葬式を行う際の会社との関わり方は?葬式の連絡から忌引き、会社で葬儀をあげる社葬まで徹底解説!
皆さんは、突然の訃報が届いたとき、どのように対応されていますか。なかには会社を休んでお葬式に参列する必要がある場合もあるでしょう。とはいえ、会社は組織なので、勝手に休んでいくわけにはいきません。
今回は、お葬式に参列する際に、どのように会社に連絡をすればよいのかということから、会社としてお葬式を行う場合もあるということまで、会社とお葬式に関係する様々なことを幅広くご紹介してまいります。
葬儀の連絡を会社にする際のポイント
普段会社で働いているあなたのもとに突然の訃報の連絡が届きました。明後日にお通夜があるようですが、やはり普通に勤務日となっています。生前大変お世話になった身内であるためなんとか葬儀に出席したいです。そんな場合、皆さんはどのように行動しますか。
この記事では、まずそうした場合に、会社にどのように連絡をすればよいのかを詳しく解説してまいります。しっかりとしたマナーを守りながら、正しく伝えられるようにしましょう。
訃報については下記記事もご参考ください。
・訃報の連絡はどう送る?伝えるべき内容から範囲、例文まで徹底解説!
・突然の訃報にどうする?弔問できない際のお悔やみの手紙の書き方や注意点を徹底解説!
会社へ連絡するケース
まずは、どのような場合に会社に連絡をするべきなのかについて詳しくご説明してまいります。基本的に、会社へ連絡するべきパターンは2種類あります。
会社へ一報を入れる
まず1つ目は、葬儀に参列するために、会社を休む必要がある場合です。無断で休んでしまえば、居るはずの人がいないわけですから大変困った状況になります。ただ、会社として仕事が回らずに困るといっただけでなく、きっと大変な心配をかけることになってしまいます。ですので、会社を休む際には必ず一報を入れるようにしましょう。
お金が支給される場合は申請を行う
続いて2つ目は、共済会など会社の互助会や会社そのものの福利厚生の一種でお金などが支給される場合です。こうした場合は、しっかりと申請をしないとお金をもらうことはできません。特に互助会などは、普段積み立てているお金になるので、もらわなければ損になってしまいます。
このように、いくらプライベートのことであっても、しっかりと伝えなければならない場合は存在します。また、逆を言えば、これ以外のパターンであれば、無理に会社に伝える必要はありません。
連絡する相手
続いては、連絡をするべき相手についてご説明してまいります。こうした連絡は基本的に、自分が直接お世話になっている上司に連絡するようにしましょう。これは、自分が仕事を休むとなった際に、現状の仕事を一時的であったとしても誰かに引き継ぐ必要があります。こうした仕事に関することを深く理解しているのは上司であるからという理由があります。
必要に応じて人事部へ申請を行う
一方で、社員が休みを取るなどの労務管理を人事といった人たちが一括で管理している場合があります。そうした場合には、その会社の労務管理フローに従って申請をするようにしましょう。
また、仕事のことをわかっているという面で言えば、プロジェクトのリーダーなどに連絡することも十分に考えられます。また、間違っていたとしても、そうした人々に一度相談すれば、正しくは誰に連絡をすればよいのかといったことを教えてくれるはずです。まずは身近な上司に相談して見ると良いでしょう。
連絡する内容
続いて、連絡をする内容について詳しく解説してまいります。連絡をする内容に関してはとてもシンプルになります。それは、いったいいつ休むのかといったことと、なぜ休むのかといった理由を伝えればよいです。
死因など余計な情報は伝えない
それ以外の余計なことは伝える必要はありません。下手に死因などを伝えても相手が困ってしまいますので、あくまでビジネス上の連絡であるということをしっかり意識しながら、必要なことを簡潔にまとめて知らせるようにしましょう。
会社への連絡手段
最後に会社へどのような手段で伝えればよいのかといったことについて詳しく解説してまいります。こうした連絡をする際には、あくまでビジネスの連絡ですので、電話で伝えることが望ましいと言えます。ビジネスメールと言う言葉があるように、メールでの連絡をしても良いですが、一点だけ注意点があります。それは、もしかしたら相手が見ていない可能性があるということです。
メールだけでなく電話でも確認を
ですので、もし連絡をする際には、情報が文字として残るメールと、受信したかどうかの確認の電話をするといった二段構えをすることが良いと言えます。少々面倒かもしれませんが、確実に相手に必要な情報を伝えるために、しっかりとできることはやったほうが良いでしょう。
葬儀のマナーについての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。『やさしいお葬式』では葬儀の見積もり、遺影写真、参列者のリストアップなど事前準備をおすすめしています。葬儀の作法や服装などについてもご相談できます。
会社へ連絡する際の例文
ここまでは、どんな場合に、誰にどんな内容の連絡をすればよいのかを詳しく説明してまいりました。ただ、それではなかなかどんな連絡をすればよいのかイメージがつかない方もいらっしゃるかもしれません。ここからは具体的な例をご紹介してまいります。場合によって内容は異なってくると思いますが、一つの例として皆さんの参考になればと思います。
会社への連絡方法については下記記事もご参考ください。
・会社にはどう連絡する?家族葬の際の会社への連絡方法やマナーを徹底解説!
電話で連絡する場合
まずは電話で連絡する際の例をご紹介してまいります。電話で連絡する際には、なるべく要点を絞り、短く簡潔に、わかりやすく伝えるように心がけるようにしましょう。
〜例〜
お世話になっております。〇〇課(自身の所属)の〇〇(自身の名前)です。
この度、病院にて療養中だった〇〇(故人の続柄)が、本日〇〇時に逝去したとの連絡がありました。通夜及び告別式への出席のため、○月○日より○日間お休みをいただきたくご相談のご連絡を致しました。
新規プロジェクトも始まり、大変忙しいところ大変恐れ入りますが、ご検討いただければと思います。よろしくお願い致します。
メールで連絡する場合
続いてメールで連絡する際の例をご紹介してまいります。メールで連絡する際には、適宜改行するなど、見やすいように工夫するよう心がけると良いでしょう。
〜例〜
〇〇部〇〇課 〇〇様(相手の所属や名前など)
平素より大変お世話になっております。
〇〇課(自身の所属)の〇〇(自身の名前)です。
表題の件、昨年○月頃から病院にて治療を受けていた〇〇(故人の続柄)が、
本日○時ごろに逝去したとの連絡を受けました。
そのため、私が喪主として葬儀を執り行うこととなりました。
つきましては、○月○日より○日間、お休みをいただきたく存じます。
新規プロジェクトも始まり、大変お忙しいタイミングで大変恐縮ですが、
ご検討いただければ幸いです。
なお、通夜・告別式の日程及び会場については、
決まりましたらご連絡させていただければと存じます。
どうぞよろしくお願い致します。
忌引きとは?
さて、ここまで、身内に不幸があった場合に、会社に対してどのような連絡をすればよいのかについて、例文も含めて詳しくご説明してまいりました。ここからは、弔事などで会社を休む際に適用されることの多い忌引について詳しくご説明していきます。
忌引きの本来の意味
まず、忌引の本来の意味ですが、これは、身内など近しい人が亡くなった際に、その人が喪に服すことを意味しています。この言葉は、学校や会社を休む際によく出てくる言葉であるために、多くの人が、弔事の際の休みのことであると誤解していますが、本来の意味ではありません。
こうしたお休みのことを正式には「忌引休暇」と呼びます。意味としては、喪に服している間の休暇といった意味になります。ここから先では、そんな忌引休暇について、その日数や申請する際の注意点について詳しく解説してまいります。
所属する組織によって制度は大きくかわりますが、会社の福利厚生として手厚く整備されているところも存在します。こうした制度を上手に活用していけると良いでしょう。
忌引きについては下記記事もご参考ください。
・忌引とは?忌引の意味から気になる休暇の申請方法とマナーまで徹底解説!
・忌引休暇とは?突然の訃報に、忌引休暇で対応するための方法や忌引休暇の一般的な期間を完全解説!
会社によって違う忌引き
先程も少しご説明したように、忌引きは会社によって少しずつ異なってきます。これは適用される血縁の近さや日数などについてです。
知り合いがこうだったから、自分がそうであるとは限らないのです。もしもの先にトラブルにならないように、事前に調べられるのであれば、しっかり調べて知っておくと良いでしょう。
平均的な忌引きの日数
続いて、忌引休暇の平均的な日数をご紹介してまいります。一般的に配偶者が亡くなった場合には10日間、実母や実父が亡くなった場合には7日間、子供が亡くなった際には5日間、自分の兄弟や祖父母、義母や義父が亡くなった際には3日間、それ以外の場合には1日間の休暇が与えられることが一般的なようです。
今回ご紹介したこれらはあくまで平均的なデータになります。これらの線引や具体的な日数などに関しては、会社によって規定が異なる場合があるため、しっかりと確認しておくようにしましょう。
忌引き申請の注意点
この制度を利用する際の注意点をいくつかご紹介致します。まず、就業規則をしっかりと確認するようにしましょう。
必要書類を確認する
このルールには、適用する際の条件や手続きの方法、必要書類などが細かく書いてあります。少しでも疑問に思う場合には、担当部署などにすぐに確認できると良いでしょう。
申請時期に注意
次に注意すべきなのは、その申請時期です。もし、休むことが決まればすぐに手続きを確認して申請を行うようにしましょう。急な申請になってしまうと、先方が迷惑なだけでなく、申請自体が認められない可能性があります。なるべく早く手続きを行えるようにしましょう。
仕事の引継ぎをしっかりとおこなう
最後に注意すべきことは、引き継ぎを丁寧にしっかりと行うということです。せっかく休暇をとって最後のお別れをしているのに、引き継ぎが雑だと、確認の連絡が何度も来るようになってしまいます。それでは現場も困ってしまいますし、自分自身も大変困ってしまいます。そうならないためにも、しっかりと漏れのないように引き継ぎを行うようにしましょう。
会社で葬儀をあげる「社葬(団体葬)」
続いて、忌引などとは違いますが、会社が葬儀に関連することとして「社葬」と呼ばれるものをご紹介してまいります。会社の偉い人などが亡くなった場合には、会社で葬儀を行う場合があります。ここからは、こうしたものについて詳しく解説してまいります。
社葬とは?
先程も簡単にご説明いたしましたが、社葬とは、会社が喪主や施主となって行う葬儀のことを指します。一般的に会社の会長など偉い立場にある人がなくなった際に、行われるものです。もちろんその費用なども会社が負担することになり、その規模も一般的なものに比べて非常に大きなものになる傾向があります。
社葬については下記記事もご参考ください。
・社葬とは?意味・流れ・マナー・費用を完全解説!
・社葬の目的は追悼だけではない!企業が行う目的や費用について解説
合同葬とは?
この社葬のもう一つ大きな概念として合同葬と呼ばれるものがあります。これは、会社が喪主として行う社葬と、遺族が喪主として行う葬儀を合わせて行うものになります。これは場合によりますが、ケースによっては、遺族側の葬儀と会社側の葬儀が同時に行われることもあるのです。同時に2つの葬儀を行うため合同葬と呼びます。
社葬の流れ
続いて、この方法での流れについて詳しくご説明いたします。これは、喪主が法人であるというだけで、中身は一般的なものと変わりはありません。一般的なお葬式と同じようにお通夜と告別式を行い、火葬を行います。
葬祭委員長とは?
ただし、いくつか普通のものとの違いがあります。まずは「葬祭委員長」とよばれる役割を持つ人が出てきます。この人は、そのお葬式に関する最終的な責任を持つ人で、最も重要な人物であると言えます。ですので、挨拶などもこの人が行うようになります。
加えて、社葬の場合、多くの取引先の役員などが参列することが考えられるため、挨拶や弔電披露などが非常に長くなる傾向にあるようです。この点は、この性質上仕方ないのかもしれません。
社葬の事前準備
つづいて必要な事前準備についてご説明してまいります。企業としてお金を出して行うために、様々な社内決済が必要になります。場合によっては新しくルールを作ったり、取締役会を開いたりするなどの準備が必要になるでしょう。
この点は、法人が喪主として行うものの特徴であると言えるでしょう。個人での葬儀でも、しっかりと打ち合わせをして入念に準備をするかもしれませんが、今回の場合は、それ以上に入念な打ち合わせや準備が行われるようになります。
社葬の費用相場
最後に社葬の費用相場について詳しく解説して参ります。お葬式に関するコストは、どれくらいの人を呼ぶのかによって、大きく変動します。これは、人が増えれば、会場を大きくしなければならなく、会場利用料だけでなく、運営コストや備品の量、そして食事の量が大きく増えるためです。
社葬は、会社の内部の人だけでなく、取引先など非常に多くの人が改装することになるため、一般的なお葬式を行うよりも莫大なお金がかかることは用意に想像できます。ちなみに、一般的な個人の葬儀の場合はおおよそ120万円ほどの費用がかかることが一般的と言われています。
さて、肝心の社葬の場合は1千万円から3千万円程かかることが多いです。そのまま桁違いであることがわかりますね。
葬儀費用については下記記事もご参考ください。
・今更聞けない葬儀・告別式のマナーと費用を地域別に徹底解説!
・葬式の金額は?一般的な葬儀費用の平均から、葬儀費用の内訳、費用を抑える工夫まで徹底解説!
・葬儀費用はどうやって決めれば良い⁉︎葬儀に掛ける費用について
葬式と会社についてのまとめ
「葬式と会社」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【葬儀の連絡を会社にする際のポイント】
●必ず会社に連絡を行う
●上司か申請書類がある場合は、人事にも連絡を行う
●伝える際には、死因など余計な情報は言わない
●メールだけでなく電話でも確認をおこなう
【忌引きを申請するときの注意点】
●会社によって違う忌引きのルールが違う
●平均的な忌引きの日数は下記
配偶者:10日間
実母や実父:7日間
子供:5日間
(自分の)兄弟や祖父母、義母や義父:3日間
それ以外の場合:1日間
●必要書類を確認する
●申請時期に注意
●仕事の引継ぎをしっかりとおこなう
【社葬とは?】
●社葬とは、会社が喪主や施主となって行う葬儀のことを指す
●社葬の流れは一般的な葬儀と同じ
●社葬の費用相場は1千万円から3千万円
さて、今回の記事では、お葬式と会社の関係について、連絡の仕方やお休みのとり方といった一般的な内容から、会社で葬儀を行う場合などについて詳しく、幅広くお伝えしてまいりました。
訃報は突然訪れるもので、急に休むなどということはある程度仕方のないことではありますが、せめてその連絡などは素早く丁寧に行うことが出来ると良いでしょう。また、復帰後に、留守中仕事を代わりに支えてくれた同僚などに感謝の言葉をしっかりと伝えることを忘れないようにしましょう。
また、お休みに関するルールは、その企業によって異なる場合がほとんどです。余裕があれば事前にしっかりと確認をして置けると良いでしょう。また、知人などがそうであるからと言って、自分もそうであるとは限りません。会社であれば部署によって、学校であれば学科などによってルールが異なる場合があるためこうした点には十分に注意が必要でしょう。
そして今回は、会社は喪主として葬儀を行う社葬についても詳しく解説してまいりました。普段の生活にはあまり馴染みがなく関係なく思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分も一員としてその準備に携わることも十分に考えられます。そうした際に混乱しないように、事前にある程度の知識を入れていても良いかもしれません。
企業である以上、様々な決まりが存在しています。そうしたものをしっかりと守りながら故人とのお別れの時間をしっかりと取れるように確認をしっかりとするようにしましょう。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール