葬儀をしない火葬のみの流れ・費用・メリット・デメリットを完全解説!
日本の葬儀では、通夜や葬儀・告別式を行なうというのが伝統でした。
しかし近年では、価値観の多様化に伴い葬儀への意識も変化しつつあります。そうした価値観の変化によって生まれたのが、火葬のみで行なう「火葬式」です。
では、具体的にどういった内容の葬儀なのでしょうか?実際に検討される方の参考になるよう、費用面やメリットデメリットなど解説していきます。
葬儀をしない火葬のみの形式とは?
それではまず、火葬のみを行なう葬儀形式についての基本的な知識をご説明していきます。
葬儀をしない火葬のみの形式とは?
「火葬式」とは、火葬のみで行なう葬儀のことを指します。「荼毘式(たびしき)」「直葬」とも呼ばれており、一般葬とは違って「通夜・葬儀・告別式」などの大掛かりな儀式の部分は行ないません。
火葬式(直葬)の特徴
火葬式は、一般葬よりも簡潔に素早く儀式を行なうことができます。基本的な火葬式の進行は「納棺→火葬」のみ。
また、参列者がごく限られている上に僧侶の読経も行なわないことが多いため、準備にかける時間や火葬式当日の労力をかなり省くことができます。
大切な方が亡くなった直後に香典返しや大掛かりな儀式の準備をするのはかなり大変でしょう。そうした負担を減らすことができるのです。
一般葬儀との違い
火葬式が一般葬と違うは、上記でご説明した通り「簡潔に儀式を行なえる」という点です。
一般葬での流れ
一般葬ではまず通夜から始まり、葬儀・告別式を行なった後に火葬。
そして最後に「精進落とし」と呼ばれる会食を参列者や僧侶に振舞って解散となります。しかし火葬式の場合は、火葬のみで済ませることがほとんどです。
一般葬よりも費用を節約できる
上記と合わせて「費用を節約できる」というのも一般葬と異なる点でしょう。
一番費用のかかる大規模な儀式や読経部分を省いて行なうため、経済的にはかなり楽になります。
さらに一般葬では、上記の費用以外にも香典返しの品物代や会食費用もかかりますよね。
人数が多くなるほどこの費用は多くなるため、参列者を招待しないことでこうした面での負担を減らすことができるのです。
一般葬の費用については下記記事もご参考ください。
・葬式の金額は?一般的な葬儀費用の平均から、葬儀費用の内訳、費用を抑える工夫まで徹底解説!
・葬式の費用はどれ位?予算内で希望の葬儀を行うための方法も紹介
火葬式(直葬)が選ばれる理由
火葬式を選ぶ人は年々増えている
日本の葬儀では一般葬を行なうことが主流です。その割合は葬儀を行なう方の約60%程度。
一方で火葬のみを行なう火葬式を選択する方の割合は約5%程度です。数字だけを見るとまだまだ火葬式は主流ではありませんよね。
しかし増加率で見ると別の結果が見えてきます。
一般葬の増加率が約5%と微々たる変化であるのに対して、火葬式の増加率は約26%!ここ数年でかなり実施数が増えていることがわかります。
さらに、火葬式のように参列者の数を限定して行なう「家族葬」も、約50%という高い増加率を出しているのです。
これらのことから、徐々に火葬式などのコンパクトな葬儀に切り替わっているということがわかりますね。
家族葬については下記記事もご参考ください。
・家族葬の流れは?一般的な家族葬から一日葬まで、家族葬の流れを完全解説!
・家族葬の費用相場は?損をしないための全国相場と費用を安くする方法を解説!
・家族葬とは?家族葬のメリット・デメリットから参列者をどこまで招待するかまで徹底解説!
火葬式や家族葬が選ばれる理由
それではどうして火葬のみで行なう火葬式を選択する方が増えているのでしょうか?これにはいくつかの理由があります。
理由①経済的な理由
まずは「経済的な理由」です。一般葬でお金がかかるのは、僧侶へのお布施や葬儀を行なう会場費用の部分などがメイン。
また、参列者が増えるほど香典返しや会食の費用も大きくなります。
しかし火葬式では基本的に火葬のみしか行ないません。参列者の数もかなり限られるので、これらの費用負担を一気に抑えることが可能なのです。
実際、一般葬は120万円前後かかるといわれており、かなりの金額になります。
場合によっては、故人の入院費用や介護費用などがすでにかかっていることもあるでしょう。
医療関係費用に葬儀費用までも上乗せされるのは、ご遺族としてはかなり苦しい負担です。
こうした現実的な面を考慮すると、「火葬のみで葬儀を済ませて費用を安く抑えたい」と思うのは不思議ではありません。
また「価値観の変化」も理由として挙げられます。一般葬は仏教の考えに沿って故人をお見送りするための儀式です。
しかし最近では、こうした宗教的価値観や伝統をさほど気にしないという方も増えています。葬儀で一番大切なのは故人を偲ぶ気持ちです。
そのことを念頭に置くと、伝統に沿った葬儀を行なうために無理して自分たちの負担を増やさなくてもいいのかもしれませんね。
理由②高齢化の影響
社会的な要因として「高齢化の影響」も無視できません。日本ではハイスピードで高齢化が進んでいるため、故人の友人が高齢者である可能性も十分にあります。
そのため、参列者を呼ぼうとしてもその方がすでに亡くなっている場合や、そもそも体力的に参列が難しいということも想定されるでしょう。
こうした事情を考慮すると、わざわざ大人数を集めて一般葬を行なうよりも、最初から範囲を限定してしまう方が負担は少なくて合理的ですよね。
火葬式(直葬)については下記記事もご参考ください。
・火葬式って何?メリット・デメリットや費用相場などを詳しく紹介
・火葬式を完全解説!費用・流れ・マナー・香典・一般葬儀との違いを紹介!
・直葬(火葬)の費用を完全解説!相場・流れ・メリット・デメリットを紹介!
火葬式(直葬)の流れ
それでは、火葬式当日の流れ、及び火葬式当日までに取り組むべき準備についてご説明します。
申込から当日までの流れ
死亡診断書の発行
ご家族が亡くなったら、まずは「死亡診断書」を医師に発行してもらいましょう。
この死亡診断書の左側は「死亡届」になっており、ご家族が亡くなったことを把握した日から7日以内にお住いの各市区町村役場に提出する必要があります。
期限を過ぎると5万円以下の罰金などが課される可能性があるので気を付けましょう。
死亡届はよく葬儀後の手続きで死亡届のコピーが必要になることがあります。また生命保険の申請にも死亡届のコピーが使用できる場合があります。
コピーを数枚、役所へ提出する前にとっておきましょう。
ちなみに国外で亡くなった場合は、そのことを把握した日から3ヶ月以内に提出すれば大丈夫です。
死亡届については下記記事もご参考ください。
・死亡届の基礎知識を押さえておこう!書き方やその他の手続きについても解説
・意外と知られていない「死亡届の提出方法」について徹底解説!
火葬許可証の発行
無事に死亡届を提出し受理されると、その場で「火葬許可証」を発行してもらえます。
火葬を行なうにはこの火葬許可証が絶対に必要です。
>>火葬するには火葬許可証が必要!発行の流れや再発行について解説
葬儀社を探す
こうした必要書類を準備しながら葬儀社も探しましょう。死亡届の提出や火葬許可証の受け取りは、葬儀社に代行してもらっても大丈夫です。
ご家族が亡くなった直後はやることがたくさんあるので、こうした事務処理をお任せするためにも速やかに葬儀社を決めましょう。
葬儀社に相談すべき内容としては、主に「火葬式の内容」「ご遺体の安置場所について」です。
「火葬式の内容」については、日程・場所・かかる費用・儀式の流れなどを確認しておきます。
火葬式では通夜などの大規模な儀式部分を省くことが多いですが、だからといって必ずしも火葬のみで行なう必要もありません。
法律で内容が定められているわけではないので、「読経だけは行なってきちんと供養したい」「本当に仲の良い方なら参列してほしい」などご遺族の要望に沿ってプランを立てることが大切です。
内容によっても費用が変動するのでしっかり確認しておきましょう。
「ご遺体の安置場所」についてはさらに速やかに話しておく必要があります。
>>故人様を預かる施設が足りない⁈都会のご安置所事情
なぜなら、法律によって死後24時間以内の火葬はできないということが決まっているためです。
自宅安置を選択する方が多いですが、スペースが取れない場合は葬儀社の方に相談しましょう。
ちなみに病院で亡くなった場合は、数時間であれば安置をしてもらえます。
よりしっかりご遺体の身なりを整えてお見送りしたい場合は、この時に「納棺師」に依頼するかどうかも決めておきましょう。
このように葬儀社にはあらゆる面でお世話になるので、可能ならあらかじめ依頼する葬儀社を決めておくのがオススメです。
もちろん急な不幸があった場合には難しいかもしれません。
しかし長期入院などをしていた関係で、そうした日が来ることを予測できている状態であれば、事前に葬儀社を決めておくことでいざという時に慌てずに対応することができますね。
火葬式をはじめ、各葬儀プランは『やさしいお葬式』から24時間365日無料でご相談を承っています。
電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。『やさしいお葬式』では葬儀の見積もり、遺影写真、参列者のリストアップなど事前準備をおすすめしています。葬儀の作法や服装などについてもご相談できます。
当日の流れ
納棺
ここまで準備をしたら火葬式当日です。まずは納棺を行ないます。
ご遺体を棺に納め、副葬品として手紙・故人とゆかりのある品物・お花などを入れながら最後のお別れをしましょう。納棺が済んだら火葬場へ向けて出発します。
納棺については下記記事もご参考ください。
・納棺の儀式とは何?儀式の流れで知っておきたいことについて
・棺とは?意味・流れ・入れるもの・マナーを完全解説!
・納棺師とは?資格取得の方法と費用・年収・将来性を徹底解説!
(希望があれば)僧侶の読経
火葬場へ到着したら火葬を行なうのですが、希望があれば火葬炉の前で簡単に僧侶による読経を行なうことも可能です。
基本的には火葬のみですが、そこはご遺族の要望に柔軟に対応してくれます。他にも火葬待ちの方がいるので、数分で終わることがほとんどです。
火葬
上記の読経も終わったら火葬を開始します。この火葬が終わるまでは1〜2時間ほどかかるので、控え室やロビーで待機しましょう。
お茶菓子が用意されていることが多いですが、火葬場によっては料理を手配することもできます。
待ち時間がお昼と被っている場合には、こうした料理を食べて待つのもいいでしょう。
お骨上げ
火葬が終了したら「骨上げ」を行ないます。骨上げとは、骨壷にご遺骨を納めるための儀式のことです。
竹の箸を持って二人一組になり、同時にご遺骨を掴んで納めていきます。
まず喪主の方がご遺骨を納めたら、その後は故人とゆかりの深い方から順番に行ないましょう。最後は喉の骨を骨壷に納めて終了です。
>>ご先祖のお骨壺の大きさを知っていますか?地域で大きさ・種類が違うお骨壺について
骨上げ後は埋葬許可証を受け取ります。ここまでで約3時間かかることが多いです。
埋葬許可証については下記記事もご参考ください。
・埋葬許可証の意味とは?発行から提出までの流れや紛失時の対処法を解説
火葬式(直葬)にかかる時間は?
上記が火葬式のお骨上げまでの流れになります。火葬式では参列者も少ない為、出棺までの時間は30分前後となります。その後、火葬場での待ち時間も含めて3時間ほどの時間がかかります。
火葬については下記記事もご参考ください。
・火葬を完全解説!準備・必要物・手続き・必要な時間・マナー!
・火葬の時間はどれくらいかかる?一般的な火葬の所要時間から火葬の流れ、待ち時間の過ごし方まで完全解説!
・火葬業とは?よく似た斎場と火葬場の違いや火葬業の仕事内容、給与事情まで徹底解説!
火葬式(直葬)の埋葬・お墓
葬儀を終えて骨壷に納めたご遺骨は、基本的にご遺族と先祖代々付き合いのある「菩提寺(ぼだいじ)」に納めることになります。
菩提寺から納骨を断られる場合がある
しかし火葬のみで済ませた場合はこの限りではありません。
寺院の中には「しっかり読経を行ない、通夜や葬儀・告別式まで行なうのが正しい形だ」という考えの方もいます。
そうした方からすると、火葬のみで終わらせて読経もあげないというのは納得できるものではありません。
その場合は納骨を断られる可能性があります。寺院側には納骨を断る権利があるため、宗派に沿って儀式をしなかったご遺骨を受け入れなくてもいいのです。
事前に寺院に相談しておく
こうしたトラブルを避けるためにも、あらかじめ寺院に「火葬のみで儀式を行なう」という旨を伝えておきましょう。
きちんとご遺族の意向や意図を伝えておけば理解をしてもらえます。
菩提寺とは?
先祖代々のお墓を管理しているお寺を「菩提寺(ぼだいじ)」と呼びます。昨今は、お寺とのお付き合いも薄くなってきており菩提寺を持っていない方も多いです。その場合は僧侶を手配することもできます。
僧侶派遣は『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。
火葬式(直葬)の費用相場と内訳
それではここからは、火葬式の際にかかる具体的な内訳などをご説明していきます。
費用相場と内訳
火葬式は地域にもよりますが、約15万〜30万円くらいの金額で行なうことが多いです。
一般葬の金額が120万円前後であることを考えると、費用をかなり抑えられているということがわかりますね。
金額の内訳は以下のようなものが含まれることが多いです。
火葬のみとはいえ、細かく見ていくと様々なことに対して費用がかかります。
追加で発生する費用
葬儀社によっては、上記の内訳の部分で追加の費用が発生する場合があるので注意しましょう。
搬送費用がかかるパターン
例えば「病院から安置所へ搬送する費用」と「安置所から火葬場へ搬送する費用」が別になっていることもあります。
あるいは、一定以上の距離を走ると追加で搬送費用がかかることがあるかもしれません。
火葬場の日程が合わないパターン
さらに、なかなか火葬場の日程が合わず、ご遺体の保管が長引くほど「ドライアイスの費用」と「安置室の費用」が追加でかかります。
これ以外でも、火葬炉の前で読経を行なう場合は、数分だけであってもそれなりの金額をお布施として渡さなくてはいけません。
香典返しの費用
参列者から香典を受け取れば、例え少数であってもその分の香典返しの費用も必要です。
このように、火葬式のプランやその時の状況によって追加費用が発生する可能性は十分あります。
葬儀社と打ち合わせをする際には、「どういった料金プランなのか?」や「どういった場合に追加費用が発生するのか?」ということをきちんと確認しておきましょう。
香典返しについては下記記事もご参考ください。
・香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!
一般葬との費用の違い
一般葬の費用との一番の違いはやはり「大規模な儀式部分の費用を全て省ける」という点です。
火葬式では基本的に火葬のみしか行ないません。そのため一般葬で必要となる、通夜や葬儀・告別式で使う祭壇の費用や会場費用、香典返しの品物代や会食費用などの負担を省けます。
また、参列者の数は一般葬よりもかなり少ないので、仮に僧侶の読経を行なったり香典返しを準備するとなっても、負担はかなり抑えることができます。
弔事費用については下記記事もご参考ください。
・納骨にかかる費用を完全解説!相場・内訳・流れ・準備物を紹介!
・永代供養墓にはどんな特徴がある?種類や費用相場などを徹底解説
・お葬式の際、本当に遺族が悩んでしまうことは、お葬式の費用のことではない。
火葬式(直葬)の費用を抑える方法
このように、火葬のみしか行なわないため費用をかなり抑えることができます。では、ここからさらに費用を抑えるには、どのような点を意識すればいいのでしょうか?
まずは火葬場選びを注意して行ないましょう。火葬場には「民営火葬場」「公営火葬場」の2種類があります。
方法①公営火葬場を利用する
このうち「公営火葬場」は各市区町村住民の税金で運営されているため、そこに住んでいる方であれば民営よりも安く使用することが可能です。
かかる費用は最大でも5万円程度。市区町村によっては無料ということもあります。
さらに控え室の費用も安価に設定されているため、トータルでかなり費用を抑えることができます。
公営火葬場での注意点
ただし、公営火葬場は安価ゆえに他の住民も使いたがります。そのため希望日時に使えないこともあるので注意が必要です。
また、サービスの質についても気をつけましょう。民営火葬場は利益を積極的に出さなくてはいけないため、接客の質やサービス面で優れていることが多いです。
一方で公営火葬場は税金で運営されているため、そこまで利益を追い求める必要がありません。
そのため接客の質やサービス面でやや見劣りする場合があります。もちろん必ずしもそうとは限りません。
方法②自宅安置する
火葬場には安置室が設置されていることがあります。ここに安置しておけば火葬当日にスムーズに火葬を行なうことが可能です。
しかし安置室の費用はかかるため、可能なら自宅安置にするといいでしょう。自宅安置なら当然費用はかかりません。
ここに関しては火葬場との距離や自宅スペースの問題もあるので、それぞれの事情に合わせた選択をしましょう。
方法③香典を辞退する
また、香典を辞退するというのも費用を抑えるためには有効です。香典を受け付けてしまうと、例え少人数であってもいくらか香典返しの費用がかかってしまいます。
火葬式では大きな部分の費用は省けているので、あとはこうした細かいところを節約していくしかありません。
香典については下記記事もご参考ください。
・香典金額の相場を完全解説!地域別の金額・書き方・包み方・渡し方も紹介!
・香典の書き方は?しっかり確認したい香典袋の書き方や香典に関するマナーを完全解説!
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方法④僧侶の読経をやめる
お布施に関しても同様です。菩提寺との関係性やご遺族の意向によっても変わりますが、もし読経を依頼する場合はそれなりの金額を渡す必要があります。
お布施は50万円ほどになることもあります。費用を抑えるという面では、僧侶に事情を理解してもらい読経を行なわないのが一番かもしれません。
お布施については下記記事もご参考ください。
・お布施を完全解説!意味・相場・表書き・裏書などを解説!
・四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
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火葬式(直葬)でもらえる給付金
このような費用の削減と合わせて、給付金制度も活用するといいでしょう。
給付金の種類
給付金とは、ご遺族の葬儀費用への負担を少しでも軽くするために受け取れるお金のことです。
原則として葬儀を行なった喪主の方の口座に振り込まれます。
給付金の種類や受け取れる金額は、故人が加入していた保険の種類によって異なるのであらかじめ確認しておきましょう。
国民健康保険から葬祭費
まず、国民健康保険に加入していた場合に受け取れるのが「葬祭費」です。
これは各市区町の窓口で申請できます。金額にはバラつきがありますが、だいたい1万〜7万円程度であることが多いです。
>>忘れてはいけない⁈申請すれば頂ける葬祭費・埋葬料とは?給付金制度の概要と申請時のポイント
国家公務員共済組合からの給付金
公務員であれば国家公務員共済組合に加入しているかと思います。その場合は5万〜27万円とかなりの金額の給付金を受け取ることが可能です。
申請は加入していた各共済組合に対して行ないましょう。
健康保険から埋葬費の受け取り
故人が会社員などで健康保険に加入していた場合は、「埋葬料(埋葬費)」を受け取れます。
これは厳密には、葬儀にかかった費用ではなく埋葬のためにかかった費用に対して支払われる給付金です。
火葬の費用やご遺体の搬送費用、お布施にかかった費用などが対象となります。
こちらは、各市区町村窓口ではなく「全国健康保険組合」など健康保険の運営を行なっている組合に対して請求しましょう。給付金額の上限は5万円と決まっています。
上記の給付金は、基本的に「葬儀を行なった日の翌日から2年間」が請求期限です。
これを過ぎると請求権利が失効するので注意してください。ちなみにこの給付金申請の前には「保険の資格喪失手続き」をしておく必要があります。
申請に必要なもの
給付金の申請自体は、基本的に喪主の方が行なうとスムーズです。以下のような物を準備するといいでしょう。
・故人の保険証
・印鑑
・申請する方の本人確認書類
・振込先口座がわかるもの
・葬儀の喪主が誰なのかがわかる書類
・領収書などの葬儀費用が明記されているもの
ただし準備物は各窓口によって異なるので、加入していた保険の種類や市区町村窓口で確認しましょう。
給付金を受ける際の注意点
この給付金に関して一番注意しなければいけないことは「火葬式では給付金を受け取れない可能性がある」という点です。
基本的にこれらの給付金は葬儀を行なった方に対して支払われるもの。
そのため葬儀を行なわず火葬のみで済ませる火葬式では、条件に当てはまらない可能性があるのです。
給付条件に関しては、各市区町村のホームページに記載されている場合や、電話をすることで教えてもらえます。
自分たちは給付を受けられるかどうか、あらかじめしっかり確認しておきましょう。
葬儀費用を抑える方法については下記記事もご参考ください。
・葬儀を安くする6つの方法を解説!葬儀費用の相場と内訳を紹介!
・葬式の金額は?一般的な葬儀費用の平均から、葬儀費用の内訳、費用を抑える工夫まで徹底解説!
・火葬(直葬)の費用を完全解説!相場・内訳・費用を抑える方法を紹介!
火葬式(直葬)のマナー
では火葬式ではどういったマナーを意識すべきなのでしょうか?施主側と参列者側、両方の視点からご説明します。
施主の場合のマナー
参列者がいる場合は、あらかじめ迷いそうなポイントに関してはきちんと案内をしておきましょう。
香典を辞退する場合は先に伝えておく
例えば、香典を辞退する場合はその旨を先に伝えておく必要があります。
葬儀であれば、その形式に関わらず礼儀として香典を持っていく参列者がいても不思議ではありません。
しかし施主側が香典返しの準備をしていないのに香典をいただいてしまうとその後の対応が増えてしまいますよね。
そうした手間を避けるために香典辞退の旨はしっかり伝えておきましょう。他には「会食があるかどうか」も伝えておくのがオススメです。
これを伝えておけば、軽食を取ってから参列するなどの対応をしてもらうことができますね。
火葬のみで葬儀を行うことを伝える
また、「火葬のみで葬儀を行なう」ということも明確に伝えておきます。
一般葬とはスケジュールが全く違うので、伝えておかないと参列者を困惑させてしまうかもしれません。
人によっては、この時点で「ちゃんと故人のお見送りができるのか?」という疑問を持つ方もいます。必要に応じてしっかり説明をし、納得して参列してもらいましょう。
施主については下記記事もご参考ください。
・施主と喪主の違いとは?葬儀における施主の役割を解説!
・喪主と施主の違いは?それぞれの役割から喪主と施主の兼任まで完全解説!
施主の服装
火葬式は一般葬とは違い規模の小さいお葬式になります。しかしあくまでも故人を見送る大切な場であります。可能であれば喪服を着用しましょう。
弔事での服装については下記記事もご参考ください。
・急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!
・お葬式の靴はどう選ぶ?お葬式の靴のマナーや選び方、靴下や喪服まで徹底解説!
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参列者の場合のマナー
ご家族との最後のお別れを妨げない
火葬式を行なう理由は様々ですが、その中には「遺族だけで静かにお別れしたい」という思いの方も多いです。
そのような背景があるので、参列する側は必ずご遺族の意向に従い、最後のお別れを妨げないようにしなくてはいけません。
例えば「最後の火葬は遺族だけで行ないたい」という希望があった場合は素直に従います。
もちろん参列者としても故人を最後までお見送りしたい気持ちはあるでしょう。
しかし「何より優先すべきはご遺族の気持ちである」ということを忘れてはいけません。
香典を辞退された場合は従う
香典を辞退された場合も同様です。香典返しの費用を抑えるために辞退しているので、ここで無理に渡すと逆に負担となります。
良かれと思っての行動が仇となるので注意しましょう。
参列者の服装
火葬式の場合、施主は喪服であるのが一般的です。参列者は男性であれば黒のスーツに白いワイシャツ。女性も黒系のワンピースやスーツを着用します。靴やストッキング、カバンも黒系に統一しましょう。
火葬式(直葬)でのマナーについては下記記事もご参考ください。
・直葬とは?流れ・費用・マナー・選ばれる理由を完全解説!
・火葬を完全解説!準備・必要物・手続き・必要な時間・マナー!
・火葬式を完全解説!費用・流れ・マナー・香典・一般葬儀との違いを紹介!
火葬式(直葬)を選ぶ際の注意点
それでは火葬式を行なう際には、具体的にどのような点に注意すればいいのでしょうか?
葬儀会社の選び方
葬儀は故人をお見送りする最後の機会。
そのため、きちんとお別れをしてみんなが納得する形の儀式を行なうためには「葬儀社をいかにきちんと選べるかどうか?」が重要です。では、どのような点を見るべきなのでしょうか?
選び方①スタッフの身なりを確認する
まずはスタッフの身なりに注目しましょう。故人をお見送りする場ですから、やはり葬儀社スタッフにはしっかりした身なりであってほしいですよね。
スーツがヨレヨレよりもピシッと着こなしている方が頼り甲斐もあります。他にも身につけているものや所作などをしっかり見ておきましょう。
選び方②電話対応や言葉遣い
また、スタッフの電話対応の質や言葉遣いも重要です。葬儀は悲しみに溢れている場所。当然、普段よりも言葉遣いに気をつける必要があります。
そのため、電話応対時の言葉遣いや実際の接し方で、きちんとご遺族や参列者の感情に配慮できているかどうかを判断しましょう。
一番大切なのは「費用に関しての説明がきちんとできているかどうか?」という点です。火葬のみしか行なわないとはいえ、数十万円程度のお金はかかります。
選び方③プランや料金が明確かどうか?
そのためプランに関する説明が曖昧だったり、追加費用に関する説明が無い葬儀社に依頼してしまうと、割高な費用を払わされることになるかもしれません。
大切な方が亡くなって大変な時期かとは思いますが、納得して故人をお見送りできるようにきちんとした葬儀社を選びましょう。
葬儀についての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。
菩提寺との関係、お布施
菩提寺との関係
先述の通り、菩提寺の中には火葬式を行なうことに対して難色を示す場合もあります。
その場合はきちんと話し合っておいて、火葬式を行なうか、あるいは一般葬を行なうかなどを決めておきましょう。
そうしておかなければ、納骨を断られたり、今後の菩提寺との付き合いに悪影響を与えることになるかもしれません。
菩提寺との関係性を考慮したり、単純に「読経だけはあげたい!」という時には、僧侶を呼ぶことも可能です。
読経を行った場合はお布施を渡す
その場合はお布施も渡しましょう。相場は一般葬の場合と同じように考えれば大丈夫です。
菩提寺であれば先祖代々お世話になっているため、10万〜50万円程度を包むのが一般的。
お気持ちとして多少上乗せしても問題ありません。
もちろんこれはあくまでも相場ですし、そもそも火葬式を行なう方は経済的に余裕がない場合もあるので、自分たちに無理のない最大限の金額を包むといいでしょう。
僧侶派遣も可能
もし菩提寺がなければ、葬儀社に紹介してもらうことも可能です。その場合は読経をしてもらうだけの関係なので、お布施は10万円程度でも問題ありません。
僧侶派遣は『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。
僧侶派遣については下記記事もご参考ください。
・寺院手配サービスとは⁉︎寺院(僧侶)を手配する方法とは?
・宗教者・お坊さんの手配の仕方とは⁉︎身内が亡くなった時・法事の時の宗教者手配方法
香典を受け取った時、香典返し
火葬式であっても、香典を受け取った場合は香典返しを準備する必要があります。この香典返しの相場や品物も、一般葬と同じように考えれば大丈夫です。
香典返しの相場
香典返しの相場は、いただいた香典の1/3〜半額程度で問題ありません。
香典の金額は故人との関係性や年齢によっても変わるため、可能なら金額によって3種類くらいの品物を準備しておきましょう。
ただし、葬儀当日に香典返しを渡す「即日返し」の場合は金額ごとの個別対応が難しいです。そのため2千〜3千円程度の品物を共通で準備しておきましょう。
もしも用意した香典返しの倍以上になる金額をいただいた場合は、個別で忌明けに対応します。
香典返しでお渡しするもの
いただいた香典の半額から、当日に渡した品物の金額を引いた程度の品物を用意するといいでしょう。
会社名義や同僚の連名で香典をいただいた場合には、社員で分けられる個包装のお菓子などを準備しておきます。
ただし、火葬式にはごく親しい方だけを呼ぶことが多いため、ここはあまり気にしなくてもいいかもしれませんね。
香典返しの品物には以下が選ばれることが多いです。
・故人が好きだったお茶菓子
・日用品(タオル、洗剤セットなど)
・調味料や飲み物の詰め合わせ
・カタログギフト
基本的には、日常で簡単に消費できるものを贈ります。金券や商品券などは露骨に金額がわかってしまうため、極力香典返しの品物として選ぶことは控えましょう。
また、目上の方にこうした品物を贈るのは失礼にあたると考える方もいます。
そのため、渡したい場合はあらかじめ親族と相談しておくか、渡す相手をごく親しい方だけに限定しておきましょう。
戒名
戒名とは?
戒名は、あの世で故人につけられる呼び名のことです。
一般葬では戒名をつけることが多いですが、火葬式は無宗教の方が選択することもあるため、そうしたこだわりは持たない場合もあります。
戒名をつけないこと自体は問題ありません。
しかし、寺院に納骨する場合は基本的には戒名が無いと断られることもあるため、そうした事情を考慮した上で戒名をつけるかどうかを検討しましょう。
戒名をつける場合は「位」を選ぶことになります。この位は金額によって変わるため、自分たちの予算などと相談しながら決めるといいでしょう。
位と金額の目安は、一番基本の位から
火葬式を選択する方の中には経済的な余裕が無い方も多いです。そのために火葬のみで葬儀を行なっているので、一番低い位の戒名を選ぶことがほとんどでしょう。
戒名については下記記事もご参考ください。
・戒名とは?浄土宗の戒名の特徴から他宗の特徴、生前戒名まで徹底解説!
・俗名とは?戒名との違いから俗名での位牌の作り方まで完全解説!
当日以降の供養・納骨
一般葬であれば、葬儀を行なった後に四十九日法要や一周忌などの各種法要が行なわれます。
しかし火葬式の場合は、法要等の宗教的伝統にこだわらない方や、経済的負担があるので火葬のみで済ませたい方が多いです。
そのため、ご遺族の選択次第ではこうした当日以降の供養を行なわない場合もあります。もちろん行なっても何も問題ありません。
法要の代わりとなる「お別れ会」
近年では、こうした法要の代わりに「お別れ会」を開く方も増えています。
法要とは異なり定められた流れや形式などが無いため、故人やご遺族の意向を反映させた集まりにすることが可能です。
故人がよく聴いていた音楽を演奏したり、船上で立食パーティーを開いたりと、その形は様々です。
友人や親族を招待して盛大に行なうものも多いです。費用も千差万別のため、希望する方は葬儀社かお別れ会のプロデュース専門会社などに聞いてみましょう。
>>お別れ会を完全解説!相場・流れ・特徴・マナーを3分で紹介!
納骨
納骨に関しては、先述の通り菩提寺の了承を得ておかないと断られることがあります。
現在は火葬のみで葬儀を行なう方も増加しているため、しっかりと話をすれば理解してくれるでしょう。
もしそれでも理解を得られなかった場合は、僧侶に読経を依頼するか、菩提寺以外に納骨をするしかありません。
霊園であれば宗派や形式を問わず納骨を行なうことが可能です。
年間の管理費用はかかりますが、管理会社側で定期的に掃除などを行なってくれるのでキレイに保つことができます。
また、菩提寺に納骨をすると寺院の修理などの際に修繕費のサポートを求められることがありますが、霊園であれば基本的にそうした縛りはありません。
菩提寺に納骨を断られた方や、付き合いが深いゆえのしがらみを遠ざけたい方は霊園への納骨を検討してみましょう。
納骨については下記記事もご参考ください。
・納骨とは?納骨式の時期と準備・流れと費用を完全解説!
・合祀とは?納骨堂の違いからメリット・デメリットまで徹底解説!
火葬式(直葬)のメリット・デメリット
それではここで、今まで出てきた火葬式のメリット・デメリットをまとめていきます。
◎火葬式のメリット
まず火葬式では、費用を節約することが可能です。火葬式で行なうことは、基本的には火葬のみです。
メリット①費用を大きく削減できる
そのため、通夜や葬儀・告別式で使う会場費用や祭壇費用、その他飾りつけ用の費用を大きく削減することができます。
僧侶による読経を行なわないことも多いためお布施を用意する必要もないですし、香典を辞退すれば香典返しの費用もいりません。
100万円単位でお金がかかることの多い葬儀において、こうした費用を削れるのはかなり効果的です。
メリット②精神的な負担を抑えられる
また、経済的な負担だけでなく精神的な負担も抑えられることが火葬式の魅力です。
上記のように一般葬とは違い火葬のみなので、大規模な儀式の部分を省くことができます。
そのため準備にかける時間や打ち合わせの手間を減らすことができるのです。
もし参列者が多いと香典返しや会食の準備も大変になるので、そうしたことに気を張らなくてもいいというのは助かります。
◎火葬式のデメリット
デメリット①周囲の人とトラブルになるケースがある
火葬のみのため非常に簡素に行なえる火葬式。しかし簡素であるために、周囲の方から「きちんと故人をお見送りできるのか?」という疑問の声が出る可能性はあります。
特に火葬式では参列者を呼ばないことも多いため、最後のお別れができないことに対する不満を抱える方もいるでしょう。
そうした不満は僧侶からも出ることがあります。
デメリット②菩提寺から納骨を断られるケースがある
現在では火葬のみという儀式形式が広まりつつありますが、それでもまだ「読経などをしっかり行なってこそ故人の供養に繋がる」という考えが主流です。
菩提寺の僧侶がそうした考えを持っていた場合、納骨を断られることもあるでしょう。
これは後々の関係性にも響いてくるので、あらかじめ自分たちの考えはしっかり伝えておくべきです。
デメリット③追加費用が発生するケースもある
また、費用に関しても注意しておきましょう。基本的には一般葬よりも安価に儀式を行なえますが、追加費用を考慮しないと思った以上に支払い額が増えるかもしれません。
火葬式(直葬)のメリットとデメリットについては下記記事もご参考ください。
・葬儀無しで火葬のみ?直葬の流れからメリットデメリットまでを徹底解説!
・直葬(火葬)の費用を完全解説!相場・流れ・メリット・デメリットを紹介!
・火葬式って何?メリット・デメリットや費用相場などを詳しく紹介
火葬式(直葬)についてのまとめ
以上が火葬式に関する様々な知識です。最後にここまでの内容をまとめましょう。
・「火葬式」とは、火葬のみで行なう葬儀のことを指す。
・火葬式は、一般葬よりも簡潔に素早く儀式を行なうことができる。基本的な火葬式の進行は「納棺→火葬」のみ。
「費用を節約できる」というのも一般葬と異なる点である。
・火葬のみで行なう火葬式を選択する方が増えている理由としては、「経済的な理由」「価値観の変化」「高齢化の影響」が挙げられる。
・火葬式当日までに「死亡届」を各市区町村役場に提出し、「火葬許可証」を発行してもらう。必要書類を準備しながら葬儀社も探す必要がある。
・葬儀社に相談すべき内容としては、主に「火葬式の内容」「ご遺体の安置場所について」が挙げられる。
法律によって死後24時間以内の火葬はできないということが決まっているため、安置場所については速やかに相談しておく。
・火葬式当日は「納棺→僧侶による読経→火葬→骨上げ」を行なう。全て終わるまでに約3時間かかることが多い。
・葬儀を終えて骨壷に納めたご遺骨は、基本的にご遺族と先祖代々付き合いのある「菩提寺」に納める。
しかし火葬のみで済ませた場合は納骨を断られる可能性があるため、寺院にはあらかじめ「火葬のみで儀式を行なう」という旨を伝えておく。
・火葬式はだいたい10万〜30万円くらいの金額で行なうことが多い。
葬儀社によっては一定以上の距離を走ると追加で搬送費用がかかったり、ご遺体の保管が長引くほど「ドライアイスの費用」と「安置室の費用」が追加でかかったりすることもあるので注意する。
・火葬式の費用をさらに抑えるために「火葬場選び」「自宅安置にする」「香典を辞退する」「読経を行なわない」という点を意識する。
・ご遺族の葬儀費用への負担を少しでも軽くするために受け取れる給付金制度も活用する。準備物は各窓口によって異なるので、加入していた保険の種類や市区町村窓口で確認する。
・施主側のマナーとしては「あらかじめ参列者が迷いそうなポイントに関してきちんと案内をする」というものがある。
具体的には「香典を辞退する旨」「会食があるかどうか」など。合わせて「火葬のみで葬儀を行なう」ということも明確に伝えておく。
・参列者側のマナーとしては「必ずご遺族の意思に従い、最後のお別れを妨げないようにする」というものがある。
例えば「香典を辞退されたら素直にその意向に従う」など。
・火葬式を行なう際には、「葬儀社がきちんとしているか?」「菩提寺との関係性」「香典返しの相場や品物選び」「戒名をつけるかどうか?」「当日以降の供養や納骨をどうするか?」という点に注意する。
・火葬式のメリットは「費用を節約できる」「精神的な負担も抑えられる」というものがある。
デメリットとしては「周囲の方からきちんと故人をお見送りできるのかという疑問の声が出る可能性がある」「菩提寺の僧侶に納骨を断られることがある」「思った以上に追加費用がかかることがある」というものがある。
このように火葬式には、火葬のみで行なうゆえのメリット・デメリットが存在します。
周囲の方から反発をもらう可能性もあるでしょう。しかし葬儀で一番大切なのは、故人を偲ぶ気持ち。それがあれば形式にそこまでこだわる必要はないのかもしれません。
もし火葬式を行なう場合は、そうした気持ちはしっかりあるということを周囲に伝えて、みんなが納得する形で故人をお見送りできるようにしましょう。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール