【一般葬の規模と流れ】事前に知るべき相場から参列者目安まで全解説
「一般葬での葬儀を予定しているが、費用はどれくらいかかる?人数は何人くらい呼べる?きちんとした葬儀で見送ってあげたい」
など、葬儀を執り行う心配がでてくると、意外と知らないことが多くて不安になるものです。
ですが故人にとっては一度きりの葬儀。納得の行く形で送ってあげたいですし、遺族の方にも心穏やかな葬儀にしていただきたいと思います。
一般葬は、葬儀形式の中で最も多くの参列者をお呼びし、通夜、葬儀を2日かけて行う規模が大きい葬儀形式のため、「参列者を大勢お呼びしたい」という方に特に向いています。
しかし規模が大きくなる分、葬儀も広い斎場で行う必要がありますし、費用や準備も遺族の負担が大きい葬儀と言わざるを得ません。
近年は他にも様々なスタイルの葬儀が行われるようになってきたため、「本当に一般葬で良いのかな?」と迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一般葬と他の葬儀が比較ができるように、費用や参列者数、特徴などをまとめていますので参考にしてみてください。
【葬儀形式の特徴】
葬儀形式 |
費用目安 |
参列者目安 |
特徴 |
一般葬 |
150~280万円
|
30~100人
|
通夜、葬儀(告別式)を2日かけて行う |
家族葬 |
40~170万円
|
〜30人
|
近しい親族のみで、通夜、葬儀(告別式)を2日かけて行う |
一日葬 |
30~150万円
|
5~30人
|
通夜を省略し、葬儀(告別式)を一日でおこなう |
直葬(火葬式) |
20~100万円
|
〜100人
|
通夜・葬儀を行わず、火葬のみ(直葬)をおこなう |
※葬儀形式の項目をクリックすると、費用の詳細記事が開きますので、合わせてご参考ください。
一般葬とよく比較される家族葬についてもじっくりと検討し、納得した上で葬儀形式を決めたいという方は、「知っておきたい家族葬と一般葬との違いとは?費用と参列基準とマナーについて」の記事がお役に立ちますので、合わせて読まれることをおすすめします。
「親戚や葬儀後などのことも考えて、従来型の一般葬を考えている」ということでしたら、まずは本記事でご紹介している、一般葬でお呼びできる人数や費用感、流れを含めた特徴を理解しておきましょう。
相場を知ることで事前に費用面の準備もしておけますし、流れを抑えておくことで、スムーズな段取りが可能だからです。
実際、
・葬儀を行なったが追加代金が高額だった
・申し込みをした葬儀場が思っていたところと違った
など、葬儀後の失敗談や後悔が多いのも事実です。(参照元:国民生活センター/墓・葬儀サービスについて)
「できるだけ費用がかからず、家族も親族も納得した葬儀にしたい」と望まれるのであれば、可能な限り早いうちに準備をしておくことをおすすめします。
『納得のいく一般葬を執り行いたい』という方は、ぜひご参考になさってください!
「一般葬」は葬儀形式の中で一番規模が大きい
一般葬は、様々な葬儀スタイルの中で
- ・参列者数が多い
- ・通夜・葬儀(告別式)を2日かけて行う形式
であるため、一番規模が大きくなります。
【一般葬の概要】
総費用の目安 |
150~200万円 |
費用の内訳 |
葬儀に必要な費用 |
約120万円 |
お布施 |
約50万円 |
参列者の飲食や返礼 |
約30万円 |
参列者数 |
30~100人 |
一般葬の流れ |
- 1.ご臨終
- 2.自宅や斎場など安置先に搬送
- 3.葬儀社との打ち合わせと参列者への案内
- 4.納棺
- 5.通夜
- 6.葬儀式・告別式
- 7.火葬
- 8.精進落とし
- 9.初七日法要
|
相場参考:第11回「葬儀についてのアンケート調査」|日本消費者協会
費用と内訳(相場目安:150〜200万円)
一般葬の全国相場は、150〜200万円です。
費用の内訳として、以下の3つの項目にそれぞれに費用がかかるため、高額になる場合があります。
費用の内訳 |
内容 |
葬儀に必要な費用 (約120万円) |
- ・安置に必要な搬送、安置室利用、ドライアイス、棺、枕飾り、線香など
- ・葬儀で使用する祭壇、遺影、受付など
- ・葬儀スタッフ、司会などの人件費など
|
お布施 (約50万円) |
|
参列者の飲食と返礼 (約30万円) |
- ・通夜と葬儀後の会食費用
- ・参列して頂いた方へお渡しする「会葬御礼」
- ・香典を頂いたお返しの「香典返し
|
参列者数(目安:30〜100人)
一般葬の参列者数の目安は、30〜100人です。
一般葬は家族や親族の他にも、会社関係や所属していたコミュニティや団体(町内会なども含む)など、多くの方に参列していただくスタイルのため、参列者数が多くなります。
また参列者数によっては、以下の葬儀スタイルを検討されるのも良いでしょう。
- ・30人より少ない場合は「家族葬」などの小規模対応葬儀
- ・会社関係などで、100人以上の規模が予想される場合は「社葬」
社葬とは故人が「会社役員など、会社にとって大きな功績を残した方」であった場合に会社が執り行う葬儀形式です。
一般葬とは費用負担が違ったり、段取りなども変わってきますので、社葬を検討される場合には、こちらの「社葬とは?意味・流れ・マナー・費用を完全解説!」を参考にされることをおすすめします。
一般葬の流れ
一般葬の主な流れは以下となります。
1.ご臨終 |
医師により死亡確認後、死亡診断書が発行 |
2.自宅や斎場など安置先に搬送 |
亡くなった場所から移動する |
3.ご遺体の安置 |
安置所や自宅へ葬儀までの間、安置する |
4.葬儀社との打ち合わせ |
葬儀プランや見積などの決定 |
5.訃報(ふほう)の案内 |
参列者へ葬儀の案内を出す |
6.納棺 |
ご遺体を棺に納める |
7.通夜 |
僧侶による儀式。読経と焼香を行う |
8.葬儀式・告別式 |
僧侶による儀式。読経と焼香を行い、その後、最後のお別れを行う |
9.火葬 |
ご遺体を火葬し、骨壷に納める |
10.精進落とし |
葬儀後の会食 |
11.初七日法要 |
僧侶による読経と焼香を行う。本来であれば7日目に行われるが、繰上げ法要となることが多い |
ご臨終
[出典:厚生労働省 / 令和3年度版 死亡診断書 (死体検案書)記入マニュアル]
臨終とは本来「死を迎える直前の時期」を指す言葉ですが、一般的には「息を引き取った」際に使われています。
その後、医師による死亡確認が行われ、病院から死亡診断書が発行されます。
死亡診断書は、死亡届と一体になっているA3サイズの届出書ですが、火葬許可証をとる際に役所に提出する必要がありますので、大切に保管しておいてください。
また死亡届は、保険や年金などの手続きでの必要となります。分かりづらい点などについては「死亡届の基礎知識を押さえておこう!書き方やその他の手続きについても解説」にてまとめていますので、参考になさってください。
ご家族の臨終の時は、大きな悲しみや喪失感に襲われるのは当然です。しかし泣いてばかりいるわけにもいきません。
いざという時に落ち着いてお見送りができるよう「臨終とは?臨終の意味から前後の流れ、家族が亡くなった際にすべきことまで完全解説!」「臨終の前にはどのような症状があるの?臨終前の症状を体と心に合わせてわかりやすく解説」の記事をご一読されておくことをおすすめします。
搬送
故人を自宅や斎場の安置室などに搬送します。搬送を頼む業者は、必ずしも葬儀を依頼する葬儀社である必要はありません。
臨終の時点で葬儀社が決まっていなければ、搬送だけを依頼することを検討しても良いでしょう。またご自身で自家用車を使って運ぶことも法律では禁止されていません。
ただし、その場合にはリスクを伴いますので「遺体搬送は自分でしても法律違反でない!知るべき3つのリスクと注意」をよくお読みいただき、正しい判断をしていただきたいと思います。
安置
安置場所としては、主に以下が考えられます。
- ・自宅
- ・葬儀社に用意してもらった安置室
- ・遺体保管専門施設など
ご遺体は、温度が上がることで損傷が速くなる為、18度以下で保存する必要がある為、葬儀までの間、故人の身体を保全できるように空調設備のある場所が望ましいです。
それぞれの安置場所についての費用目安や特徴についてまとめていますので、ご参考にされてください。
安置場所 |
費用目安 |
特徴 |
自宅 |
0円
|
【メリット】
・施設利用料が不要の為、費用を大きく抑えることができる
・住み慣れた家で、故人とお別れの時間を持つことができる
【デメリット】
・ご遺体を安置するために、ある程度のスペースが必要
・室温の調整などご遺体の管理が難しい
・アパートやマンションなど搬送が難しい可能性がある
|
安置室 |
1~3万円(1日あたり)
|
【メリット】
・ご遺体の管理を施設スタッフに任せられる為、遺族の負担が軽くなる
【デメリット】
・施設の規定や設備によって、面会時間が限られる
・安置期間によって高額になる可能性がある
|
遺体保管所 |
1万円(1日あたり)
|
【メリット】
・ご遺体の管理を施設スタッフに任せられる為、遺族の負担が軽くなる
・面会時間に制限のない施設が多いので比較的自由に故人とお別れの時間を持てる
【デメリット】
・施設数が少なく、空き状況がない可能性がある
・安置期間によって高額になる可能性がある
|
亡くなった方をできるだけ長く偲んでいたいと思われる気持ちもあるかもしれませんが、安置期間や方法については、あらかじめ知っておくべき点もございます。
そのような時には「遺体を安置できるのは3日?期間と場所や方法・費用まで疑問を全解説」の記事がお役に立つと思います。
また、ご自宅で安置する場合の注意点などについて書かれた「ご遺体を自宅安置する3つの条件とは?期間やメリット・注意点も解説」をお読みいただくことで、安心してご自宅での安置ができると思いますので、合わせてご一読ください。
葬儀社との打ち合わせ
葬儀社と以下の点などについて打ち合わせを行います。2時間ほどを予定しておきましょう。
【打ち合わせの内容】
- ・宗教宗派の確認
- ・葬儀を行う場所や斎場
- ・日程
- ・喪主・施主など役割分担
- ・祭壇、棺、骨壷などの葬祭品の決定
- ・返礼品、飲食などの数と内容の決定
- ・供花・供物の決定
これらを決めていくにあたって、葬儀社の方から色々と質問されることになりますが、親族に確認するなど、単独では答えられないこともあると思います。
以下に「主に葬儀社スタッフに聞かれること」もまとめていますので、合わせて参考にしてください。
- ・故人様の名前・本籍・住所など
- ・喪主の名前・住所・連絡先・故人との関係(続柄)
- ・親戚の人数・参列者のおおよその人数
- ・宗旨宗派の確認・お付き合いのある宗教者はいるか?
- ・お墓や仏壇はあるか?
- ・お葬式を行う希望の地域や施設はあるか?
さらに詳しくお知りになりたい方は、こちらの記事「事前に知っておきたい、葬儀会社のスタッフに聞かれること」を確認しておくことで、スムーズな打ち合わせができるはずです。
「6時間以上も打合せにかかった」という方もいらっしゃいました。ご負担を軽減するためにも事前の準備は大切です。
訃報(ふほう)案内
葬儀の日程や斎場が決まったら、参列者への案内である「訃報(ふほう)連絡」を行います。下記手順を参考に必要事項を伝えてください。
1.故人の名前 |
・亡くなった方のお名前
・自身との関係
|
2.亡くなった日時 |
・亡くなった日時 |
3.葬儀の情報 |
・葬儀日時、場所、交通手段など |
4.喪主の名前と連絡先 |
・喪主の名前
・連絡先の電話番号
|
5.その他 |
・香典辞退
・上記以外に伝えたいこと
|
訃報を伝える時には、どうしても動揺してしまう可能性もあります。こちらの記事も参考にされて漏れなく伝えるようにしましょう。「訃報の連絡はどう送る?伝えるべき内容から範囲、例文まで徹底解説!」
納棺
基本的に近親者のみで、通夜が始まるまでに納棺を行います。宗派や慣習による違いがある場合もありますが、納棺の儀式には準備するものや決まった手順があります。
【納棺の儀の流れ】
一般的には葬儀社の方が執り行ってくださいますので、お任せして問題はありませんが、「納棺とは?意味・流れ・入れるもの・マナーを完全解説!」をご一読されておくことで、滞りなく進めることができると思います。
通夜
通夜は基本的に葬儀式・告別式の前夜に行い、僧侶に読経していただき、参列者による焼香が行われます。
【通夜の流れ】
流れ |
内容 |
喪主・遺族集合 |
・親族は開始時間の約1時間前に斎場に入り、参列者を待ちます
・受付は、親族以外の方(葬儀社スタッフの場合もあります)に頼みます
|
着席 |
・一般的には、祭壇に向かって右側が喪主とその家族や親族席
・その他の参列者は(友人、知人、会社関係者)左側に座ります
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読経・焼香 |
・僧侶が入場し読経を行います
・参列者は順に焼香を行います ※焼香の作法、宗派による違いなどは「焼香とは?よく聞くけど以外と知らない焼香の意味や種類、宗派ごとにことなる焼香の作法まで完全解説!」の記事をご参照ください
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法話 |
・大抵の宗派では、読経後に僧侶からの法話があります |
喪主挨拶 |
・喪主や故人に近しい遺族が祭壇前に並び、喪主から参列者に参列のお礼を述べます
※「喪主の挨拶ってどんなことを話せばよいのか?」という不安がおありでしたら「【例文付き】喪主挨拶で『上手!』と思われる6つのコツと注意を解説」が参考になります
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通夜振る舞い |
・故人の供養と列席者のおもてなしを目的とした食事会を行います |
通夜の後は「通夜振る舞い」という飲食の席を用意し、縁の深かった方々で故人を偲びながら、夜通し線香とロウソクの火を絶やさぬよう、親族などが交代で火の守りをします。
近年では葬儀や告別式には参加せず、お通夜で最後のお別れをする方も増えているなどの変化も見られます。
通夜に関する基礎知識を知っておくことで、慌てずに通夜での振る舞いができると思いますので、「意外と知らないお通夜の流れとマナー」の記事を読んでおかれてはいかがでしょうか。
葬儀式・告別式
告別式は社会的な別れの儀式とされ、僧侶による読経と参列者による焼香を行います。
一般葬はお通夜、葬儀・告別式と2日に渡って行う葬儀スタイルですが、それぞれの違いなどを分かっている方は少ないかもしれません。
意味などを正しく把握しておくことは、告別式をスムーズに行う上でも役に立つはずですので、こちらの「告別式とは?知っておくべき遺族側・参列者側必読のマナー!」記事を参考にしてください。
【葬儀式・告別式の流れ】
流れ |
内容 |
喪主・遺族集合 |
・親族は開始時間の約1時間前に集合します
・会葬礼状、会葬御礼品を用意し、弔辞や弔電の名前、読み上げる順番についても確認します
※会葬礼状の意味や例文はこちらの「会葬礼状とは?意味と必要なケースと例文一覧!」でご紹介しています
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着席 |
・通夜と同じように着席します |
読経・焼香・弔辞、弔電の奉読 |
・僧侶が入場し読経を行います
・参列者は順に焼香を行います ・司会者から弔事・弔電の紹介が行われます
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閉会・出棺 |
・司会者による閉会の宣言
・出棺の儀
※出棺の際にも喪主による挨拶が行われます。出棺の儀の流れや喪主の挨拶は「出棺の挨拶のポイントは?出棺の挨拶のポイントから出棺のマナーまで徹底解説!」を参照ください
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火葬場へ |
・故人を霊柩車に乗せて火葬場へ |
【出棺の流れ】
- 1.柩の蓋を開け、生花や生前に愛用していた品で故人の周りを囲みます
2.参列者と故人の最後のお別れになります
- 3.柩の蓋が閉められ、遺族や親戚、親しい友人などで柩を霊柩車まで運びます
- 4.火葬場へと出発します
- 霊柩車を先頭に喪主や僧侶、遺族の代表者が続きます。通常、火葬場へ行くのは近親者のみですが、火葬場へ行く親族やご友人は、代表者の後に続きます
火葬
画像引用先:川崎市
火葬場にて故人の身体を火葬します。
この時の注意点は、火葬をするには「火葬許可証」が必要であり、死亡した時刻から24時間が経過していないと行えないということで、許可証はお住まいの市区町村によって様式が異なります。
火葬許可証のルールなどにつきましては「火葬をするには火葬許可証が必要!発行の流れや再発行について解説」にまとめていますので、ご一読ください。
火葬場では火葬炉の前で、ご遺体との最期のお別れである「納めの式(おさめのしき)」が行われます。僧侶が同席していましたら読経をお願いし、遺族は焼香を行います。
【火葬の流れ】
流れ |
内容 |
火葬許可証の提出 |
・火葬場に到着したら、受付に火葬許可証を提出します |
納めの式と火葬 |
・宗派による違いがありますが、僧侶が同席していない場合でも、大抵は係員の方が指示をしてくれます |
骨上げ |
・火葬が終わると収骨のアナウンスが流れます。係員から遺骨についての説明を聞いた後、遺骨を骨壷に収めていきます |
火葬に立ち会うことは滅多にありませんから「骨上げ(こつあげ)」などの独特のマナーに戸惑うことも多いかもしれません。
火葬には1時間半ほどの時間がかかり、その間は火葬場にて待つことになります。その時間も故人を偲ぶ大切な時間にしていただきたいと思います。
火葬についてのマナーなどにつきましては、「火葬の時間はどれくらいかかる?一般的な火葬の所要時間から火葬の流れ、待ち時間の過ごし方まで完全解説!」をお読みになっておき、心静かに過ごせるようにしておくことをおすすめします。
精進落とし
火葬後は、葬祭ホールや料理店などに移動して「精進落とし(しょうじんおとし)」と呼ばれる飲食の席を設け、参列くださった方々を労い、感謝の気持ちを伝えます。僧侶が参加する場合もあります。
【精進落としとは】
|
内容 |
行うタイミング |
・葬儀の後 |
呼ぶ人 |
・火葬に参列した人 |
料理の形態 |
・一般的には、仕出し弁当や懐石料理など。個別のお膳で用意することも多い |
精進落としは、地域によっては「精進あげ」「忌中払い」と呼ばれることもあります。また精進落とし特有のマナーや挨拶などに戸惑うこともあるかもしれません。
また初めて喪主を務められる方は、ここでも挨拶があることで大変だと感じるかもしれませんが、「精進落としとは?葬儀後に行われる食事の席の流れや内容から注意点やマナーまで徹底解説!」を読んでおくことで、心配事が一つでも減っていただけると思います。
初七日法要
初七日法要は、本来であれば亡くなった日を含めて7日目に行う法要ですが、近年では繰上げ法要として、葬儀式・告別式当日に行うことが多くなりました。
【初七日法要とは】
|
内容 |
読み方 |
・以前は「しょなぬか」と読まれることもあったが、近年は「しょなのか」が多い |
お経について |
・初七日を繰上げ法要にし、葬儀式(告別式)と同日にした場合でも、僧侶に初七日のお経をあげてもらいます |
初七日法要の場所 |
・繰上げ法要にした場合は、葬儀を行った斎場にて行うことが多い |
精進落とし |
・繰上げ法要にした場合は、通常は火葬後に行われる精進落としを省略し、初七日法要後にまとめて行うことがほとんど |
初七日などの法要日は、独特な数え方をするために何日後かなどを勘違いしている方も多く見受けられますし、僧侶へのお布施など細かな約束事があって分かりづらいものです。
こちらの「初七日とは?意味・数え方・お供え・お経・知っておきたい常識とマナー」を読んで正しい知識を持つようにしておきましょう。
一般葬の注意点
一般葬は参列者数も多く、規模が大きくなる可能性のある葬儀スタイルであることから、注意が必要な点があります。
最優先で取り組むことを3つご紹介します。
- 1.参列者の人数の把握
- 2.対応できる斎場選び
- 3.葬儀案内と日程について
この3つを順番に行うことが失敗や後悔を避けるポイントとなりますので、注意して行っていってください。
参列者の人数の把握
広く葬儀の案内をする一般葬では、香典返しなどの数をある程度予定しておく必要があります。
多くの葬儀社は、数の増減に対応してくれると思いますが、参列者の概算は必要となりますので、ご遺族で相談して決めておくようにしましょう。
対応できる斎場選び
斎場は参列者数によって変わる場合があります。特にコロナ禍での葬儀となった場合には、収容人数に余裕を持った斎場選びが必要となります。
注意点としては、多くの葬儀社の一般葬プランの斎場は、既定料金が設けられていることです。
収容人数を超えた場合の斎場利用には、追加料金が発生することがありますので、事前に確認しておくことを忘れないようにしましょう。
例えば、式場使用料がプラン内では5万円とされている場合は、5万円以上の斎場を借りると追加料金が発生することがあります。
葬儀案内と日程について
一般葬は、生前の故人と縁のあった方々に広く参列していただく葬儀スタイルですので、参列者の都合も考え、2日ほどの余裕を持った日程にするのが好ましいです。
また悲しみの中での葬儀準備は、遺族にとっても精神的な負担が大きいものです。
落ち着いて葬儀に臨むために役立つ情報が書かれている「プロが解説!スムーズな葬式日程を決める為の7つのポイントと注意点」をお読みになり、無理なく準備を進めていただきたいと思います。
一般葬の費用を安くする3つの方法
参列者数が多いため、費用が高額になる可能性もある一般葬。しかし事前に知っておくことで費用を安くすることができる場合があります。
費用を安くするためには、以下の3つの方法がおすすめです。順番に挙げますので、ぜひご検討ください。
- 1.3社以上の葬儀社から見積をとる
- 2.事前の割引制度を利用する
- 3.僧侶派遣を利用する
実は費用を安くする方法を知り、安くするための行動を起こしておくことで100万円も安くできることもあります。
「一般葬の費用相場と内訳|誰でも金額を抑えられる7つのコツを全解説」をお読みになっておくことで、少しでも安く葬儀を行える可能性がありますので、合わせてご一読ください。
3社以上の葬儀社から見積をとる
葬儀のプランは、各葬儀社ごとに独自の工夫がされています。また選ぶ内容によっても金額に差が生じます。
前もって複数のプラン内容や金額を知っておくことで、自分達に合う一番安いプランを決めておくことができますので、最低でも3社ほどの葬儀社から提案書をもらっておきましょう。
通常、提案書の作成には3日ほどかかりますので、事前に見積りをとっておくことが大切です。
数多くある葬儀社の「どこで判断すべきか?」などの選ぶべきコツを事前に抑えておきたい方は、「後悔しない葬儀社の選び方!知るべき5つのポイントと3つの確認事項」もご参考ください。
事前の割引制度を利用する
多くの葬儀社では、資料請求や会員登録による「割引制度」を実施しています。費用はかかりませんが、登録などには数日かかる場合もあります。
いざ葬儀となってからでは間に合いませんので、こちらも事前の登録が肝要です。
【事前割引比較表】
※2024年5月現在
※割引適用外のプランもあります。
僧侶派遣を利用する
「僧侶派遣」とは、葬儀社が行っているサービスの一つです。多くの宗派に対応しており、戒名をつけることもできます。
檀家(だんか)など決まった寺院などを持っていない場合には、この制度を利用することで、僧侶に関する費用を安くすることが可能になります。
これらの費用を安くするポイントですが、大切なことは事前に準備をしておくことです。早めに検討されておくことを強くおすすめします。
僧侶派遣サービスは、一般的には理解しづらいサービスだと思います。「寺院手配サービスとは⁉︎寺院(僧侶)を手配する方法とは?」の記事内でどのようなサービスなのかを紹介していますので、読んで理解を深めておいてください。
僧侶派遣は『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。お車代、御膳料、お心づけなど追加費用はかからず、全国最安値水準で依頼することが可能です。
一般葬でよくある質問
Q. 参列者の人数はどのようにして把握するとよいでしょうか?
故人の遺志があれば、それを尊重します。しかし遺志がないようでしたら、遺族・友人・会社関係などから予想をすることになります。また年賀状の枚数から推測するのもよいでしょう。
できることなら生前に、「どこまで呼んで欲しいか」などを聞いておくのが一番です。
Q. 一般葬はどのような人に選ばれていますか?
故人に親族や知人が多い場合に選ばれる方が多いです。また地域の慣習や伝統を重んじる場合も一般葬が選ばれています。
故人の遺志や遺族の考えにもよりますが、多くの方々と故人を偲びたいと思われる場合は、一般葬が良いでしょう。
Q. 一般葬のメリットとデメリットを教えてください
メリットとしては、一般葬は多くの方に馴染みのある葬儀スタイルですから、特に高齢の方も安心して参列できる葬儀だと言えます。
また、故人と縁のあった方が多数参列できますので、後々参列できなかった方からのクレームなども少ないはずです。
反対にデメリットとなるのは、遺族が参列者への挨拶や対応などに追われ、ゆっくり故人との別れを惜しむことができない可能性があることです。
また参列者数が想定していたより多かったり少なかったりした場合には、香典返しの数などの調整が必要となる場合もあります。
ただこのような時には、葬儀社側で調整を行ってくれることがほとんどですので、事前に葬儀社の方に相談されておいてください。
Q. 葬儀中のマナーが分からず不安なのですが…
葬儀準備や喪主が気を付けるべきマナーについては、葬儀社スタッフがサポートするので問題ありません。
周囲には相談しづらい葬儀の不明点や、宗派ごとの疑問も含め、早めに相談しておくことをおすすめいたします。
葬儀についての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡ください。
1級葬祭ディレクター在籍で、お客様満足度97%を誇る安心の葬儀会社であり、しつこい勧誘なども行いません。
※(株)ドリームプランナー調査「2020年 葬儀サービス調査より」
まとめ
葬儀スタイルを選ぶ基準には、参列者数(規模)が大きく関係してきます。
一般葬は、葬儀形式の中で最も多くの参列者をお呼びし、通夜と葬儀を2日かけて行う
スタイルですから、特に「参列者を大勢お呼びしたい」という方におすすめです。
しかし規模が大きくなる分、葬儀も広い斎場で行う必要がありますし、費用や準備も遺族の負担が大きい葬儀と言わざるを得ません。
ですが、
- ・基礎知識を押さえ、納得した葬儀形式を選ぶ
- ・費用を安くするポイントを活用する
ことで、後悔のない葬儀を行うことができるはずです。
一般葬の概要と流れ、ポイントとなる点についてまとめていますので、ぜひ参考になさってください。
1.一般葬と他の葬儀形式との比較
他の葬儀形式との比較ができるように、費用や参列者数の目安、特徴をまとめています。
|
費用目安 |
参列者目安 |
特徴 |
一般葬 |
150~280万円
|
30~100人
|
通夜、葬儀(告別式)を2日かけて行う |
家族葬 |
40~170万円
|
〜30人
|
近しい親族のみで、通夜、葬儀(告別式)を2日かけて行う |
一日葬 |
30~150万円
|
5~30人
|
通夜を省略し、葬儀(告別式)を一日でおこなう |
直葬(火葬式) |
20~100万円
|
〜100人
|
通夜・葬儀を行わず、火葬のみ(直葬)をおこなう |
※葬儀形式の項目をクリックすると、費用の詳細記事が開きますので、合わせてご参考ください。
参列者数によっては、以下の葬儀スタイルを検討されるのも良いでしょう。
- ・30人より少ない場合は「家族葬」などの小規模対応葬儀
- ・会社関係などで、100人以上の規模が予想される場合は「社葬」
また、一般葬とよく比較される家族葬についてもじっくりと検討し、納得した上で葬儀形式を決めたいという方は、「知っておきたい家族葬と一般葬との違いとは?費用と参列基準とマナーについて」の記事がお役に立ちます。
2.一般葬の概要と流れ
一般葬は、様々な葬儀スタイルの中で「参列者数が多い」「通夜・葬儀(告別式)を2日かけて行う」という形式のため一番規模が大きくなります。
総費用の全国相場は150〜200万円、参列者数の目安は30〜100人です。
総費用の目安 |
150~200万円 |
費用の内訳 |
葬儀に必要な費用 |
約120万円 |
お布施 |
約50万円 |
参列者の飲食や返礼 |
約30万円 |
参列者数 |
30~100人 |
一般葬の流れ |
- 1.ご臨終
- 2.自宅や斎場など安置先に搬送
- 3.葬儀社との打ち合わせと参列者への案内
- 4.納棺
- 5.通夜
- 6.葬儀式・告別式
- 7.火葬
- 8.精進落とし
- 9.初七日法要
|
3.費用と内訳
費用は「葬儀にかかる費用」+「宗教者へのお布施」+「参列者への飲食や返礼」の合計金額となり、プランによって変わってきます。
費用の内訳 |
内容 |
葬儀に必要な費用 (約120万円) |
- ・安置に必要な搬送、安置室利用、ドライアイス、棺、枕飾り、線香など
- ・葬儀で使用する祭壇、遺影、受付など
- ・葬儀スタッフ、司会などの人件費など
|
お布施 (約50万円) |
|
参列者の飲食と返礼 (約30万円) |
- ・通夜と葬儀後の会食費用
- ・参列して頂いた方へお渡しする「会葬御礼」
- ・香典を頂いたお返しの「香典返し
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4.一般葬の流れ
一般葬の総費用が高額になるのは、以下のような流れで葬儀を進めるので、それぞれに費用がかかってくるためです。
1.ご臨終 |
医師により死亡確認後、死亡診断書が発行 |
2.自宅や斎場など安置先に搬送 |
亡くなった場所から移動する |
3.ご遺体の安置 |
安置所や自宅へ葬儀までの間、安置する |
4.葬儀社との打ち合わせ |
葬儀プランや見積などの決定 |
5.訃報(ふほう)の案内 |
参列者へ葬儀の案内を出す |
6.納棺 |
ご遺体を棺に納める |
7.通夜 |
僧侶による儀式。読経と焼香を行う |
8.葬儀式・告別式 |
僧侶による儀式。読経と焼香を行い、その後、最後のお別れを行う |
9.火葬 |
ご遺体を火葬し、骨壷に納める |
10.精進落とし |
葬儀後の会食 |
11.初七日法要 |
僧侶による読経と焼香を行う。本来であれば7日目に行われるが、繰上げ法要となることが多い |
5.一般葬の注意点
一般葬は参列者数も多く、規模が大きくなる葬儀スタイルであることから、注意が必要な点があります。
最優先で取り組むことを3つご紹介します。
- 1.参列者の人数の把握
- 2.対応できる斎場選び
- 3.葬儀案内と日程について
この3つを順番に行うことが失敗や後悔を避けるポイントとなりますし、費用の面にも関係してきますので、ぜひ注意して行っていってください。
6.一般葬の費用を安くする3つの方法
規模が大きいため、費用が高額になる可能性もある一般葬。しかし事前に知っておくことで費用を安くすることができる場合があります。
ポイントは以下の3つです。順番に挙げますので、ぜひご検討ください。
- 1.3社以上の葬儀社から見積をとる
- 2.事前の割引制度を利用する
- 3.僧侶派遣を利用する
一例として「事前の割引制度」の比較表を挙げておきます。
【事前割引比較表】
※2024年5月現在
※割引適用外のプランもあります。
実は費用を安くする方法を知り、安くするための行動を起こしておくことで100万円も安くできる可能性があります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。最後になりますが、スムーズかつ納得のいく一般葬を行うためには、以下のポイントが大切です。
- ・葬儀の規模や流れ、注意点などを理解しておく
- ・葬儀費用を安くできるように、事前に準備しておく
葬儀は、いつ行うことになるか分からないですし、事前にはなかなか話しづらいことも理解できます。しかし、できるだけ早く準備をしておくことが、結局は納得のいく葬儀に繋がります。
ぜひ、この記事を参考にされ、後悔のない葬儀を行ってください。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール