【プロ監修】大安の葬式は問題なし!日程決定の必須知識と4つの注意
大安の日にお葬式をおこなうことは、「非常識・不謹慎」となるか心配でしょうか?
単刀直入に言いますと、大安や友引に葬儀や通夜をおこなってもまったく問題ありません!
なぜなら、『大安や仏滅などの六曜は、その日の運勢を占うもので、宗教的な要素を持っているわけではないから』です。
とはいえ、現実問題として「友引は火葬場が休みのことが多い」「年配の方には気にする方もいらっしゃる」など、注意点を知っておくのも大切なことです。
そこで本記事では、大安が不謹慎と言われるようになった六曜とはなにか?から、葬儀の日程で重要な4つのポイント、スケジュールをスムーズに進めるための手順まですべて紹介します。
六曜とお葬式との関係を十分理解できるだけでなく、親族や参列者が納得できる決め方のコツや注意点も紹介しているため、ツヤや葬儀の日程調整にも役立てることができるでしょう。
マナーを守り、円滑かつ滞りなくお葬式の日程を決めたい方は、ぜひ最後までお読みください。
大安は葬式を問題なく行える!
冠婚葬祭では日取りが大事といわれ、結婚式では大安を選ぶことがありますが、『お葬式は大安でも問題ない』ため、どうぞご安心ください。
大安などの縁起を表す用語は『六曜』と呼ばれ、日本では大切な行事において日取りを選ぶ風習があり、日にちが6つの吉凶によって振り分けられたものです。
【六曜の種類と意味】
種類 |
読み方 |
意味 |
先勝 |
せんしょう |
万事急ぐをよしとし、午前を吉、午後を凶とする日 |
友引 |
ともびき |
なにごとをしても勝ち負けがないといわれる日 |
先負 |
せんぶ |
万事に平静を吉とし、午前は凶、午後は吉とする日 |
仏滅 |
ぶつめつ |
万事に凶とする大悪日 |
大安 |
たいあん |
万事によいとされる日 |
赤口 |
しゃっこう |
大凶の日だが、正午だけは吉とされる |
大安とは六曜に基づく習慣
大安などの吉凶によって毎日の運勢が定められているのは『日本特有』の文化であり、建前として重んじられている習慣です。
実際、六曜は六輝(ろっき)ともいい、方位などとともに『吉凶』を表す歴注としてカレンダーや手帳などへ記載されている用語のことをいいます。
六曜の起源はインドや中国といわれていますが、同じルーツを辿っても仏教とは何の関係もなく、少なくともこれらの国々では現在『六曜が存在しない』ことを知っておくとよいでしょう。
六曜が迷信といわれる理由
大安と同様に、仏滅も仏教や仏事とは無関係で凶日という運勢を表すためのものです。そのため、『仏滅もお葬式とは関係がなく、お通夜も葬儀をしても支障はありません』。
このように「六曜は迷信」といわれるのは、吉凶占いの要素が強く見受けられるためです。
六曜に対する見解には賛否両論ありますが、星座・血液型・姓名判断・風水などと同じように、信じたり重視したりするのは個人の自由でも、あまり人に押し付けるものではないといえるでしょう。
お葬式の日取りを決めるのはとても重要なことですが、仏滅を含め、六曜を気にする必要はありません。詳しくは、「プロ監修|仏滅の葬式は問題なし!日取り決定の大切なポイントと注意」でも詳しく解説していますので、ご参照ください。
六曜の仕組み
六曜の仕組みは意外と単純で、旧暦さえ分かれば、知りたい日の六曜を一定のルールに基づいて簡単に把握することができます。
判別の手順は以下の2段階となっています。
【1】毎月1日は決められた六曜
旧暦の毎月1日は、以下のように月ごとに決められた六曜が設定されます。
旧暦の月 |
六曜 |
1月・7月 |
先勝 |
2月・8月 |
友引 |
3月・9月 |
先負 |
4月・10月 |
仏滅 |
5月・11月 |
大安 |
6月・12月 |
赤口 |
【2】月末まで決められた六曜の並び順
該当する六曜から次の優先順で、6日ごとに同じ並びの六曜が月末まで繰り返されます。
『先勝→友引→仏滅→大安→赤口』
最下部に、「六曜カレンダー」も掲載していますのでよろしければご参考になさってください。
友引の葬式は要注意!
お葬式で唯一、注意すべきなのは『友引』です。親族や参列者が足を運んでくださるお葬式では、なるべく友引の日を避けるようにします。
六曜はお葬式や宗教とは関係ないとはいえ、習慣として不快に感じる方がいるのが実情です。お葬式はマナーを重んじる行事のため、世間体を大切に無難な選択として、できれば避けるようにしましょう。
一方、友引を気にしないご家庭で、遺族のみで執り行う小さなお葬式なら、日取りを気にする必要はありません。
地域によっては、友引なら火葬場の時間を選びやすく、式場を抑えやすいというメリットもあるため、遺族の考え方によっては敢えて友引を選択するケースもあります。
友引の葬式を注意する2つの理由
友引のお葬式では対処方法があるため、事前に『なぜ友引がいけないのか』を知っておくと、万一、友引しかお葬式ができないときも安心です。
友引のお葬式がタブーとされるのには、次のように大きな理由が2つあります。
【友引がタブーとされる理由】
1.縁起が悪いという言い伝えがある
2.火葬場に休業日が多い
縁起が悪いという言い伝え
六曜における代表的な迷信といわれているのが、『友引のお葬式は縁起が悪い』という言い伝えです。
友引は「友を引く」という語呂合わせから結婚式では喜ばれる一方、お葬式では「故人の親しい人があの世へ連れていかれる」と解釈されています。
友引は、中国伝来の陰陽道(おんみょうどう)に由来し、「日によって異なる葬送で避けるべき方角」からきたといわれています。
しかし、もともとの六曜では『共引き』と書き、勝負ごとでの引き分けを意味していましたので、ご不幸とは関係がありません。
火葬場に休業日が多い
火葬場ではメンテナンスが必要なため、地域によっては火葬を避けがちな友引に休業日を当てる傾向が多くあります。
しかし、必ずしも友引は火葬場が休みという訳ではなく、高齢化社会の近年は地域の状況に合わせて、友引でも営業している火葬場は増えています。
特に都市部では火葬まで約1週間など、予約が取りにくい状況に陥ることもあるため、友引でも複数ある施設の一部を開場するなどしています。
火葬場と併設している斎場の休業日も同様です。通常、お葬式は火葬場の予約日程を最優先として執り行われるため、併設施設の斎場では休業日を火葬場に合わせることが一般的です。
友引による火葬場の事情は『「友引に葬式はできない」は実は間違い!日取りの正しい決め方のコツ』でもご紹介していますので、よろしければご覧ください。
通夜は友引でも基本問題なし
地域によっても異なりますが、友引に控えるべきとされているのは『火葬』で、多くの地域では、お通夜は対象外とみなされています。
つまり、お葬式には1日目の「お通夜」と、2日目の「葬儀・告別式」があるため、「友引を避けるのは、2日目の葬儀・告別式」というのが一般的です。
なお、葬儀社は友引でも営業していることが一般的です。
規模によっても異なりますが、斎場を運営していれば友引にお通夜を行うほか、斎場がない葬儀社もドライアイスの交換にご自宅を訪問する必要があるためです。
火葬場や葬儀社に共通する休業日といえば、1月1日から三が日までなどのお正月です。特に元旦は全国的に火葬場の休業日となり、友引よりも配慮すべき日となるためご注意ください。
友引に葬式をする方法
火葬場の空き都合などによりやむを得ずお葬式を執り行う場合にも、『友引のお葬式は対処することによって問題を防げます』。
そのためには、次の3つの手順を踏まえましょう。
1.親族へ理解を得る
2.葬儀社へ相談する
3.友引人形と火葬する
親族へ理解を得る
友引のお葬式に対して抵抗感が強いのは、特に高齢者や、その方々の教えによる影響を受けた人です。
一般的には「友引にしか予約が取れなかった」という理由なら、多くの人には理解が得られると思いますが、気難しい人もいらっしゃるでしょう。
その場合は、「最後のお別れをして火葬場までお付き合いいただくには、この日程しか選べなかった」と丁寧に伝えた方が相手に良心を伝えられると思うので、参考になさってください。
葬儀社へ相談する
友引におけるお葬式の対処方法はさまざまです。たとえば、お葬式のプランを変更して、火葬日を延期する方法や、骨葬という遺骨によるお葬式やお別れ会の開催です。
具体的には次のような方法となりますが、地域やご遺体の状況によっても異なるため、葬儀社との打合せが必要となります。
・友引に営業している火葬施設を利用して火葬する
・冷蔵保存施設によりご遺体の状態を保つ
・エンバーミングによりご遺体の保持期間を高める
・遺族のみで別日に火葬をして骨葬やお別れ会を行う
エンバーミングの技術はご遺体を生前の姿に戻すことも可能です。詳しく知りたい方は、「エンバーミングとは?聞き馴染みのないエンバーミングについてその役割や方法、長所短所まで徹底解説!」をご覧ください。
友引人形と火葬する
友引に火葬する際、友引用の人形と火葬する方法があります。『友引人形は友人形とも呼ばれ、周囲へ不幸が訪れないように身代わりとして一緒に火葬する』ための人形です。
友引人形は葬儀社へ依頼すると用意してもらえますが、火葬に適した材質の人形であれば、専用の人形でなくても問題ありません。
火葬ができてご遺骨が汚れない素材の綿など、プラスチックや金具が使用されておらず、生前に故人が愛用していたぬいぐるみなどがあれば、それを代わりに使用してもよいでしょう。
葬式の日程で重視すべき4つのこと
お葬式は常識やマナーを踏まえるべき行事のため、日取りを気にすることはとても大切です。
実は、友引よりも気を付けるべきポイントがあるため、優先順にご紹介します。
1.親族の集まりやすさ
2.火葬場と斎場の確保
3.菩提寺への配慮
4.友引への配慮
親族の集まりやすさ
お葬式では遺族のみならず、親族の参列を必須と考えるのが通常で、特に故人の血縁者への配慮は優先してください。
一般的に日程は人が集まりやすい週末を選ぶことが多い一方、社葬や会社の人たちが多く参列するお葬式では、仕事の延長で参列しやすいように平日を選ぶケースもあります。
なお、親族に遠方から来てもらう場合は航空券や新幹線チケットの取りやすさも大切です。お盆休みやGWや年末年始など、連休が多い時期は、宿泊施設の予約も含めてご注意ください。
火葬場と斎場の確保
お葬式では、事前に火葬場と斎場の予約を行わなくてはなりません。予約は優先順となるため、空き状況の確認では、日程のみならず『時間』への注意が必要となります。
施設によっても異なりますが、火葬場の営業時間は9:00〜21:00などが一般的です。予約では、10:00〜14:00頃の早い時間が人気で混み合います。
朝夕の時間帯は比較的予約が取りやすい一方、参列者の最寄駅からの交通アクセスなども踏まえる必要があるため、ご注意ください。
菩提寺への配慮
お付き合いのある菩提寺など、忙しい宗教者のスケジュールを事前に確認して相談することはとても重要な配慮です。
後々の法要におけるお付き合いもあるため、寺院やご住職とのお付き合いは大切にしてください。
故郷の菩提寺に足を運んでもらう際は、旅費や宿泊施設の支払いなど、予約の代行のみならず、お布施の負担においても気遣うことが必要です。
友引への配慮
仏教のみならず、行事を重んじる神道でさえも六曜とは無関係のため、順序として列記すると、このように『お葬式の日取りでは友引の優先度が意外と低い』ことが分かると思います。
お葬式で一番大事なのは、故人への弔いの気持ちです。
友引に関して気になることがあれば、葬儀社やお付き合いのある宗教者へ尋ねてみるのもよいでしょう。
葬式の日程をスムーズに決める手順
お葬式にあたって日程を決める際は、重視すべきポイントを抑えた手順を踏まえるとスムーズです。
マナーや大切な人への配慮など、優先すべき事項から順番に着手すればよいため、誰でも簡単に取り組むことができます。
いち早くお葬式の準備が着手できるよう、貴重な時間を無駄にしないためにも、次の7つのステップをぜひ参考になさってください。
1.親族が集まりやすい日取りの想定
2.火葬場と斎場の空き状況の把握
3.菩提寺へのスケジュール確認
4.友引を踏まえた日程検討
5.葬儀社への予約
6.菩提寺への依頼
7.親族や参列者への訃報連絡
葬儀日程を決めるコツは、「プロが解説!葬儀日程を決める5つのポイントと2つの注意点とは」にて詳しく解説しています。どうぞご参考になさってください。
親族が集まりやすい日取りの想定
まず、お葬式では親族が集まりやすい日程を想定します。一般的な会社勤めの方なら週末、商売をしている人なら休業日と、家系によって特徴があれば、考慮しましょう。
火葬場と斎場の空き状況の把握
火葬場と斎場では空き状況は、葬儀社へ確認します。
『やさしいお葬式』では、ご希望の地域の火葬場の空き状況や斎場を無料でご案内していますので、お気軽にお問い合わせください。
菩提寺へのスケジュール確認
菩提寺など、お付き合いのある宗教者へ連絡をして、お葬式の日程を相談します。この際、候補日を複数検討してもらうようにしましょう。
お葬式以外にも、年忌法要・お盆・春と秋のお彼岸などのほか、寺院や神社は行事がさまざまあるため、宗教者は多忙なスケジュールだと思ってください。
なお、お付き合いしている宗教者がいない場合は、『やさしいお坊さん』へご連絡いただければ、お布施を含めて全国6万円よりお葬式で読経いただける安心価格の宗教者をご紹介いたします。
友引を踏まえた日程検討
親族の都合や宗教者の候補日から、友引に当たらない日取りを確認して、お葬式の日程を確定します。
この際、一般的なお葬式では『お葬式の前日がお通夜』となります。親族や宗教者のスケジュール日程としてご注意ください。
葬儀社への予約
日程が確定したら、早急に葬儀社へ火葬場と斎場の予約を依頼しましょう。
火葬場は『火葬許可証』を提出しなければなりませんが、一般的な葬儀社では、市町村役場への死亡届の代行手続きを行ってもらえます。
菩提寺への依頼
お葬式の日程が決まったら、誰よりも早くお付き合いのある宗教者へお知らせします。
お通夜や葬儀で気になることや、お布施について迷いがあれば、このとき事前に相談しておきましょう。
親族や参列者への訃報連絡
宗教者の手配が済んだら、親族をはじめ、参列者へ訃報連絡を行います。
訃報連絡の仕方に戸惑う方もいらっしゃると思いますが、どうぞご安心ください。「訃報とは?今さら聞けない訃報の意味から伝え方まで、例文を交えて完全解説!」にて分かりやすく解説しています。
なお、訃報連絡をすると、親族以外にもお付き合いの度合いによって、すぐに安置しているご自宅などへの弔問が始まりますので、来客応対の準備をしましょう。
火葬場や斎場の予約ならお任せください
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まとめ
大安をはじめ、仏滅や友引とお葬式の関係についてご紹介しましたが、お葬式の日程を決める際は六曜よりも大切にすべきことがあるのが分かりますね。
まとめると以下のとおりです。
1.大安はお葬式をしても問題ない
・仏滅のお葬式も問題ない
・六曜は迷信といわれている
2.友引のお葬式は注意が必要
・縁起が悪いという言い伝えがある
・火葬場に休業日が多い
・基本的にお通夜は友引でも問題ない
・友引でもお葬式をする方法はある
3.お葬式の日程は友引よりも重視すべきことがある
・親族の集まりやすさ
・火葬場と斎場の予約
・宗教者への配慮
4.お葬式の日程は重要ポイントを抑えてスムーズに決められる手順がある
(1)親族が集まりやすい日取りの想定
(2)火葬場と斎場の空き状況の把握
(3)菩提寺へのスケジュール確認
(4)友引を踏まえた日程検討
(5)葬儀社への予約
(6)菩提寺への依頼
(7)親族や参列者への訃報連絡
この記事により、お葬式の日取りに悩むご遺族の皆様にお役立てたら嬉しく思います。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール