【プロ監修】通夜の疑問を全解消!知るべき時間〜流れ・マナーの全て
「通夜は開始時間ピッタリに行くべき?」
「遅刻はマナー違反?」
「途中で帰るのはご遺族に失礼?」
一般的な訃報連絡では、通夜の開始から終了時間のみが記載されているため、このような疑問や心配を感じている方も多くいらっしゃいます。
ご遺族に聞く方法もありますが、慌ただしく準備に追われているご家族の負担になることは避けたいものですね。
そこで本記事では、通夜の開始時間から終了時間までの具体的な流れから、遅刻や参列が間に合わない場合のマナーについてまで、参列に必要な知識をすべて解説致します!
記事を読むことで、今後、通夜へ自信を持って参列できるようになるだけでなく、遅刻や途中退席など、止む終えない状況でも慌てずに対応することができるようになります。
故人やご遺族の為にも、マナーを守って通夜に参列したいという方はぜひ最後までお読みください。
お通夜の流れ
お通夜にかかる時間を知るには、まずお通夜の流れを知っておきましょう。そもそも、お通夜には「仮通夜」「本通夜」「半通夜」などがあります。
仮通夜とは?
「仮通夜」とは、亡くなった当日に遺族や親族のみで故人と一緒にゆっくりと静かに過ごすお通夜です。集まる人は平服や普段着で、僧侶なども呼ばず、ただ故人をしのぶ時間として過ごします。
仮通夜については「仮通夜を完全解説!本通夜と半通夜との違いと喪主・参列者のマナーを紹介!」の記事もご参考ください。
本通夜とは?
「本通夜」とは、夜通し眠らずに近親者が寄り添い、ろうそくの火を絶やさないように見守るお通夜です。“夜通し”というのが、「通夜」と呼ばれるようになったいわれでもあります。現代では、防火の観点から深夜になったらろうそくの火を消して近親者も眠るという場合が多いです。
半通夜とは?
「半通夜」とは、夕方に始まり数時間で読経などを済ませて、夜にはお開きになるお通夜です。近親者以外にも、故人の知人や友人、会社の関係者なども訪れます。
最近はほとんどの場合で「半通夜」となります。お通夜の流れとして半通夜の行程を解説します。
遺族側からみたお通夜前の打ち合わせ
まず故人が亡くなったら、遺族の代表である喪主が葬儀社に連絡をして、お通夜の日程を決めます。お通夜は葬儀・告別式の前日が多いです。日程が決まれば、他の親族や故人の友人、知人、会社関係者、隣近所などに訃報を知らせます。
急な葬儀についての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。葬儀の作法や服装などについてもご相談できます。
お通夜は亡くなってから何日後におこなうのか?
一般的にはお通夜は亡くなった翌日、葬儀は翌々日におこないます。
しかし、火葬場の空き状況や六曜の友引の日程を避けるなどで、数日遅れて催されるケースも珍しくありません。
通夜の日程については「友引に通夜を行ってもよい?友引と通夜と葬儀の関係を完全解説!」「亡くなった日にお通夜ができる地域もあれば、1週間以上待つ地域もある」の記事もご参考ください。
お通夜当日の準備
喪主やお通夜の手伝いをする遺族は、開始時間の1時間半~2時間ほど前に集まり、葬儀社とお通夜の段取りや葬儀場に必要な物がそろっているかなど最終確認を行います。
葬儀の実務については葬儀社が担当し、遺族や親族が世話役や手伝いをします。喪主は遺族や親族との連携に努めましょう。お通夜開始の1時間前にはそのほかの親族も集まり、控室で待ちます。
受付開始
30分~1時間ほど前から受付が始まります。一般参列者であれば、15~30分前には到着しておきたいところです。到着が早すぎると準備中で迷惑をかけてしまい、遅すぎるとお通夜が始まっている可能性もあるので、15~30分前を目安に受付を行いましょう。
僧侶到着
お通夜に僧侶が到着したら、控室に迎えてお茶と菓子を出します。喪主や世話役が挨拶をして、お通夜の進行について確認なども行います。
斎場集合
15分前には、親族も一般参列者もお通夜が行われる斎場に集まります。
着席する順番
着席する順としては、祭壇から向かって右側に親族、左側に一般参列者と分けられる場合もあります。分けられている場合は指示に従ってください。
親族は縁が深い人の順に上座に座ります。一般参列者であれば席は前から詰めても良いでしょう。
葬式の開始時間の5~10分ほど前に、喪主や親族なども合わせて全ての人が着席をして、いよいよお通夜が始まります。
僧侶入場・開式
担当の者が案内して僧侶が入場し、着座。親族は黙礼します。進行役がいれば司会をして開式です。
読経
僧侶による読経が始まります。
焼香
読経の途中で僧侶による焼香が始まり、その他の人の焼香へと続きます。
焼香する順番
喪主から遺族、親族から友人知人、会社関係者…など縁が深い順に焼香をします。縁が深い順に着座している場合が多いので、席順に従って焼香を行うとスムーズです。
焼香の作法
焼香の一般的な手順は下記の通りです。
①右手の親指と人差し指、中指の3本でつまむ
②右手を香炉に移す前に額に押しいただく(宗派によって回数は異なる)
③右手を香炉の上に持って行き、指で香をもみながら落とす。
宗派によっては上記と異なる場合があります。分からない場合は、前の方に合わせましょう。
僧侶による説教
読経が終われば、その後に僧侶から説教や法話などがあり、皆で聞きます。こちらは省略されることもあります。
僧侶退場
僧侶による説教が終われば、退場し控室へ戻ります。
喪主から挨拶・閉式
喪主が遺族を代表して参列者への挨拶と謝辞を述べて、お通夜はお開きです。進行役がいれば司会として閉式を宣言します。
通夜ぶるまい
通夜式の後には、参列者を酒や食事でもてなして感謝を伝え、故人を供養してしのぶ「通夜ぶるまい」が開かれることもあります。
地域によって内容に違いがあり、酒や食事ではなくお茶と菓子をふるまったり、会食はなくお土産を持たせたりする場合もございます。
遺族や親族から通夜ぶるまいへの呼びかけがあれば、参列者はなるべく参加しましょう。地域ごとに違いはありますが、多くはお通夜に参列した全員が参加します。
通夜ぶるまいでのマナー
もし時間がないとしても、通夜ぶるまいには供養の意味でもあるので、一口でも箸をつけたり飲んだりするのがマナーです。遠慮するよりも参加するのが気遣いと心得ましょう。ただし酔って騒いだり、大きな声を出したりするのは大変失礼です。次の日の葬儀や告別式の準備もあるので、長居は避けましょう。通夜ぶるまいで、参列者はお開きです。
通夜ぶるまいが終わる時間
通夜ぶるまいの散会は、参列者の人数や規模によって異なりますが一般的には20時から21時ごろになります。席が少ない場合や、会場が狭い場合には長居せずに長くても1時間ほどで退席するように心がけましょう。
葬儀・告別式の打ち合わせ
喪主など遺族や親族は、翌日の葬儀や告別式の打ち合わせもします。そのまま親族はご遺体のそばで眠ることもあります。
通夜の流れについては「通夜と葬式の違いは?どんな目的で行うもの?それぞれの流れを紹介!」の記事もご参考ください。
お通夜の開始時間
お通夜の開始時間は18~19時が一般的です。早いと17時、遅いと20時など地域や家庭によって前後する場合もあります。
集合時間
先述したように、受付の開始時間は30分~1時間前ほど。親族は1時間前には到着して控室で待機し、さらに準備が必要な喪主や遺族は1時間半~2時間前には葬儀場に入ります。一般参列者は15~30分前には到着していたいところです。
お通夜の開始時間から逆算して、自分の立場だとどの時間に到着しているべきなのか確認しておきましょう。
お通夜の所要時間
お通夜の開式から閉式までは1時間ほど要します。時間の内訳としては、僧侶の読経が30~40分ほどあり、その間に焼香もします。喪主からの挨拶も合わせて、約1時間。ただし、参列者の数によって焼香の時間は前後します。
閉式後の通夜ぶるまいも所要時間の目安は1時間ほど。飲食はしなくても故人の話をするなどをして、同じくらい長い時間を過ごすでしょう。
一般の参列者であれば、葬儀場に到着して通夜ぶるまいにも参加して、トータルの所要時間は2時間ほど。親族であれば準備から考えて3時間ほど要します。
したがって18~19時の開始時間であれば、だいたい20~21時には終わるのが一般的です。
お通夜での僧侶へのマナー
お通夜での僧侶の方が到着し挨拶を済ませたら控室へ案内し、お茶をお出ししましょう。
通夜の流れや内容もここで確認します。通夜が終了後にも御礼の言葉を忘れないようにしましょう。通夜ぶるまいを行うのであれば参加して頂き、上座へと座って頂きます。
遠方から来て頂いた場合は「お車代」を渡す
僧侶が遠方のお寺からいらっしゃったときは、「お車代」として5,000円程度をお包みしてお渡します。
通夜ぶるまいに参加しない場合は、「お膳料」を渡す
通夜ぶるまいに参加されない場合は、「お膳料」として5,000円~10,000円程度をお包みしてお渡しします。
参加される場合は、不要ですがどちらか分からない場合は念のため用意しておいた方が良いでしょう。
お膳料については「御膳料とは?相場と渡し方と注意点とマナーを解説!」の記事もご参考ください。
僧侶派遣は、『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。法事・法要は業界最安値の34,000円からご依頼可能です。
お通夜の服装・持ち物
喪服の一般的なマナー
主だった遺族や親族は正喪服あるいは準喪服を着ます。一般参列者は準喪服や略喪服でも失礼には当たりません。急なお通夜で喪服を用意できないときは、平服でも良いです。基本は黒など落ち着いた色やデザインの服を着て、肌の露出が少なければ問題はありません。
以前は参列者が正喪服を着ていると、死に備えていることになるので失礼に当たるとされていました。しかし、今はお通夜までの日程が長く準備できる時間もあるため、正式な喪服でもかまいません。子供は制服があれば準備を行います。
男性の正喪服
男性の正喪服は、洋装ならモーニングコートでシャツ以外は全て黒で統一させます。和装なら五つ紋付き羽織袴です。
男性のお通夜での服装
男性が平服でお通夜に行くなら、スーツは黒・紺・グレーなど落ち着いた色で、光沢のない素材を選びましょう。なるべく無地で、柄があってもシンプルなデザインに。パンツの裾はシングルがベターです。
シャツは白の無地で柄はなし。ネクタイは黒で光沢感なし、くぼみを作らない結び方にしましょう。ベルトは黒の無地で、柄は避けてください。靴下も黒。靴は黒の革靴で、金具がない物を履きましょう。
女性の正喪服
女性の正喪服は、洋装なら弔事用ブラックフォーマルの、ブラックワンピースや黒のアンサンブル。黒のベール付き帽子と手袋も正装として身につけられます。和装なら五つ紋付きの着物で、黒無地の帯をしましょう。
女性のお通夜の服装
女性が平服でお通夜に参列する場合、色は黒かグレーで、光沢感のない素材のワンピースやアンサンブル、パンツスーツを着用しましょう。基本は無地で、柄があってもシンプルなデザインを選んでください。
スカートやワンピースの丈は短くても膝下5cmほど。座ったときにも膝が出ないように、10cmくらいが理想です。スカート丈だけでなく、胸元や袖丈による肌の露出にも気をつけましょう。夏でも、袖丈は五分袖まで。
ストッキングも黒で、肌が透けるくらいの30デニール以下を選びましょう。厚手のタイツはマナー違反です。
パンプスもベストは黒で、なければグレーや紺など暗い色を選んでください。布や革素材とし、光沢感のあるエナメルは避けましょう。高すぎるヒールもマナー違反です。
アクセサリー・小物
男性も女性も金属のアクセサリーや小物は外します。許容されるのは結婚指輪くらいで、他のアクセサリーやネクタイピン、時計などは外しましょう。
女性の場合、一連パールのネックレスはよしとされています。パール・真珠は涙を意味するので失礼に当たりません。ただし二連のネックレスは、悪いことが重なるとされるため避けましょう。
髪型・メイク・香水
男性の髪型は、額や耳が見えるように整えましょう。女性で長い髪の人は、耳よりも低い位置で一つに結びます。メイクはナチュラルに。唇に紅を引くのは良くないとされているので控えましょう。男性も女性も香水はしないようにしましょう。
葬儀や通夜の服装については「急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!」「お通夜のマナーとは? 服装や香典マナー、流れを喪主側参列者側で徹底解説!」もご覧ください。
必需品①香典
お通夜で絶対に必要な持ち物が香典です。故人の霊前に、花や線香の代わりに供えられます。
香典の金額
香典の金額は故人との関係性によります。周りの人とも相談して包む金額を決めましょう。一般的な相場は以下の通りです。
親:5~10万円
兄弟姉妹:3~5万円
祖父母・叔母叔父・その他の親族:1万円
友人、知人、会社関係者、隣近所:3~5千円(40代以降なら1万円も)
香典が高額すぎるのは、香典返しをする遺族や親族を困らせるためマナー違反なので、非常識な額にならないよう気をつけましょう。
不祝儀袋の選び方
香典は不祝儀袋に入れます。中に入れる金額によって不祝儀袋の種類も異なるので、以下を参考にしてみてください。
印刷多当(水引が袋に印刷されたデザイン):3千円~
印刷多当(加工して高級感のあるデザイン):5千円~
水引金封(黒白の水引):1~3万円
中金封:5万円~
大金封:10万円~
特大金封:10~100万円
表書きの仕方
宗教によって不祝儀袋の表書きが異なります。どの宗教でも使えるのが「御霊前」「御香典」「御香料」。その他宗教ごとの表書きは以下の通りです。
浄土真宗:「御仏前」「御霊前」
仏教:「御香典」
キリスト教(プロテスタント):「お花料」
キリスト教(カトリック):「御ミサ料」
神式:「御玉串料」
表書きには自分の名前も書きます。必ず薄墨の筆や筆ペンを使いましょう。薄墨にすることで「涙で墨が薄くなった」「急なことで墨をしっかりとすって濃くする時間もなく駆けつけた」という意味を込められます。
その他香典の注意点
香典で新札を入れるのは、亡くなることに備えて用意したとされて失礼に当たります。新札ではない紙幣を使い、必ず向きをそろえて不祝儀袋に入れましょう。
必需品②袱紗(ふくさ)
香典は必ず袱紗に入れて持ち運びましょう。袱紗とは、金封を入れて持ち運ぶ袋です。香典を裸で持ち運ぶのはマナー違反とされます。袱紗に入れれば水引の崩れを防いだり、不祝儀袋に汚れを付きにくくしたりと、実用的なメリットもあります。
袱紗の色
袱紗には慶事用と弔事用があります。慶事用は暖色で、弔事用は寒色。紫であれば慶事用でも弔事用でも使えるので、持っておくと便利です。
香典を袱紗に包む方法
香典の包み方にもルールがあります。袱紗のつめ部分を左にして、中央よりやや右に不祝儀袋を置きます。袱紗の端を右、下、上、左の順に折り、つめをかけて留めましょう。慶事とは逆順の包み方です。
お通夜の受付では、袱紗の上で香典を手渡すとより丁寧です。
香典については「香典の正しい書き方を完全解説!金額・表書き・中袋・のし袋の書き方を紹介!」「香典袋の正しい書き方を完全解説!表書き・中袋・名前・その他のマナーも紹介!」の記事もご参考ください。
必需品③数珠
仏式のお通夜であれば数珠が必要です。その他の宗教では必須ではありません。宗派ごとに正式な数珠がありますが、全ての宗派に使える略式数珠もあります。自分の宗派、あるいは略式の数珠を一つ持っておくと良いでしょう。
数珠の貸し借りはタブーで効果がなくなるとされているため、使うのであれば必ず自分用を持って行きましょう。
その他の持ち物①バッグ・ハンカチ
お通夜に手ぶらでは行けないので、持ち物を入れるバッグが必要ですよね。バッグも黒で、光沢素材ではないデザインを選びましょう。殺生を連想させる動物の革や毛皮も避けてください。形としては手持ちやハンドバッグが主流で、ショルダーバッグやリュックは不向きです。
ハンカチは白か黒の無地、あるいは華美ではない刺繍やレースの縁取りがある物ならかまいません。
その他の持ち物②気候に合わせて扇子・傘・アウター
夏の暑い時期であれば、黒い扇子を持っていくのがおすすめ。扇子で仰ぐのは失礼になりません。
冬の寒い時期ならアウターや小物を身につけても良いです。コートは黒のシンプルなデザインで、手袋やマフラーも黒やグレーなど落ち着いた色になるべくは無地。動物の毛皮やファー素材は避けてください。
雨の日であれば、傘も持っていきましょう。黒やグレーなど落ち着いた色が無難です。
その他の持ち物③貴重品・スマートフォン
財布など貴重品も忘れないようにしましょう。スマートフォンはお通夜の間に鳴らないよう、マナーモードにしましょう。振動音の心配があるなら、電源を切っておくのがベターです。
お通夜に遅刻する場合の対応方法
急に訃報を聞き、遠方だったり仕事の都合が合わなかったりして、お通夜に遅刻することもあるでしょう。基本的に遅刻はしたくないですが、お通夜は急な知らせで参列者が間に合わないこともしばしばあり、少しの遅刻はマナー違反にはなりません。
むしろ遅れてでも行くのがマナーとされることもあります。どうしても駆けつけたいという強い思いが遺族にも伝われば、遅刻をしても喜ばれるはず。故人への思い入れがあるなら、遅れてでもお通夜へ駆けつけましょう。
30分~1時間の遅刻なら参列
通夜式の所要時間は1時間ほどと先述しました。30分~1時間の遅刻なら、ギリギリ通夜式の途中に間に合うため、参列する方がベターです。
通夜式がすでに始まっているようなら、受付で遅刻したことを告げて、葬儀社の人に案内してもらいましょう。読経中であれば少し待ち、焼香が始まってから入室します。
限度は2時間まで
お通夜での遅刻は、せいぜい1時間まで。通夜ぶるまいの途中で駆けつけて、焼香だけ上げさせてもらい通夜ぶるまいに参加しても良いでしょう。最低でも通夜ぶるまいが終わる2時間が限度です。
お通夜に遅刻するときの連絡
遅れそうだと事前にわかっていれば、わかった時点でお通夜前に斎場に連絡しておきましょう。お通夜前だと遺族や親族は準備で忙しいので、直接連絡しないように気をつけてください。
1時間以上遅れそうなときは、斎場が閉まっている可能性もあるので、確認も兼ねて連絡を入れましょう。
葬儀会場の閉館時間も考える
遅刻する場合は、会場の閉館時間も考慮しておきましょう。あまりにギリギリの時間ですと、会場自体が入場できなくなっているかも知れません。
2時間以上の遅刻なら行かず、告別式や後日の弔問、弔電で対応
遅刻が2時間以上になると、通夜ぶるまいも終わり、遺族や親族は一息つく間もなく翌日の告別式の準備をします。体力的にも精神的にも疲れているであろう遺族や親族に、遅刻した弔問客の応対をさせるのは失礼ですよね。無理に行くと迷惑になってしまうので、遅刻が2時間以上、21時以降であれば弔問は控えましょう。
翌日の葬儀や告別式に行ったり、弔電を送ったりするなど、お通夜でなくても故人をしのぶ機会はあります。
深いつながりの人なら駆けつけるのもあり
大幅な遅刻だとしても、故人と深いつながりがあり、遺族や親族とも関わりがあるのであれば、駆けつけて喜ばれることがあります。もちろん遺族に伺って良いか確認はお忘れなく。断られたら迷惑になるので無理をしないでください。
ただし、通夜ぶるまいの後は遺族や親族だけが残るため、よほどつながりが深くないと場違いな弔問客になってしまいます。故人との関係性も考慮して、遅刻してでも弔問するかどうか考えましょう。
通夜での途中退席は失礼か?
通夜の最中にどうしても急用で途中退席をしなければいけない場合のマナーです。
もし、途中退席することが事前に分かっている場合は、喪主や遺族にあらかじめ伝えておきます。また、退出するときは読経中は避け、焼香後に静かに退出しましょう。可能な限り後ろの席に座っておくのもよいです。
親族なら翌日の打ち合わせのために行く
2時間を超える遅刻であれば一般参列者は行かない方が良いですが、親族は例外です。お通夜には間に合わなくても、翌日の葬儀や告別式など実務的な打ち合わせを確認する必要があります。遅れてでもなるべく行きましょう。
通夜と葬儀、どちらへ参列すべきか?
通夜と葬儀、どちらに参列すべきか迷う方もいらっしゃると思います。故人と深い縁があれば、通夜と葬儀の両方に参列するのが良いです。
もし、仕事やその他の事情でどちらかにしか参列できない場合は、葬儀を選びます。葬儀の方でも、都合がつかない場合は通夜のみでも構いません。
できるだけ通夜か葬儀、どちらかには駆けつけるようにしましょう。
お通夜のマナーは「意外と知らないお通夜の流れとマナー」もご覧ください。
お通夜に遅刻する場合の香典の渡し方
遅刻してお通夜が始まっていても、通夜式が終わるまでは受付が開いていることが多いので、受付で香典を渡しましょう。
受け付け終了後は喪主へ直接手渡す
受付が閉められている場合は、すでに会計が済んでしまっているかもしれません。となると、葬儀社のスタッフや親族に渡せば、金銭を管理する上でトラブルになってしまう可能性があります。したがって受付が閉まっている場合、香典は喪主に直接手渡しましょう。遅れたお詫びとお悔やみの言葉を忘れずにお願いいたします。
喪主へ渡せない場合は後日渡す
受付が閉められ、喪主への挨拶もできそうにないなら、お通夜当日に香典を渡すのは諦めましょう。翌日の葬儀や告別式でお渡しすれば問題ありません。
あるいは後日喪主の自宅へ弔問してお渡しするのもありです。また現金書留として、喪主宛てにお送りするのも一つの手。お悔やみとお詫びを伝える手紙を添えて送りましょう。
お通夜に遅刻する場合の挨拶
お通夜に遅刻したときは、喪主へお詫びも含めた挨拶をしましょう。喪主が忙しそうであれば無理をせず、焼香や精進上げで話す機会もあります。難しければ、翌日の告別式や法要で挨拶しましょう。
必ず伝えるのがお悔やみの言葉
まず必ず伝えるのはお悔やみの言葉。そして遅刻したことを詫びましょう。遅刻した理由は伝えても良いですが、特段に言う必要はありません。そして焼香だけでもさせてほしいという気持ちも合わせて伝えます。
「お悔やみ」「遅刻のお詫び」「ご焼香だけでも」という3つは必ず伝えてください。お通夜に遅刻する場合の挨拶の例文は以下の通りです。
「このたびはご愁傷様です。遅れてしまい誠に申し訳ございませんが、ご焼香だけでもと思い参りました。ご焼香させていただいてもよろしいでしょうか?」
形式ではなく思いを伝えることが大切です。遅刻をしたとしても、思いがあれば遺族にも伝わるでしょう。
お悔やみの言葉については「本当にいいの?お悔やみの言葉をメールで送る際の注意点を徹底解説!」の記事もご参考ください。
お通夜の時間に関する知識のまとめ
「お通夜の時間」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【お通夜の流れと時間】
●開始の1時間半~2時間ほど前
①お通夜当日の準備
●30分~1時間ほど前
②受付開始
③僧侶到着
●15分前
④親族も斎場集合
●通夜が開始:2時間ほど
⑤僧侶入場・開式
⑥読経
⑦焼香
⑧僧侶による説教
⑨僧侶退場
⑩喪主から挨拶・閉式
●通夜ぶるまい:3時間ほど
【お通夜に遅刻する場合】
●30分~1時間の遅刻なら参列する
●遅刻の限度は2時間まで
●2時間以上の遅刻であれば告別式や後日、弔問や弔電を行う
【お通夜に遅刻した場合の香典の渡し方】
●開いていれば受付で香典を渡す
●受付が閉まっている場合は、喪主へ直接渡す
●喪主へ渡せない場合は、後日渡す
●郵送する場合は現金書留で送る
【お通夜に遅刻する場合の挨拶】
●「お悔やみ」「遅刻のお詫び」「ご焼香だけでも」という3つは必ず伝える
「このたびはご愁傷様です。遅れてしまい誠に申し訳ございませんが、ご焼香だけでもと思い参りました。ご焼香させていただいてもよろしいでしょうか?」
お通夜の時間を知っておけば、時間の見通しが立ちます。また遅刻した場合なども礼節を持って対応することで、思いは伝わるはずです。お通夜の時間を知って、失礼のない振る舞いをできるようにしておきましょう。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール