これだけで完璧!納骨で抑えておくべきお布施相場とマナー5選
「納骨式でお渡しするお布施の相場が分からない…」
「マナーを守るにはどうやってお包みすればよい?」
「失敗して恥をかくようなことはしたくない!」
納骨は、火葬したご遺骨を納めるためのとても大切な儀式です。
特に宗教者の方への御礼である「お布施」は、金額はもちろんのことマナーを守ってきちんとお渡ししたいですね。
そこで本記事では、お布施相場はもちろん、封筒の選び方~お渡し方法まで細やかにご紹介しています。
「故人のご冥福を祈って下さる宗教者の方へきちんと礼をつくしたい」
という方は、ぜひ最後までお読みください。
納骨・納骨式とは?
それでは最初に、納骨についての基本的な知識をご紹介します。
納骨とは?
納骨とは、火葬後のご遺骨を骨壷に入れて仏壇や祭壇に一定期間安置した後、先祖代々のお墓や納骨堂にその骨壷を納めることです。
納骨を行うタイミング
そもそも故人のご遺骨は、「必ずお墓や納骨堂に納骨しなくてはいけない」と法律で定められているわけではありません。
故人と離れたくないという理由から、ご自宅で保管をする方もいらっしゃいます。
納骨のタイミングも、上記と同じように「いつまでに納骨をしなくてはいけない」と定められているわけではありません。
一般的な納骨のタイミング
しかし実際には、ある程度決まったタイミングで納骨を行う方が多いです。具体的には、
などのタイミングです。
早い方で四十九日法要、通常ですと一周忌法要くらいまでのタイミング等で納骨をする方が多いといわれています。
この法要を境に忌が明けるため、ご遺族が気持ちの区切りをつける意味でも納骨のタイミングとしてはベストなのでしょう。
各法要については下記記事をご覧ください。
【初七日】
・初七日とは?意味・数え方・お供え・お経・知っておきたい常識とマナー
・初七日とは?初七日までしてはいけないことや期間を徹底解説!
【四十九日法要】
・四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
【一周忌】
・一周忌とは?意味・香典・お布施・お供え・マナーを完全解説!」
【三回忌】
・三回忌のお布施を完全解説!金額相場・書き方・渡し方・喪主・参列者のマナーを紹介!
・三回忌とは?意味と施主と参列者が知っておくべき法事・法要のマナーとは?
【七回忌】
・七回忌とは?意味とお布施・香典の相場と出席マナーを解説!
【十三回忌】
・13回忌とは?13回忌の準備から招待された場合のマナーまでを完全解説!
・法事・法要の香典相場はいくら?三回忌・七回忌・十三回忌と故人との関係別に解説!
年忌法要は、地域や菩提寺の考え方にもよりますが、一般的には三十三回忌もしくは五十回忌で「弔い上げ(とむらいあげ)」となり、最後の法要になります。
弔い上げについては「亡くなった方の法事法要は「いつまで」行うことが多いの?」の記事もご参考ください。
納骨するお墓が無い場合
ただし、先祖代々のお墓があれば四十九日法要などで納骨できますが、お墓が無い場合はまずお墓を建てることから始める必要があります。
その場合はご遺骨を自宅や寺院などで保管した後に「百箇日法要」「一周忌」「三回忌」などの法要と一緒にお墓へ納骨することになるでしょう。
もちろんお墓があったとしても、ご遺族の気持ちの整理がついてから納骨する場合もあります。
このように、それぞれの事情を考慮して納骨タイミングを決めると良いですね。
納骨式とは?
「納骨式」とは、上記を含めご遺族が決めたタイミングでお墓や納骨堂に骨壷を納める時に行う法要のことです。
法要であるため、基本的には参列者を招待し会食や読経も行います。
そのため、先述した四十九日法要などのタイミングで納骨式を行えば、改めて親族や友人に集まってもらう必要がありません。
納骨時期に関する決まりはありませんが、可能なら一度に済ませてしまった方がご遺族側の負担も軽減できますよね。
納骨については「納骨にかかる費用を完全解説!相場・内訳・流れ・準備物を紹介!」「納骨とは?納骨式の時期と準備・流れと費用を完全解説!」の記事もご参考ください。
納骨方法
一般的な納骨方法といえば「お墓への納骨」「納骨堂への納骨」が挙げられます。
しかし現在では、故人やご遺族の多様なニーズに応えられるように様々な納骨方法が編み出されています。
◎樹木葬
「樹木葬」とは、墓地として認められている土地に植樹を行い、それを墓標とする納骨方法のことです。
ご遺骨は植樹した木の付近に埋葬するのが一般的です。
この樹木葬はさらに2種類に分類されており、区画整理された山林に埋葬する「里山型」と、霊園内にある樹木を墓標にして埋葬する「霊園型」に分かれます。
埋葬については「埋葬とは?意味・手続の流れ・必要物・給付金・注意点を完全解説!」の記事もご参考ください。
◎手元供養
「手元供養」は、その名の通りご遺族自身で手元にご遺骨を保管しておく方法です。法要や読経などは必要ありません。
保管に必要な道具は仏具店やインターネットでも購入できます。
ご遺族自身ですり鉢等を使いご遺骨を粉状にしてから保管しても良いですし、専用の機械を持つ業者に依頼することも可能です。
◎散骨
「散骨」は、ご遺骨を海や川、山などに撒く納骨方法のことです。
故人が「死後は自然に還りたい」などの思いを持っていた場合に行われることが多いです。散骨は国の法律では禁止されているものではありません。
しかし市区町村レベルでは条例によって禁止されている場合もあるので、散骨を行う場合はその面に注意すべきでしょう。
ご遺族自身で散骨を行うと上記のような法的な問題に直面する可能性もあるため、業者に依頼する方もいます。
海洋散骨については当社『やさしい海洋散骨』でもご相談を受け付けております。
ご家族に代わり散骨する「代理プラン」、少人数で散骨をする「合同プラン」、船を貸切る「貸切プラン」や「ペット散骨」などからお選びいただけます。オプションでは手元供養のお骨壺や遺骨リングなども作成可能です。
散骨に関しては下記記事もご参考ください。
・ペットの散骨を完全解説!流れやマナー、費用相場まで徹底解説!
・遺骨の粉骨について完全解説!粉骨の目的からポイント、粉骨方法までを完全網羅!
・海洋散骨にかかる費用は?散骨方法・自分で行う際の費用相場と流れを完全解説!
・自分で粉骨をするには?手順・方法から注意点、メリットデメリットまでを徹底解説!
納骨までの流れ
それでは、納骨式においては納骨を行うまでにどのような手順を踏むのでしょうか?具体的な納骨式の流れをご説明します。
◎必要書類を揃える
納骨は無断では行えません。
必ず「遺骨埋葬許可証」が必要になります。遺骨埋葬許可証とは、ご遺骨を火葬する際に必要な「火葬許可証」に火葬場の印が押してある紙のことです。
>>火葬するには火葬許可証が必要!発行の流れや再発行について解説
納骨の時にも必要となるので必ず火葬終了後も保管しておきましょう。
もし墓地や霊園に納骨する場合は、これに加えて「墓地使用許可証」も必要です。
◎日程を決め僧侶との予定をすり合わせる
先述の通り、納骨式には「いつまでに行わなくてはいけない」という決まりがありません。
しかし一般的には四十九日法要と同時に行う方が多いので、その旨も僧侶とすり合わせておきましょう。
◎喪主による挨拶
当日は喪主による挨拶から始まります。一般的には暮石の前で挨拶を行うことが多いです。挨拶は参列者への感謝の気持ちなどを簡潔に述べましょう。
喪主の挨拶については「喪主とは?喪主の決め方と役割、服装、マナー、挨拶を解説!」の記事もご参考ください。
◎納骨を行う
挨拶が終わったら納骨を行います。骨壷は、お墓の下にある「カロート」と呼ばれるスペースに納めましょう。
カロートには石材で蓋がしてあるため外す必要があります。
この蓋は自分たちで開閉することも可能ですが、意外と重いため取り外しに慣れている石材店の方に頼むと良いでしょう。
◎読経と焼香を行う
納骨が終わったら読経と焼香を行います。焼香は僧侶が合図を出してくれるのでそれまで待ちましょう。
◎会食
焼香まで終わったら会食です。寺院やホテル、料亭などで行うと良いでしょう。ここが最後の場なので、故人を偲んで語り合ってください。
会食も終わったら喪主が締めの挨拶を行い全行程が終了です。
以上が納骨式の流れです。もちろんこれはあくまで一例なので、納骨方法によって多少順番や内容が変わる可能性もあります。
会食については「おとき(お斎)とは?意味とマナーと香典相場を3分で解説!」の記事もご参考ください。
◎引き物
香典のお返しとして引き物を用意します。地域によって相場は違いますが、相場の目安としては頂いた香典の1/2~1/3程度となります。千円から5千円程となります。
納骨にかかる費用の内訳
それでは、こうした納骨関連の儀式を行うにはどのくらいの費用が必要なのでしょうか?
お墓にかかる費用と内訳
お墓に納骨する場合は、当然お墓を準備しておく必要があります。先祖代々のお墓がすでにあれば問題ありません。
しかしまだお墓が無い場合は、納骨式までにお墓を建てておく必要があります。
全国のどの場所でお墓を建てるのかで費用は異なりますが、相場でだいたい150万〜200万円が相場と考えておけば良いでしょう。
一度お墓を建てれば先祖代々受け継がれていくとはいえ、決して安い買い物ではありません。
お墓の値段は、基礎工事費用やお墓の大きさ、デザインや石の種類など様々な要素によって値段が決まるので、ご自身の予算を考慮し最大限理想の形に近づけていきましょう。
お墓についての費用は「意外とお葬式以上にお金が掛かる「お墓に関する費用」」の記事もご参考ください。
納骨式にかかる費用と内訳
四十九日法要などと同時に納骨式を行う場合とそうでない場合とでは、若干かかる費用が変動します。
今回は、比較的多い「四十九日法要と同時に納骨式を行う場合の費用」についてご説明します。
基本的に、法要と同時に行う場合にかかる費用は「会場費」「作業費用」「彫刻料」「卒塔婆料」「会食費」がメインです。
会場費や会食費は参列人数にもよって変動しやすいですが、その他はだいたい相場が決まっています。
作業費用にかかる費用
「作業費用」は墓石の開閉などを依頼する場合にかかる費用のことです。
相場は「1万5千〜3万円程度」になることが多いです。
開閉程度であれば自分で行うことも可能なので、その場合は費用がかかりません。
彫刻料にかかる費用
「彫刻料」は、石碑に没年月日や戒名を彫る場合に必要な費用のことです。
相場は「3万〜5万円程度」になることが多いです。
石材店に連絡することで彫ってもらうことができます。
卒塔婆料にかかる費用
「卒塔婆料」は、供養の時に使う卒塔婆を建てるための費用のことです。
相場は一本あたり「5千円程度」になることが多いです。
卒塔婆については「卒塔婆とは?意味と種類と供養方法と相場を解説!」の記事もご参考ください。
その他かかる費用
これ以外にも、ろうそくやマッチ、線香などの小物類や、お供え物の費用もかかります。霊園に法要部屋がある場合は、使用料がかかることも。場所によって変わりますので納骨を行う寺院や霊園にも確認してみましょう。
お墓を建てることにならなくてもある程度の費用はかかるので、あらかじめしっかり確認しておきましょう。
寺院にかかる費用と内訳
納骨式を行う場合は、それに対するお礼として「お布施」「御車代」「御膳料」も用意しましょう。
後ほど詳しくご説明しますが、お布施の相場は地域や宗派、寺院との付き合いによって変動するので注意が必要です。
また、御車代や御膳料は必要ない時もあるのでそれぞれ確認しておきましょう。
御膳料については「御膳料とは?相場と渡し方と注意点とマナーを解説!」の記事もご参考ください。
納骨を納骨堂で行った場合の費用
上記は、お墓に納骨した場合の費用ですが、納骨堂で納骨を行った場合は、作業費用と彫刻料が不要になります。その為、お墓に納骨するよりも安くなります。
納骨堂については「合祀とは?納骨堂の違いからメリット・デメリットまで徹底解説!」の記事もご参考ください。
納骨のお布施
次に納骨時のお布施の相場などについてご説明します。
上記でご説明した通り、読経などをあげてもらった僧侶に対してはお布施をお渡するのが一般的です。
では具体的にどのくらいの金額を用意すれば良いのでしょうか?
納骨のお布施の意味
一般的にお布施というのは、「供養をしてもらった僧侶に対してお渡しするお礼」という認識で広まっています。
もちろんこれは間違いではありません。しかしより厳密に言えば、僧侶自身へのお礼というよりも御本尊へと捧げるという意味合いが強いです。
このお布施によって御本尊そのものはもちろん、それを維持するために働く僧侶や家族の生活をサポートしているため、間接的に御本尊のためにお金を捧げているということですね。
お布施は六波羅蜜の修行の一つ
お布施の本来の意味は、仏教徒の修行法である「六波羅蜜」の中の一つです。お布施には「財施(ざいせ)」「法施(ほうせ)」「無畏施(むいせ)」の3つの意味があります。
財施は金銭や食料、衣服などの形あるものを施すこと。法施は、知識や釈迦の教えを施したり、読経する行為のことです。最後の無畏施は、恐怖心を取り除くための施しをすることとなります。このお金によって、御本尊を守っている寺院の維持やその役目を担う僧侶と家族の生活を支えています。
納骨のお布施相場
このように、本来お布施には御本尊への感謝の気持ちを表すという意味があります。
そのため、根本的に「サービスの対価としてこれだけのお金を支払う」という考え方とは違い、お布施には定価という概念が存在しません。
僧侶に金額を聞いても「お気持ちで大丈夫です」と言われることも多いのだそうです。
だからといってあまりにも常識外れな金額をお渡しするわけにもいきません。そのため、ある程度の相場は覚えておくと良いでしょう。
納骨のお布施は、一般的に「3万〜5万円程度」が相場であるといわれています。
菩提寺や寺院によっても相場は変動する
また、菩提寺などの先祖代々付き合いがある寺院の場合は「10万円近く」をお渡しすることもあるため、相場感に不安があれば親族や僧侶と相談してみると良いでしょう。
注意しなくてはいけないのは、あくまでもこのお布施は「納骨式に対してのお布施」であるということです。
つまり四十九日法要と納骨式を同じ日程で行ったとしても、それぞれ別でお布施を用意しなくてはいけないのです。
開眼供養とは?
さらに、お墓を新たに建てた場合も注意が必要です。なぜなら、お墓に魂を込めるための「開眼供養」も行わなくてはいけないからです。
開眼供養も行う場合は、今までのお布施に加えてさらに「3万〜10万円程度」をお渡しするため、トータルで考えるとかなりの金額を包むことになるでしょう。
納骨のお布施相場(宗派別)
納骨に対するお布施は宗派によってそこまで大きな変動は無く、「四十九日法要のお布施と合わせて5万〜10万円程度」になることが多いです。
「浄土真宗」「浄土宗」に関しては、四十九日法要のお布施を「葬儀のお布施の1割程度」としているため、他の宗派とはやや目安の設定方法が違います。
他の宗派は、
●真言宗が3万円程度
●日蓮宗が5万円程度
●臨済宗・天台宗が3万〜5万円程度
●曹洞宗が3万〜10万円程度
が四十九日法要のお布施相場です。
この金額に基づき、「四十九日法要と納骨式のお布施の合計が5万〜10万円程度」になるように納骨用のお布施も準備しましょう。
納骨のお布施相場(仏式以外)
キリスト教の場合は、神父や牧師に1万円から5万円を目安にお渡しします。教会によっては納骨の際に、教会墓地の使用量が発生する場合がありますので相談してみましょう。
神道の場合は、3万円から5万円が目安となります。神社にお供え物をして頂いた場合は、プラス1万円~2万円をお包みしてお渡ししましょう。
葬儀・法事の僧侶手配については『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。
御車代・御膳料の相場
場合によっては、お布施だけでなく「御車代」「御膳料」もお支払いする必要があります。
御車代について
「御車代」は、寺院以外で法要などを行った場合にお渡しするもの。一般的には「5千〜1万円程度」を包むことが多いです。
交通費としてお渡ししますが、実際にどれくらいの費用がかかっていてもこのくらいの金額をお渡しすれば問題ありません。
最近では喪主があらかじめタクシーを手配しておき、実際にかかった費用をタクシー会社に支払うというケースも増えているそうです。
御膳料について
「御膳料」は、納骨式後の会食に僧侶が参加しない場合にお渡しするものです。
食事の内容に関係なく、一般的には「5千〜2万円程度」を包むことが多いです。
お盆などの法要が集中する時期には、僧侶に立て続けて依頼が入っていることも考えられます。
その場合は会食に参加できないと考え、御膳料を支払うものとして準備しておくと良いでしょう。
これらのお金は、お布施とは違い「僧侶自身へのお礼」としてお渡しする傾向が強いです。
そのため、お布施と同じ袋に包んだりせず別物のお金として準備してください。
納骨以外のお布施の相場
納骨以外の御布施の相場についてご紹介します。亡くなってから年数が経過すると、お布施の金額も少なくなってきます。
法事・法要のお布施の相場
法事、法要のお布施の相場は、3回忌までの法要の場合は3万円から5万円。三回忌以降は1万円から3万円程度となります。
詳しくは「法事とは?日程とお布施と服装持物を徹底解説!」「お布施を完全解説!意味・相場・表書き・裏書などを解説!」の記事をご参考ください。
お盆・お彼岸のお布施の相場
亡くなってから四十九日が過ぎてのはじめての初盆では、3万円から5万円が相場となります。それ以降のお盆では5千円から2万円となります。お彼岸で僧侶に読経を依頼した場合は、3万円から5万円が相場です。
詳しくは、「初盆(新盆)のお布施を完全解説!金額相場・渡し方・マナーを紹介!」「お盆(盂蘭盆会)とは?期間・意味・マナーを完全解説!」の記事をご参考ください。
納骨のお布施に関するマナー
納骨のお布施はただ用意すれば良いというものではありません。きちんとしたマナーを守ってお渡しすることが大切です。
ではどのようなことに気をつければ良いのでしょうか?
封筒の選び方
基本的には「白い無地の封筒」を選べば問題ありません。
ただし、袋が二重になっている物は「不幸なことがこれからも続く」ということをイメージさせてしまうので使用を避けましょう。
封筒によってはあらかじめ表面に表書きが印字してある物もあります。これはそのまま使用しても問題ありません。
また、表書きの印字がある封筒を使う場合は、お札を中袋に入れずに直接封筒の中に納めましょう。
この封筒に入れる方法でも問題ありませんが、より丁寧にお札を包みたい場合は「奉書紙」を使うのがオススメです。
お札の表面を上側に向け中包みに入れて、それを奉書紙で包んで上下をたたみましょう。
表書きの書き方
封筒の表面には「表書き」を記載しておきます。「お布施」あるいは「御布施」と書いておけば大丈夫です。
納骨時のお布施に関しては、普通の黒い筆ペンなどで表書きを記載してください。薄墨は「突然の訃報を聞いて涙で墨が滲んでしまった」という悲しみを表現するために使うものです。
納骨のお布施は突然必要になるものではないため、普通の筆ペンでも問題は無いのです。
記載した表書きの下側には、喪主のフルネームか「◎◎(ご遺族の苗字)家」と書いておきましょう。
お金の入れ方・包み方
お金を封筒に入れる時にも気を配りましょう。
お札の人物画が記載してある面を上にして、袋の入り口に人物画が向くように入れるのが一般的です。
こうしておくと、袋から取り出した時に人物画が最初に見えるので綺麗ですよね。お札を複数枚封筒に入れる場合は、全ての向きを揃えておきましょう。
お布施の渡し方
お布施は直接手渡ししてはいけません。
お布施はふくさに包む
まずお札を白い無地の封筒に入れ、ふくさで包みます。
お布施を包んだふくさはバッグなどに入れておき、お渡しするタイミングで取り出してください。
そしてお布施をふくさから取り出し、切手盆などに乗せて僧侶に差し出しましょう。
切手盆が無ければ小さめのお盆でも問題ありません。もしお盆自体が無ければ、手のひらでふくさを開いて差し出しても大丈夫です。
お布施以外の御車代や御膳料をお渡しする場合
お布施以外の御車代や御膳料もお渡しする場合は、上から順に「お布施→御車代→御膳料」というように重ねて差し出してください。
どのようにお渡しする場合でも、僧侶が表書きの文字を読める向きにしておいてください。
お布施を渡すタイミング
お布施は納骨式などが全て終わり一段落ついた頃にお渡しすることが多いです。会食に参加する場合はその後でも問題ありません。
基本的には一段落ついた時にお渡しした方が僧侶の荷物にならないので、タイミングとしてはそこが理想といえます。
しかしお盆の時期などは僧侶もさらに忙しいため、法要後に時間を取れない可能性もあるでしょう。
その場合は法要前にお渡しすれば大丈夫です。いずれの場合も、一言で良いので本日のお礼を述べながらお渡ししましょう。
お布施のマナーについては下記記事もご参考ください。
・法事とは?日程とお布施と服装持物を徹底解説!
・お布施を完全解説!意味・相場・表書き・裏書などを解説!
・3分で分かる法事のお金の相場(香典・お布施):お金の入れ方と袋の書き方!
・3分で分かるオンライン葬儀!香典・お布施・費用を完全解説!
納骨式の参列マナー
納骨式に参列する場合のマナーについてご紹介します。
服装
四十九日法要の後にそのまま納骨式に参列する場合は、服装はそのままで問題ありません。納骨式だけ別途執り行われた場合は、略式喪服か落ち着いた平服で参列しましょう。遺族側であれば、1周忌を過ぎるまでは喪服で参列します。
弔事の服装については「急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!」「ユニクロで喪服を用意できる?ユニクロで喪服を用意する際のメリットやデメリット、注文方法を完全解説!」の記事もご参考ください。
香典
納骨式だけを行う場合の香典相場は、5千円から1万円程度が相場となります。通夜や葬儀と異なり、納骨式では故人と近しい関係の人達が呼ばれるのでそれ程、高額な金額を包む必要はありません。
法要と納骨式が同日であれば香典は1度だけ渡す
四十九日法要と一緒に納骨式を行った場合は、香典は1度お渡しするだけで良いです。
ただし、香典相場は5千円から5万円と納骨式だけの香典よりもやや高額になります。
詳しくは各法要ごとの香典相場をご参考ください。
・「香典を完全解説!意味・歴史・金額相場・書き方・包み方・渡し方を解説!」
・香典の相場を完全解説!故人との関係別・書き方・包み方・渡し方も紹介!
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納骨のお布施についてのまとめ
以上が納骨のお布施相場等に関する内容です。改めて今回ご説明したことをまとめておきましょう。
【納骨とは?】
●火葬後のご遺骨を骨壷に入れて仏壇や祭壇に一定期間安置した後、先祖代々のお墓や納骨堂にその骨壷を納めること。
●ただし「必ずお墓や納骨堂に納骨しなくてはいけない」と法律で定められているわけではない。
【納骨のタイミング】
●納骨のタイミングも定められているわけではない。
●基本的には「四十九日法要」「百箇日法要」「一周忌」「三回忌」などのタイミングで行うことが多い。
【「納骨式」とは?】
●お墓や納骨堂に骨壷を納める時に行う法要のこと。
【納骨方法】
●一般的な納骨方法といえば「お墓への納骨」「納骨堂への納骨」だが、現在では様々な納骨方法が編み出されている。
●具体的には「樹木葬」「手元供養」「散骨」などである。
【納骨式の流れは?】
①必要書類を揃える
②日程を決め僧侶との予定をすり合わせる
③喪主による挨拶
④納骨を行う
⑤読経と焼香を行う
⑥会食
というもの。
●あくまで一例なので、納骨方法によって多少順番や内容が変わる可能性もある。
【お墓に納骨する場合】
●お墓に納骨する場合は、当然お墓を準備しておく必要がある。
●お墓はだいたい150万〜200万円が相場である。
●お墓の値段は、基礎工事費用やお墓の大きさ、デザインや石の種類など様々な要素によって値段が決まる。
【法要と納骨を同時に行う場合の費用】
●「会場費」「作業費用」「彫刻料」「卒塔婆料」「会食費」がメイン。
●これ以外にも、ろうそくやマッチ、線香などの小物類や、お供え物の費用もかかる。
【納骨のお布施】
●一般的に「3万〜5万円程度」が相場である。
●ただし、菩提寺などの先祖代々付き合いがある寺院の場合は「10万円近く」をお渡しすることもある。
●四十九日法要と納骨式を同じ日程で行ったとしても、それぞれ別でお布施を用意しなくてはいけないので注意。
●納骨に対するお布施は宗派によってそこまで大きな変動は無く、「四十九日法要のお布施と合わせて5万〜10万円程度」になることが多い。
【納骨以外のお布施】
●「御車代」は、寺院以外で法要などを行った場合にお渡しするもの。「5千〜1万円程度」を包むことが多い。
●「御膳料」は、納骨式後の会食に僧侶が参加しない場合にお渡しするもの。食事の内容に関係なく、一般的には「5千〜2万円程度」を包むことが多い。
【お布施の包み方】
●基本的には「白い無地の封筒」にお布施を入れれば問題ない。
●ただし、袋が二重になっている物は「不幸なことがこれからも続く」ということをイメージさせてしまうので使用を避ける。
●より丁寧にお札を包みたい場合は「奉書紙」を使うのがオススメ。
【お布施の書き方】
●封筒の表面には「お布施」あるいは「御布施」と記載しておく。納骨時のお布施に関しては、普通の黒い筆ペンなどで表書きを記載すれば大丈夫。
●記載した表書きの下側には、喪主のフルネームか「◎◎(ご遺族の苗字)家」と書いておく。
【お布施の入れ方・渡し方】
●お金を封筒に入れる時は、お札の人物画が記載してある面を上にして、袋の入り口に人物画が向くように入れるのが一般的。
【お布施を渡すタイミングと渡し方】
●お布施は、直接手渡しはしない。まずお札を白い無地の封筒に入れふくさで包む。
●お布施を包んだふくさはバッグなどに入れておき、お渡しするタイミングで取り出す。
●そしてお布施をふくさから取り出し、切手盆などに乗せて僧侶に差し出す。
●もしお盆自体が無ければ、手のひらでふくさを開いて差し出しても問題ない。
●お布施以外の御車代や御膳料もお渡しする場合は、上から順に「お布施→御車代→御膳料」というように重ねて差し出す。
●お布施は納骨式などが全て終わり一段落ついた頃にお渡しすることが多い。ただし法要後に時間を取れない場合は、法要前にお渡ししておく。
以上が今回のまとめです。このように納骨のお布施には、「法要のお布施とは別で用意しなければならない」など知らないと分からないマナーがあります。
納骨は故人が眠るための場所を作るための大切な儀式です。
いざという時に慌てずスムーズに進行できるように、基本的な知識として覚えておきましょう。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール