法事・法要という言葉を聞いたことがあると思います。現在では法事も法要も同じ意味の行事として扱われています。本記事では、法事の日程やお布施、香典、服装や持ち物などのマナーについてや年忌法要についてご紹介します。
法事・法要という言葉を聞いたことがあると思います。現在では法事も法要も同じ意味の行事として扱われています。また、葬儀が終わった後も、四十九日、一回忌、三回忌というように法事や法要を定期的に行います。
葬儀後に法事・法要を行うまでにどんな準備を進めていけばよいのか、疑問が出てくると思います。また日程やお布施、服装・持ち物などのマナーが存在しています。
そこで今回は、法事を行うのに押さえておきたい準備やポイントについて解説していきます。
INDEX
法事とは?
法事とは、故人の冥福を祈り、供養を目的とした仏教の儀式です。お坊さんの読経後の会食を含めたものをいいます。法事の中に法要も含まれています。
法要ではなにを行うのか?
法要は、故人の供養のため読経等を行います。読経をご寺院様に行っていただき、故人の冥福を祈ります。かつ、法要の後に行われる会席「お斎(とき)」を含めた行事をいいます。
また、法要は「追善供養(ついぜんくよう)」とも言われ、仏教では、故人が極楽浄土に往生するために行うと考えられています。
供養については下記記事もご参考ください。
・永代供養とは?永代使用との違いから永代供養の種類・メリットデメリットまで徹底解説!
・供養の選択肢の多様化⁉︎オンライン法要の対応を行いました!
・墓じまいから永代供養にするまでの流れ、永代供養墓の種類・選び方から注意点まで徹底解説
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法事の時期は?
法事を行うには「年忌法要の時期」があります。年忌法要とは、故人の祥月命日に行い一周忌から百回忌まであり、「法要を行うか」「どこまで続けるか」は自由ですが、地域や風習によっても異なります。
しかし、「三十三回忌」の法事は特別(故人が、先祖神の仲間入りをする)な区切りとなるため行いましょう。
年忌法要の時期と年数
年忌法要 時期 |
年数 (※命日から) |
|
一周忌 | 満1年目 | 家族、親族、知人など。お寺や自宅で供養 |
三回忌 | 満2年目 | 家族、親族で供養(知人を招く場合もある) |
七回忌 | 満6年目 | 家族・親族・親しい知人で供養 |
十三回忌 | 満12年目 | 家族、親族で供養 ※一般的にはこの法事まで行う |
十七回忌 | 満16年目 | |
二十三回忌 | 満22年目 | |
二十七回忌 | 満26年目 | |
三十三回忌 | 満32年目 | 主にこの法要を最後としている |
三十七回忌 | 満36年目 | |
四十三回忌 | 満42年目 | |
四十七回忌 | 満46年目 | |
五十回忌 | 満49年目 | |
百回忌 | 満99年目 |
また、法要の時期によっては法要を親族のみで行うのか、親族と知人で行うのかも変わってきます。
「四十九日」以降の法要は、「一周忌」「三回忌」「七回忌」に、親族や知人で行い、「十三回忌」は家族や親族で行います。
>>四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
※十七回忌・二十三回忌・二十七回忌は法事を行う家もありますが、行わない家もあります。
【一周忌】
・一周忌とは?意味・香典・お布施・お供え・マナーを完全解説!
・意外と相場がわからない!一周忌の香典の相場やマナーを完全解説!
・親が死んだらすることは何?亡くなってから一周忌までを時系列順に解説!
【三回忌】
・三回忌のお布施を完全解説!金額相場・書き方・渡し方・喪主・参列者のマナーを紹介!
・三回忌とは?意味と施主と参列者が知っておくべき法事・法要のマナーとは?
・法事・法要の香典相場はいくら?三回忌・七回忌・十三回忌と故人との関係別に解説!
【七回忌】
・七回忌とは?意味とお布施・香典の相場と出席マナーを解説!
【十三回忌】
・13回忌とは?13回忌の準備から招待された場合のマナーまでを完全解説!
【二十三回忌】
・23回忌とは?23回忌の準備から注意点まで徹底解説!
