場合には2つの金融機関から150万円ずつ引き出すことができます。
そして葬儀費用を遺産の中から支払うことで、相続税の控除を受けることができます。
ここで注意しておきたいのが、葬儀費用の項目の中で控除を受けられるものと受けられないものがあるということです。
控除の対象になる項目は、葬儀一式費用・お布施・飲食費用などがあります。逆に控除の対象とならない項目は、葬儀後にかかるお墓や仏壇の購入費用です。
ちなみに相続税が発生するのは遺産の金額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えた場合になります。
また、控除の対象となる人は葬儀費用を実際に支払った人になります。複数人で支払った場合は、その全員が控除の対象となります。
相続税については下記記事もご参考ください。
・相続税から控除できる葬儀費用とは?控除の可否を完全解説!
・葬儀費用で相続税控除できる?葬儀費用に関わる相続税の考え方を完全解説!
・相続税理士の選び方を完全解説!依頼の流れ・費用・期間を紹介!
相続についてのご相談は『やさしい相続』でも無料で承っていますので、お気軽にご連絡下さい。24時間365日無料で専門オペレーターが対応致します。
福利厚生を使えるか?
故人が会社に勤めていた場合、福利厚生の一環として葬儀費用の一部を給付してもらえる場合があります。
会社から遺族へと支給されるお金は死亡退職金/死亡弔慰金と言います。この制度は多くの企業が導入していますが、死亡弔慰金は死亡退職金と混合されることが多いです。
死亡退職金、死亡弔慰金について
死亡退職金は、社員がなくなった場合に支給されるもので、死亡弔慰金は社員の家族が亡くなった際に支給されるものです。
この死亡弔慰金は、社会通念上妥当な金額であると判断された場合には福利厚生費となります。死亡弔慰金を受け取った遺族は非課税となります。
注意したいのが、死亡弔慰金が支給される場合には葬儀屋は会社側から指定されていることが一般的です。
そのため、契約しようとしている葬儀屋が福利厚生を受けられるのかどうかを確認しておきましょう。
互助会を使う場合
互助会を利用している場合には、その互助会から指定される葬儀屋を利用することになります。
しかし、多くの場合互助会で積み立てている金額では葬儀の費用を全て賄うことはできません。
また、互助会の中には経営破綻や倒産してしまったりすることがあります。
その場合、積み立ててきたお金は掛け金の約半分しか返金されません。
そのため、事前に契約内容や互助会からはいくら受け取ることができるのかについては事前に把握しておきましょう。
互助会については下記記事もご参考ください。
・知っておけば費用感がわかる「互助会の仕組み」とは?
・さがみ典礼とは?さがみ典礼の葬儀プランからその他のサービス、互助会について完全解説!
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葬儀屋の手配についてのまとめ
ここまで葬儀屋の内容や何をしてくれるのか、手配のタイミングや注意点について解説してきましたがいかがだったでしょうか?
ここで今までの内容をわかりやすく箇条書きでまとめていきます。
・葬儀屋とは遺体の管理から葬儀のプラン、設営、司会進行を行う業者で、故人が亡くなってから葬儀終了までのトータルサポートを行う企業である。
・葬儀屋には葬儀を専門に取り扱う会社に冠婚葬祭全てを取り扱う会社、返礼品や仏壇などギフトを主に扱う会社がある。
・葬儀屋を手配するタイミングは、故人が亡くなってからすぐである。
・葬儀屋を手配する前に行っておきたいこととして、主治医による死亡診断書の作成、親族への連絡、末期の水、エンゼルケアを行っておく。
・葬儀屋を手配する前に検討しておきたいこととして、希望する斎場があるのか、どの宗教、宗派に属しているのか、どのような葬儀を行いたいのかを親族同士で話し合っておく必要がある。
・葬儀費用の全国平均は150〜200万円程度だが、直葬や家族葬を選択することによって費用を抑えることができる。
・葬儀屋のトラブルとして、渡されていた見積もりよりも葬儀後に高額な請求をされることがある。
また、生前契約しており前金を支払っていたにも関わらず葬儀前に葬儀屋が倒産してしまったといったことがある。
・葬儀屋を手配する際の注意点として、葬儀屋が信頼できるか、葬儀代をきちんと工面できているか、故人や遺族の意向をくみ取った葬儀を執り行うことができるのかが重要である。
今までご紹介してきたように、葬儀屋は日頃利用することがないためよくわからない点や不安点があると思います。
前もって葬儀屋の手配に対する注意点などを頭に入れておくことで、いざ利用しなければならない時にスムーズに利用できると思います。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
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