墓じまいで失敗しないために。墓じまい費用の内訳から費用を抑える方法まで!

皆さんは墓じまいをご存知でしょうか。

今のお墓を撤去して更地にし、墓地の管理者に返還することで遺骨を新しい供養で弔うことを墓じまいといいます。

最近ではこの墓じまいを選択する人が増えてきており、注目が集まっていますが実際に墓じまいを行うにはどのくらいの費用がかかるのか疑問を抱いている方が多いと思います。

この記事では墓じまいの流れからそれぞれにかかる費用について詳しく解説していきます。

これから墓じまいをしたいという方は是非参考にしてみてください。

墓じまいとは

墓じまいとは、現在のお墓を撤去して更地にし、元の状態に戻して土地所有者に返還することを指します。

お墓の中に埋葬されている遺骨はこの時に取り出して、新しいお墓に納骨するか散骨や永代供養などを行います。

最近では、この墓じまいを行う人が増えてきています。

その理由として、一つ目は都市部に人口が集中しているという社会的背景によって、お墓参りに行くことが困難であるということが挙げられます。

お墓が地元にあり自分は都市部に出てしまって距離が遠く、ひんぱんにお墓参りに行けないことでお墓の管理が困難という点です。

二つ目は未婚率の増加によって、お墓を継いでくれる人がいないという点です。

もしお墓を管理する人がいない場合には、お墓は「無縁墓」と認定されます。

無縁墓とは、墓地の管理費用を数年間滞納し、承継者として連絡がない場合に法律上で認定されるものです。

もし認定された場合、墓石の解体が行われ遺骨は他者の無縁墓の遺骨とともに埋葬されます。

この時の費用は管理事務所もしくは管理している自治体が支払うことが一般的です。

また、この時滞納していた費用については支払い義務の発生から5年または10年経過しない限り、時効とはなりません。

ですので、無縁墓と認定されてお墓が撤去され遺骨が埋葬された後でも、費用を支払った人から請求が来ることがあります。

この無縁墓も最近では増えてきており社会問題となっています。そのため、お墓は放って置かずきちんと墓じまいなどの選択をすることが重要です。 

墓じまいの流れ

それでは実際の墓じまいの流れについて見ていきましょう。

・関係者の同意

最初に行うことは、墓じまいをするということを親戚に伝え、許可を得ることです。

墓じまいは年々増えてきていますが、未だ世間からの認知度が高いわけではありません。

家族が代々守ってきたお墓の場合など、勝手に墓じまいをしてしまうと後々に親戚間のトラブルにつながってしまう可能性があります。

そのため、事前にしっかりと理解を得ておきましょう。

・現在のお墓へ連絡

周囲の理解を得ることができたら、墓じまいをしたいということを今のお墓の管理者に連絡しましょう。

連絡先は管理事務所あるいは自治体、寺院などそのお墓によって異なります。

ここで注意しておきたいこととして、寺院に連絡する際には、まずは相談という形で行いましょう。

寺院墓地で墓じまいをする場合には、入檀している場合にはその寺院から離檀することになります。

離檀をすると寺院側にとって収入が減ってしまうため、離檀を拒否あるいは多額の離檀料を請求されるというトラブルがあります。

そういったことを避けるために、今までの感謝を伝えつつ、墓じまいの相談をすると良いでしょう。

・次の納骨方法決定・解体の依頼

続いて、取り出した遺骨をどうするのかについて決める必要があります。

新しいお墓を建てるのか、永代供養にするのかなど、予算や墓じまいをする目的によって優先する内容が異なるため、それによって決めると良いでしょう。

遺骨をどうするかが決まったら、今のお墓の墓石を撤去してもらう業者を選定します。

寺院や霊園によっては指定の業者が決まっている可能性があるため、その場合は指示に従いますがそれ以外の場合は自分で業者を選定しなければいけません。

普段はあまり関わりのない業者のため、戸惑う部分が多いと思いますが、複数の業者から見積もりをもらうことが重要です。

そうすることによって、かかる費用を抑えることにつながります。 

・行政手続き

業者が決まったら、自治体に提出する書類を揃えます。墓じまいは勝手に行ってはいけません。自治体からの許可が必要です。

墓じまいをする上で必要な書類は「改葬許可申請書」・「埋葬許可証」・「受入証明書」の3種類です。

改葬許可申請書は自治体のホームページか、担当窓口で直接もらうことができます。この書類は書式が自治体によって異なります。

通常の記入項目は下記の通りです。 

・墓じまいの申請者の氏名、住所、印鑑

・墓地権利者の氏名と住所、印鑑

・故人の氏名と本籍、死亡年月日

・今のお墓の墓地管理者の氏名と住所、印鑑

・新しいお墓の墓地管理者の氏名と住所、印鑑

埋葬許可証は、今のお墓の管理事務所に発行してもらいます。

遺骨がお墓に埋葬されているという証明をするための書類になります。

最後に受入証明書です。

こちらは新しいお墓の墓地管理者あるいは管理事務所から発行してもらいます。

これらの書類が揃ったら、改めて自治体に提出し、「改葬許可証」を受け取ります。

ここで注意しておきたいこととして、申請者と今のお墓の名義人が異なる場合には、別途で「改葬承諾書」を発行する必要があります。

改葬承諾書は今のお墓の管理事務所で発行してもらえます。 

・撤去、法要

改葬許可証を受け取ることができたら、今のお墓の撤去および土地の返還、お坊さんによる法要の準備を行います。

法要については、多くの場合撤去工事の一週間前に済ませておくとスムーズに進めることができます。

ここで行う法要は、「魂抜き」などと呼ばれる閉眼法要のことで、お坊さんによる読経によって墓石から魂を抜くという目的で行われます。

この時法要をお願いするお坊さんは、インターネットによるお坊さんの派遣サービスや、懇意にしている寺院でお願いすると良いでしょう。

ただし、寺院が忙しいお彼岸やお盆などの時期は避けると良いでしょう。

・墓石の撤去

法要が済んだら墓石の撤去に移ります。撤去をしてもらう業者は、霊園や墓地によってあらかじめ決められていることがあります。

それ以外は自分で業者を手配する必要があります。

この撤去工事では人力あるいは重機などを使用しますが、敷地が狭い場合には人力で行うため費用が高くなる傾向にあります。

撤去が完了したら埋葬されている遺骨を取り出します。この遺骨がもし土葬されていたものの場合、火葬をしなければならないことがあります。

この際には別途手続きが発生しますので、今のお墓の管理者に問い合わせてみましょう。

無事遺骨を新しい納骨先へ納骨ができたら、墓じまいは完了となります。 

墓じまいの費用

では墓じまいを行うにあたっていくらくらいかかるのでしょうか。墓じまいの費用で大きな割合を占めるのは、新しい納骨先にかかる初期費用です。

そのほかにも、墓地の原状回復、新しい納骨先、お坊さんへのお布施など、それぞれの費用について詳しくみていきましょう。

これまでの墓地の原状回復費用

まずはこれまでの墓地の原状回復費用です。墓石を撤去処分し、自分の区画を原状回復しなければいけません。

この時、敷地が広ければ墓石の解体に重機を使用できますが、狭ければ全て人力で行う必要があるため費用が高額になる可能性があります。 

新たな納骨先にかかる費用

新たな納骨先にかかる費用は納骨先の形態によって異なり、合祀や永代供養であれば費用は抑えることができます。

永代供養墓は三十万円前後、納骨堂は五十万円以上、手元供養は十万円前後です。

お布施・寺院への費用

墓じまいでは、閉眼供養などで行う法要に対してお坊さんにお布施を支払います。

その際、お布施とは別途で御車代もお渡しします。また、自分の家が檀家になっている場合には、離檀するために離檀料を支払います。 

墓地の原状回復費用について

では墓地の原状回復費用についてさらに詳しく見ていきましょう。

墓石の解体費用は平均十五万円ほどで、一平方メートルあたり十万円程度だと言われています。

そのほか、墓地のアクセスや墓石の材料、季節などによって価格は変わります。

そのほかに埋葬されている遺骨を取り出すための費用や、敷地を更地まで戻すための費用などで、合計三十万円前後で墓地の原状回復は行えます。

新たな納骨先にかかる費用について

続いて、新たな納骨先にかかる費用についてさらに詳しく見ていきましょう。

納骨先の供養については、永代供養や樹木葬、散骨に改葬などがあります。それぞれの供養によって費用が大きく異なるため、一つずつ解説していきます。

改葬

改葬とは、すでに今あるお墓を引っ越す方法で、墓じまいとは意味が異なります。

改葬も墓じまい同様最近選択する人が増えてきており、注目が集まっています。改葬の流れは基本的に墓じまいと似ている部分が多いです。 

新しいお墓を購入するのか、今ある墓石をそのまま新しい場所へ運搬するのかでも費用が変わりますが、平均的に二百万円前後だと言われています。

永代供養

通常、墓じまいを行なった後の供養方法としては永代供養を選択する人が多いです。

永代供養を選ぶ理由として、年間の管理コストがかからず、かつ法要などのお墓の管理を全てお任せすることができるという点です。

永代供養は一般的に年間の管理費用は発生せず、最初に契約する際の初期費用だけで他の費用はかからないことが多いです。

また、永代供養の種類には複数あるため、一部を紹介します。 

・納骨堂

納骨堂にはロッカータイプ、仏壇タイプ、位牌タイプなどがあり、屋内に遺骨を納める方法です。

ロッカータイプは、ロッカーの一つ一つが個人のスペースとなっており、その中に骨壷を納めます。

簡素なものからお花や写真を飾れるようなものがあります。仏壇タイプは上下に分かれており、上部には仏壇、下部には遺骨を納めるスペースがあります。

仏壇の種類もシンプルなものから豪華なものまで選ぶことが可能です。

また、納骨堂の特徴として、スペースを取らないため都心やアクセスの良い立地にあることが多いです。

通常、仏壇タイプの方が金額は高く費用の相場は50万円から100万円と言われています。

・期限付き墓地

期限付き墓地とは、契約時に使用する期間を定め、その期間中だけ使用できる墓地のことです。

期限が過ぎたら合祀されるため、無縁墓になる心配もありません。金額は使用する期間に応じて高くなり、使用料の相場は5年で20万円程です。

これ以外に墓地によっては保証金や管理費用などがかかることもあります。

・合祀墓

合祀墓とは、遺骨を初めから他人の遺骨と合わせて埋葬する方法で、墓標は永代供養塔になります。

相場は数万円から数十万円程で、この他に納骨料や戒名を彫刻するための彫刻料がかかります。 

樹木葬・散骨

樹木葬とは、墓石の代わりに桜や紅葉を使用するお墓のことで、個別型と合祀型はあります。

個別型では一人一人あるいは一区画に対して墓標が立ちます。どこに誰が埋葬されているのか石盤などのプレートによって識別することができます。

合祀型は一本の墓標の周囲に複数人の遺骨を埋葬するため、明確に誰がどこに眠っているかまでは判別できません。

合祀型の相場は三十万円前後で、個別型の相場は七十万円前後です。

散骨とは、遺骨を粉末状にして海や山、宇宙へまく供養の方法です。

散骨の代表的なものは海洋散骨で、船をチャーターして沖合まで出て水に溶ける袋に入れた遺灰を海へまく方法です。

海洋散骨は、遺灰を業者に送り代行してもらう方法と、自分で行う方法が選べます。相場は十万円前後です。海洋散骨以外ではバルーン葬、宇宙葬などがあります。

手元供養

手元供養とは、お墓などではなく自宅で故人の遺骨や遺灰を供養する方法です。

そのため、手元供養は別名自宅供養とも呼ばれることがあります。手元供養には、遺灰を全て保管する「全骨安置」と一部の遺骨を保管する「分骨安置」があります。

手元供養で注意しておきたいこととして、自宅で遺灰を供養する際に、庭などにお墓を作ってはいけないという点です。 

実はお墓は許可を得ている場所以外では作ることが禁止されており、「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」というような法律があります。

そのため、自宅の中で空いている場所に仏壇などで供養するあるいはアクセサリーなどに加工して供養する方法があります。

また、分骨安置をする場合、分骨は火葬時あるいはすでに埋葬されている遺骨を分骨することになりますが、この場合火葬場または今のお墓の管理事務所から「分骨証明書」を発行してもらう必要があります。

手元供養を行う際の注意点として、同じ家に住む家族には事前に許可をもらっておきましょう。

家に遺骨があるということに対して違和感や嫌悪感を抱く場合があるからです。手元供養の相場は五万円から十万円程度です。

お布施・寺院への費用について

最後にお坊さんに支払うお布施と寺院へ支払う費用についてです。墓じまいでは法要を行うため、お坊さんに読経してもらう必要があります。

そういった費用や檀家の場合にかかる離檀料などについて解説していきます。 

閉眼供養

墓じまいをする場合、墓石の撤去前に墓石から魂を抜いて遺骨を取り出すための法要を行います。

この法要のことを閉眼法要あるいは閉眼供養を言います。閉眼供養では、お坊さんにお墓まで来てもらい、読経をしてもらいます。

この時に支払うお布施の相場は三万円〜五万円程度です。また、お布施とは別に来ていただいたということに対して御車代を五千円ほど支払うことが一般的です。

インターネットで僧侶の派遣サービスなどを利用する場合には、金額に全て含まれていることがあるのでその場合はお布施を支払う必要はありません。

開眼供養

開眼(かいげん)供養とは、新しくお墓を建てるときや遺骨を新しく移動させた場合に行う法要のことです。

主な内容としては、閉眼供養とあまり違いはありません。また、開眼供養のお布施の相場は三万円〜五万円程度です。

また、お布施とは別に来ていただいたということに対して御車代を五千円ほど支払うことが一般的です。

離檀料

自分の家が檀家となっている場合、墓じまいをする上で離檀することになるのが一般的です。

檀家とは、寺院に入檀料と年間の管理費用を支払うことで、寺院にお墓を建てて法要などを行ってもらえます。

墓じまいではそのお墓を撤去してしまうため、離檀することになります。

離檀する際には今までの感謝を伝えるために、離檀料を支払いますがこの相場は数万円から数十万円程度です。 

最近ではこの離檀料を巡ってトラブルが起きており、寺院側としては離檀されると収入が減少してしまうため、多額の離檀料を請求するといったことがあります。

しかし、この離檀料については特に法的な拘束力はないため、必ず提示された金額を支払う必要はありません。

また、トラブルになりそうだと思ったら弁護士などに相談してみましょう。

最近では代わりに離檀の手続きを行ってくれる代行サービスもあるので、トラブルをできるだけ避けたい方は検討してみても良いかもしれません。

墓じまいの費用を抑える方法

では、墓じまいの費用をできる限り抑えるためにはどうすれば良いのでしょうか。

主に墓じまいでかかる費用のうち、削減できる可能性がある部分について詳しく見ていきましょう。

業者の選定

墓じまいの費用を抑える方法として、一つ目は業者の選定が挙げられます。

墓石の撤去を行う際の業者についてですが、選定する際に複数の業者から見積もりをもらうことで他の業者に値下げの交渉をすることが可能です。

しかし、墓地によってはあらかじめ業者が決められていることがあるので、その場合は注意が必要です。

供養の方法

もう一つは、墓じまい後の新しい供養の方法についです。この供養の方法で金額が一番変わります。

供養の方法で費用を抑えられるのは、散骨、手元供養、永代供養です。散骨は十万円前後で手元供養は数万円から、永代供養は三十万円前後で行えます。

もし墓じまいの費用を抑えたい場合には、この中から選ぶと良いでしょう。

墓じまいの費用が高くなるケース

では、墓じまいの費用が高くなるケースにはどのようなものが考えられるでしょうか。

一つは今あるお墓の立地が悪い場合です。今のお墓がある墓地が重機などを持ち込めない険しい山奥の場合には、全て人力で行わなければならなくなるため費用が高額になるケースが多いです。

そのほかに、お墓の区画の中に石塔が複数あるとそれらも全て撤去しなければならないためその分の費用がかかります。 

また、レアなケースですが埋葬されている遺骨を取り出したら、土葬されていたあるいは一度火葬されているが火力不足などで完全に骨になっていないことがあります。

その場合はもう一度火葬をしなければいけなくなるため、自治体などに火葬申請を行い火葬しなければならなくなります。

墓じまいの費用についてのまとめ

今まで墓じまいの特徴や流れ、それぞれの費用について解説してきましたがいかがだったでしょうか。ここではこれまで紹介してきた内容を簡単にまとめていきます。

・墓じまいとは、今のお墓を撤去して原状回復し、墓地管理者に返還することである。 

・墓じまいにかかる費用には、今の墓地の原状回復費用、新たな納骨先の費用、お布施や寺院に支払う費用がある。

・今の墓地の原状回復費用は三十万円前後、新たな納骨先の費用は供養の方法によって異なるが数万円から数十万円、お布施は数万円、離檀料は数万円から数十万円前後である。 

・墓じまいの費用を安く抑えるためには、業者の選定と供養の方法について注意が必要である。

・墓じまいの費用が高くなるケースとして、今のお墓の立地が悪く撤去の際に重機を持ち込むことが難しい場合、あるいはお墓に石塔が複数建っている場合がある。

墓じまいは、お墓の管理が難しい場合やお墓を継いでくれる人がいない場合などに行われます。

墓じまいを行わないで放っておくと、そのお墓は無縁墓となってしまうため、何かしらの対処が必要となってきます。

そのため、墓じまいを行うという選択肢を持ってはいかがでしょうか。

  • 超高齢化多死社会を迎える中、今の時代に必要なのは、ご遺族の状況に応じたプランをご提案することです。
    厚生労働省認定1級葬祭ディレクターとして、これまでの画一的な「一般的な葬儀」を一から見直し、必要な人に、必要なお葬式を自由に選んでもらうためのプランを作成しました。
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