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葬祭扶助の受給要件は2つ!支給金額~申請方法まで分かりやすく解説

みなさんは、葬祭扶助制度をご存知でしょうか。親類の急な逝去に葬儀の資金がどうしても足りない場合があるかもしれません。そうした際にはどうしたら良いのでしょうか。

親戚などで葬儀費用の面倒見てくれる人が存在することが理想的ですが、そうでない場合がほとんどです。故人が生前、家族付き合いがあまりなく、生活保護などを受給していた際にはきちんとした葬儀を挙げられないことがほとんどです。

そうしたときに、最低限の火葬と埋葬をするための費用を扶助してくれる制度が存在します。今回はそんな制度についてご紹介します。

葬祭扶助とは?

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もし生活保護を受けていて、十分な葬儀費用を用意できなかったら、みなさんはどのようにするでしょうか。万が一そのようになってしまった場合に、政府がきちんと助けてくれる制度があります。それが「葬祭扶助」制度になります。

「扶助」という言葉がつく通り、葬祭扶助とは、生活保護法に基づいた生活保護の一つになります。最低限の葬儀(火葬)を行うために必要な費用を政府が出してくれるのです。

葬儀を行わない火葬式については、「葬儀無しで火葬のみ?直葬の流れからメリットデメリットまでを徹底解説!」「直葬(火葬)の費用を完全解説!相場・流れ・メリット・デメリットを紹介」をご覧ください。火葬の費用相場は「火葬場の使用料金とは?地域で大きく違いのある火葬場の使用費について」をご参考ください。

こうした費用は、町の役場などに申請すれば受け取ることができます。もし困った場合は、こうした手段もとることができるのです。

この記事では、そうした葬祭扶助について解説してまいります。

葬祭扶助を受けるための条件

葬祭扶助は生活保護の一つのため、いくつか受給要件があります。市民の税金から扶助制度として支給されるお金のため、こうした要件をしっかりとクリアする必要があるのです。

受給要件は2つあり、いずれも簡単に言うと「葬儀を行う喪主・施主とその周辺の家族に葬儀費用の支払い能力が無い」といった内容になっています。

遺族が生活保護を受けるなどしている

まず1つ目が「遺族が生活保護などを受けている」といった条件になります。この条件は、前述の遺族の支払い能力無いことを示す要件となっています。

多少生活が苦しくなる程度では、公的扶助を受けることができないのです。ですので、いくら故人が生活保護を受けており困窮していて、遺産からの支払いを望めなくとも、実際に葬儀を行う遺族に葬儀を行うための収入や貯金があれば、葬祭扶助の支給を受けることはできません。

市民の税金から負担される給付金なため、自分である程度お金があるのであれば、しっかりと自分で払いなさいといったことですね。この制度はあくまで、健康で文化的な最低限度の生活を保証するための扶助制度なのです。

相続についてのご相談はやさしい相続でも無料で承っていますので、お気軽にご連絡下さい。24時間365日無料で専門オペレーターが対応致します。

相続については下記記事でもご紹介しています。
相続遺留分とは?割合・取り戻す方法・費用を紹介!
相続を完全解説!相続の方法・手続き・費用・流れを紹介!
遺言書を完全解説!種類・効力・扱い時・費用を紹介!

扶養義務者がいない

続いて、「扶養義務者がいない」ことが条件として挙げられます。簡単に言えば、本来お金を出すべき遺族を支える家族がいれば、その人に支払いの義務が生じるということです。

もし遺族自身が困窮しており、かつその遺族を助けるべき人が存在しない場合は、政府が変わりに葬祭扶助として支援するのです。

以上から分かる通り、葬祭扶助制度は、葬儀費用を負担すべき遺族と遺族を支えるべき家族の両方が支払い能力を有さない、もしくは、存在しない場合に、葬儀費用が支給される制度なのです。

このように、葬祭扶助の申請要件は非常に厳しいものであると言えます。しかしながら、後ほどご紹介する通り、しっかりと申請すれば、火葬式をしっかりと執り行えるだけの費用を支給してもらうことができます。

支給される金額

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つぎに、葬祭扶助制度において実際に支給される金額についてご説明してまいります。

支給される金額は、自治体によって異なる場合がありますが、大人がおおよそ200,000円、子供がおおよそ160,000円となっています。

加えて、こうした葬祭扶助によって支給されるお金は自由に使ってよいわけではなく、その用途が厳しく限定されています。葬祭扶助といっても葬儀自体の費用は負担しなければならなく、葬祭扶助を活用できるのは最低限の「火葬」のみとなっているのです。

宗教者に読経してもらうなどは、最低限度では無いということになります。

このように、単にお金が支給されるとはいっても、自由に葬儀費用をできるわけでは無いため、こうした制度を利用するためには、十分な注意が必要になるのです。

また全ての自治体が葬祭扶助制度に対応している訳ではありませんので、注意が必要です。

自身がお住いの地域が対象かどうか事前に調べておく必要があります。

葬祭扶助の申請方法

ここからは、実際に葬祭扶助を申請する際の方法について詳しく解説してまいります。

葬祭扶助は政府からの給付金となるため、きちんと申請しなければ支給してもらうことができません。ですので、申請方法をしっかりと確認して、間違えの内容に申請するようにしましょう。

福祉事務所へ申請する

基本的にこの制度の窓口は役場になりますが、場合によっては福祉事務所に申請する自治体もあるようです。

少し手間はかかってしまいますが、実際に申請に訪れる前に、葬祭扶助を受けたい旨を役場などに電話して確認することをおすすめ致します。

その場では少し面倒かもしれませんが、後々の申請のことを考えれば、事前にしっかり確認しておいたほうが良いでしょう。ここだろうといった場所で手続きが行えず、様々なところを行ったり着たりすることになってしまうかもしれません。

申請者は原則喪主だが、葬儀社が代行する場合もある

続いて、申請者についてですが、原則として葬儀を行う喪主がこうした制度の申請を自身で行います。

葬儀社が代行する場合

しかしながら、手続きが煩雑で申請者の手に負えないなどの場合、葬儀社が代わりに申請の手続きを行ってくれる場合があります。

ですので、事前の確認を役場にすることも必要ですが、同時に葬儀を依頼したい葬儀会社に事前に葬祭扶助を用いた葬儀を行いたい旨を相談しておくと良いでしょう。

葬儀社のなかには、そうした葬儀を取り扱っていない場合もあるため、この確認も同時に必要になります。なかには、葬儀費用が小さいために、あまり良い顔をしてくれない葬儀社があるかもしれません。そうした場合には、こちらから低い姿勢でしっかりと相談すれば、きっと良い返事が帰ってくるかもしれません。

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申請手順

さて、最後に具体的な申請手順についてご紹介致します。

手順としてはまず、遺体の安置後に役場の窓口で申請を行います。その後、火葬及び埋葬費の免除申請を行い火葬式を執り行います。最後に、最初の申請に基づき、葬儀社が役場に葬祭費用の請求を行います。

ですから、喪主が必要な手続きが、初めの申請と、各種免除申請などとなります。こうした制度の申請は煩雑で難しいことも多いがもしれませんが、わからないことがあれば役場の職員に聞くなどしながら手続きをすると良いでしょう。丁寧に質問すれば快く教えてくれるはずです。

葬儀費用の目安については「葬儀費用はどうやって決めれば良い⁉︎葬儀に掛ける費用について」の記事もご参考ください。

葬祭扶助以外の給付金

さて、ここからは、葬祭扶助以外に葬儀費用に関して補助してくれる制度をいくつか紹介致します。

葬祭扶助制度は、記事中でご紹介したとおり、受給要件が非常に厳しいです。一方で、そこまでの受給要件が求められなくとも、葬儀に関する費用の一部を補助してくれる制度がいくつかあります。

いくつかの制度を比較検討しながら、自分にあったものを選択できるようにしましょう。

国民健康保険に加入していた場合

まず故人が国民健康保険に加入していた場合に受け取れる給付金です。この保険に故人が加入していた場合、きちんと申請すれば50,000円ほどの給付金を受け取ることができます。申請期間はおよそ2年間と長いことも特徴となります。この申請は役場にする必要があります。

故人が死亡した際に保険証などを返却する必要があります、この際に一緒に受給申請をできると良いでしょう。

定義としては国民健康保険の被保険者が死亡した際に葬儀を行った人に対して一定の費用が支給されるもので、その名称や支給金額は市町村によって異なります。「忘れてはいけない⁈申請すれば頂ける葬祭費・埋葬料とは?給付金制度の概要と申請時のポイント」の記事をご参考ください。

また、市民葬・区民葬を利用することで安い金額で葬儀を挙げることが出来ます。詳しくは「市民葬・区民葬とは?利用方法・メリット・デメリットを完全紹介!

健康保険に加入していた場合

つぎに、故人が組合などの健康保険に加入していた場合です。

この場合は、上限50,000円で給付金を受け取ることができます。国民健康保険とことなり、この場合では、全国保険協会に申請する必要があります。

国家公務員共済組合に加入していた場合

最後に、故人が国家公務員共済組合に加入しており、組合員だった場合には、100,000円から270,000円程度の給付金を受け取ることができます。

この手の給付金の中では最も高額な給付金と言えるでしょう。なお、受け取れる給付金は加入する組合によって異なる場合があるため注意が必要です。

葬祭扶助についてのまとめ

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さて、ここまで葬祭扶助制度について解説してまいりました。

【葬祭扶助とは?】
・生活保護法に基づいて、政府が葬祭費用を補助してくれる扶助制度

【葬祭扶助を受けるには?】
受給するための要件が厳しく申請のハードルは高い
・火葬式をしっかりと執り行えるだけの費用を給付してもらうことができる

【葬祭扶助制度以外の給付金】
国民健康保険や協会けんぽの健康保険
共済組合の組合員
上記に入っている場合には、個別に給付金を受け取ることができる場合がある

このように、自身で葬儀費用を支払うことができない場合でも、様々な補助制度を活用することで、十分な必要最低限の葬儀を行うことができます。特に健康保険につていは保険証などを返却する際に、そうした制度はあるのか窓口に相談してみると良いでしょう。

みなさんもそう言った際に諦めずに、身近な人や役場、葬儀社などにしっかりと相談してみましょう。丁寧な態度で尋ねればきっと快く相談に載ってくれるでしょう。こうした制度を上手に活用しながら、より良い形で葬儀を執り行い、故人をしっかりと供養できるようにしましょう。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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お葬式セミナー講師
エンディングコンサルタント
栗本 喬一(くりもときょういち)
1977年 東京生まれ(名古屋育ち)
略歴
母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者(セレモニーディレクター)として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、5,000件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等
株式会社GSI グリーフサポート アドバンスコース修了。