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檀家とは?最近あまり聞かなくなった檀家制度について、その由来から長所短所まで徹底解説!

葬儀や法要の際に「うちはあのお寺の檀家だから」と家族から聞いたことはありませんか?檀家という言葉自体は知っていても、どういう意味なのかよくわからないという人は多いのではないでしょうか。かつてはすべての家がどこかの寺院の檀家になるのが当たり前でした。しかし、現代では家族構成や葬儀の形式などの変化にともない、そのようなこともなくなりつつあります。

この記事では寺院と檀家の関係を表す「檀家制度」の内容と現状、メリットやデメリット、檀家のなり方などを詳しく紹介します。

 檀家(だんか)とは?

自分の家が特定の寺院の檀家であっても、そもそも「檀家」とはどういうものなのか知っている人は少ないかもしれません。また、実家から離れて暮らしていると、寺院との関係がわかりにくいこともあるでしょう。ここではまず「檀家とは何か」を、檀家制度ができた理由や歴史と合わせて紹介します。

檀家とはなにか?

先祖代々が帰依しており、葬儀や追善法要を執り行ってくれる寺院を「檀那寺(だんなでら)」と言います。

「檀那」の語源

「檀那」の語源は古代インド語の「ダーナパティ」です。「寺や僧に施しをする者=施主」という意味で、現代語で夫やパトロンを指す「旦那」もここから来ています。

「檀家」が行うべきこと

「檀家」とは檀那寺にお布施などを納めて、経済的支援を行う家のことです。家単位の「檀那」とも言えるでしょう。その代わりとして、檀家は檀那寺に葬儀や法要、お墓の管理などをしてもらえるのです。

もし自分の家がどの寺院の檀家であるかわからない場合は、お墓の有無が判断の基準になります。公営・民営の霊園でなく、特定の寺院にお墓があれば、その寺院の檀家である可能性が高いでしょう。檀家でなければ、寺院の墓地にお墓を建てられないからです。

菩提寺と檀那寺の違い

ここで「あれ?お墓のあるお寺は菩提寺って言うんじゃないの?」と思われるかもしれませんね。檀那寺と混同されがちですが、厳密に言うと菩提寺は「先祖代々のお墓があるが、檀家であるとは限らない」「檀家ではないが葬儀や法要を執り行ってもらえる」寺院を言います。しかし、お墓を建てる条件として「檀家であること」を挙げる寺院がほとんどであることから、現代では「檀那寺=菩提寺」と考えて差し支えないでしょう。

ちなみに、檀家は家単位でなるものなので、個人の場合は「信徒(浄土真宗では門徒)」となりますが、お布施や寺院の行事への参加などは檀家と同様に義務づけられています。

檀家制度の由来

江戸時代から始まる

檀家制度が始まったのは江戸時代です。1612年(慶長17年)にキリスト教禁止令(禁教令)が発布され、踏み絵や密告の奨励など、キリシタンの捜索・摘発が厳しくなりました。その結果棄教したキリシタンに対して、檀家になったこと(仏教徒になったこと)を証明するために、寺院が寺請証文を発行したのが最初とされています。

身分に関係なく檀家になることを強制された

また、キリスト教弾圧の激化にともない、民衆はすべて身分に関係なく、いずれかの寺院の檀家となることが強制化されました。寺院は調査や自己申告を基に、現代の戸籍にあたる宗門人別改帳を作成し、民衆にも寺請証文を発行するようになったのです。檀家(仏教徒)であることを証明する寺請証文は、身分証であると同時に、キリシタンではないことの証明書でもありました。檀家制度が寺請制度とも呼ばれるのはこのためです。

厳密に言うと檀家制度は「いずれかの寺院の檀家となることの義務化」、寺請制度は「寺請証文を取得することの義務化」であり、同じものではありません。しかし、結婚や奉公のための移動に寺請証文が不可欠だったり、寺請を受けられない=檀家になれないと社会的な権利も得られなかったりなど密接な関係があったため、同一視されることがほとんどです。

檀家制度が出来る前

では、江戸時代に檀家制度ができる前は、人々はどのように家族や先祖の霊を弔っていたのでしょうか?

仏教が日本に伝来したのは飛鳥時代です。当時の先進国であった唐から伝わった仏教の教えや論理は、天皇家や貴族など有力者に支持され、広まっていきました。初期の仏教は特定の階級のためのものだったのです。

遊行僧により仏教は民衆に広がっていった

その一方で、仏教の教えを説いたり、死者の供養をしたりしながら諸国を巡る遊行僧(聖:ひじり)も現れました。遊行僧の働きによって、仏教は民衆にもたらされ、信者を増やしていきます。やがて、仏教の教えは日本古来の祖先崇拝と融合して、家族・親族で構成される「家」が重視されるようになりました。

寺院はもともと、国分寺(聖武天皇が仏教によって乱や災厄を鎮めるために各国に建立を命じた寺院)を除いては、天皇家や貴族、武家など有力者が一族の菩提(死後の冥福)を弔うために建立するものでした。そういった一族や子孫による経済的な支援で、寺院は成り立っていたのです。

没落した寺院を支援する為に檀家制度ができた

しかし、戦国時代になると度重なる戦乱や下剋上によって、寺院を建立した一族(開基檀那)が没落して支援が途絶え、寺院が立ち行かなくなることが起こり始めます。そこで寺院は身分に関係なく、民衆にも門戸を開くようになりました。その結果、葬儀や法要などを執り行ったり、法名を授けたりする代わりに、お布施や寄付などで経済的援助をしてもらうという形ができあがったのです。

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ちなみに「檀家」という言葉自体は鎌倉時代にはすでに存在し、檀家と寺院の結びつきは室町時代の終わり頃に自然発生的に生まれたとされていますが、この時代には江戸時代の檀家制度のような強制力はまだありません。

檀家制度の現状

江戸時代には必ずどこかの寺院の檀家にならなくてはなりませんでした。しかし、現代では核家族化、少子化、都市部への人口流出などによって、寺院と檀家の関係も変化しつつあります。

現在は檀家制度に強制力はない

かつて寺院はコミュニティ的存在でした。地域の住民にとって、葬儀や法要を執り行ってもらうだけでなく、日常生活の中での悩みごとや困りごとを相談したり、集まって話をしたりする場でもあったのです。しかし現在では、寺院が果たしてきた役割の多くを、行政や医療、民間のサービスなどが担っています。檀家側も葬儀や法要の時にしか寺院を訪れない、相談もしないということも珍しくありません。また、現代の檀家制度には江戸時代のような強制力もないため、理由はさまざまですが、離檀(檀家をやめること)したいという人も増えてきています。

檀家が減ることで廃寺になることも

一方で寺院は現在でもお布施などの檀家からの経済的支援で成り立っています。檀家が減ることで存続が厳しくなる寺院も出てくるでしょう。農村部などでは、人口の減少によって、廃寺となってしまったという話もよく聞かれます。こうした問題は今後増えてくることが予想できるため、従来の檀家制度を見直して、独自の会員制に移行するなど、対策を講じている寺院もあります。

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檀家のメリット

檀家であることを強制されるわけではない現代。では、葬儀や法要を執り行ってもらえる他に、檀家にはどのようなメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

優先的に面倒を見てもらえる

お盆やお彼岸には、寺院に棚経や法要の依頼が集中します。そのため、同じ日時に複数の申し込みがあることも考えらえます。しかし、多くの寺院はこうした場合には檀家を優先してくれます。希望の日時にしてもらえる可能性は高いでしょう。ただし、すでに予約で埋まっているところに、後から入れてもらえるというわけではありません。申し込みは早めにすませておきましょう。

また、身内に急な不幸があったときにも、僧侶や寺院を慌てて探す必要がありません。連絡すれば葬儀の段取りなどに対応してもらえることが一般的なので、悲しみと混乱の中でどうしたらいいか困らずにすむでしょう。

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気軽にわからないことを相談できる

普段から葬儀や法要に関することを相談できるのもメリットです。わからないことがあったら聞いておくとよいでしょう。かつてはカウンセラーやセラピストのような役割もあった寺院では、現代でも檀家の困りごとや悩みごとを聞いてくれるところがあります。「話を聞いてもらう」ことで気持ちが軽くなる場合もあるので、機会があれば相談してみるとよいでしょう。

供養やお墓の管理をきちんとしてもらえる

お盆やお彼岸、年忌などの法要を始めとする仏事や、お墓の管理をお願いできるのも檀家の特権です。近年では必要なときだけ僧侶に来てもらえる派遣サービスもありますが、その都度お願いしなくてはならないという手間がかかります。その点、檀那寺であれば寺院側でも年忌がいつかなどを把握しているので安心です。

また、檀家であれば葬儀や法要のときに会場として本堂や庫裏、座敷などを借りることができます。使用料は必要ですが、参列者に高齢の人や小さい子連れの人がいる場合でも、会食のために移動しなくてもよいので便利です。

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檀家のデメリット

近年、檀家であるメリットよりもデメリットの方が大きいと感じる人が増えているようです。檀家をやめる理由としても挙げられる、主な内容を見ていきましょう。

デメリット①寄付を求められたり費用を負担する必要がある

檀家制度のデメリットとして第一に挙げられるのが、お布施や寄付などの経済的な負担です。寺院の僧侶に葬儀や法要をお願いしたり、戒名をつけてもらったりしたらお布施を納めなくてはなりません。

寺院の修繕や改善費用を求められることも

寺院の施設の修繕や改修の費用の寄付も求められます。「お気持ちでよい」と言われたとしても、やはり相場より少ない額をお渡しするのは気が引けるものです。さらに寄付の場合は、檀家ごとに金額を指定されることがほとんどです。

行事や法要への参加を頼まれることも

また、こうした費用だけでなく行事や法要への参加や、準備や運営の手伝いを頼まれることもあります。仕事や家庭の事情で難しくても、断りづらい、参加しないと周囲の目が気になるといった理由で、無理をして参加する人もいるのではないでしょうか。

本人が希望する葬儀や法要が行えない可能性も

特定の寺院の檀家であるために、本人や遺族の希望する葬儀や法要ができない可能性もあります。身内だけで静かに送りたい、葬儀を行わず、そのまま火葬にしたいと思っていても、寺院の方から異議を唱えられることも考えられるので、日頃から寺院に相談して、了解を得ておく必要があるでしょう。

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離檀の際にトラブルになる可能性がある

引き留められる場合も

檀家をやめようとすると、寺院とトラブルになる可能性も考えられます。核家族化や少子化、葬儀や法要の形式の変化などによる檀家の減少は、寺院にとって頭の痛い問題です。「やめないでもらいたい」という気持ちは少なからずあるでしょう。そのため「やめたい」という檀家を引き止めたり、手続きに必要な書類になかなか印鑑を押さなかったりすることもあるようです。

離檀料で揉めるケースも

また、離檀料でもめるケースもあります。離檀料はこれまで供養やお墓の管理など、お世話になったことへの気持ちとして、寺院に納めるものです。しかし、いきなり数十万から数百万単位の高額な離檀料を請求された、納得がいかず裁判にまでもつれこんだという話は実際に聞かれます。

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檀家として負担する費用

檀家はお布施や寄付という形で、寺院の運営を経済的に援助します。実際に費用はどのくらいかかるのか、その内訳や相場を見ていきましょう。

負担する費用の相場

檀家が負担する費用は、年間で数万から10万円ほどが相場です。しかし、大きな寺院になると数十万円かかることもめずらしくありません。金額は檀家ごとに決まっていることが多く、信者総代など寺院との関係によっては負担の割合が大きくなる傾向があります。

負担する費用の内訳

檀家が負担する費用の内訳も寺院によって異なりますが、主なものは以下のとおりです。

●墓地の清掃や管理:墓地にある樹木の剪定費用や雑草・枯葉などの撤去費用、通路の清掃や整地の費用、檀家がお墓参りやお墓の清掃の際に使う水道代など、年間5,000~20,000円ほど。

●寺院の本堂や庫裏、納骨堂などの建立や改修、修繕:建築方法が特殊で大規模になるため、かなりの費用がかかる。寄付は一口数万から数十万円が一般的だが、口数や金額を指定されることもある。
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●墓地や納骨堂、位牌堂の使用料:寺院によって異なるが、年間10万円ほどかかることが多い。
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●その他:寺院で行われるお盆やお彼岸の法要、寺院の記念行事などのお布施としてそれぞれ5,000~10,000円くらい。


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檀家の入り方

新たに檀家になる(入檀)には、希望の寺院で手続きが必要です。

寺院によって条件が異なる

寺院によって条件が異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。

以前の宗教や宗派は問われない

ほとんどの寺院では以前の宗教や、宗派が問われることはありません。しかし、檀家になろうとする時点で仏教徒であることは必須です。また、家族全員はもちろん、その家の後継ぎが納得の上、同意していなくてはなりません。家族内で信仰が異なると、後々トラブルが起きる可能性があるからです。

施主は20歳以上

さらに、施主(布施を行う者=檀家の家長)が20歳以上であることも条件の一つです。檀家になるときには檀家契約書や墓地契約書を交わす必要がありますが、未成年者は法定後見人の同意なしには契約をすることができません。費用の負担を含め、檀家になるには社会的な責任能力が求められます。こうした理由から、施主は成人でなくてはならないとされているのです。

入檀料を納める

契約が成立して、檀家となったら寺院に入檀料を納めます。入檀料の金額は10~30万円が相場です。この他、お墓を建てたり、位牌を納めたりするならそれぞれ墓地や位牌堂の使用料やお墓の建立、開眼供養の費用などが必要になります。

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檀家のやめ方

「お墓もあるし、檀家をやめることはできない」「代々お世話になっているから今さら言い出せない」という人は少なくないのではないでしょうか。

しかし、寺院にお墓があったり、代々供養をしてもらっていたりしても、檀家は施主の意志で自由にやめることができます。ここでは檀家のやめ方について解説します。

檀家をやめることは出来るのか?

憲法では基本的人権で「信教の自由」が保障されています。つまり、檀家は理由に関わらずやめることができるだけでなく、寺院側には引き止めたり拒否したりする権利はないのです。

ただし、檀家をやめるには入檀するときと同様に、さまざまな手続きや、離檀料が必要です。「今日でやめます」と言っても通らないばかりか、長い間お世話になった寺院に対して義理を欠くことにもなります。トラブルの原因にもなりかねないので、きちんと手順を踏むようにしましょう。

檀家をやめる方法

寺院に申し出る

檀家をやめるには、施主を始め、家族全員が同じ考えであることが必須です。離檀の意志が固まったら、寺院に申し出ましょう。特にお墓を移す場合は、手続きや工事、整地に時間がかかるので、早めにするのが礼儀です。

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離檀の申し出は口頭でよい場合と、申請書のような文書で行う場合があります。いずれにしても、寺院に直接赴いて申し出るのが基本です。

離檀料を納める

寺院と合意したら、離檀料を納めます。本来、離檀料は義務ではなく、金額も決まっていません。しかし、これまで供養や法要、お墓の管理などをしてもらったお礼として納めることがほとんどです。法要1回分(10~20万円)ほどが相場とされていますが、契約書で離檀料の額を指定している寺院もあります。あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

墓地を元通りに整地する

檀家をやめるときは、お墓からお骨を取り出して墓石を撤去し、墓地を元通りに整地します。整地の費用は1㎡あたり10万円ほどが相場です。墓石を処分する場合は別途費用がかかります。さらに、お墓を移すには、お骨一体につき一通の改葬許可証が必要です。撤去のための工事が始まる前に取得できるよう、市町村の役所に申請しましょう。申請には檀家をやめる寺院と、新たに檀家になる寺院それぞれの住職の署名・捺印が必須です。

改装許可証の申請

また、改葬許可証の申請には、申請書に現在お墓のある墓地の管理者(寺院にお墓があるならその住職)が発行する「埋葬許可証」と、新しい墓地(寺院や霊園など)の管理者が受け入れを証明する「受入証明書」を添えます。

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その他の費用

この他、檀家をやめてお墓を移す際にかかる主な費用として、以下のものがあります。

●お墓から魂を抜く閉眼供養:目安は3~10万円
●新しいお墓に魂を入れる開眼供養:目安は3~10万円
●お骨を取り出すときの供養料:一体あたり4万円前後
●新しいお墓での納骨式:1体あたり3万円前後
●墓石の運搬料:依頼する石材店や運送会社によって異なる
●新しくお墓を建てる場合の墓石代:150万円前後

檀家をやめる際の注意点

檀家をやめる際は、よほど遠方に住んでいる場合を除いては、住職と直接会って話しましょう。電話や手紙だけでは気持ちの行き違いが起こりやすく、思わぬトラブルの原因となることもあるからです。

お寺は申し出の拒否はできない

寺院側は「檀家をやめたい」という申し出を拒否することはできません。しかし、これまで葬儀や法要など、お世話になった寺院と仲たがいの末にやめるのは、お互いに後味が悪いものです。住職には後継者がいない、遠方に住んでいてお墓の世話が困難など、檀家をやめたい理由を具体的に説明しましょう。

お布施や寄付が負担であれば相談する

お布施や寄付などが負担であれば、相談に乗ってもらえる場合もあります。もともとお布施や寄付の額は檀家の「気持ち」です。金銭的な理由で付き合いが断たれてしまうのは、寺院側も本意ではないでしょう。

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自分で僧侶手配を行わなければいけない

檀家をやめることで生じるデメリットも知っておきましょう。まず、葬儀や法要の際には自分で僧侶を手配しなくてはなりません。

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お墓の改装費用がかかる

また、お墓を移すにはかなりの費用(新しいお墓に移すとすると総額で150~300万円ほど必要とされる)がかかることも計算に入れておきましょう。

檀家にはいるか悩んだ際のポイント

永代供養であれば、檀家にならなくてもよいとされています。しかし「せめて自分が生きている間は先祖の法要はきちんとしたい」という思いから、檀家に入った方がいいのかという悩む人もいるでしょう。そんなときの判断のポイントを解説します。

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そもそもお寺は必要か?

観光で有名な寺院には訪れても、先祖代々のお墓がある檀那寺には滅多に足を向けない人も珍しくありません。現代では家族構成や価値観の変化にともない、檀家になること=先祖供養とは必ずしも言えなくなってきています。お墓の形式や葬儀、法要のやり方の多様化から、寺院を介さなくても亡くなった家族や先祖を敬い、供養することはできるという考えを持つ人も増えています。

その一方で、やはり寺院にお願いしなければ不安という人もいるかもしれません。本当に寺院の檀家であることが必要なのか、自分に問い直してみてください。家族ともよく話し合った上で、納得できる供養の方法を決められれば、どんな形でもご先祖様も反対はなさらないでしょう。

>>先祖供養とは?先祖供養の効果や正しい供養の方法を完全解説!

住職の人柄

近年では、地縁や檀家制度にとらわれず、自由に寺院を選べるようになりつつあります。先祖代々お世話になっている寺院でも、住職と折り合いが悪いため檀家をやめるということも可能になってきています。

新たに檀家になろうとするときに、住職の人柄は重要なポイントです。長い付き合いになるだけでなく、葬儀や法要などで接する機会が増えます。高圧的な態度を取ったり、感情的になりやすかったりする住職では、こちらが委縮してしまい、常に機嫌をうかがうようなことにもなりかねません。

先祖の供養という大切なことをお願いするのですから、納得してお任せできる寺院とご縁を結びたいものです。そのためには、住職が信頼できそうな人柄かどうか、直接会って判断するようにしましょう。

お寺のある地域に住み続けるのか?

檀家になるときは、その地域に住み続けるのか、遠方へ移転する可能性はないかなど、よく検討しましょう。寺院との関係を良好に保つには、同じ地域に住み、法要やお墓参りなどで定期的に顔を合わせることも必要だからです。

また、自分の代はよくても、後継者が遠方に住んでいたり、お墓を維持していく意志がなかったりすると、寺院だけでなく家族間でのトラブルにもなりかねません。檀家をやめることができるとは言っても、簡単ではありませんし、費用もかかります。事前に家族でよく話し合い、意思を統一した上で申し込みましょう。

永代供養墓では入檀が求められるのか?

永代供養とは?

永代供養とは、お墓を守る人がいなかったり、遠方に住んでいてお墓参りができなかったりする場合に、寺院が代わって供養や管理をしてくれるシステムを言います。永代供養墓は墓地や墓石を用意する必要がないため、お墓にかける費用を抑えられるというメリットがあります。子供や孫、子孫にお墓を守るという負担をかけずにすむよう、初めから永代供養墓を選ぶ人も増えています。

永代供養の場合は檀家になる必要はない

寺院によってはその宗派の教義を学び、守る姿勢を求められたり、入檀を勧められたりしますが、基本的に永代供養を希望する場合は檀家になる必要がありません。そのため、独身者や子供のいない夫婦、後継者がいないために墓じまいをしたい人などが生前に申し込むことも可能です。

永代供養はその後、合祀される

ただし、永代供養といっても、未来永劫にというわけではありません。17回忌や23回忌など、一定の期間が過ぎると他のお骨と一緒に合祀型の永代供養墓に納められ、合同で供養されます。合祀されるタイミングとして、33回忌を一区切りとする寺院が多いようです。

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檀家についてのまとめ

「檀家」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。

【檀家とは?】
●先祖代々が帰依しており、葬儀や追善法要を執り行ってくれる寺院を「檀那寺(だんなでら)」と言う
●檀家制度が始まったのは江戸時代
●現代の檀家制度には江戸時代のような強制力もないため、理由はさまざまですが、離檀(檀家をやめること)したいという人も増えてきている

【檀家のメリット】
●優先的に面倒を見てもらえる
●気軽にわからないことを相談できる
●供養やお墓の管理をきちんとしてもらえる

【檀家のデメリット】
●寄付を求められたり費用を負担する必要がある
 -寺院の修繕や改善費用を求められることもある
 -行事や法要への参加を頼まれることもある
●本人が希望する葬儀や法要が行えない可能性もある
●離檀の際にトラブルになる可能性がある

【檀家として負担する費用】
●檀家が負担する費用は、年間で数万から10万円ほどが相場
●費用内訳
 -墓地の清掃や管理:年間5,000~20,000円
 -寺院の本堂や庫裏、納骨堂などの建立や改修、修繕:寄付は一口数万から数十万円
 -墓地や納骨堂、位牌堂の使用料:年間10万円ほど
 -その他:寺院の記念行事などのお布施としてそれぞれ5,000~10,000円

【檀家の入り方】
●寺院によって条件が異なるのであらかじめ確認しておく
●以前の宗教や宗派は問われない
●施主(布施を行う者=檀家の家長)が20歳以上であることも条件の一つ
●檀家となったら寺院に入檀料を納めます。入檀料の金額は10~30万円が相場

【檀家のやめ方】
●離檀の意志が固まったら、寺院に申し出る
●離檀料を納める(離檀料は義務ではなく、金額も決まっていないが相場は10万円~20万円)
●墓地を元通りに整地する

【檀家をやめることのデメリット】
●葬儀や法要の際には自分で僧侶を手配しなくてはならない
●お墓を移すにはかなりの費用(新しいお墓に移すとすると総額で150~300万円ほど必要とされる)がかかる

【檀家にはいるか悩んだ際のポイント】
●そもそもお寺は必要か?
●住職の人柄を確認する
●お寺のある地域に住み続けるのか?

檀家と寺院の関係は変わってきており、檀家制度もかつてのような強制力はなくなりつつあります。自分たちらしい葬儀や供養を望む人も増えてきていることから、将来的には檀家制度そのものがなくなるという意見もあるほどです。

しかし、供養の方法やお墓をどうするか悩んでいたり、葬儀などの相談ができる相手が欲しいと思ったりしているのであれば、寺院は強い味方になってくれます。檀家であることで得られるメリットも合わせて検討し、寺院との付き合い方を考えるとよいでしょう。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

プロフィール

運営会社

会社概要

会社名 LDT株式会社
Life Design Technologies co.,Ltd


https://le-tech.jp/
資本金 11,930万円(資本準備金含む)
代表取締役 白石 和也
設立 2019年9月
所在地 〒105-0004
東京都港区新橋5丁目23-10片山ビル6階
TEL:0120-538-175
FAX:03-6800-5820
事業内容 AgeTech(エイジテック)プラットフォーム事業
AgeTech(エイジテック)関連のソフトウェア開発・提供事業
AgeTech(エイジテック)関連のコンサルティング事業

企業理念

ライフエンディング(葬儀)の後悔をなくす

私たちは超高齢社会に適した情報インフラとサービスインフラを構築することにより、人々のQOLの向上に寄与し、社会に貢献し続けます。

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お葬式セミナー講師
エンディングコンサルタント
栗本 喬一(くりもときょういち)
1977年 東京生まれ(名古屋育ち)
略歴
母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者(セレモニーディレクター)として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、5,000件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等
株式会社GSI グリーフサポート アドバンスコース修了。