【三十三回忌】
・33回忌(三十三回忌)とは?弔い上げの意味から33回忌に注意したいマナーまで完全解説!
令和6年(2024年)の年忌表
令和6年の年忌表は下記になります。
年忌 | 亡くなった年 | |
和暦 | 西暦 | |
一周忌 | 令和5年 | 2023年 |
三回忌 | 令和4年 | 2022年 |
七回忌 | 平成30年 | 2018年 |
十三回忌 | 平成24年 | 2012年 |
十七回忌 | 平成20年 | 2008年 |
二十三回忌 | 平成14年 | 2002年 |
二十七回忌 | 平成10年 | 1998年 |
三十三回忌 | 平成4年 | 1992年 |
三十七回忌 | 昭和63年 | 1988年 |
四十三回忌 | 昭和57年 | 1982年 |
四十七回忌 | 昭和53年 | 1978年 |
五十回忌 | 昭和49年 | 1974年 |
百回忌 | 大正14年 | 1925年 |
日数の数え方
では、いざ法要を行う際に、「次の法要は何回忌だったっけ?」という方もいるのではないでしょうか。
十三回忌は亡くなってから何年目かというと、命日から「満12年目」です。
とはいっても、実際に数えるのにも一苦労ですよね。簡単で確実な「回忌」の出し方をご紹介します。
回忌の計算方法
回忌は簡単に算出ができます。年数が経つとわからなくなってきますよね。ここでは、三回忌以降に使える計算方法を紹介します。
三回忌以降の方法
で計算できます。
計算式に数字を当てはめてみて計算してみると、回忌の時期が分かります。実際に計算式に数字を当てはめて計算してみました。
例)2010年に亡くなった方の「七回忌」の場合
(2010+7-1=2016)
当てはめた数字を計算すると、2016年は「七回忌」と分かりました。法事の時期に迷った場合には、ご紹介した計算式を参考にしてみてください。
中陰(忌日)法要とは?
仏教では亡くなってから四十九日の間は、極楽へ行くかどうかの裁きを待っている状態と言われています。その為、無事に故人が極楽へ行けるように供養を行います。この供養を、中陰法要もしくは忌日法要といいます。
一般的には僧侶をお招きし、お経をあげて頂きます。
中陰(忌日)法要一覧
中陰法要 | 日数 | |
初七日(しょなのか/しょなぬか) | 7日目 | 葬儀当日に行われることが多い |
二七日忌(ふたなのか/ふたなぬか) | 14日目 | |
三七日忌(みなのか/みなぬか) | 21日目 | |
四七日忌(よな のか/よなぬか) | 28日目 | |
五七日忌(いつなのか/いつなぬか) | 35日目 | |
六七日忌(むなのか/むなぬか) | 42日目 | |
四十九日(しじゅうくにち) 七七日忌(なななのか) |
49日目 | このタイミング納骨が行われることが多いです。 |
中陰(忌日)法要については下記記事もご参考ください。
【初七日】
・初七日とは?意味・数え方・お供え・お経・知っておきたい常識とマナー
・初七日とは?初七日までしてはいけないことや期間を徹底解説!
【四十九日法要】
・四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
・四十九日の香典相場を完全解説!書き方・マナー・故人との関係別相場も紹介!
・49日法要とは?法要の準備から当日の流れ、香典マナーまで完全解説!
・49日とは?49日(四十九日)の意味や行われる法要について徹底解説!
納骨については下記記事もご参考ください。
・納骨とは?納骨式の時期と準備・流れと費用を完全解説!
・納骨にかかる費用を完全解説!相場・内訳・流れ・準備物を紹介!
法事を避けたほうがいい日程
法事を行うときに避けたほうがいい日程はあるのでしょうか?それは、NOです。
しかし、一般的に友引や仏滅などは避けたほうがいいのではないか?法要にふさわしくないのではないか?というイメージを持たれている方が多いと思いのではないでしょうか。また、六曜を気にして縁起の良し悪しの判断をする方も多いですが、六曜も仏教や法事の日取りにも関係はありません。
ではなぜ、法事に六曜は関係ないのでしょうか。
六曜の種類には、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6種類があります。カレンダーに記載されているのを一度は見たことがあると思います。
<六曜一覧>
種類 |
意味 |
先勝「さきがち」「せんしょう」 |
先んずることは勝利に繋がるという考えです。 |
友引「ともびき」 |
陰陽道においては何事を行ったとしても勝負がつくことがない共引とされていました。 |
先負「せんぶ」 |
陰陽道において急ぎ事や公事などを行うには良くない日とされています。 |
仏滅「ぶつめつ」 |
仏の入滅・釈迦の死を表し、陰陽道において何を行うにしても凶日とされています。 |
大安「たいあん」 |
陰陽道において行事などを行う場合には、何事にも良い日といわれ吉日とされています。 |
赤口「しゃっく」「しゃっこう」 |
陰陽道において最も悪い日であり何を行うにしても大凶日とされています。 |
一覧を見ていただいた通り、六曜にはそれぞれ意味を持っています。元々は軍略に用いた占いで、意味合いも迷信で信憑性もありません。また、友引を避ける必要はなく、赤口が適していることでもないのです。
六曜については下記記事もご参考ください。
【友引】
・友引に通夜を行ってもよい?友引と通夜と葬儀の関係を完全解説!
・友引に葬式が行われない理由とは?葬式の日取りの決め方についても解説
【大安】
・大安の日に葬式をあげてもOK?六曜と葬儀の関係を完全解説!
【仏滅】
・仏滅と葬式の関係とは?葬式の日程を決めるときの注意点についても解説
日取りを決める
法事を行うにしてもまず日取りを決める必要があります。法事を行う日程には避けたほうがいい日はないということをお伝えしました。それではいつ行ってもいいのでしょうか?行う時期はあるのでしょうか?
それは、故人が亡くなった同月同日の祥月命日に行うのが望ましいですが、必ず同日でなければならないというわけではありません。命日とずらす場合は前倒しにしましょう。また、日取りを決める際は、できるだけ多くの人が故人を偲べる日程で決めていくのがいいでしょう。
葬儀の日程については下記記事もご参考ください。
・葬式の日取りはどう決める?日取りを決める際のポイントや注意点、六曜について徹底解説!
・葬儀日程の決め方とは?通夜・葬式・法事法要の日程の決め方を完全解説!
・葬式の流れを徹底解説!日程調整のポイントや必要書類とは?
事前準備をすることとは?
法事はいつからどの様な流れで準備していけばいいのでしょうか。具体的に紹介していきます。
a)法事の場所と日程を決定する
法事の日程は命日当日に行うのが理想であり、本来の法要日より前の土日に設定します。また、住職や親族、法事の内容によっては故人と親しかった人と相談し、決めていくとスムーズです。
さらに、斎場の都合もあるので、遅くとも1ヶ月前には日時と会場を決め、スケジュールを決めましょう。
法事については下記記事もご参考ください。
・法事・法要を完全解説!法事の種類・数え方・マナーを紹介
b)お寺へ連絡する
日程が決定したら、お寺へ連絡します。会場と日程の調整は並行して法事に読経をお願いする僧侶の手配を行うようにしましょう。
なぜなら、指定日が僧侶と合わなかった場合、日程を変更する必要があるので、早めに連絡して依頼しましょう。
また、依頼時にお寺に連絡した際、お布施や費用について事前に確認しておくといいでしょう。
僧侶手配については下記記事もご参考ください。
・寺院手配サービスとは⁉︎寺院(僧侶)を手配する方法とは?
・宗教者・お坊さんの手配の仕方とは⁉︎身内が亡くなった時・法事の時の宗教者手配方法
僧侶派遣は『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。
c)会場を決める
法事は菩提寺、もしくは自宅で行うのが一般的です。ここ数年では葬儀会館のホールなどを借りて行うケースもあります。
菩提寺で行う場合は、施主が直接出向いて日時の相談をして依頼します。
ほかにも、霊園の法要室が利用できる場合があるので、土日に利用する場合は混みやすいので早めに予約しましょう。
葬儀会場については下記記事もご参考ください。
・斎場とはどんな場所?斎場の選び方・種類・火葬場との違いを目的別に完全解説!
・葬儀場とは?公営と民営の違いから葬儀場の選び方まで完全解説!
d)案内状を作成する
法事の日時や会場が決まれば、次に案内状を作成します。お葬式の時に記帳していただいた会葬者名簿を元に、招待する方たちを決定します。
案内状には、「会場や日時」、「会食」の有無について記載します。返信用には参加者の名前や住所を書く欄を設けて、必ず返送期限も記載しましょう。
また、初盆では往復はがきや返信用のはがきを同封した封書で案内状を用意し、出欠を訪ねましょう。
>>初盆とは?お供えは何を用意すべき?基礎知識やマナーを徹底解説!
案内状を送る際は、招待する方の都合も考え、1か月前までに案内状を送るのがマナーです。法事当日の2週間前までに出欠の確認ができるようにしましょう。
※最近では身内のみのやりとりを行うだけということで、なお、親族のみで行う場合は電話での連絡でも大丈夫です。ただし、初盆だけは、親族だけでなく知人、友人たちも招いて法要を行います。
e)引き物の手配
引き物を手配するにもまずは、金額の設定をします。目安としては、2千円~5千円程度が相場です。
引き物として配るものとしては、石鹸、洗剤、白タオルなどの実用品やお茶、お菓子を用意します。不幸が残らないという意味で手元に残らないものを配ります。
ではなぜ、白タオルは良いのかというと、手元に残るモノですが、あの世へ白装束(死装束)を着て旅立つので、引き物としても失礼に値しません。
※最近では様々な商品が増えているため、従来のような慣例ではなく、商品を選ばれるようになってきました。
また、引き物のかけ紙は黒白 又は銀色の結び切りの水引を用います。表書きは「粗供養」や「志」にするのが一般的です。
f)会食(お斎)会場を決める
法要後の会食(お斎)の手配をします。七七日(四十九日)までの場合は精進料理を手配します。また、自宅で行う際には、仕出し料理を手配するのが一般的です。
>>四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
席次は、上座に僧侶、末席には施主や遺族が座るのがマナーです。ほかの参列者の方は特に決まりがないので、自由に座ってもらいます。
なお、会食(お斎)を行わない場合もあります。
>>おとき(お斎)とは?意味とマナーと香典相場を3分で解説!
g)お墓の手入れをする
会場と供養をする人のお墓が近い場合、法事の中にお墓参りを行うこともあります。事前にお墓に行き、墓石の汚れを洗い流し、周囲の雑草やごみを取り除いておきましょう。
h)会場の掃除や必要なものを準備する
自宅で法事を行う場合は、法事を行う部屋や、家の周辺を掃除しておきます。法事の時に邪魔になりそうな家具などは移動させ、仏壇を拝みやすいように部屋の正面に移動させましょう。位牌やお菓子、果物といった供物、供花も供えます。
また、菩提寺や霊園で行う場合は、当日早めに訪れて僧侶に挨拶をし、参列者を迎えましょう。
そして位牌や供物、供花は持参していきます。ただし、寺院によっては供物や供花を用意してもらえる場合もあるので、事前に確認してみましょう。
供花については下記記事もご参考ください。
・供花の手配方法!供花の意味と費用相場と宗教ごとのマナーを紹介!
・知らないと恥をかく!供花の手配方法や相場を徹底解説!
供物については下記記事もご参考ください。
・供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!
i)お布施の準備をする
法事で僧侶に読経をあげてもらう場合には、お布施の準備をします。
お布施の相場としては3万~5万円といわれていますが、明確な金額が決まっているわけではありません。
ただ、僧侶の格や地域差でも異なる為、直接寺院や僧侶に尋ねてみましょう。それでもはっきり分からない場合は、葬儀社や同じ檀家の人に相談してみましょう。
僧侶へのお布施は、実は読経をあげてもらう以外に、自宅へ出向いてもらう場合は「お車代」、会食を辞退するといわれたときは、「御膳料」も用意します。
宗派によっては、卒塔婆供養のお礼として、「御卒塔婆供養料」も準備する場合もある為、確認してみましょう。
j)施主(喪主)のあいさつ
法事では会食を始める前と、場を締めるときに施主(喪主)があいさつをするのが一般的です。あいさつでは、法事が無事に終わったことに対する感謝を伝えるのが主になります。
施主(喪主)になる方はあらかじめ内容を考えておくといいでしょう。
施主・喪主については下記記事もご参考ください。
・施主と喪主の違いとは?葬儀における施主の役割を解説!
・喪主と施主の違いは?それぞれの役割から喪主と施主の兼任まで完全解説!
喪主の挨拶については下記記事もご参考ください。
・喪主とは?喪主の決め方と役割、服装、マナー、挨拶を解説!
・喪主の挨拶とは?葬儀・告別式の文例・言葉!失敗しないマナーを徹底解説!
〇会食前
お陰様で、法要もで無事に終えることができ、◯◯(関係性)も安心していることと存じます。今日は、皆様と故人の思い出を語らいながら、冥福を祈りたいと思っております。
それでは、献杯のご唱和お願いいたします。献杯。
ありがとうございました。それではどうぞお食事をお召し上がり下さい。
献杯については下記記事もご参考ください。
・献杯(けんぱい)のあいさつの仕方とは?意味と正しいマナーと注意点!
〇会食後
皆様、この度はご多忙中のところ最後までおつき合い頂きましてありがとうございました。
以上をもちまして、お開きとさせて頂きたいと存じます。今後とも、どうか変わらぬご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
-
会食(お斎)がない場合
誠に恐縮ではありますが、本日はこれにてお開きとさせて頂きます。ご多忙中にもかかわらず足を運んで頂き、本当にありがとうございました。
何のおもてなしもできませんでしたが、ささやかながら折詰をご用意いたしましたので、どうぞお持ち帰りください。
今後ともどうかご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
法事・法要後はお礼状を書く
法事・法要に参列して頂いた方や参列はしなくてもご香典や供物、お花を頂いた方には必ずお礼状をお送りします。お礼状は業者に依頼しても良いですし、自分で作成しても構いません。
当日の内容
さて、これで準備が整いました。余裕をもって気持ちよく当日を迎えたいものです。
では、当日はどの様な流れで行われるのでしょうか。
・当日の流れ
法事も葬儀と同じように、僧侶が入場すると読経が始まり、お焼香を行います。お焼香は故人と関係の深い順に行いますが、他の参列者の方は特に決まりはないので席順で行っても問題ありません。読経、お焼香と、僧侶の法話を聞き終わるまでが、おおよそ1時間ほどになります。
>>焼香とは?よく聞くけど以外と知らない焼香の意味や種類、宗派ごとにことなる焼香の作法まで完全解説!
菩提寺や霊園で法事を営む場合や、引き続いて納骨・埋葬を行う場合は、会食の前にお墓参りを行います。
また、卒塔婆を依頼していた場合は、お墓参りのときに立てます。法要が終わった後にはみんなで会食(お斎)をし、終えた後に散会します。
帰る前に参列者へ引き物を配ることを忘れないようにしましょう。
流れ | 所要時間 |
① 僧侶の読経 | ①②③合わせて約1時間 |
② お焼香 | |
③ 法話 | |
④ お墓参り | 約1時間 |
⑤ 会食(お斎) ※会食を行わない場合もあります |
約1時間~2時間 |
⑥ 散会 |
当日の所要時間の目安として、約4~5時間ほどになります。
服装
法事での服装は、男性・女性の性別や、遺族・参列者という立場によっても異なります。では、どういった点に注意して行けば良いのでしょうか。
施主(喪主)と遺族の場合、一周忌までは喪服を着用するのが一般的です。三回忌以降は、地域にはよるものの、次第に平服のように簡略化していくことが多いです。ただし、平服を着用する場合も、遺族側は出席者よりカジュアルにならないよう注意することが大切です。施主側が平服を着用する場合は、事前に案内状に「平服でお越しください」と添えることも忘れないようにしましょう。
弔事の服装については下記記事もご参考ください。
・ユニクロで喪服を用意できる?ユニクロで喪服を用意する際のメリットやデメリット、注文方法を完全解説!
・急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!
・遺族
遺族・身内の四十九日の服装は喪服です。三回忌までは喪服が基本ですが、七回忌以降は略式喪服や地味な色の服装で構いません。
男性 | 女性 |
[服] 黒の礼服スーツ、白いワイシャツ、黒ネクタイ、黒ベルト [靴下]黒靴下 [靴]黒靴 |
●和服の場合 [服]グレー系の色無地の染抜き一つ紋や三つ紋の着物、黒帯 [靴] 草履は黒 [靴下] 白足袋 [バッグ] 黒バッグ |
●洋服の場合 [服] 黒のアンサンブル、黒ワンピース、スーツ [靴] 黒靴(パンプス) ※つま先が出るサンダルやミュールなどはNG [ストッキング] 無地の黒ストッキング ※網タイツや絵柄付きはNG [バッグ] 黒バッグ ※光らないもの |
子供 |
[服] 制服があれば制服でOK。制服が無ければ地味な服装を心がけます。 紺色、黒、グレーを基本に「無地」または無地に近い服が良いでしょう。 夏場は清潔感のある服装で、白無地のシャツとズボン(紺、黒、グレーなど)。 女の子なら白無地のブラウスとスカートなど。 |
・親族
親族の四十九日の服装は喪服または略式喪服です。親族は、通夜・葬儀を過ぎ三回忌までは喪服または略式喪服が基本です。
七回忌以降は略式喪服や地味な色の服装で構いません。
男性 | 女性 |
[服] 黒の礼服スーツ、白いワイシャツ、黒ネクタイ、黒ベルト [靴下] 黒靴下 [靴] 黒靴 |
●洋服の場合 [服] 黒のアンサンブル、黒ワンピース、スーツ [靴] 黒靴(パンプス) ※つま先が出るサンダルやミュールなどはNG [ストッキング] 無地の黒ストッキング ※網タイツや絵柄付きはNG [バッグ] 黒バッグ ※光らないもの |
子供 |
[服] 制服があれば制服でOK。制服が無ければ地味な服装を心がけます。 紺色、黒、グレーを基本に「無地」または無地に近い服が良いでしょう。 夏場は清潔感のある服装で、白無地のシャツとズボン(紺、黒、グレーなど)。 女の子なら白無地のブラウスとスカートなど。 |
・参列者
参列者は、初七日〜四十九日は略式喪服を着用します。一周忌以降の年忌法要の場合は略式礼服または地味な服装となり、七回忌以降は、地味であれば平服でも構いません。
男性 | 女性 |
[服] 黒の礼服スーツ、白いワイシャツ、黒ネクタイ、黒ベルト [靴下] 黒靴下 [靴] 黒靴 |
●洋服の場合 [服] 黒のアンサンブル、黒ワンピース、スーツ [靴] 黒靴(パンプス) ※つま先が出るサンダルやミュールなどはNG [ストッキング] 無地の黒ストッキング ※網タイツや絵柄付きはNG [バッグ] 黒バッグ ※光らないもの |
子供 |
身内以外は、赤ちゃんはできるだけ参列を遠慮するほうが良いでしょう。 |
持ち物と注意点
男性
持ち物:香典、数珠、ふくさ、ハンカチ
注意点:
・光るものはNG
(金色の腕時計や金色のネックレス、金色のブレスレットはNG。派手なバックルのベルトもNG)
・毛皮や爬虫類のベルトもNGです。
・サンダル履きは不可です。
・真夏の法要の場合、遺族や身内だけでの法要なら上着を着用しないこともあります。
その場合は白ワイシャツに黒ネクタイで出席し、
着用しなくても上着は持参しましょう。
・喪の扇子の持参は許されます。
・冬の場合、コートは会場に入る前に脱ぎます。
女性
持ち物:男性と同様
注意点:
・光るものはNG(金色の腕時計や金色のネックレス、ゴージャスな指輪や金色のブレスレットはNG。派手なベルトもNG)
・パールのネックレスはOKだが二重になっているものは「不幸なことが重なる」として嫌われるためNG。パールのイヤリングもごく地味なものならOK。
・指輪は結婚指輪のみ、またはごく地味なパールの指輪程度にします。
・毛皮や爬虫類ものは殺生を連想させるためNGです。
・サンダル履きは不可です。
・派手なマニキュアやネイルは不可です。
・雨天の場合、傘の色にも注意しましょう。あまり派手な色は避けたほうが無難です。
・冬の場合、コートは会場に入る前に脱ぎます。
子供
持ち物:小学生以上なら数珠、ハンカチ(白、黒、無地の地味なものを)
・子供でも派手な色、派手な柄の服はNG。
・光るものはNG
・靴下は白または黒
・サンダル履き、クロックス、ミュールは不可です。
・身内以外は小さな赤ちゃんは出席を遠慮したほうが良いでしょう。
法事の参列は、三回忌までは、喪服着用が原則で、香典も持参します。また、香典の表書きは「お仏前」を使うのが慣例となります。
香典については下記記事もご参考ください。
・香典の金額はどう書けば良い?香典袋に金額を書き入れる際の書き方や注意点を徹底解説!
・香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!
・香典の正しい書き方を完全解説!金額・表書き・中袋・のし袋の書き方を紹介!
仏教以外の法事
仏教以外での宗教での法事についてご紹介します。
神道の法事
神道での法事は「神事」と呼ばれる儀式を行います。亡くなってから10日目には「十日祭」、30日目には「三十日祭」が執り行われ、100日目には「霊祭」「霊前祭」が行われ、故人の霊を慰めます。
神道(神式)については下記記事もご参考ください。
・神社のお葬式とは?神道のお葬式の流れから作法まで完全解説!
・神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説
キリスト教の法事
キリスト教では法事・法要の代わりに追悼ミサが行われます。仏教のように、故人の供養が目的ではなく故人を偲び、大切な人の死を受け入れるためにおこないます。3日目、7日目、30日目には追悼ミサを行い、1年後の命日には盛大な「記念ミサ」が行われます。
宗教ごとの弔事の違いについては下記記事もご参考ください。
・前もって理解しておこう!葬儀の種類や宗教ごとの違いを解説
・後悔しない祭壇の選び方:意味と宗教ごとの祭壇と相場を解説!
法事についてのまとめ
「法事」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【法事とは?】
●法要は、故人の供養のため読経等を行うこと
●「追善供養(ついぜんくよう)」とも言われ、仏教では、故人が極楽浄土に往生するために行うと考えられている
●年忌法要では、1周忌からはじまり33回忌まで行う事が多い
●(亡くなられた年+回忌の数―1)でいつ行うかを計算することができる
【法事の事前準備でおこなうこと】
①法事の場所と日程を決定する
②お寺へ連絡する
③会場を決める
④案内状を作成する
⑤引き物の手配
⑥会食(お斎)会場を決める
⑦お墓の手入れをする
⑧会場の掃除や必要なものを準備する
-位牌や供物、供花は持参する
⑨お布施の準備をする
-お布施の相場としては3万~5万円
⑩施主(喪主)のあいさつを考えておく
【法事当日の流れ】
①僧侶が入場
②読経
③焼香
④僧侶の法話
⑤お墓参り
⑥会食(お斎)
⑦散会
【法事の服装・持ち物】
●一周忌までは喪服を着用するのが一般的
●三回忌以降は、地域にはよるものの、次第に平服のように簡略化していくことが多い
●持ち物は香典、数珠、ふくさ、ハンカチ
法要の場合は、葬儀後の慌ただしい中行うことが多く、準備に時間がかけにくいですが、年忌法要を行うときは、時期が決まっている為、余裕をもって早めに準備を始めるようにしましょう。
引き物やお布施の金額について分からないときは、悩まず周りの人に相談してみましょう。
【法事全般について】
・法事とは?日程とお布施と服装持物を徹底解説!
・法事・法要を完全解説!法事の種類・数え方・マナーを紹介いたします!
【初七日】
・初七日とは?意味・数え方・お供え・お経・知っておきたい常識とマナー
・初七日とは?初七日までしてはいけないことや期間を徹底解説!
【四十九日法要】
・四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール