葬儀相談はどのようにすれば良い⁉︎葬儀相談を行う前に考えなければならないこととは?
葬儀の相談を行うにあたり、事前にどのようなことを考えておけば良いのでしょうか?
いきなり葬儀社に問い合わせても、聴き慣れない言葉や戸惑いも多く、話がうまく進んでいかない場合も多いです。
葬儀の相談を行う前に、事前にまとめておいた方が良い事柄をお伝えさせて頂きます。
葬儀の事前準備について
葬儀社へ相談を行う前に、まず必要なことは「ご心配な方やご家族」がどのようなお葬式を望んでいるかをまとめておくことです。
お葬式であっても、ご本人やご家族の希望があり、その希望通りに行うのにはどうすれば良いかを考えておかなければなりません。
突然ご不幸はやってきます。たとえ余命宣告をされていても「明日亡くなるとは誰も考えていないのです」
お亡くなりになったあと、ご遺族はお葬式の手配や各関係者への連絡を行うことになるため、気が休まる時間がありません。
だからこそ、事前にお葬式のことを考えておくことが大事なのです。
「質素でお葬式を済ませて欲しい」という言葉の落とし穴
お亡くなりになった故人が質素で済ませて欲しいと仰ることは「よくあることです」
私の経験上、「とても派手でお金をたくさん使ってお葬式を出して欲しい」と仰られてお亡くなりになった方は数える程度しかいらっしゃいません。
一方、一般的には富裕層と言われる方でも、「質素でお葬式を済ませて欲しい」という言葉の残され亡くなる方は経験上本当に多くいらっしゃいます。
しかし、この「質素」という言葉があいまいで、実際どの程度がその故人やご家族にとって「質素」にあたるのかは、個々の価値観で異なります。
具体的ではないこの「質素」という言葉が、家族を悩ませてしまうこともよくあるため、「費用」「呼ばれる方の人数」「会場や葬儀社の選定」などの具体的に「場所や数字」で示しておくことが大事となります。
葬儀費用について
葬儀対応の平均をお尋ねされる方は本当に多くいらっしゃいます。
2017年の日本消費者協会のアンケートでは葬儀費用は平均「195万円」というデータがございます。
この金額には葬儀社に支払う葬儀一式、飲食・返礼品、宗教者への御礼、火葬費用などが含まれております。
また全体的には西日本に比べ、東日本の方が葬儀費用は高いと言われております。
しかし、お葬式は平均の金額で行うものではなく、また地域性により多少金額に変化があるため、平均はあくまで指標にしかなりません。
家族の方にも準備ができる予算があります。
わからないから簡単にお葬式を済まそうという考えはよくありませんが、準備だできる葬儀費用を考え備えておくことは大事です。
呼ばれる方の人数(参列者)
近年、参列者の数が家族葬の増加により減少をしています。
20数年前は親戚を含め200名近くの参列が多かった現状から、現在では親戚を含めても50名も参列しないという現状があります。
確かに家族葬は多くなってはおりますが、喪主を行う方は親戚や縁のあった方にはしっかりとご不幸があったことを伝えることは大事です。
家族葬が増える一方で、亡くなったことを知らされずに、お葬式に参列ができなかったという方が増えており、これらは新たな課題となっております。
中には喪主に苦言をされる親戚や参列者もいらっしゃいます。
誰もがお世話になった方とのお別れはしたいはずですので、声を掛けるべき人には必ず伝えるべきであると思います。
会場・葬儀会社の選定
故人や自身の近所にある葬儀会館、家族に合っている提案を行う葬儀会社を予め設定しておく必要があります。
葬儀会社は皆同じでなく、それぞれ特徴がございます。
基本的にはどのような規模のお葬式でも、葬儀社はお葬式の対応を行いますが、
低価格から中価格のお葬式をメインに行う会社、家族葬専門の会社、高所得者をメインとした葬儀社、社葬などの大型のお葬式が得意な会社、など、それぞれ葬儀社は特徴があります。
葬儀会社の会員に事前登録を行っていることも葬儀会社を選ぶ一つの理由となります。
しかし会員になっていても、現状その家族には「合っていない」葬儀会社の場合もございます。
いずれにせよ、現状の確認を行うためには事前に調べておくしか方法はありません。
葬儀費用の目安
現状葬儀費用にはどのくらい準備される方が多いのでしょうか。
一般葬の場合
家族だけでなく、親戚・近隣の方・お世話になった方・喪主や家族の付き合いなど、ご遺族に関わる方が参列を行いたいという気持ちがあれば、どなたでも参列を行うのが一般葬です。
現在一般葬でお葬式を行う方は100万円から150万円前後くらいの費用を準備される方が多いです。
飲食・返礼品の費用などは参列者数が多いほど必要となります。
家族葬の場合
基本的には家族・親戚・故人と縁のあった方で送る形が家族葬と言われております。
家族葬でお葬式を行う方は70万円から100万縁円前後ほど、葬儀費用として準備をされる方が多いと感じます。
飲食・返礼品の費用は一般葬ほど多くはありませんが、準備を予め行う方がほとんどです。
1日葬の場合
近年、お通夜を簡略化して葬儀のみを行う「1日葬」というお葬式も見かけるようになりました。
近年のお葬式は通夜での参列者が多いため、1日葬の場合は参列者の数が予め少ないことが予想されます。
お葬式を行うことには変わりがないため、単純に家族葬の半分ではなく、50万円から80万円程度を葬儀費用として準備をされる方が多くいらっしゃいます。
火葬式の場合
火葬「式」という名前がついておりますが、一般的には「火葬を行う手続き」のことで、「式」は行いません。
ご遺族数人が立ち合い、宗教者の方がいらっしゃる場合もあります。
20万円から30万円程度を火葬を行うための費用として準備をされる方が多く、日本全国の葬儀社を比べてもおおよそこの費用に落ち着きます。
お別れ葬(直葬)の場合
亡くなった方を直接火葬場へお連れすることから生まれたと一説では言われております。
身寄りがない方など、遺族がどなたも立ち会われない場合に行う対応となり、約15万円〜20万円前後の費用が必要となります。
お別れ葬は火葬式はお葬式を行うにあたり、費用を最も抑えて行うことができます。
まとめ
比べることがないと言われ続けた「葬儀」に対する内容・費用ですが、大切な故人を送るために事前に調べておき、お葬式の種類、葬儀会社をしっかり検討し選択を行うことが大事です。
多くの価値観がある世の中だからこそ、意見を合わせておくことで、のちの後悔を防ぐこともできると私たちは考えております。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール