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意外とお葬式以上にお金が掛かる「お墓に関する費用」

お葬式が終わり、ある程度期間を置いてから、ご遺族は亡くなった方のお骨をお墓に納めることになります。しかし、そのお墓に関する費用について多くを知っている方はなかなかいらっしゃいません。お墓にはどのくらいの費用が掛かっているのか、確認をしておくことが大事となります。

 お墓の種類

一言で「お墓」と言いましても、数多くの種類がございます。どのようなお墓があるのか少しご紹介をさせて頂きます。

●一般墓(墓石)

お墓の形が多様化されたたため、一般墓と呼ばれるようになりましたが、従来の墓石タイプのお墓です。一族代々が納骨できるように「◯◯家の墓」と墓石に掘られているタイプになります。代々引き継がれていくタイプのお墓となり、基本的に納めるお骨の数に制限はありません。維持費を管理者に支払いを続けることで半永久的に利用をすることができます。
課題としては基本的に屋外にあるため、定期的に清掃の必要があります。そして管理をする者がいなくなれば、お墓は返却をしなければならないので注意が必要です。

●納骨壇(納骨堂)

寺院などの建物の中などに、棚の形の区画を作りそちらにお骨を納めます。従来と比べスペースが限られるため、一般墓と比べ安価で購入を行うことが可能です。
ロッカータイプ、お仏壇タイプ、機械式でお骨が運ばれるタイプのものもございます。
一般墓と比べ基本的には安価ですが、大きさや立地などで費用が変わって参ります。土地の確保がしにくい都心部ではこれからさらに増えていく形のお墓となります。

条件面の種類が多いため、慎重に選択を行う必要がございます。

●樹木葬

多々種類はございますが、シンボルとなる「樹木」のふもとに石板タイプの墓石を準備し、お骨を納めるお墓となります。永代供養であることも多いため、お墓を継ぐ方がいなくても問題がありません。また一般墓より安価で準備をすることが可能です。これから増えていく形のお墓であるため、まだ数が少ない現状があります。

●永代供養墓・合祀墓

親族などにお墓を管理する方がいなくても、寺院や霊園が管理をしてくれるお墓となります。費用としてはもっとも安価でお墓を準備することができます。一方、他の方のお骨と一緒になり合祀となり、個々の区画でお参りをすることはできません。また一度埋葬を行ったお骨に関しては二度と元に戻せないので注意が必要です。

 

●散骨

近年海などにパウダー状にしたお骨を撒くという弔いの方法も増えてきました。お墓として維持費などは必要がなく、思い出の海などに散骨ができます。一方海でも好きなところで散骨をすることはできず、ある程度沖に出て行う必要があります。そして当然ですが、一度撒いてしまえばお骨として取り戻すことはできません。また海ではなく、山などに散骨をしたいという方もいらっしゃるのですが、山などの「土地」の場合、お骨はお墓として決められた場所でしか散骨や納骨が法律上できないため、注意が必要です。

 お墓の費用はお葬式より高い⁈

一般墓の平均は約200万円

色々な団体がお墓の平均的な費用について記載をしておりますが、墓石を建てる一般墓であれば150万円から200万円前後と言われております。都心部であれば、500万円以上のお墓も多くございます。

ちなみに、お葬式の平均金額は日本消費者協会のデータでは約195万円、経済産業省のデータでは約150万円前後と言われております。実はお葬式より「お墓」の方が実は多くの費用が掛かっている現状があります。もちろん地域や墓石を建てるのではなく、納骨壇や散骨を選ばれる方もいますので、平均はあくまで指標となります。

納骨壇は30万円から高いものは1,500万円⁈

ロッカータイプの納骨壇などは一番基本的なものであれば30万円前後からございます。一方、中には1,500万円以上する納骨壇(機械式)までございます。こればかりは個々の価値観によって掛けられる金額は異なりますので、やはり各自で調べておくことが大事です。

樹木葬は20万円前後から80万円以上と意外と安価ではない

樹木葬も立地や条件面で価格が大きく異なります。まだ樹木葬自体の数がまだまだ少ないので、これから多くの樹木葬の形や金額についての設定がされると予想されます。

永代供養墓・合祀墓は10万円から

地域にもよりますが、永代供養や合祀墓などは安価で10万円前後から行っている地域が多くございます。中には数万円からというお寺様もございます。こちらも条件面は場所で異なりますので確認を行っておくことが大事になります。

 お墓じまい・お寺様への「離檀料」も必要

古いお墓を処分(お墓じまい)をして、新しくお墓を準備する場合、こちらもやはり費用が掛かります。お墓の大きさや地域性にも影響するのですが、やはり平均30万円前後は撤去のみで費用が必要です。またお寺様にも今まで供養をして頂いた御礼で「離檀料」と呼ばれるお布施を準備をします。法律で金額の決まりは特にないのですが、10万円から多い方は100万円以上準備をされる人もいます。近年ではお寺様との関係が希薄になっている方が多くなっているので、これらの金銭のトラブルが多くなっています。
やはり事前に状況確認と相談をしておくべきであると感じます。

まとめ

お墓の種類、準備する地域によってお墓の金額は大きく変わります。そしてお墓はお葬式以上に費用が掛かることも多いのです。事前に家族で意見を合わせ、予算と費用準備を行っておくことが何よりも大事となります。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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お葬式セミナー講師
エンディングコンサルタント
栗本 喬一(くりもときょういち)
1977年 東京生まれ(名古屋育ち)
略歴
母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者(セレモニーディレクター)として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、5,000件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等
株式会社GSI グリーフサポート アドバンスコース修了。