【火葬許可証】申請手順と注意点から保管・再発行の方法まで徹底解説
21世紀に入って、従来型の葬儀を行うことで参列者たちに手間や迷惑をかけたくないという思いから、自分の死後には直葬を選ぶ人も増えているそうです。そんな場合でも火葬や埋葬は避けられません。
そして火葬は遺族が勝手に火葬場に赴いて行えるものではないのです。火葬許可証の発行を受けなければいけませんし、それを長期間保管することもあります。本記事では火葬許可証の発行を受ける手順や注意点について紹介します。
火葬許可証とは?
火葬許可証のルール
火葬許可証は人の死に関係した書類ですから、厳しいルールに基づいて発行されます。
火葬は死亡後24時間経過した後
たとえ心停止が確認された遺体であっても、それは人間の身体ですから、万が一にも間違いがあってはならないのです。火葬は死亡が確認された時刻から24時間を経過しないと許可されません。これは死んだと思われていた人が息を吹き返したという事例によるものでしょう。
死亡届と同時に出す
火葬許可証の申請書は一般的には死亡届と同時に提出します。セットになっていることが多い死亡届と死亡診断書・死体検案書を組み合わせた書類を役所に提出した時に、火葬許可証も自動的に交付されることが多いようです。許可時刻は死亡診断書などに記載された死亡時刻を基準にしています。
死亡届については下記記事もご参考ください。
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火葬許可証の申請
火葬許可証の申請は市区町村役場で受け付けられます。死亡届は故人の本籍地、死亡地、届出人の現住所地の優先順位で、その役場へ届けます。本籍地は往々にして遠方になる可能性がありますから、現実的なのは死亡地や届出人の現住所地でしょう。どこへ届けても火葬許可証は発行されます。
日本では9割が火葬されている
日本では火葬が義務付けられているわけではありませんが、条例で土葬を禁じている自治体も多く、感染症による死の場合は土葬が制限されるケースもあって約9割が火葬されています。ですので、申請する書類もほとんどが火葬許可証ということになるのです。一方、土葬を認めている自治体では「埋葬・火葬許可証」と言う扱いのところもあります。
埋葬許可証・埋葬については下記記事もご参考ください。
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火葬許可証を発行するための手順
火葬許可証の申請ですが、これは自治体によって死亡届の提出がそのまま申請になるところと、死亡届の提出時に一緒に申請書を提出するところがあります。
申請書を提出
申請書はパソコンからダウンロード可能
申請書は市区町村によってはあらかじめパソコンからダウンロードすることができます。必要事項を記載しておいてから提出にいけるので、非常に便利です。ホームページから確認しておくことをおすすめします。
火葬場を先に決めておく必要がある
申請書には故人の死亡時の住所地、本籍地と火葬場を記入します。この火葬場情報は意外に重要ですので注意しましょう。海外で死亡して火葬済みなど、特別な事情がある時は役所で相談する必要がありますが、国内で死亡した場合のように一般的なケースでは、必ず火葬場を決めておかなければなりません。自治体によっては火葬場の予約証明がないと火葬許可証が発行されないこともあるのです。
火葬場については下記記事もご参考ください。
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7日以内に提出する
そして、国内での死亡の場合、死亡の事実を知ってから7日以内に死亡届と共に提出する必要があります。この死亡届と火葬許可証申請書は同じ人が提出しなければいけません。別々のフォーマットで届けなければいけない自治体では注意が必要です。
届け出に必要な物
届出の際には届出人の印鑑と本人確認書類が必要になります。一般的には運転免許証やマイナンバーカードでOKです。印鑑はゴム印やシャチハタなどの浸透ゴム印は使えません。自宅や病院で亡くなった場合、死亡を確認した医師が死亡診断書を書きます。これはA3用紙の右半分になっていることが多く、それを受け取ったら用紙の左半分にある死亡届に遺族が必要事項を記入します。葬儀社に依頼して葬儀を行う場合、これを渡せばそこから後の一連の作業は葬儀社が行ってくれるでしょう。
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火葬許可証を受け取ってからの流れ
葬儀社に依頼すると、遺体を引き取ってから通夜の準備にかかります。その間に火葬場を予約し、書類を整えて、役所が開いている時間帯に届けを出して許可証を受け取っておいてくれるのです。もちろんこれらの作業は自分で行うこともできます。
火葬場に火葬許可証を提出する
葬儀当日、火葬場に到着したら最初に火葬許可証を火葬場に提出します。これをしておかないと火葬ができません。火葬が終わったら、骨上げをしたあと火葬許可証に「火葬済」の印が押されて返却され、これが火葬証明書になります。
火葬証明書は納骨の際に必要になる
この書類は納骨の時に必要ですので、絶対に紛失しないようにして下さい。再発行できるケースもありますが、条件がいろいろあります。特に納骨堂を利用せず、墓を建てる場合には長期間の保管が必要になるので気をつけましょう。
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火葬許可証は原本のみ有効
火葬許可証は原本のみが有効で、コピーは使えません。もちろん火葬済の印がある火葬証明書も同じです。
長期間の保管が必要になる
納骨は一周忌や三回忌の際に行うことも珍しくありません。そうなると年単位で保管するため紛失には特に注意が必要なのです。納骨の際に火葬済の印が押された火葬証明書がないと納骨ができません。再発行については、役場に申請すれば5年以内であれば受け付けてくれるところもあります。しかし、まず紛失しないのが一番です。葬儀社は骨壷を収める骨壷カバーの中にこの書類を一緒に収めてくれることが多いです。骨壷カバーの中であれば、紛失する可能性は極めて低いでしょう。
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火葬許可証を紛失したら再発行する
火葬許可証は火葬前に紛失することは滅多にないでしょうが、万が一なくした場合は死亡届を出した役所に再発行を申し込んで下さい。一方、火葬後に火葬済の印を押された火葬証明書は納骨の際に必要になります。これがないと納骨堂や墓地は納骨を受け付けてくれません。万が一紛失してしまった場合には、火葬許可証を発行した役所に出向いて再発行を申し込みます。ほかの役所では受け付けてもらえません。また、再発行の申込みは、原則として故人の祭祀継承者か直系の親族である必要があります。申込者は本人確認書類と印鑑を持って役所へ出向いて下さい。
5年を経過すると再発行ができなくなる
この再発行は火葬許可証申請書の書類に基づいて行われるので、その書類の最短保管期限である5年を過ぎると再発行ができなくなることもあります。くれぐれも紛失には注意して下さい。
分骨する場合は「分骨証明書」が必要
お墓を分けてご遺骨を納骨する場合には「分骨証明書」が必要になります。1通300円程で発行をしてもらえます。火葬場もしくは役所で発行してもらえますので、忘れずに受け取りましょう。
まとめ:焦らず落ち着いて火葬許可証を発行しよう
「火葬許可証」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【火葬許可証とは?】
●火葬を行うのに必要な許可証
●火葬許可証の申請書は一般的には死亡届と同時に提出する
【火葬許可証の申請時の注意】
●火葬場を先に決めておく必要がある
●7日以内に提出する
●本人確認書類が必要(運転免許証やマイナンバーカード)、ゴム印やシャチハタなどの浸透ゴム印は使えない
【火葬の際の注意】
●火葬許可証が無いと火葬がおこなえない
●納骨でも必要になるので紛失しないように注意
●紛失時は再発行もできるが、5年が過ぎると再発行ができなくなるので注意
●分骨する場合は、「分骨証明書」が必要
火葬許可証は死亡届を出す際に同時に申請できます。市区町村役場に本人確認書類と印鑑を持って出向き、申請書を提出すれば書類の不備がない限りその場で発行してもらえます。そして、その火葬許可証を火葬場に提出して火葬を行い、それが終了すれば火葬済の印を押した火葬証明書としてその書類が返却されますので、納骨までの間決して紛失しないように保管して下さい。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール