喪中に神社へ行ってもいいの?喪中と忌中の違いから厄払いやお守りの処分の方法などを徹底解説!
身近な方が亡くなった場合、ご遺族は喪中を迎えます。この喪中期間は慎ましく行動するというのが一般的です。それでは、神社へのお参りなどそうしたことも慎むべきなのでしょうか?今回は、喪中の神社への参拝など期間中の注意点や意識すべき点についてご紹介します。
喪中の間に神社に参拝に行ってもよいのか?
大切な方が亡くなったばかりの頃は、神社への参拝も含めて「様々な行動を慎まなくてはいけない」と考える方も多いでしょう。確かに、喪中であれば年始の挨拶を遠慮するために喪中ハガキを出すなどしますから、そうしたイメージがあるのかもしれません。
結論を言えば、喪中期間であれば基本的には神社を参拝しても問題ありません。喪中だからといってあらゆることを慎む必要はないのです。
しかし「基本的には」という言葉がある通り、すべての喪中期間で神社への参拝が推奨されるわけではありません。喪中と似ている言葉に「忌中」というものがあり、この「忌中期間」が喪中期間に被っていなければ参拝可能ということなのです。
それでは具体的に、喪中と忌中の期間等についての考え方をご紹介しましょう。
喪中と忌中の違い
先述の通り、忌中に被らない喪中期間であれば神社への参拝は問題ありません。
そしてこのことからも分かる通り、喪中と忌中は言葉は似ていますがそれぞれ言葉の意味は少し異なります。それでは具体的に、この喪中と忌中の違いについて見ていきましょう。
喪中とは?
喪中とは、「家族などの近しい人物が亡くなってから故人の冥福を祈りつつ少しずつ悲しみを乗り越えていくための期間」を指します。
喪中の期間
喪中の期間としては「一周忌まで」という認識が一般的です。しかしこれは、明治時代に発令されていた「服忌令」という法律の名残に過ぎません。確かに当時は故人との関係性によって喪中期間が細かく定められており、お祝い事やお酒なども厳しく制限されていました。
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しかし現在ではそのような厳格な決まりはなく、喪中はあくまでも「ご遺族が悲しみから立ち直るための期間」という認識で問題ありません。そのためご遺族が早い段階で悲しみから立ち直ることができれば、前向きに生きるために早めに通常通りの生活に戻すこともあります。その逆も然りです。
もちろん現在でも結婚式などの大規模なお祝い事は避ける傾向にありますが、基本的には「神社への参拝もしてはいけない」というほど厳しい決まりはありません。
忌中とは?
一方で忌中とは、「故人が亡くなった直後は故人を偲んで喪に服す」という考え方を指します。
忌中の期間
喪中の期間はおよそ1年間でしたが、忌中はもう少し厳格に定められており「四十九日までの間」であることが一般的です。かつては故人との関係性によって忌中の期間が異なりましたが、現在では基本的に四十九日と考えておけば良いでしょう。この四十九日が過ぎると「忌明け」となります。
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先述の通り、喪中の目的は「ご遺族が悲しみから立ち直ること」です。そのため人によって期間は様々でした。
しかし、忌中の目的は「故人を偲び行動を慎むことで死の穢(けが)れが他者へ移らないようにする」というもの。そのため、喪中よりもきちんと期間を区切ることが慣習となっています。
忌中の穢れについて
なお、この穢れは一般的な「汚れ」ではありません。「気枯れ」とも書き、これは大切な方を亡くして気持ちが喪失している状態を表現しています。忌中には、このような落ち込んだ状態で他者へ接触するのを避ける目的もあるのです。
ただし、これはあくまでも「神道」に関する考え方に限られます。仏教には「死=穢れ」という考え方はありません。そのため神道ほどは厳しく忌中の行動を制限されていない側面もあるので把握しておきましょう。
それでは、それらについて詳しくご説明します。
神道の考え方は「神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説」の記事でもご紹介しています。
忌中の厄払いやお守りの処分はどうするのか?
上記のように、仏教と神道では死に対する考え方が異なります。そのため、中には「神道の考え方がある神社ではできなくても、仏教の考え方があるお寺ではできる」ということもあります。具体的には以下のようなことです。
忌中の厄払いの方法
ご自身の年齢を考えて、神社やお寺へお参りした際に厄払いを検討している方もいると思います。しかし、身近な方が亡くなっている場合にそのようなことをしても良いのかどうか迷いどころです。
実は、忌中の期間であってもお寺の場合は厄払いをしても特に問題ありません。
厄払いは神社では行わない
しかし神社の場合は違います。まだ忌明けを迎えていない場合は神社での厄払いは避けた方が良いでしょう。
これは、死という穢れを神様がいる神社に持ち込まないようにするためです。もし忌明けをしていない状態で厄払いしたいのであればお寺で行えば問題ありません。忌明け後であれば、例え喪中期間であっても厄払いを行っても大丈夫です。
ただし、これまでの習慣として神社で厄払いをしたいという方もいるでしょう。その場合は忌明け後に行います。それでも特別な事情があり忌中の間に厄払いをしたい場合はお寺で行うというのが一般的です。
忌中のお守りの処分の方法
忌中にお守りを処分する際にどうすべきか迷う方もいるでしょう。しかしそこまで難しく考える必要はありません。厄払いの際と同じように考えれば大丈夫です。
お守りの処分は神社では行わない
大前提として、忌中が明けていないにも関わらず神社へ行くことは推奨されていません。そのため、お守りを処分(お焚き上げ)したい場合は忌明けに神社へ行くべきでしょう。あるいは、忌中ではない知り合いに依頼して代わりに神社で処分してもらうのも良いですね。
お守りを郵送する方法も
しかし、どうしても忌中の間に処分したい場合は郵送で対応してもらうことも可能です。処分に必要な費用を定額小為替に変換し、お守りに同封して送りましょう。ただし、全ての神社で対応しているわけではありません。
また、お守りの処分だけでなく郵送で新しい物を購入できる場合もあります。神社によってはお取り置きをしてもらうこともできるので、処分と合わせてお守りを新調しようと考えている方は調べてみると良いでしょう。
喪中に控えること
喪中には、かつてほどの厳格な行動制限ルールはありません。とはいえ、慣例として以下のようなことは避けておくと良いでしょう。
年賀状
喪中の間は新年の挨拶を控えるというのが慣例です。また、新年は年賀状だけでなく飲み会など盛大にお祝いするような行事も控えましょう。
喪中ハガキを送る
喪中の場合は、年賀ハガキではなく「喪中ハガキ」を送ります。これは全員に送る必要はありません。普段から年賀ハガキのやり取りがあるような方だけで十分です。
喪中ハガキには以下のことを記載します。
●喪中である旨
●誰が亡くなったのか
●新年の挨拶ができないことに対するお詫び
この喪中ハガキは、年賀状の受付が始まる前に相手の手元に届いているのが理想です。そのため、11月中旬〜12月初旬くらいを目安に投函すると良いでしょう。
また、喪中ハガキを送るのは「2親等以内の親族が亡くなった」という場合が目安になります。具体的には以下のように考えると良いでしょう。
●0親等→配偶者
●1親等→両親(義父母含む)、子供
●2親等→兄弟姉妹及びその配偶者(義理を含む)、孫、祖父母
ただし、この範囲に当てはまらなくても同居しているなど関係性が深い場合には喪中ハガキを出すこともあります。
喪中ハガキについては「喪中ハガキとは?書き方と文例と出す相手と時期を徹底解説!」の記事もご参考ください。
年末に亡くなった場合は寒中見舞いを出す
ただし、身内の不幸が年末に起こってしまうこともあるかと思います。その場合は「寒中見舞い」で改めて身内の不幸を知らせることが多いです。
寒中見舞いについては「喪中に寒中見舞いを出してもよい?時期・マナー・文例集を紹介!」の記事もご参考ください。
お正月の飾り物
お正月には門松などの飾り物をするご家庭もあると思います。しかし、喪中の場合はそうした華やかな飾り物は控えましょう。
特に、門松などの飾り物は玄関に飾るため外部の方からも見えてしまいます。ご不幸があったことを知っている近所の方からすると、慎ましく行動しているか疑問に思われるかもしれません。そのため、お正月の飾り物は避けましょう。
ただし、外部の目に触れないものに関してはご遺族の判断によるところが大きいです。例えば、お雑煮やおせちなどの正月料理も本来は控えるべきと言われていますが、豪華すぎないように盛り付けるなどの工夫をして食べることもあります。
お年玉
お正月といえばお年玉を思い浮かべる方も多いでしょう。毎年の風物詩になっているご家庭もあるかと思います。しかし、お年玉も新年を祝う意味があるため基本的には控えましょう。
とはいえ、子供からすると毎年の楽しみが消えてしまいますし、渡す側としても残念がらせたくはないと思います。そのため、お年玉ではなく「お小遣い」「文房具代」などのように名前を変えて渡すと良いでしょう。ただし、ポチ袋に入れるのは避けた方が無難です。
賀詞の挨拶
賀詞とは、新年の挨拶に用いられる言葉のことです。具体的には「あけましておめでとうございます」などが該当します。
喪中の間は、こうした賀詞を述べることを控えましょう。また、相手が喪中であることを把握している方もこうした言葉をかけるべきではありません。基本的には「今年もよろしくお願いします」程度で済ませるのが無難です。
喪中のお正月の過ごし方については「喪中の正月の過ごし方とは?やること・控えることを完全解説!」の記事もご参考ください。
結婚式
結婚式のような盛大なお祝い事は、なるべく喪中の期間を過ぎてから行います。
主催者側
とはいえ、結婚式は事前準備に時間がかかるためすでにキャンセルするのが難しいという場合もあるでしょう。特に、会場を決めたり招待状の準備などまで済ませている場合は、気軽に中止にもできません。
そのため、喪中期間であっても忌明けを迎えていれば行うケースもあります。いずれにしても両家で話し合うことが大切です。
参加者側
また、参加者側が喪中である可能性もあります。その場合は、きちんと「喪中のため欠席する」という旨を伝えましょう。ただしこの場合も、すでに出席連絡をした後であったり是非来て欲しいと言われていることもあります。その際は、主催者と相談した上でどうするかを決めると良いでしょう。
喪中期間に控えるべきことは「喪中とは?喪中の期間・喪中にしてはいけないことを完全解説!」の記事でもご紹介しています。
忌明けの喪中にできること
このように、喪中の間は控えるべきことがいくつかあります。厳格な定めがあるわけではありませんが、日本では慣例として続いているものも多いので守った方が良いでしょう。
それでは、忌明けの喪中であればできることも合わせてご紹介します。
神社へのお参り
先述の通り、神道においては死という穢れが残っている忌中の間に神社へ行くのは控えるべきとされています。そのため、神社にお参りするのであれば忌明け後の喪中期間に行きましょう。お寺であれば神道のような考え方は無いため、忌中の間にお参りをしても問題ありません。
とはいえ、忌中の間にお寺へ行く場合も、忌明け後の喪中に神社へ行く場合も、なるべく静かにお参りできる場所を選ぶと良いでしょう。確かにこれらであれば特に問題はありませんが、まだ身内が亡くなってからそこまで日が経っていないのも事実です。そのためお参りする場合も、なるべく賑やかな場所は避けましょう。特に初詣の場合は、三が日を避けることがおすすめです。
祈願や祈祷
忌明け後の喪中であれば神社への立ち入りは可能なため、祈願や祈祷をしても問題ありません。
ただし神社によっては、忌明け後であっても「喪中の場合は神社への立ち入りは遠慮して欲しい」ということもあります。念のために問い合わせておくと良いでしょう。
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喪中の神社への参拝についてのまとめ
以上が喪中の神社へ参拝する際に意識しておきたいことなどについてです。それでは最後に今回ご紹介した内容を振り返っておきましょう。
【喪中の神社への参拝】
●喪中期間であれば基本的には神社を参拝しても問題ない
●ただし神社に関しては、忌中期間が喪中期間に被っていなければ参拝可能というケースもある
【喪中とは?】
●家族などの近しい人物が亡くなってから故人の冥福を祈りつつ少しずつ悲しみを乗り越えていくための期間
●喪中の期間は「一周忌まで」という認識が一般的
●喪中の期間はおよそ1年間
【忌中とは?】
●「故人が亡くなった直後は故人を偲んで喪に服す」という考え方を指す
●忌中は「四十九日までの間」であることが一般的
【忌中の厄払いやお守りの処分】
●忌中の期間であってもお寺で行えば問題ない
●しかし忌明けを迎えていない場合は、神社に行くこと自体を控えるべき
【喪中で避けておくべきこと】
●年賀状を出す
●お正月の飾り物を飾る
●お年玉を渡す
●賀詞の挨拶をする
●結婚式などのお祝い事を行う
【忌明けの喪中にできること】
●神社へのお参り
●祈願や祈祷
喪中は大切な方が亡くなった悲しみから立ち直るために必要な期間です。そのため、故人への弔いの気持ちを示すためにある程度は行動を慎ましくする必要があります。
とはいえ、あらゆることを我慢しなければいけないというわけではありません。あまり大きなお祝い事は控えつつ、徐々に日常の生活を取り戻して行くという意識を持っておくことが何よりも大切なのです。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール