ペット葬とは?最近増えつつあるペット葬の種類や具体的な流れ、費用相場や注意点まで完全解説!
「ペット葬」とは、家族の一員として一緒に生活をしてきたペットが亡くなった際に執り行う、葬儀の様式のことです。ペットブームの拡大でペットを迎え入れる家族が増えてきたことに伴い、ペット関連のサービスがますます充実し、ペットの葬儀を専門に扱う業者も増加しています。ただ、ペット葬関連のサービスについてはまだ歴史が浅く、詳しい内容について知られていないこともあり、戸惑う場合や疑問を抱えている人も少なくありません。
そこでこの記事では、大切なペットの葬儀をきちんと行い立派に送ってあげられるように、葬儀の選択肢や種類、具体的な流れ、費用相場など、ペット葬に関わるあらゆる内容を解説いたします。さらに、ペット葬の注意点や必要な手続きについてもご説明しますので、ぜひ参考にしてください。
ペット葬儀という選択肢
ペットブームに伴って新しいペット関連のサービスが次々と誕生している近年、選択肢が増えているのが「ペット葬」です。まずは、ペットの葬儀事情や増えている背景を見ていきましょう。
最近増えつつあるペット葬儀
食事の変化や高度医療の進歩などにより、人間の寿命が伸びて高齢者人口が増加しているのと同じように、犬や猫などのペットの寿命も大きく伸びています。ペットフードやペット医療の進歩により、15歳を超えて長生きする犬や猫も珍しくありません。高齢のペットが増えたことに伴い、高齢のペット関連のサービスが増え、その一つが「ペット葬」だと言えます。
飼い主の40%がペット葬を行っている
環境省が2012年に行なった調査では、ペットを飼っている人の約40%が、民間のペット葬のサービスを利用していた、という結果が出ています。ペット葬に関する法律というのはまだ整っていない状態のため、葬儀の内容は実にさまざま。ペット葬を請け負う専門業者以外にも、お寺でも対応を始めるなど、需要に合わせてペット葬を執り行う業者や霊園が増加しています。人間の葬儀と比較すると費用が安いという点も、ペット葬を選択する人が増えている理由の一つかもしれません。
需要とともに葬儀アイテムも注目されている
ペット葬の需要が増えたことで、ペット用の仏壇や骨壷、墓石など、葬儀に関連するマーケットも注目され、動物病院と葬儀会社との連携や、ペットと一緒に入れるお墓などの人気も高まっている傾向です。ペット葬に関連したビジネスは、今後もますます拡大していくことが予想されます。
ペット葬が増えている背景
ペットを焼却、埋葬するのに抵抗があるため
ペット葬が増えているのは、ペットが亡くなった際には焼却炉で焼却処分をする、または、土に埋める、という方法に抵抗を覚える人が増えたのも理由の一つです。
以前は、ペットが亡くなった場合には、小動物であれば土に埋める、小型以上の動物の場合は、衛生的な問題があるため、保健所に依頼して焼却場に運び焼いてもらう、という方法が一般的でした。しかし、現在は、ペットは家族の一員という役割に変化し、処分とも言える扱いは、とても辛いと感じる人が増えてきたのです。それに、現在増えている、マンションや庭のない一戸建てといった環境では、亡くなっても埋葬する場所がありません。
ペットを家族の一員とする想いから
家族の一員であるペットの最期を、自分達と同じように執り行いたい、という飼い主のペットに対する想いから誕生したのが「ペット葬」なのです。火葬や納骨など、人間と同じように扱ってくれるペット葬は、今後も需要が増えていくことでしょう。
葬儀についての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。『やさしいお葬式』では葬儀の見積もり、遺影写真、参列者のリストアップなど事前準備をおすすめしています。葬儀の作法や服装などについてもご相談できます。
様々あるペットの葬儀の選択肢
ペットの葬儀には数々の選択肢があり、違う選択をしてしまうと、葬儀の流れはもちろん、費用なども変わってきます。あらかじめ、ペット葬儀の選択肢について理解しておきましょう。
火葬をするか、埋葬をするか?
動物の種類や大きさによっても異なりますが、火葬か埋葬の2つの選択肢があります。埋葬する方法は衛生的な問題もあるため、犬や猫が亡くなった場合には、ほとんどの人が火葬する方法を選択します。ただ、埋葬する方法は、火葬場へ行く必要がなく、一緒に過ごした場所に葬れるというメリットもあります。広い庭がある持ち家の場合は、埋葬する方法を選択肢に入れてもいいかもしれません。小鳥やハムスターといった小動物も、庭がある持ち家の場合は埋葬する方法を選べます。
火葬については下記記事もご参考ください。
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・火葬するには火葬許可証が必要!発行の流れや再発行について解説
埋葬については下記記事もご参考ください。
・埋葬許可証の意味とは?発行から提出までの流れや紛失時の対処法を解説
・埋葬について理解を深めよう!必要な書類や火葬から埋葬までの流れ
御葬式を行うか、行わないか?
人間と同じように、御葬式を行うか行わないかによって、火葬場の選び方が違ってきます。ペットの火葬場では、最期に体を拭いてあげるなどの旅立ちの儀式、そして、式場に備え付けてある祭壇へペットを安置し、飼い主が見守る中でお経を唱える、というペットの御葬式を行ってくれるところがあります。ただ、すべての火葬場が行なっているサービスではないため、御葬式を希望する場合には対応している火葬場を探す必要があります。
火葬場には公営と民営がある
また、火葬場には公営と民営があり、それぞれ火葬の方法やサービスが異なります。公営の火葬場は、焼却するための施設であり、遺骨を持ち帰れません。ゆっくりとお別れができませんし、もちろん御葬式も行えません。一方で民営の火葬場は、遺骨を持ち帰れるところがほとんどで、御葬式ができるところがあり、自分の希望とするお別れができるでしょう。御葬式を行うのを希望している場合は、民営の火葬場を選ぶことをおすすめします。
火葬場については下記記事もご参考ください。
・火葬場の使用料金とは?地域で大きく違いのある火葬場の使用費について
・火葬業とは?よく似た斎場と火葬場の違いや火葬業の仕事内容、給与事情まで徹底解説!
お墓を作るか、作らないか?
遺骨をどうするか決めるために、お墓を作るか作らないかも決めておく必要があります。ペットの遺骨を持ち帰って供養するために、家に保管する以外に、お墓を作るという方法もあります。一言でお墓と言っても、ペット専用の霊園にお墓を作る、人間と一緒に入れる霊園にお墓を作る、自宅の庭にお墓を作る、などの選択肢があります。さらに、個別のスペースのお墓、他のペットと一緒に眠るお墓など、種類も異なります。お墓を作る場合は、事前の準備も必要となるため、あらかじめ決めておきましょう。
供養については下記記事もご参考ください。
・先祖供養とは?先祖供養の効果や正しい供養の方法を完全解説!
・生前葬のメリット・デメリットとは?併せて検討したい供養方法も紹介
・供養の選択肢の多様化⁉︎オンライン法要の対応を行いました!
ペット葬の種類
人間のお葬式にもいろいろなスタイルがあるように、ペット葬にも種類があります。ここでは、ペット葬の種類のそれぞれの特徴を、メリットやデメリットと合わせてご紹介します。
合同か、個別か?
ペット葬の形式には、「合同葬」と「個別葬」の2種類があります。
合同葬の特徴
合同葬は、複数のペットの遺体を同時に火葬する形式。費用は安く抑えられますが、複数のペットの遺骨が混じり合うため判別ができず、遺骨の持ち帰りはできません。通常は、火葬の後にそのまま共同墓地に埋葬されます。自治体による火葬は、動物専用炉を設けているところもありますが、多くは通常の焼却炉で他の動物や廃棄物とともに処理されます。一方、お寺による火葬は、ペット専用の火葬場で行われます。
個別葬の特徴
一方で個別葬は、1体ずつペットの遺体を火葬する形式です。合同葬と比較すると費用は高くなりますが、ゆっくりとお別れができますし、遺骨の持ち帰りもできます。お寺による火葬は個別葬が可能な場合があり、お骨拾いまで立ち会えたり、お経を読んでくれるところもあります。また、火葬炉を搭載した専用車の「移動火葬車」で訪問してくれる民間企業による個別葬なら、よくお散歩をした公園や思い出の場所など、希望の場所に移動して火葬を行なってもらうことも可能です。
お任せか、立ち合いか?
ペット葬は、火葬やお骨拾いを、葬儀場の運営者やスタッフにすべてお任せする形式と、飼い主が立ち会う形式があります。
お任せする形式は、手厚くペットを弔いたいが時間が取れない、という飼い主の希望に沿えますが、火葬やお骨拾いに立ち会えません。立ち会いは、お見送り、火葬、お骨拾い、納骨まで含まれた、人間の葬儀とほとんど違いがない形式で、要望に沿った手厚い葬儀が行えます。
葬儀の流れについては下記記事もご参考ください。
・御葬式とは?意外と知らない御葬式のマナーや流れ、お通夜・葬儀・告別式の違いまで完全解説!
・仏式葬儀とは?一般的なマナーや葬儀の流れについて徹底解説
・自宅葬とは?コロナ禍で注目の集まる自宅葬のメリットデメリットから葬儀の流れ、費用相場まで完全解説!
ペット葬の具体的な流れ
ペットの葬儀は、人間の葬儀の流れとほとんど同じですが、違いもあるため戸惑う場合もあるかもしれません。安心して丁重にお見送りをするためにも、ペットが亡くなってからの流れを確認しておきましょう。
ペット葬の流れ
1、ペットを安置する
使用していたベッドやクッションなどのお気に入りの場所に、柔らかいものを敷いて安置します。亡くなった直後は、脱力から体液が漏れる場合があるため、ペットのお尻部分にタオルなどの柔らかいものを当てておきましょう。亡くなってからすぐに身体の硬直が始まるので、なるべく早く足を揃えて、楽に横になっている体勢に整えてあげます。
2、葬儀会社へ連絡する
ペット葬に対応している葬儀会社に連絡をし、葬儀の内容や日時を決めます。葬儀の内容として決めることは、個別葬や合同葬、立ち会い、返骨の有無などさまざまです。いざという時に困らないように、ペット葬に対応している葬儀会社を選び出しておくことをおすすめします。火葬までに時間があく場合は、遺体の腐敗の進行を抑えるために、頭とお腹をドライアイスなどで冷やしておきましょう。
『やさしいお葬式』ではペットの海洋散骨をおこなっております。24時間365日無料相談も承っていますのでお気軽にお問合せ下さい。
3、火葬をする
火葬場に向かい、火葬を執り行います。火葬場へ行く方法は、飼い主がペットと一緒に行くケース、お迎えがくるケースなど、葬儀会社のプランによって異なります。また、火葬炉を搭載した専用車の「移動火葬車」を利用する場合は、自宅または指定の場所まで来て、その場もしくは希望の場所で火葬となります。火葬の際には、好きだったおやつ(ラップやティッシュに包んだ物や布袋に入れた物)やおもちゃ、花なども、副葬品として納められますが、首輪、金属やプラスティック製の物は納められません。
>>棺桶(御棺)とは?意味と選び方と副葬品に入れてよいものダメなものを解説!
なお、火葬にかかる時間は大きさによって異なり、小動物で30分〜1時間、小型動物で1時間前後、中型動物や大型動物で1時間〜2時間が目安です。
>>火葬の時間はどれくらいかかる?一般的な火葬の所要時間から火葬の流れ、待ち時間の過ごし方まで完全解説!
4、遺骨を骨壷へ収骨する
火葬が終わったら、遺骨を取り出して骨壷に収骨します。人間の場合と同じように、長い箸で遺骨をつまみ、骨壷に納めていきます。
5、埋葬または遺骨を持ち帰る
遺骨は、そのままペット火葬場の納骨堂などで供養してもらうか、自宅に持ち帰ります。返骨をしない場合は、火葬場の納骨堂などで永代供養となり、遺骨を持ち帰る場合は、リビングに飾る、仏壇に納める、庭へ埋葬する、お墓に納骨するなどの供養をします。もし供養の方法が決まらない場合には、49日まで遺骨を預かってくれるところもあります。
永代供養については下記記事もご参考ください。
・永代供養の家族墓を完全解説!特徴・種類・費用・メリットを紹介!
・永代供養料を完全解説!相場・手続きの流れ・お布施との違いを紹介!
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ペット葬の費用相場
ペット葬にかかる費用は、人間の葬儀と比較するとかなり低料金です。
葬儀形式によって値段が異なる
火葬の方法によっても違いますが、最も値段が安いのは、遺骨を持ち帰れない合同葬。一方、値段が高くなるのは、人間の葬儀と同じように執り行う、立ち会いの個別葬です。
自治体での火葬は数千円〜1万円前後
また、自治体やお寺、民間企業など、利用する業者や霊園によっても違います。最も値段が安いのは、自治体で火葬をしてもらう場合。地域によって費用が異なりますが、ペットの大きさに関係なく、数千円〜1万円前後で行えます。ただ、一般廃棄物として処理されるところがほとんどで、骨は持ち帰れないことが一般的です。
ペットの大きさ別の費用相場
お寺や民間企業で火葬をしてもらう場合は、ペットの大きさによって費用が変わり、業者や葬儀の内容によっても費用に開きがあります。しかし、要望に合わせたプランやオプションの利用も可能で手厚い供養ができ、骨も持ち帰れます。ここでは、お寺や民間企業などを利用する場合の、ペットの大きさ別の費用相場をご紹介します。
小動物の場合
小動物とは、ハムスターや小鳥など、体重が1kg以下のペットのことです。小さいため火葬にかかるコストが最も低く、費用相場は、1万円〜2万円くらいです。
小型動物の場合
小型動物とは、フェレット、モルモット、猫、小型犬など、体重が1kg〜5kgのペットのこと。室内でペットとして飼われている動物は、多くがこのサイズに入るかもしれません。費用相場は、2万円〜3万円くらいです。
中型〜大型動物の場合
中型動物とは、体重が5kg〜20kgの中型犬などのペット。大型動物とは、体重が20kg〜40kgの大型犬などのペットのことです。火葬に必要な燃料や時間は、大きくなるほどかかります。さらに、長時間の火葬は火葬炉が高温になるため、冷めるまでの時間がかかり、次の火葬までの冷却時間も取らなくてはいけません。また、1人では運べないほど大きな動物は、人件費もかかるため、大きくなるほどコストも高くなります。費用相場は、中型動物が3万円〜4万円くらい、大型動物は4万円〜6万円くらいです。
葬儀費用については下記記事もご参考ください。
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・葬儀費用はどうやって決めれば良い⁉︎葬儀に掛ける費用について
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ペット葬の注意点
ペット葬は、人間の葬儀と同じような流れで行われますが、歴史がまだ浅いこともあり、わからない部分も少なくないでしょう。ペット葬を滞りなく行うためにも、注意点を覚えておきましょう。
服装や持ち物の注意点
服装は黒を基調としたものを選ぶ
ペット葬の服装には決まりはないため、特に派手な服装や華やかな服装でなければ、私服でも問題ありません。ペット専用の霊園に来園する人のほとんどは、かしこまらない普段の服装です。人間の葬儀のように喪服の習慣はありませんが、お寺で行う葬儀の場合には、黒を基調とした服装がふさわしいでしょう。人間も使用している葬儀場や火葬場の場合は、喪服の人が多い傾向です。周囲の人への気配りを考えると、やはり、黒を基調とした服装が無難かもしれません。
持ち物
持ち物は、ハンカチ、数珠、ペットの写真、好きだったおやつやおもちゃ、納骨用の骨壷、お花を用意しておきましょう。おやつやおもちゃは、副葬品として納められますが、遺体と一緒に火葬できる物には決まりがあり、金属やプラスチック、ビニールなどは納められません。
●おもちゃを入れる際の注意点
おもちゃは、火葬に影響がない布などでできた物、おやつは、ラップやティッシュに包むか布袋に入れた物を持参してください。また、お花は、色が骨に移ってしまう可能性があるため、淡い色のものを用意しましょう。いざという時に慌てないためにも、事前にリストを作っておくことをおすすめします。
弔事の服装については下記記事もご参考ください。
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香典やお布施
香典やお布施は必要ない
ペット葬に香典の風習はないため、参列する際に、香典を用意する必要はありません。お布施についても、葬儀の料金に含まれている場合が多いため、別途用意する必要はありません。
香典を持参すると、周囲の人や飼い主が気を使ってしまう場合があります。香典の代わりに、お花などを持参し、飼い主の気持ちを和らげて、一緒に悲しみ、寄り添う姿勢を持つようにしましょう。
お布施についても不要ですが、渡すのがいけない、というわけではありません。渡す場合は、特に決まった金額はなく、あくまでも気持ちですから、3千円〜5千円程度で十分です。
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ペット葬に必要な手続き
人間を火葬する場合には、役所へ届け出て火葬許可証をもらう手続きが必要です。しかし、ペットを火葬する場合には、火葬許可証を取る必要はありません。
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犬が亡くなったら市町村役場の届け出が必要
ただ、 犬が亡くなった場合には、葬儀とは別の目的で役所に届出が必要です。狂犬病予防という観点から、犬が亡くなってから30日以内に、市町村役場への届け出が義務付けられているのです。届け出に必要な事項は、飼い主の住所と氏名、犬の死亡年月日と登録番号です。犬以外のペットについては、役所への届け出の義務はありません。
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葬儀の後の供養
葬儀の後の供養の種類は、手元供養、庭に埋葬、お墓に納骨、永代供養に大別されます。それぞれの方法について見ていきましょう。
手元供養
手元供養とは、遺骨をお墓などに埋葬せずに、自宅に置いて供養をすること。ずっと側にいてほしい、という人には向いている方法です。
ペットを火葬した遺骨に関する法律はないため、骨壷のまま自宅に保管しても問題はありません。ただ、金属や陶磁器の骨壷に入れたままだとカビが生える可能性もあるため、蓋を定期的に開けて湿気を除去するか、骨壷の底に除湿剤を入れておくことをおすすめします。
庭に埋葬
庭のある持ち家に住んでいる場合は、遺骨を庭に埋葬する供養も行えます。遺骨は、骨壷に入れたまま埋めても問題ありませんが、骨壷に入った状態だと、土に還るのに時間がかかります。自然に還すのを希望している場合には、サラシなどの布に遺骨を包んで埋葬することをおすすめします。
お墓に納骨
遺骨を持ち帰って、ペットのお墓を作って納骨する方法もあります。ペットのお墓も、人間のお墓と同じように、いろいろな種類があります。
個別に納骨されるお墓や、他のペットと一緒に納骨されるお墓などのさまざまな種類の中から、ペット霊園と相談して、最も適したものを選びます。人間のお墓と同じように、エリア、種類、サイズ、金額、雰囲気などに注意しながら、希望に合ったお墓を選択しましょう。お墓が決まるまでは、ひとまずペットの遺骨を保管してくれる納骨堂に預けることも可能です。
納骨については下記記事もご参考ください。
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永代供養
永代供養とは、飼い主に変わって管理者に長きに渡って供養や管理をしてもらうこと。お墓に足を運ぶのが難しい人や費用をかけられない人にとっては、メリットがある方法です。
永代供養は、民間やお寺のペット霊園、お寺やペットの火葬場が所有する納骨堂などで対応しています、ただ、受け付けていないところもあるため、事前に確認しなくてはいけません。突然の閉鎖などのトラブルを避けるためにも、霊園や業者選びは慎重に行いましょう。
永代供養については下記記事もご参考ください。
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・永代供養とは?永代使用との違いから永代供養の種類・メリットデメリットまで徹底解説!
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ペット葬についてのまとめ
「ペット葬」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【ペット葬儀という選択肢】
●高齢のペットが増えたことに伴い、高齢のペット関連のサービスが増えている。その一つが「ペット葬」
●ペットを飼っている人の約40%が、民間のペット葬のサービスを利用していた、という結果が出ている
●ペット葬が増えているのは、ペットが亡くなった際には焼却炉で焼却処分をする、または、土に埋める、という方法に抵抗を覚える人が増えたのも理由の一つ
【様々あるペットの葬儀の選択肢】
●動物の種類や大きさによっても異なるが、火葬か埋葬の2つの選択肢がある
●人間と同じように、御葬式を行うか行わないかによって、火葬場の選び方が違ってくる
●公営の火葬場は、焼却するための施設であり、遺骨を持ち帰れません。ゆっくりとお別れができませんし、もちろん御葬式も行えません。一方で民営の火葬場は、遺骨を持ち帰れるところがほとんどで、御葬式ができるところがあり、自分の希望とするお別れができるでしょう。
●ペット専用の霊園にお墓を作る、人間と一緒に入れる霊園にお墓を作る、自宅の庭にお墓を作る、などの選択肢がある
【ペット葬の種類】
●ペット葬の形式には、「合同葬」と「個別葬」の2種類がある
-合同葬は、複数のペットの遺体を同時に火葬する形式。費用は安く抑えられますが、複数のペットの遺骨が混じり合うため判別ができず、遺骨の持ち帰りはできない
-個別葬は、1体ずつペットの遺体を火葬する形式です。合同葬と比較すると費用は高くなりますが、ゆっくりとお別れができますし、遺骨の持ち帰りもできる
●ペット葬は、火葬やお骨拾いを、葬儀場の運営者やスタッフにすべてお任せする形式と、飼い主が立ち会う形式がある
【ペット葬の具体的な流れ】
1、ペットを安置する
2、葬儀会社へ連絡する
3、火葬をする
4、遺骨を骨壷へ収骨する
5、埋葬または遺骨を持ち帰る
【ペット葬の費用相場】
●小動物の場合:1万円〜2万円くらい
●小型動物の場合:2万円〜3万円くらい
●中型〜大型動物の場合:中型動物が3万円〜4万円くらい、大型動物は4万円〜6万円くらい
【ペット葬の注意点】
●服装は黒を基調としたものを選ぶ
●持ち物は、ハンカチ、数珠、ペットの写真、好きだったおやつやおもちゃ、納骨用の骨壷、お花を用意しておく
●香典やお布施は必要ない
-もしお布施をお渡しするとしたら3千円〜5千円程度
●犬が亡くなったら市町村役場の届け出が必要
【葬儀の後の供養】
●手元供養
●庭に埋葬
●お墓に納骨
●永代供養
ペット葬は、家族の一員として生活を共にしてきたペットが亡くなった際に執り行う、葬儀の様式のこと。ペットブームに伴って、ペット葬を運営する業者も増加し、種類などの選択肢もさまざまです。
ただ、現在の日本ではペット葬に関する法律がなく、許可がなくてもペット葬の運営が可能なため、業者選びは慎重に行う必要があります。過去の実績、口コミや評価、動物病院のおすすめの場所などを参考に、信頼できる業者を選びましょう。いざという時に困らないように、ペット葬の流れや種類、供養の方法、注意点を理解して、家族らしい葬儀で愛する子のお見送りをしてあげましょう。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール