香典の正しい書き方を完全解説!金額・表書き・中袋・のし袋の書き方を紹介!
突然の訃報で悲しい気持ちになるのはもちろんですが、葬儀に行く際に服装や準備するもので悩んでしまうことも多いのではないでしょうか?
特に、多くの人が必ず悩んで調べることになるのが香典です。
今回は、香典袋の選び方から、正しい書き方や包み方、金額相場から渡し方などのマナーや注意点を解説します。
社会人として是非知っておきたい葬儀法要の際の香典の基礎知識をご紹介致します。
香典袋の正しい書き方とは?
友人や知人の訃報は悲しいもので、あまり聞きたいものではありませんが、いつやってくるのかわかりません。もし仮にそのような状況に直面したなら、すぐにでもお別れに駆け付けたくなります。
しかし、いざご葬儀へ伺うということになれば、普段慣れないマナー、そしてルールがたくさんあって、疑問や不安がある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
その中でも、特にご遺族へお渡しする香典には、しきたりやマナーがたくさんあって、特にお悩みを持つ方も、たくさんいらっしゃるかと思います。
香典の歴史
そもそも香典とは「香を供える」という意味から始まっており、貴重品をあたえるという意味ともいわれます。
故人を偲ぶ葬儀では、実際、葬儀自体にお金がかかるだけでなく、食事を振舞うなどもしなければならず、何かとお金がかかるものです。香典は、故人の遺族に対して、経済的援助となることもあります。
香典はマナーを守って渡す
香典袋の種類や正しい書き方など、香典のマナーを知らずにお悔やみの場へ伺うのも、大変失礼でありますし、社会人として私的な繋がりだけでなく、仕事の関係でお世話になった方とのお別れに香典を用意しなければならない事もありますので、付き合いの関係性でも香典について正しい知識が必要になる場面もあるでしょう。
また、宗教や宗派、いれる金額など様々な状況によって違う香典袋の書き方やマナーは、なかなか複雑なものではありますが、ここでは項目ごとにわかりやすくご紹介していきます。
香典については「香典を完全解説!意味・歴史・金額相場・書き方・包み方・渡し方を解説!」「葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!」でもご紹介しています。
香典袋の書き方(種類・宗教別)
香典袋は、コンビニ・文具店など、さまざまな場所で購入することができますが、形式は外袋(表袋)と内袋(中袋)がセットになっている2重のタイプと、外袋のみのタイプがあります。
2重のタイプを使うときは、外袋上段に表書きを、下段に名前を、内袋の表面には金額、裏面に住所を記入します。
地域によっては「袋を2重にする=不幸が重なる」という考え方から、内袋を使わないこともありますので、状況によって袋の種類を用意するようにしましょう。
香典袋は街の文具店や百貨店などで購入できますが、そこで見かけるのは、表書きが印刷されているものがほとんどです。
たくさんの種類が販売されていますが、表書きの印刷がないものもあるため、そのような袋を購入するときには、表書きを自分で記入することになります。
このあとご紹介しますが、表書きの種類は多く、相手の宗教に合わせた表書きを選ばなければなりません。
仏教の場合
仏教の表書きは、「御霊前」や、「御仏前」です。
基本的に仏教では、故人は四十九日の忌明け法要まで、御霊(みたま)となり、人と同じくこの世にいらっしゃるという教えがあります。
そのため、通夜・葬儀・告別式では「御霊前」を使います。「御霊前」・「御仏前」の他に、「御香典」・「御香料」でも構いません。
四十九日法要以降では、故人は成仏してあの世にいらっしゃるので、「御霊前」ではなく「御仏前」を用いるとよいでしょう。
浄土真宗の場合
仏教の中でも浄土真宗では、人は死後すぐに極楽浄土で仏になると考えられているため、その他の宗派と違い御霊(みたま)という考え方がありません。
ですから「御霊前」と書くことは避け、「御仏前」を使うようにします。
曹洞宗の場合
曹洞宗では「御仏前」または「御香典」と記載します。禅宗である曹洞宗は、霊という存在はありません。亡くなったらすぐに極楽浄土に導かれるという考えです。そのため、浄土真宗と同様に、「御霊前」という言葉は使わないのです。
神式の場合
神式の表書きは、「御玉串料」が一般的ですが、「御榊料」や「神饌料」と記すこともあります。
「御霊前」と書くことはできますが、仏前ではなく、神前に捧げるものとなりますので、「御仏前」は使いません。
現在の日本では仏式での葬儀が多く、神式で執り行われる葬儀は少なくなってきているようですが、その違いは覚えておくとよいでしょう。
神式については「神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説」の記事もご参考ください。
キリスト教の場合
キリスト教の宗派は、カトリックとプロテスタントの2つがあります。それぞれで表書きの違いがありますので確認しておきましょう。
カトリックの場合
カトリックの場合では「御花料」や「御ミサ料」となります。「御霊前」を使用しても問題はないですが、キリスト教ではお香を焚く習慣はありませんから、「御香典」とすることはできません。
また仏教ではなく「仏」ではないため、「御仏前」は使えません。
プロテスタントの場合
プロテスタントの場合は、「献花料」や「忌慰料」を使います。
気を付けなければならないポイントとしては、御霊は、異教の崇拝とされていますので、「御霊前」は不適切となり失礼に当たるということです。
キリスト教で宗派が不明な場合
キリスト教の方で、宗派が不明なときは、カトリック・プロテスタントのどちらでも使用することのできる「献花料」を使用しておくと、失礼はないでしょう。
また、キリスト教では、教会で葬儀が行われることが多いので、事前にインターネットなどで調べておくと、教会名の前に宗派が必ず書かれていますので確認を取ることが可能です。
表書きの書き方(連名などの場合)
外袋の表書きの下の段に書く名前は、1名で香典を出す際は、水引の下の中央部分にフルネームを記入します。
会社関係の場合
名前だけでは故人との関係が遺族から分かりにくい会社関係の際は、会社名と肩書を、名前の右側に小さめに入れておきましょう。また、上司などの代理で出す際には上司の名前の左横に「代」と記入します。
連名で記入する場合
2名から3名の連名で記入する場合では、右から順に左へ記入します。
このとき、目上の人の名前を一番右側にするのがマナーの基本ですが、職場の同僚や、町内会、PTAなど、有志の連名で出す場合などは、目上の人からではなく、五十音順で右側より順にすることもあります。
4名以上の連名の場合は、表に代表者の氏名を記入し、その左に少し小さめに「他一同」と書きます。全員分の名前を白紙に記したものを中袋に入れておくと遺族の方も分かりやすいですね。
夫婦連名で記入する場合
夫婦の連名で香典を出すときは、一般的に夫の名前のみをフルネームで記入しますが、夫婦共に故人と関わりが深い場合、連名でも問題はありません。
香典を夫婦連名で出す場合は「香典を連名で出す場合は?香典を連名で出す際の書き方やマナー、注意点を徹底解説!」の記事でもご紹介しています。
外袋の包み方
外袋(表袋)の包み方については、折り返しの部分が下に向くようにしておくことで、重なりが下を向いて、悲しみの心を表すといわれています。
慶事では逆さ向き、となりますので、外袋の包み方にも気を使わなければなりません。
夫の代わりに妻が代理で参列する場合
また夫の代わりに妻が参列する際は、真ん中に夫の名前を書き、左横に小さく「内」と記しましょう。
なお代理であっても、先ほど説明した上司の代わりの場合では「内」を使うことはありません。
内袋の書き方(表面)
また、内袋の表面には金額を記入します。
金額は漢数字で記載
金額の記入は大字(壱・弐・参・伍・拾・仟・萬・圓)を使うのが一般的です。
漢数字の「一」は大字では「壱」、「二」は「弐」にあたります。「〇万円」は「〇萬円」と書きましょう。
例えば5千円を包むのならば、「金伍阡円」と書きます。「金壱萬円」は一万円、ということになります。
「金五千円」や「金一万円」と書いたとしても、マナーに反することとはなりませんが、漢数字の「一」や「二」など、勝手に書き換えられてしまうといったことが起こらないようにも、旧字体を使用するのが良いでしょう。
横書き用なら算用数字で記載
金額の欄が設けられている内袋では、横書き用ならば、算用数字で記入します。
金額欄が縦書き仕様であれば、旧字体の漢数字で金額を書きます。袋ごとの仕様に合わせて、漢数字や算用数字を使い分けましょう。
金額のあとに「也(なり)」と書く慣習がありますが、書いても書かなくても構いません。
「円」より小さい金額であった「銭」という単位があったときに使われていたものですが、現在では、つけることが必須ではありません。
しかし、昔からの慣習であることから「也(なり)」をつけるのがマナーである、と考える方もいます。特に自分が気にならないのなら、つける必要はありませんが、心配であれば書いておくと安心です。
内袋の書き方(裏面)
内袋の裏面には、住所・氏名を縦書きで書くのが一般的です。内袋に書く住所は、ご遺族が香典返しの送付先としても確認するものですので、郵便番号・番地・建物名・部屋番号まで詳しく記載するようにした方がよいでしょう。
郵便番号や電話番号を縦書きで記入する場合は「一、二、三…」のように、漢数字を使います。0は「0」もしくは零を使います。
郵便番号や電話番号の記入欄が横書きで印刷された内袋等もありますので、その場合は算用数字を使い横書きで記入しましょう。
内袋の書き方(裏面、連名の場合)
連名で香典を出すときには、2名までは中袋の裏面に住所氏名を書いて差支えありません。
3名以上の場合には、住所氏名を別の用紙に記入します。さらに別紙には、住所氏名に加えて各自が包んだ金額も記入します。用紙は手書きではなく、パソコンでプリントアウトしたものなどでも結構です。
その際、中袋には表面にそれぞれの香典を合計した金額、裏面に代表者だけ住所氏名を記入します。
香典袋は何を使用して書けばよいのか?
ここでは、香典袋を何を使って書けば良いかについてご紹介します。
基本は薄墨を使用する
香典袋を書くときは、薄墨を使用します。薄墨を使うことは、故人に対して悲しみや偲ぶ気持ちを表すものとされています。
最近は市販品で弔事用の薄墨筆ペンやサインペンがあるので便利です。
香典袋に、ボールペンや鉛筆で表書きを記すことはマナーが悪いとされています。
急なことで薄墨のものや毛筆がないときには、黒いペンを使うことも考えられます。そういったときでも相手方が読みやすいように、丁寧に正しく書くよう気を配りましょう。
慶弔用のハンコも販売されている
また、慶弔用に筆文字のような字体でつくられた、名前や表書き用のハンコが市販されています。
ハンコを使用しても構いませんが、最初にお伝えした通り、香典袋には薄墨が基本です。
文字を書くことに自信のない方は、ハンコを使いたいこともあるかもしれませんが、場合によっては遺族に対して悪い印象をあたえてしまうこともあります。
パソコンで名前を印刷するのもマナー違反になる
ハンコと同様にパソコンで名前を作成して印刷するのも、遺族の方にあまり良い印象を持たれません。
お悔やみの気持ちを伝えるためにも自筆で書くことをお勧めします。
相手の受け取り方次第ではありますが、できれば薄墨のペンや筆を使って手書きする方がお悔やみの気持ちがより伝わりやすいかもしれませんね。
香典の金額と相場(年齢・故人との関係・法要別)
続いて、香典の金額について解説します。
香典で避けた方が良い金額
金額の4千円や、9千円などは「死」や「苦しみ」を連想させてしまいます。お悔やみの際はそういった額は避けたほうがよいでしょう。
香典の相場
また、包む金額は自身の年齢、また故人との関係性、法要によって変わります。
これは故人との関係が近ければ近いほど、年齢が上であればあるほど、金額は高くなる傾向ではありますが、香典の場合はお祝い事と違い、高額すぎてしまうのは遺族に気を遣わせてしまいますので、相場を抑えておく必要があります。
何かと複雑な香典の相場ですが、ざっくりとした相場は故人との関係によりますので、年齢や関係性に応じて調整するようにしてください。
一般的に親族の場合は1万円~10万円、血縁関係が故人と近いほど高額になり、知人や同僚などの場合、目安は5千円~1万円程とされます。
この後、年齢ごとの差額や、関係ごとの詳細な目安金額をご紹介していきます。
葬儀・法事の香典金額の相場はこちらの記事もよく読まれています。
『香典金額の相場を完全解説!書き方・包み方・渡し方も紹介!』
『3分で分かる法事のお金の相場(香典・お布施):お金の入れ方と袋の書き方!』
年齢ごとの金額目安
きちんとした決まりがあるわけではなく、一般的に20代の人と40代の人では収入が違ってくるため、香典の額も違ってきます。
金額差の目安
ただし直接血の繋がりがない職場関係の人や友人では、金額差はあまりありません。
直接血のつながりのない同級生や友人の両親、職場関係の方などでは、20代と40~60代では、2千円~5千円程。叔父叔母や親族・兄弟の場合では、20代と40代が5千円~2万円、20代と50~60代が2万円~4万円程、自分の両親、義父母の場合では、20代と30代が2万円~4万円、20代と40代では5万円~7万円程の差額が目安となります。
学生の方など収入がない10代の場合には、香典を出さなくても問題はありません。
故人が親族の場合
血縁関係の深さにより金額が違います。関係の近い親族は以下の金額が一般的です。
【祖父・祖母】
自分が孫で、故人が祖父母の場合や、配偶者の祖父母である場合には、だいたい1万円~5万円というのが一般的な相場です。自分と配偶者、両家の関係を、良い状態にしておくためにも、配偶者の祖父母であっても相場は変わりません。
【叔父・叔母】
故人が自分の叔父・叔母の場合には、少し距離のある血縁関係となりますので、金額は、祖父母よりも少額で、1万円~3万円を目安とします。
【義父・義母】
義父・義母の場合は、故人が祖父母であった時と同様、配偶者の家との関係を良い状態にしておくためにも、金額の相場は自分の両親の場合と同じで、3万円~10万円というのが一般的です。
【父親・母親】
自分に一番近い関係の親族となる両親の金額の相場は、3万円~10万円が目安です。ただし故人が両親で、自分が喪主であれば香典は必要ありません。
【兄弟・姉妹】
故人が自分の兄弟姉妹の場合では、両親に次いで近い関係になりますので、3万円~5万円が目安です。
【子供】
故人が自分の子供の際は、両親と同様一番近い血縁関係の親族となりますので、およそ3万円~10万円が目安の金額です。子供が故人の場合も、自分が喪主であれば香典は必要ありません。
【孫】
故人が自分の孫である場合、血縁関係の距離からすると、1万円~5万円程度となります。
故人が遠い親戚の場合や、友人または友人の親だった場合
【いとこや、3親等より遠い親戚】
前出よりも遠い親戚では、一般的な金額は3千円~1万円といわれていますが、近しい間柄だった場合には3万円程度となることもあるようです。
【友人・同級生、友人・同級生の親】
友人や同級生の場合は生前の関係の深さによっても変わりますが、一般的な金額は5千円程度です。非常に仲が良かった友人では、1万円以上包むこともあります。友人や同級生の親が亡くなった場合では3千円~5千円を目安とします。
香典の相場については「香典を完全解説!意味・歴史・金額相場・書き方・包み方・渡し方を解説!」「葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!」の記事もご参考ください。
故人が会社や職場関係の場合
【社長・上司・同僚・部下の親】
自分の職場関係の人の親が亡くなった場合は、会社によっては自身で用意しなくても扶助として会社からの支給があるかもしれませんが、扶助がない場合は5千円~1万円が一般的な金額です。
【取引先】
取引先の社員の場合、5千円~3万円が一般的な相場ですが、故人が社長など役員の場合では、およそ3万円~10万円程になる事もあります。
法要別の金額相場
香典は通夜や葬式だけでなく、三回忌など葬儀後にある法事でも送られることがあります。法要別の金額相場も確認しておきましょう。
法要別の香典金額の相場はこちらの記事もよく読まれています。
『法事・法要の香典相場はいくら?三回忌・七回忌・十三回忌と故人との関係別に解説!』
【通夜・葬式】
通夜・葬式とは故人が亡くなった後に行われる宗教的儀式です。
通夜・葬式に参列者として行く場合、故人との関係性でも変わってきますが3千円~5万円となります。
通夜の詳細は『これさえ知れば大丈夫。通夜の知識と遺族・参列者のマナー!』『お通夜のマナーとは? 服装や香典マナー、流れを喪主側参列者側で徹底解説!』『お通夜の開始時間と所要時間は?流れ・遅刻する場合の対応方法!』
葬式の詳細は『葬式の流れを徹底解説!日程調整のポイントや必要書類とは?』『故人を気持ちよく送り出すために!お葬式の基本的な知識を解説』
【初七日法要】
初七日とは故人が亡くなってから7日目に営む、葬儀後一番初めに執り行われる法要です。
故人との関係で変わりますが、5千円~2万円と言われています。
初七日の詳細は『初七日とは?意味・数え方・お供え・お経・知っておきたい常識とマナー』
【四十九日法要】
四十九日法要とは、故人が亡くなられてから49日後に行われる法要です。
1万円~2万円程度と言われていますが、葬儀の時と同じように近い関係の人ほど金額が大きくなり、10万円程となることもあります。
四十九日法要については「四十九日の香典相場を完全解説!書き方・マナー・故人との関係別相場も紹介!」「四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!」の記事もご参考ください。
【一周忌】
一周忌とは故人が亡くなってちょうど1年に当たる命日に行われる法要です。
相場は近い親族で2万円~10万円程、遠い親戚や知人で3千円~1万円程となっています。地域性や香典の捉え方によって金額に差があります。
一周忌の詳細は「意外と相場がわからない!一周忌の香典の相場やマナーを完全解説!」「一周忌とは?意味・香典・お布施・お供え・マナーを完全解説!」の記事もご参考ください。
【三回忌】
三回忌とは故人が亡くなって2年目の命日に行われる法要です。
目安としては故人が親族の場合、5千円~5万円、親族以外の場合は5千円~1万円程となっています。
三回忌の詳細は「三回忌とは?意味と施主と参列者が知っておくべき法事・法要のマナーとは?」「三回忌のお布施を完全解説!金額相場・書き方・渡し方・喪主・参列者のマナーを紹介!」をご確認ください。
【七回忌】
故人が亡くなって6年目の法要である七回忌以降の年忌法要です。
香典の金額相場は、5千円~3万円程度で、年数が経つほどに金額相場は下がっていきます。
七回忌の詳細は『七回忌とは?意味とお布施・香典の相場と出席マナーを解説!』
【十三回忌】
故人が亡くなって12年目の命日に行われる法要です。故人が親族の場合は5千円~3万円、親族以外の場合は3千円~1万円程度となります。
十三回忌については「13回忌とは?13回忌の準備から招待された場合のマナーまでを完全解説!」の記事もご参考ください。
法事の香典相場については「法事・法要の香典相場はいくら?三回忌・七回忌・十三回忌と故人との関係別に解説!」の記事もご参考ください。
香典に関するその他のマナー
香典袋の種類と選び方
香典袋は、故人(または喪家)の宗教によって使う種類が違ってきます。
水引きの選び方
キリスト教以外は結び切りの水引となります。結び切りには不幸を二度繰り返さないようにという意味があります。
仏式では水引は黒白か双銀の結び切り、神式では双白、白黒、双銀の結び切りの水引を用います。
黄白色の水引を使用する場合
関西や北陸では黄白色の水引が使われます。ただし、この黄白色の水引は、法事・法要のときに限られます。葬儀や告別式、通夜などでは使用しませんので、間違えないように気を付けましょう。
香典袋の絵柄
その他、蓮(はす)の絵柄が印刷されているものは仏式用となり、神式やキリスト式では使うことはありません。
キリスト式では絵柄がなく、袋の右上に十字架が印刷されている物を使うなど、相手の宗教に合わせたものを用いなければなりません。
相手の宗教が分からない場合
訃報の連絡を受けた時には、故人(または喪家)の宗教を確認しておくようにしましょう。
日本ではいかなる宗教も信仰していない無宗教という方は少なくありませんし、そもそも故人の宗教がわからない場合もあるかと思います。
故人の宗教がわからない場合の表書きは「御霊前」と使うのが無難ですが、浄土真宗やプロテスタントの場合はタブーとされてしまうので注意が必要でしょう。
故人の宗教がわからない場合、多くの宗教・宗派で使用できる白色の袋を使用し、水引は黒白または銀一色の結びきりのものを使うとよいでしょう。
無宗教については「無宗教葬儀を完全解説!流れ・費用・マナー・供養方法を紹介!」「仏教のお葬式と何が違うの?無宗教で行うお葬式」の記事もご参考ください。
香典袋の素材
また、香典袋は包む金額により、水引や紙の素材などが変わります。
包む金額が1万円以下の場合は、印刷された水引の袋を、1万円~3万円の場合は、実物で黒白、または双銀の水引のついた袋を、3万円以上の場合は、実物の双銀の水引のついた高級和紙製の袋を用います。
包む金額につり合う袋にしましょう。
香典のお札の入れ方・包み方
香典袋のお金の入れ方にもマナーがあり、注意が必要です。
適当に入れてしまうと相手方に失礼となってしまいます。弔事のときのお札のマナーと入れ方について確認しておきましょう。
香典で新札はNG
不幸を予測してあらかじめ新札を用意していたととらえられてしまうこともあるので、香典の場合には新札を入れることはマナー違反となります。できるだけ古いお札にしておきましょう。
最近は新札でも気にしないという方も増えてはいますが、香典のためにあえて新札を用意する必要はありません。手元に新札しかない場合には、折り目を付けたうえで袋に入れるとよいでしょう。
お札の向きは裏向きに
お札を香典袋に入れるときは、お札の裏が袋の表にくるようにします。
お札は人物が書いてある方が表、人物が見えない方が裏ですので、お札の人物がある方を下に向けて入れるとよいでしょう。複数枚のお札を入れる場合は向きを揃えるようにします。
お札の枚数が、2枚・6枚などの偶数や4枚・9枚などは縁起が悪いとされていますので、枚数にも注意が必要です。
お札の入れ方についてはさまざまな説があり、地域によって考え方が異なるようです。
故人の遺族がどういった考え方かを事前に知ることは難しいので、迷ったときは、最低限お札の向きをきれいに揃えて入れておけば、失礼に当たることはないでしょう。
中袋なしの場合は直接入れる
中袋がない場合は、外袋に直接お札を入れます。袋の種類はさまざまで、中袋があるものもあれば、ないものもあります。
中袋がないからといって失礼にはあたりませんので、代わりの封筒を用意せずそのままお金を入れて問題ありません。
香典を辞退された場合
家族葬や直葬など、参列者がごく少数に限られる場合、遺族の方から香典を辞退される場合もあります。
香典を受け取った場合は、香典返しをしなければいけないなど、遺族側にも手間がかかります。遺族側の気持ちを尊重し、無理に香典を渡すなどといったことは控えるようにしましょう。
香典返しについては「香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!」の記事もご参考ください。
供物を送る場合の注意
香典の代わりに、供物や供花を送る場合がありますが、こちらも遺族側に送ってもよいか必ず確認をとってから手配する必要があります。
また、供物を送る際は梱包にも気を付けるようにしましょう。デパートで購入する際は弔事用であることを伝え、専用の包装紙で包んでもらいます。その後、弔事用のかけ紙もつけてもらいます。最近ではネット購入でもこうした弔事用の梱包をしてもらえますので、確認してみましょう。
供物については「供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!」の記事もご参考ください。
香典の渡し方
香典は、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが礼儀とされます。急な知らせで用意できないときには、無地の布で包んでも構いません。
そもそも袱紗とは、元々は貴重品が入っている箱に掛けられていた風呂敷で、その風呂敷を贈答品の持ち運びの際、汚れや日焼けを防ぐ目的で使うようになり、その後、香典などを包むときに使われるようになったものです。
香典袋を袱紗に入れるのは、水引がくずれないようにする意味もあります。また、袱紗で包むことにより、葬儀や法要などを重んじる気持ちを表します。
袱紗(ふくさ)の種類と色
袱紗の種類は、慶事用とお悔やみ用とに分けられ、慶事には明るい色を、お悔やみ用には、紫色、緑色、灰色など地味な色のものを使用します。
袱紗(ふくさ)意味と包み方
袱紗は葬儀や法要などを重んじ、故人を大切に思う気持ちを込めて、水引の型崩れや汚れなどを防ぐために使います。
袱紗の包み方
包み方は、袱紗をひし形になるように広げ、中心よりやや右側に香典袋を置き、香典袋の右側を中に折り込み、順に下側、上側と折り込みます。
最後に左側を折り香典袋を包みこむようにします。なお、逆になると慶事用になり失礼にあたりますので、左開きになるよう注意が必要です。
急な葬儀で袱紗の準備が間に合わない場合や、葬儀となると礼服や香典に気がいってしまいますので、袱紗まで気がまわらないこともありますね。
袱紗を準備が出来なかったときには、ハンカチなどで代用しても構いません。
その場合は、色には気を付け、黒や紫で無地のものを選ぶようにして、フリルなどが付いているものは避けるようにしましょう。
香典の渡し方
香典を葬儀会場の受付で渡す場合には、受付の方に一礼をし、同時にお悔やみの言葉を述べるのが基本です。
袱紗(ふくさ)から香典袋を取り出し、袋の向きを相手方の正面に向けて、係りの方に差し出し、「この度はご愁傷なことでございました。ご霊前にお供え下さい。」などとお伝えします。
声のトーンは抑えて小さめの声で挨拶をするのが基本マナーです。
よく使われるお悔やみの言葉として、「この度は、誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます。」や「この度は、お気の毒でございました。」等があります。
ちなみに、「ご冥福」という言葉は、浄土真宗では使えないため注意が必要です。
忌み言葉に注意
さらに、お悔やみの言葉で特に注意しなければならないのが、「忌み言葉」です。
「忌み言葉」とは、不幸が続いてしまうことを連想させるため、お悔やみでは使うことは厳禁です。
不幸を連想させる「消す」や「衰える」や、「重ね重ね」や「わざわざ」などの重ね言葉は、挨拶に使うことはマナー違反です。
「忌み言葉」を使用しないように、葬儀に伺う前に、お悔やみの言葉を考えておくとよいでしょう。
最近はお悔やみの言葉を述べずに一礼だけをする方も多くなっていますが、言葉をかける上で大切なのは、お亡くなりになった方に対してお悔やみの気持ちを持つことです。
香典を渡すタイミング
香典を渡すタイミングは、お通夜やお葬式に参列した時ですが、急に通夜に呼ばれたときには用意できないこともあるので、後日、葬式や告別式のときにお渡ししても失礼には当たりません。
基本的にはお通夜、葬儀や告別式、どちらで渡しても大丈夫ですが、決まりがある地域もなかにはあります。
お通夜と告別式の両方に参列する場合、香典はどちらか1度、持参するだけで大丈夫です。
2度以上渡してしまうと「不幸が重なる」という連想をさせてしまうという意味で失礼にあたりますから、お通夜または告別式のどちらかでお渡しします。
お通夜か告別式のどちらかにしか伺えないときは、自分が参列する式でお渡しすればよいでしょう。
両方に参列する場合は、一般的にはお通夜でお渡しすることが多いですが、お通夜は急いで駆け付けるため、前もって準備していたと感じる方もいるようです。
さまざま考え方があるということも覚えておくとよいですね。
親族の方の香典を渡すタイミングはなかなか難しいもので、お通夜の時にお渡ししてしまうこともありますし、告別式の時に受付で渡すこともあります。
親族分はまとめて遺族に渡すといったこともあるので、迷うときには、他の親戚に相談するとよいでしょう。
郵送で渡す場合
また、式に参列できない場合には、まず弔電や供花を手配すると良いですが、後日香典をお渡しするときは、喪主の方のご自宅へ直接訪問する、または郵送する方法があります。
郵送はマナーが悪いのでは、と心配される方もいるかもしれませんが、失礼な行為にはあたりません。正しい方法で郵送することで、しっかりと弔意を伝えることができます。
郵送する場合については下記に気を付けて送付しましょう。
いつまでに送る?
葬儀終了の1週間、遅くとも1ヵ月以内には喪主の方の手元に届くよう手配しましょう。
喪主の方は香典返しの準備をされますし、葬儀後、日にちが経ってしまってから送るのは避けましょう。
早くお悔やみの気持ちを伝えるためにも、なるべく早く郵送しましょう。
郵送方法
郵便局から現金書留を利用して送ります。香典の中身は現金ですので、普通郵便では送れませんので注意してください。
香典袋がそのまま入る大きさの現金書留用封筒がありますので、郵便局などで確認してください。
現金書留を利用したとしても現金をそのまま送ることは失礼となります。また現金書留の封筒に自分の住所や氏名を記入しますが、必ず中袋にも記入します。
重複する内容ではありますが、相手方が封を開けて中身を出した時でも、誰からのものなのかが分かるように忘れず記入しましょう。
職場で手渡しをするときは?
遺族の方が同僚の場合などでは、職場で香典をお渡しすることもあるでしょう。
そのようなときは、葬儀後、相手の方と会社で初めて会ったときにお渡しできれば一番よいですが、いつ出勤されるかわからない場合もありますし、極力早めのタイミングで渡しましょう。
また、お通夜や告別式に香典を持参する際には、袱紗(ふくさ)に包んで持参しますが、後日職場でお渡しする際も同様です。
その際、袱紗ごと香典を相手の方に渡してしまわないよう、袱紗から取り出すのを忘れないように気を付けましょう。
はじめての葬儀なら「やさしいお葬式」
はじめて行う葬儀の準備に戸惑うのは当然のことです。特にお葬式の規模や形式には正解がないため、どのように見送ればよいか分からず迷い悩む方も大勢いらっしゃいます。
はじめての葬儀に不安や心配を感じている方は、ぜひ「やさしいお葬式」をご検討ください。
やさしいお葬式では、はじめての葬儀でも安心してお任せ頂けるよう下記「3つのやさしい」をお約束しています。
1.ご遺族にやさしい
当社の相談員の対応満足度は91%。専門知識を持つプロの相談員が、お葬式の手配や流れについてゼロからサポートいたします。
喪主が初めての方や、お葬式の流れに不安を感じる方でも安心してご相談ください。ご遺族に寄り添うグリーフケア研修を受けたスタッフが、公正中立な立場からご希望やご予算に合わせた最適なプランをご提案します。
2.お財布にやさしい
「高額」と思われがちな葬儀費用ですが、当社では必要な項目のみを厳選し、一般価格よりも低コストで、質の高いお葬式を実現しています。
さらに、事前の資料請求で最大5万円引きの割引特典も実施し、業界最安水準の税抜:75,000円(税込:82,500円)からのご葬儀を提供しています。
明朗会計で、追加料金や不明瞭な請求は一切ないため、ご遺族さまの経済的な負担を最小限に抑えます。
3.いつでもやさしい
24時間365日のサポート体制で、深夜や早朝でも即時対応が可能です。
日本全国3,500の斎場と提携しているため、ご希望の場所や地域でご葬儀が挙げられます。
生前のお葬式準備から、お葬式後の法事・法要、お墓の相談までいつでも相談可能です。
「やさしいお葬式」は、大切な方をお見送りするご遺族さまに心から寄り添い、公正中立の立場で最良のお葬式を提案させて頂きます。
ご相談や資料請求はすべて無料です。はじめての葬儀での不安や疑問があれば、どんなことでもお気軽にご相談・ご連絡ください。
香典袋の書き方に関する知識のまとめ
いかがでしたか?ここまで、香典袋の書き方について解説してきました。
「香典袋の書き方」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【香典袋の表書き上段の書き方】
●仏教の場合
・通夜・葬儀・告別式では「御霊前」「御仏前」「御香典」「御香料」
・四十九日法要以降では「御仏前」
●浄土真宗の場合
・「御仏前」
●曹洞宗
・「御仏前」「御香典」
●神式の場合
・「御玉串料」「御榊料」「神饌料」
●キリスト教の場合
・カトリック
「御花料」「御ミサ料」
・プロテスタント
「献花料」「忌慰料」
・キリスト教で宗派が不明な場合
「献花料」
【香典袋の表書き下段の書き方】
●水引の下の中央部分にフルネームを記入
●連名で記入する場合は右から順に左へ記入
●夫婦連名で記入する場合は、夫の名前のみをフルネームで記入
【内袋の書き方】
●金額は漢数字で記載
●横書き用なら算用数字で記載しても良い
【香典袋は何を使用して書けばよいのか?】
●基本は薄墨を使用する
●ハンコやプリントはマナー違反と感じる方もいるので注意
【香典の金額と相場】
●親族の場合は1万円~10万円
●知人や同僚などの場合、目安は5千円~1万円程
葬儀に参列する際に必ず持参する香典ですが、普段慣れないマナーやルールがたくさんあり、戸惑うこともたくさんあるかと思います。
しかし、香典袋を正しく書き、お悔やみに伺うことで、ご遺族に必要以上に負担をかけず別れの時を迎えることができるのではないでしょうか?
故人の考えを尊重する気持ちがあれば、素敵な最後のお別れとなるでしょう。そのためにも最低限のマナーは理解しておきたいものですね。
香典関係と合わせてよく読まれている記事はこちら『おとき(お斎)とは?意味とマナーと香典相場を3分で解説!』
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール