家族葬に招かれた時に香典は持参するべきか、辞退されたらどうするかなど迷われる方も多いのではないでしょうか?本記事では家族葬にで香典辞退する場合や、受け取ったときの香典返し、家族葬に参列しない際のマナーについてなど幅広く解説していきます。
家族構成や葬儀のあり方に対する意識の変化にともない、葬儀形式も多様化しています。中でも近年、家族や親族、故人と親しかった人だけでゆっくり故人を送りたいと増えているのが家族葬です。しかし、いざ家族葬に招かれたらどうしたらよいのかわからないという人が大多数ではないでしょうか。
この記事では、家族葬に招かれた時に香典は持参するべきか、辞退されたらどうするかなど、香典に関する対処法や知っておきたい知識について解説します。
INDEX
- 04
- 香典以外の弔意の伝え方
家族葬とは?
近年、増加傾向にある家族葬。家族葬を専門としている葬儀業者もあるほどです。しかし「家族葬なら家族しか参列できないの?」「香典を渡したい時はどうすればいいの?」など、家族葬の詳しい内容をご存じではない方も多いのではないでしょうか。まずは、家族葬の特徴や、一般葬との違いについて見ていきましょう。
家族葬とはなにか?
家族葬とは、家族や親族などの身内や、故人とごく親しかった友人などの内輪だけで行う葬儀のことを言います。大がかりな葬儀は望まないという故人の遺志や遺族の意向、故人とお別れの時間をゆっくり過ごせるなどの理由で、近年増えてきている葬儀形式です。
家族葬での参列者は20人前後
親族の数や故人の付き合いの広さにもよりますが、参列する人数は20人前後が平均的です。参列者が少なく小規模な分、比較的自由度が高く、故人のこだわりや独自のプランも取り入れやすいのが特徴です。また、一般葬に比べて葬儀にかかる費用を抑えられるというメリットもあります。
家族葬でも香典は持参する
「葬儀は家族葬で行います」と連絡を受けた場合、困るのが香典をどうしたらよいかということです。一般葬と同じように持っていくのか、金額はどのくらいが相場なのかなど、分からない人が多いのではないでしょうか。
念のため香典の用意はしておく
家族葬では、遺族は基本的に香典を受け取らないことがほとんどです。また、訃報とともに香典を辞退する旨を知らされたら、持っていかないのがマナーとされています。しかし、香典に関する連絡があってもなくても、家族葬に招かれたら念のために持参するとよいでしょう。「家族葬なら香典は受け取ってもらえないだろう」という思い込みで用意せずにいると、現地で困る可能性があるからです。
香典を現地で調達するのは難しい
例えば、葬儀場に行ったら他の参列者が香典を出していた、受付が設営されていたということもあり得ます。持参して受け取ってもらえなければ、持ち帰るだけで済みますが、葬儀場に着いてから香典を用意するのはなかなか難しいでしょう。現地で慌てないように、持参することをおすすめします。
家族葬と一般葬の香典の違い
香典を包むのは弔意を表すとともに、葬儀やその後の法要にかかる費用など、遺族の金銭的な負担を軽減するためです。一般葬でも家族葬でも、その点は同じです。葬儀の形式に関わらず、香典は用意しておくべきでしょう。
しかし、繰り返しになりますが、家族葬では香典を受け取らない遺族も少なくありません。訃報や受付で香典を辞退する旨を告げられたら、無理強いはせず遺族の意志を尊重しましょう。
家族葬をはじめ、各葬儀プランは『やさしいお葬式』から24時間365日無料でご相談を承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。『やさしいお葬式』では葬儀の見積もり、遺影写真、参列者のリストアップなど事前準備をおすすめしています。葬儀の作法や服装などについてもご相談できます。
家族葬の香典の相場
故人との関係性によって金額は変わりますが、家族葬の場合の香典の額は、参列してもしなくても、一般葬と同じと考えましょう。ここでは一般の参列者と親族、それぞれの香典の相場を紹介します。
一般の参列者の場合
故人の友人や職場関係の葬儀であれば、5,000~1万円が平均的です。
連名で香典を出す場合
友人同士や職場の同じ部署などの数人で連名にしてもよいでしょう。その場合は、切りのよい金額になるようにして、香典袋には全員の名前を書きます。中袋のある香典袋を使う時や、人数が多い場合は、別紙に書いて同封しましょう。
また、近所の人なら5,000円までが相場です。町内会で出し合う場合は町内会の会長が取りまとめて、表書きを「〇〇町町内会一同」とします。誰が出したかは別に記録しておくとよいでしょう。
>>香典を連名で出す場合は?香典を連名で出す際の書き方やマナー、注意点を徹底解説!
親族の場合
親族の葬儀に包む香典は、故人との関係によって異なります。金額の相場は以下のとおりです。
●祖父母(義祖父母を含む):1~5万円
●兄弟(義兄弟を含む):3~5万円
●親戚・姻戚:1~3万円
しかし、家族葬の場合、他の参列者から香典を受け取らないことが多いため、遺族の金銭的な負担が大きくなります。そのため、親族が包む香典の金額は相場より多めになる傾向があるようです。
付き合いの深さによって変化する
香典に相場はありますが、家族葬でも一般葬でも、故人との関係の深さによって包む金額は変動します。
付き合いが深ければ香典額も増える
例えば、友人の中でも親友と呼べるようなごく親しい人の葬儀なら、相場より多めに包みたくなるでしょう。また、親族と一口に言っても、日頃行き来のある人と、会ったこともないような遠縁の人では、香典の額も変わってくるはずです。こうした場合は、自分の気持ちに従って金額を増減させてもよいでしょう。
親族間で香典の取り決めがある場合も
また、親族の間では「自分の家の葬儀で香典をいくらもらったから、同じ額を包まなくてはならない」「親族の間で香典は一律いくらと決めている」など、慣習や釣り合いによって香典の額が決まることがあります。心配な時は過去の葬儀の香典帳を見返したり、他の親族に聞いたりして確認しておくとスムーズです。
食事の席があるかどうかによって変化する
精進落としとは?
精進落としは本来、四十九日の法要が終わった「忌明け」に取る食事をさします。もともと忌中(四十九日まで)は故人が浄土へ行けることを願うために、肉や魚など動物性のものは食べないとされていました。四十九日が明けると、精進期間も終わりとなり、遺族は通常の食事ができるようになります。精進落としは、久しぶりに食べる「ごちそう」だったのです。
>>四十九日法要とは?四十九日の意味から法要の流れ、準備すべきものや費用まで完全解説!
しかし、現代では生活スタイルの多様化から、遺族を始め親族や親しい人が一度に集まることが難しくなりつつあります。そこで、葬儀と初七日の法要を同じ日にすませ、その後に喪主がふるまう食事が「精進落とし」と呼ばれるようになりました。
精進落としがある場合は香典を上乗せする
家族葬だけでなく、精進落としにも招かれていたら、食事代として香典に5,000~1万円を上乗せします。葬儀同様、精進落としに席が用意されている場合は、基本的に断るべきではありません。しかし、葬儀の後に用事がある、遠方に住んでいて帰るのに時間がかかるなど、どうしても無理なら、参列を打診された時点で精進落としは遠慮する旨を伝えるようにしましょう。
>>精進落としとは?葬儀後に行われる食事の席の流れや内容から注意点やマナーまで徹底解説!
香典相場については下記記事もご参考ください。
・香典金額の相場を完全解説!地域別の金額・書き方・包み方・渡し方も紹介!
・葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!
・香典の相場を完全解説!故人との関係別・書き方・包み方・渡し方も紹介!
家族葬の香典の表書きの書き方
家族葬の香典の表書きは、一般葬と変わりません。ここでは基本的な表書きの書き方を解説します。
表書きや名前の書き方
香典の表書きは、故人の宗教によって異なります。
仏教
キリスト教
神道
表書きが印刷済みの香典袋や、表書きのスタンプも販売されているので、手書きに自信のない人は活用するとよいでしょう。
香典袋の名前の書き方
名前はフルネームで、楷書体(一画一画をはっきり書く)で記入します。合同で香典を包む場合も、全員の名前を書きましょう。4名以上になる時は、代表者の名前を書き「他〇名」と書き添えます。会社の部署単位などでまとめる場合は会社名と「(〇〇部、××課など部署名)一同」としましょう。
香典袋には薄墨を使う
さらに、香典袋には薄墨を使うのが基本です。「悲しみの涙で墨が薄くなってしまった」「突然のことなので、墨をすっている時間がなかった」などの謂れがあります。そのため、サインペンやボールペンは不適切とされています。弔事用の薄く書ける筆ペンは、文房具店やコンビニでも取り扱っているので、一本持っておくとよいでしょう。
ただし、表書きが濃墨で印刷された香典袋の場合は、薄墨だとバランスが悪くなるので、通常の濃墨(筆ペン)で濃さを揃えます。また、地方によっては香典袋でも薄墨を使わないこともあるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
水引の選び方
香典袋の水引は、白黒または双銀(関西地方では白黄もある)です。「葬儀のような不幸が二度とないように」という意味で結び切りのものを選びます。香典の額が5,000円以下なら、水引が印刷してある香典袋でも構いません。
お金の包み方や注意点
正式には奉書紙という最高級の和紙と、半紙または封筒で札を包み、香典袋とします。奉書紙は弔事を読む時にも使うので、覚えておくとよいでしょう。
奉書紙を使った包み方
1.斜めにした半紙(つるつるした面を表にする)に札を置き、下側を折り上げる
2.続いて、札の幅に合わせて左→右の順に折る
3.札を包んだ部分を折り上げ、残った上を折って差し込み、封筒状にする
4.奉書紙で包み、上下を重ねるように折り返す(香典は上が下にかぶさるようにする)
金額は漢数字で書く
中袋(中包み)のある香典袋なら表に、封筒型のものなら裏面に包んだ香典の額を漢数字で書きます。この時、旧字を使うとされているので、注意しましょう。
千→仟、万→萬、円→圓
裏面には住所と氏名を書き、のりづけはしない
裏面には自分の住所氏名も明記します。表書きにはサインペンやボールペンは不可ですが、香典の金額や住所氏名はわかりやすさ優先のため、使ってもよいとされています。また、中袋に限っては、香典の計算をする人の能率を考えて、のりづけや封はしません。
お札は新札は使用しない
さらに、香典袋の種類に関わらず、封を裏向きに開けた時に、札が表(肖像画のある方)になるように揃えて入れましょう。また、香典に新札は使いません。「亡くなることを予想して準備していた」と解釈されるためです。しかし、しわだらけや切れ目が入っているような傷みすぎた札も避けた方がよいでしょう。手持ちの中から比較的きれいなものを選ぶか、新札に自分で折り目をつけて包むようにしてください。
香典は袱紗(ふくさ)に包む
また、葬儀に香典を持参する時は、袱紗(ふくさ)という布に包みましょう。バッグや喪服のポケットにそのまま香典袋を入れると、折れたり水引きが破損したりする恐れがあるからです。紫色の無地のものなら冠婚葬祭全般に使えるので便利です。
>>袱紗とは?お葬式にふさわしい袱紗の色から包み方まで完全解説!
香典袋の書き方については下記記事もご参考ください。
・香典の書き方は?しっかり確認したい香典袋の書き方や香典に関するマナーを完全解説!
・香典の金額はどう書けば良い?香典袋に金額を書き入れる際の書き方や注意点を徹底解説!
・香典袋の正しい書き方を完全解説!表書き・中袋・名前・その他のマナーも紹介!
香典以外の弔意の伝え方
遺族が香典を辞退している時には、どのようにお悔やみの気持ちを伝えればよいのでしょうか?香典にこだわらなくても、弔意を表すにはさまざまな方法があります。
供物・供花
葬儀の際、祭壇にお供えする供物には缶詰や果物の盛籠、お菓子など故人の好きだったもの(生ものは避ける)などがよいでしょう。5,000~2万円が相場とされています。のしは白黒または双銀(関西では黄白もある)で結び切りの水引を印刷したものをかけ、表書きは「御供」として自分の名前も書き添えます。
供物の手配方法
盛籠は葬儀が始まるまでに届くように手配しましょう。ただし、箱入りのお菓子や線香、抹香などであれば、葬儀の当日に持参しても構いません。葬儀場のスタッフに頼めばお供えしてもらえます。
供花の手配方法
供花は、花籠やアレンジメントならお供えしやすく、場所を取りません。白を基調とした落ち着いた色合いでまとめたものがよいでしょう。菊やユリ、蘭などが一般的です。5,000~2万円ぐらいが相場ですが、スタンド式の供花は一対が基本なので、3万円ほどになります。また、スタンド式の供花を送る場合は、葬儀場に置き場所があるか事前に問い合わせておきましょう。
ただし、香典を辞退している場合、供物や供花も受け取らないことが多いので、事前に必ず確認が必要です。
>>供花の手配方法!供花の意味と費用相場と宗教ごとのマナーを紹介!
>>知らないと恥をかく!供花の手配方法や相場を徹底解説!
弔電
さまざまな文例が用意されており、インターネットから24時間申し込みができます。メッセージ代・台紙代・配送料を含めて3,000~5,000円ほどが平均的です。宛名は喪主のフルネームとし、葬儀が始まるまでに届くよう手配しましょう。
>>どうやって送るの?弔電の送り方から費用・注意点までを徹底解説!
この他、葬儀が終わってしばらくしてから手紙やメールを送る、弔問するなどの方法がありますが、あえて「何もしない」ことも知っておきましょう。「家族だけで静かに送りたいので香典も辞退する」という遺族の気持ちを汲むことも弔意を表す一つの方法です。
弔問については下記記事もご参考ください。
・突然の訃報にどうする?弔問できない際のお悔やみの手紙の書き方や注意点を徹底解説!
・弔問とは?意外と知らない弔問の注意点とマナーを徹底解説!
家族葬での香典返しのマナー
家族葬でも香典を必ず辞退しなくてはならないというわけではありません。ここでは、香典を受け取る側になった時のお返しのマナーについて解説します。
原則は即日返し
香典返しはもともと、四十九日の法要が終わってから、報告を兼ねて届けるものでした。しかし、現代では遺族もさまざまな手続きなどで忙しくなります。そこで、郵送で香典が届けられた場合を除いては、後から届けたり送ったりする手間を省くために即日返し(当日返し)が一般的になっています。
葬儀当日、受付で住所と名前を記帳してもらい、香典をいただいたら引き換えに香典返しをお渡しします。香典返しの品は予算や希望の品、大体の数を伝えれば葬儀社が用意してくれることがほとんどです。余ったとしても引き取ってもらえるので、数は多めにしておくとよいでしょう。
香典返しの相場
香典返しの相場は半返し
香典返しはだいたい香典の半額(半返し)が相場です。しかし、親族からの香典のように、高額になった場合は、3分の1から4分の1でもよいとされています。
香典返しに適しているもの
香典返しは海苔やシイタケ、お茶やコーヒー、クッキーなどのお菓子、洗剤など、食べたり使ったりしてなくなる「消えもの」が基本です。参列者が持ち帰ることを考えて、かさばったり重くなりすぎたりしないようにしましょう。最近では香典返しをカタログギフト形式にすることも増えています。持ち運びしやすく、受け取った人が自分の好みのものを選べるので便利です。
香典返しについては下記記事もご参考ください。
・香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!
家族葬へ参列できない場合の対処
家族葬は遺族や親族、故人と親しかった人など、限られた人数で執り行う葬儀形式です。そのため、家族葬に招かれたら、よほどの理由でなければ断るべきではないとされています。例えば、海外にいるなど時間的に葬儀に間に合わない、体調がよくない、長時間の移動が困難など、どうしても参列が困難な場合は、打診された段階で断るようにしましょう。
しかし、参列はできなくてもお悔やみの気持ちは伝えたいものです。ここでは家族葬へ参列できない時にどうすればよいかを解説します。
弔電を送る
インターネットで24時間申し込み可能な弔電は、遠方からでも弔意を表すことができます。豊富な文例が用意されているだけでなく、自分で考えたお悔やみの文章も届けてもらえます。
前もって葬儀場に伝えておく
手配する前に、葬儀場に弔電を送りたい旨を葬儀場に伝えておきましょう。合わせて葬儀の日時や葬儀場の名称、住所も間違いなく届けられるよう確認しておくと安心です。
葬儀開始前に届くように手配する
また、弔電を打つ時に気になるのが、葬儀が始まるまでに届くかということです。開始時間に間に合わなかったということにならないよう、忘れずに時間指定をしましょう。最近では提携している葬儀場であれば即日・数時間で届けてくれる電報サービスもあります。
>>お悔やみ電報とは?お悔やみ電報の送り方から費用、文例まで完全解説!!
後日、弔問する
家族葬に参列できなかった場合は、後日弔問してもよいでしょう。仏教の場合、弔問は葬儀の3日後から四十九日までにするとされています。理想は葬儀後7日以内ですが、しばらくは遺族もさまざまな手続きや片付けなどで慌ただしいものです。よほど故人や遺族と親しい場合を除き、葬儀の直後は避けて、一週間ほど間を置くべきでしょう。
弔問するときは事前に遺族に連絡する
弔問する時は、必ず事前に遺族に連絡して日時を決めます。自分よりも先方の都合を優先するようにしましょう。また、直前にキャンセルするようなことにならないよう、確実に空けられる日にするのもポイントです。特に複数で弔問する場合にはしっかり打ち合わせをしておきましょう。もちろん時間に遅れるのも厳禁です。
また、遺族が受け取るかどうかは別として、香典や供物は必ず持参しましょう。辞退されたら無理強いはせず、そのまま持ち帰ります。
弔問については下記記事もご参考ください。
・突然の訃報にどうする?弔問できない際のお悔やみの手紙の書き方や注意点を徹底解説!
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弔問する際のマナー
葬儀ほど厳格ではありませんが、弔問する際にもマナーに注意する必要があります。どのようなことに気をつければよいのか見ていきましょう。
服装
弔問の際の服装は黒や紺でまとめるのが基本ですが、喪服を着る必要はありません。男性はビジネススーツ、女性はスーツやワンピースで十分です。ただし、数珠は必ず用意していきます。
男性の服装
男性のシャツは白のみです。ネクタイは柄のない地味な色にしましょう。靴下や靴は黒が無難です。ネクタイピンやカフスはつけないか、なるべく目立たないものを選んでください。ただし、結婚指輪はつけたままで構いません。
女性の服装
女性は髪が長ければまとめ、メイクやネイルもナチュラルにします。アクセサリーは「真珠ならよいのでは?」と思われるかもしれませんが、できれば結婚指輪の他はつけない方がよいでしょう。
また、男女ともに光沢のある生地やラメ、ビーズなどの装飾があるもの、女性は短いスカート(膝が出る丈)や透ける素材、ノースリーブなどは避けてください。
弔事での服装については下記記事もご参考ください。
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お悔やみの言葉
最初に「この度はご愁傷様でした」など、お悔やみの言葉を述べます。家族葬に招いてもらった感謝や、参列できなかったお詫びの言葉も添えましょう。
忌み言葉に注意する
ただし「重ね重ね」「度々」などの、縁起が悪いとされる忌み言葉を使わないよう、注意が必要です。気をつけたいのが「くれぐれも」「いろいろ」といった言い回しです。遺族をいたわって「くれぐれも体に気をつけてください」と言ったり、故人との思い出を語りながら「いろいろなことがありました」と言ったりしてしまいそうですが、実はいずれも忌み言葉になります。
死因については話題にしない
また、故人の死因を話題にするのは避けましょう。遺族の方から話してくれるのであれば別ですが、こちらから言い出したり、あれこれ聞いたりするのはマナー違反です。
さらに、遺族から「上がってください」と促されるまでは、こちらから線香を上げさせてもらいたいと言い出さないようにしましょう。また、上がってもらいたくないようであれば、玄関先で香典や供物を渡して辞去します。
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線香の作法
お線香をあげる際は、仏壇の前に座り、遺族に一礼してから遺影にも一礼します。持参した香典や供物は、仏壇にお供えするか、遺族に渡しましょう。
ろうそくを灯し、線香に火を移します。火は息を吹きかけず、手であおいで消しましょう。線香を香炉に立てたら数秒間合掌します。この時、お鈴は鳴らしません。数人で弔問する時は、あまり長々と拝まないように気をつけましょう。
最後に遺影に一礼し、遺族にも改めて一礼します。仏壇にお尻を向けないよう、そのまま膝で下がって座布団から下ります。
線香やろうそくは消す必要はありません。遺族からお茶などを勧められなければ、そのまま弔問させてもらったお礼を述べて辞去しましょう。
>>線香とは?身近だけど意外と知らない線香の種類や選び方、供える際の作法まで徹底解説!
家族葬で香典を辞退する方法
次に、家族葬で香典を辞退する側になった時の対処法について解説します。悲しみと慌ただしさに取り紛れてしまいがちですが、家族葬だからといって自動的に香典を辞退することになるわけではありません。訃報とともに必ず伝えるようにしましょう。
事前に伝える
故人や遺族の勤め先には、訃報と合わせて葬儀の日時や会場を知らせるのが一般的です。家族葬で行うことや、香典や供物を辞退する旨は必ず付け加えましょう。知人や友人、町内会などに電話で知らせる場合も同様です。できれば最初に連絡した人から別の人に伝えてもらうようお願いするとよいでしょう。
香典や供物を辞退すると「そういうわけにもいかない」「供物だけでも出させてほしい」と言われるかもしれません。その場合は、遺族ではなく故人の希望であることを強調すると相手も受け入れやすくなります。
受付で伝える
最近では葬儀場の入り口に、香典や供物を辞退することを掲示したり立て看板を立てたりするところもあります。しかし、あらかじめ伝えておいても、香典や供物を持参する参列者は少なくありません。また、参列予定でない人が「香典だけでも」と届けに来ることもあります。そのような場合は、受付で香典や供物を辞退する旨と「気持ちはありがたく受け取る」という感謝の言葉を伝えましょう。
ただし、相手がどうしても納めてもらいたいと言ったり、辞退することを納得してもらえなかったりしたら、いったん受け取り、後日お返しするなど柔軟に対応します。こうした場合にどうするか、受付を担当する人の間で共通の認識をしておくことも必要です。
>>最近増えている香典辞退という選択肢、その理由や辞退の仕方や辞退された場合の対処について徹底解説!
家族葬の香典についてのまとめ
【家族葬とは?】
●家族葬とは、家族や親族などの身内や、故人とごく親しかった友人などの内輪だけで行う葬儀のことを指す
●香典に関する連絡があってもなくても、家族葬に招かれたら念のために持参する。葬儀場に行ったら他の参列者が香典を出していた、受付が設営されていたということもあり得るため
【家族葬の香典の相場】
●故人の友人や職場関係の葬儀であれば、5,000~1万円が平均的
●近所の人なら5,000円までが相場
●両親(義父母を含む):5~10万円
●祖父母(義祖父母を含む):1~5万円
●兄弟(義兄弟を含む):3~5万円
●親戚・姻戚:1~3万円
●家族葬だけでなく、精進落としにも招かれていたら、食事代として香典に5,000~1万円を上乗せする
【家族葬の香典の表書きの書き方】
●仏教
-「御香典」「御霊前」「御香料」
●キリスト教
-カトリックは「お花料」「御ミサ料」、プロテスタントなら「お花料」「献花料」
●神道
-「御榊料」「御玉串料」「御神前」わからない場合は「御香典」や「御霊前」
●香典袋の水引は、白黒または双銀(関西地方では白黄もある)
-香典の額が5,000円以下なら、水引が印刷してある香典袋でも構わない
●正式には奉書紙という最高級の和紙と、半紙または封筒で札を包み、香典袋とする
●金額は旧字の漢数字で書く
●裏面には住所と氏名を書き、のりづけはしない
●お札は新札は使用しない
●香典は袱紗(ふくさ)に包む
【家族葬での香典返しのマナー】
●原則は即日返し
●香典返しの相場は半返し
●香典返しは海苔やシイタケ、お茶やコーヒー、クッキーなどのお菓子、洗剤など、食べたり使ったりしてなくなる「消えもの」が基本
【家族葬へ参列できない場合の対処】
●弔電を送る
-前もって葬儀場に伝えておく
-葬儀開始前に届くように手配する
●後日、弔問する
-弔問するときは事前に遺族に連絡する
-遺族が受け取るかどうかは別として、香典や供物は必ず持参する。辞退されたら無理強いはせず、そのまま持ち帰る
【家族葬で香典を辞退する方法】
●事前に伝える
-訃報を伝えるときは家族葬で行うことや、香典や供物を辞退する旨は必ず付け加える
●受付で伝える
-受付で香典や供物を辞退する旨と「気持ちはありがたく受け取る」という感謝の言葉を伝える
家族葬では香典を辞退することが多いと言っても、必ずそうしなくてはならないわけではありません。優先すべきは故人の遺志や遺族の考えです。周囲がその気持ちを尊重することも、香典や供物の代わりに、弔意を表す一つの方法です。また、遺族側も、故人を送る場で押し問答にならないよう、香典を辞退する場合は確実に伝えるようにしましょう。
「やさしいお葬式」では、お客様のご要望に丁寧にお応えして業界最安値水準で家族葬をご案内しています。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール