火葬費用はタダでも良い葬儀は可能!知っておくべきポイントと注意点
大切な方のお葬式を行い、最後は火葬場へ故人様をお連れし荼毘に付します(火葬)
どのような規模のお葬式でも、日本の場合、宗教などの考えはありますが、99%荼毘に付します。荼毘に付すにも費用が必要であり、各地域の自治体により費用が異なります。今回は火葬料金についてご紹介させて頂きます。
火葬費用は全国一律ではない
火葬料金は全国一律ではございません。
火葬料金は自治体によって定められている
自治体により設定されており、利用の際の金額差がございます。
市民は安く市外の方は高くなる
火葬場は基本的には「その自治体に所属する市民」に対しての施設となるため、市民の方には小額の利用費用で受付ができ、市外の方の利用時は金額の負担が大きくなります。火葬場は全ての自治体に存在するわけではございませんので、火葬場がない自治体にお住まいの方は隣接自治体の火葬場を利用することになります。
中には近隣自治体が協力し1つの火葬場の管理を行い、その近隣自治体に所属する全ての市民は割引を受けられる自治体もあります。
火葬費用無料の地域もあれば、数十万円必要な地域もある
火葬料金が「無料」の地域もあれば、「数万円から数十万円」必要な地域もあります。
例えば北海道札幌市は「市民であれば火葬料金は無料」です。※2024年8月現在。
他の都市も愛知県名古屋市であれば「市民料金:5,000円」※待合所を予約する場合は「名古屋市立八事斎場:3,000円」「名古屋市立第二斎場:4,500円」が別途必要になります。※2024年8月現在。
神奈川県横浜市は「市民料金:12,000円」
埼玉県さいたま市は「市民料金:7,000円」
大阪府大阪市は「市民料金:10,000円」となります。
火葬料金が無料の地域は少ない
しかし、実質火葬料金が無料の地域は稀であり、多くの地域では火葬を行う際に一般市民の方は火葬料金を火葬場に支払い、火葬申請を行います。
地域により価格差はありますが、市民への火葬費用は「数千円から1万円前後程度」と抑えられていることが通常です。数十万円必要な地域は後述でお伝えいたします。
市民以外の方は市民料金の3倍、中には10倍もする場合も
基本的に火葬場が定めている市民以外の方が利用をされる場合は、費用が高くなります。市民料金の3倍、中には10倍以上火葬料金が必要な地域もあります。自治体の財政事情ややはり市民優先となり現状、高齢社会により火葬数の増加などが影響し、利用の費用にも差が出ていることが現状です。
お住いの自治体が「火葬場」を保有していない場合、必然的にほかの自治体の火葬場を使用する選択肢しかございませんので、お住いの自治体によっては、火葬費用が高くなる場合もございます。
公営と民営の火葬場との違い
火葬場の運営は公営と民営とに分かれています。公営は自治体が主体、民営は民間企業が運営しています。その為、公営の火葬場と比べて民営の火葬場の方が割高な傾向です。
ご遺体の年齢によっても価格は異なる
火葬場の料金は、ご遺体の年齢によって変わります。亡くなったのが子どもや乳幼児の場合は、金額が低くなります。子どもの火葬料金の相場は大人の半分から7割ほどです。
火葬費用については下記記事もご参考ください。
・直葬(火葬)の費用を完全解説!相場・流れ・メリット・デメリットを紹介!
・火葬場の使用料金とは?地域で大きく違いのある火葬場の使用費について
・火葬(直葬)の費用を完全解説!相場・内訳・費用を抑える方法を紹介!
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全国で最も火葬費用が高い地域「東京」
全国で一番火葬費用が高い地域は「東京都」と言われております。
特に東京23区にあたるのですが、東京23区は「民間の火葬場」が東京23区全体の7割以上のシェアがある地域です。
東京博善株式会社が運営する斎場
民間会社である東京博善株式会社が運営する
>>民間火葬場「東京博善株式会社」とは?東京の火葬場費用・事情について
「桐ヶ谷斎場」※東京都品川区
>>桐ヶ谷斎場とは⁈東京都品川区・目黒区・大田区・港区などでお葬式を行う方が利用する斎場の概要・費用・手配について
「落合斎場」※東京都新宿区
>>落合斎場とは⁈東京都新宿区・中野区・豊島区・渋谷区などでお葬式を行う方が使用する斎場の概要・費用・手配について
「堀ノ内斎場」※東京都杉並区
>>堀ノ内斎場とは⁈東京都杉並区・練馬区・中野区・世田谷区・渋谷区などでお葬式を行う方が利用する斎場の概要・費用・手配について
「代々幡斎場」※東京都渋谷区
>>代々幡斎場とは⁈東京都渋谷区・世田谷区・目黒区・新宿区・杉並区・中野区などでお葬式を行う方が利用する斎場の概要・費用・手配について
「町屋斎場」※東京都荒川区
>>町屋斎場とは⁈東京都荒川区・足立区・台東区・墨田区・江東区・北区・文京区・中央区・千代田区の方が多く利用する火葬場について
>>高評価!東京都荒川区にある町屋斎場の特徴や施設、火葬の注意点まで完全解説!
「四ツ木斎場」※東京都葛飾区
>>四ツ木斎場とは⁉︎主に東京都葛飾区・足立区・墨田区でお葬式を行う方が多く利用する火葬場について
が主に稼働をしており、全国でもかなり珍しい地域となります。
東京博善株式会社が運営する火葬場には「ランク」が存在し、一番基本的な火葬炉種別である「最上等」は75,000円の使用費用が必要です。
ほか「必ず待合所を予約しなければならないルール」があり、おひとり660円の椅子席から、6,600円~28,600円までの待合所がございます。
※葬儀規模が大きい場合は、この価格帯以上の待合所もございます。
その他民間の火葬場
民間の火葬場は、他にも株式会社戸田葬祭場が運営する、
「戸田葬祭場」※東京都板橋区
>>戸田葬祭場とは⁈東京都板橋区・練馬区・北区・埼玉県戸田市・和光市などでお葬式を行う方が利用する斎場の概要・費用・手配について
があり、東京博善株式会社以外が運営する民間火葬場がございます。
東京23区ではありませんが、東京都府中市には同じく民間火葬場「多磨葬祭場」があり、東京都は民間の火葬場が多くございます。
>>多磨葬祭場・日華斎場とは⁈東京都府中市・調布市・小金井市・三鷹市・国分寺市などでお葬式を行う方が使用する斎場の概要・費用・手配について
全国のほとんどの地域は各自治体が管理を行っているため、東京の火葬場事情は全国的にはかなり珍しい状況です。
民間火葬場主体、さらに最大の人口集中地区のため、常に火葬場は稼働をしており、火葬炉のメンテナンスにも費用が必要です。結果、火葬料金は全国で最も最高水準になっております。
火葬場にはランクがある
また23区の民間火葬場では「火葬場のランク」が設定されており、通常の火葬炉の価格帯とは別に「高額の価格帯」が存在します。
火葬場に「ランク」があることに驚かれる方もいらっしゃいます。通常は基本的な価格の火葬炉を利用するのですが、利用者が通常の火葬炉に集中し、火葬場の予約が「1週間から10日待ち」という状況も珍しくありません。
ちなみに、この上位ランクの火葬場の利用費用は107,500円〜280,000円まで設定されており、他地域の火葬費用とは全く異なります。
東京23区には公営斎場として、東京都江戸川区の都営火葬場「瑞江葬儀所」があり、こちらの都民火葬料金は「59,600円」
>>瑞江葬儀所とは⁈東京23区で唯一の都営火葬場の概要・使用料金・予約方法とは
大田区には23区南部(港区・品川区・大田区・目黒区・世田谷区)の区が協力して設置をした区営斎場「臨海斎場」がありますが、こちらは「40,000円」となります。
>>臨海斎場とは⁉︎東京都品川区・大田区・目黒区・世田谷区・港区の方が利用する斎場について
東京のように人口が集中している地区ならではの事情と、公営火葬場より民間火葬場の施設数が多い地域では、火葬を行うためにも多くの費用が必要となります。
東京都の火葬場については下記記事もご参考ください。
・火葬場の選び方と利用方法!東京都の火葬場の特徴・使用料金・利用方法を解説!
・東京都港区で葬儀を行う方は必読!費用・葬儀場・斎場・火葬場の情報を完全解説!
・東京都中央区で葬儀を行う方は必読!費用・葬儀場・斎場・火葬場の情報を完全解説!
・西東京市で葬儀を行う方は必読!費用・葬儀社・斎場・火葬場の情報を完全解説!
火葬の費用を抑える方法
下記に火葬の費用を抑える方法をご紹介します。
火葬が無料の火葬場を選ぶ
先述しましたように、地域によっては火葬料金が無料の火葬場があります。お住いの地域にある場合は、積極的に利用しましょう。
葬儀の費用を抑える
お住いの地域によっては、火葬料金にある程度の費用がかかるのは仕方がありません。その場合は、葬儀そのものの費用を抑えるのも方法の一つです。
火葬のみの直葬をおこなう
最も葬儀費用を抑えることができる葬儀形式として、「直葬(火葬式)」という選択肢があります。一般葬でおこなう通夜や告別式をおこなわずに火葬のみをおこなう形式です。
直葬(火葬式)については下記記事もご参考ください。
・火葬式を完全解説!費用・流れ・マナー・香典・一般葬儀との違いを紹介!
・火葬のみで葬儀を行う「直葬」を完全解説!
・火葬式って何?メリット・デメリットや費用相場などを詳しく紹介
補助制度を活用する
葬儀費用を抑えたい場合の方法として、補助制度を活用することも大切です。申請をすれば、葬祭費(国民健康保険)や埋葬費(国民健康保険以外の健康保険)を給付金として受け取ることができます。ただし、給付金を受け取るには健康保険に入っている必要があります。
補助制度については下記記事もご参考ください。
・忘れてはいけない⁈申請すれば頂ける葬祭費・埋葬料とは?給付金制度の概要と申請時のポイント
・埋葬料とは?請求方法・申請書の書き方・振り込まれる時期を完全解説!
生活保護者は火葬費用が無料になる
生活保護を受けており、生活が困窮している場合には葬祭扶助を受けることができます。自治体によって支給金額が異なりますが、平均大人がおおよそ200,000円、子供がおおよそ160,000円ほど支給されます。
ただし、補助されるのは最低限の火葬のみとなっています。
葬祭扶助については下記記事もご参考ください。
・葬祭扶助とは?支給の条件から金額、申請方法まで徹底解説!
まとめ:火葬場の事情は地域で異なる
「火葬費用」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【火葬費用】
●火葬料金は全国一律ではない
●自治体により設定されており、利用の際の金額差がある
●火葬場は基本的には「その自治体に所属する市民」に対しての施設となるため、市民の方には小額の利用費用で受付ができ、市外の方の利用時は金額の負担が大きくなる
【火葬費用の差】
●火葬費用無料の地域もあれば、数十万円必要な地域もある
●実質火葬料金が無料の地域は稀であり、多くの地域では火葬を行う際に一般市民の方は火葬料金を火葬場に支払い、火葬申請を行う
【東京の火葬場事情】
●全国で最も火葬費用が高い地域は「東京」
●23区の民間火葬場では「火葬場のランク」が設定されており、通常の火葬炉の価格帯とは別に「高額の価格帯」が存在する
●上位ランクの火葬場の利用費用は107,500円〜280,000円まで設定されている
日本全国どの地域でも、お葬式を行ったあとには原則火葬を行っておりますが、地域事情が存在します。今後火葬料金は死亡人口の増加とともに更に値上がりをする可能性もあります。
火葬料金について、一般の方はお身内にご不幸があったときやお身内の「事前の終活対策」くらいでしか、火葬料金を調べることはないかと思いますが、私たちはこの業界の事情を理解するお葬式・終活分野のアドバイザーとしてこれからも発信して参ります。
弔事での費用については下記記事もご参考ください。
・仏事を完全解説!時期・内容・費用・供養方法を紹介します!
・今更聞けない葬儀・告別式のマナーと費用を地域別に徹底解説!
・葬式の金額は?一般的な葬儀費用の平均から、葬儀費用の内訳、費用を抑える工夫まで徹底解説!
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<火葬について>
・火葬するには火葬許可証が必要!発行の流れや再発行について解説
・火葬業とは?よく似た斎場と火葬場の違いや火葬業の仕事内容、給与事情まで徹底解説!
・火葬を完全解説!準備・必要物・手続き・必要な時間・マナー!
・火葬の時間はどれくらいかかる?一般的な火葬の所要時間から火葬の流れ、待ち時間の過ごし方まで完全解説!
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<火葬と新型コロナについて>
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・新型コロナで死亡した人の火葬・葬儀はどうしたらよい?厚生労働省と葬儀社の見解を解説!
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール