仏事コーディネーターとは?資格取得の方法と費用・年収・将来性を徹底解説!
仏壇の販売店などで見かける「仏事コーディネーター」。仏事コーディネーターのIDと名札を下げた方は、仏事に関して深い知識を持つプロフェッショナルです。
仏事コーディネーターの資格をもつ方は、仏壇の選び方や仏具の意味、法要の時期や手配の仕方など仏事に関する様々な悩みに答えることができます。
今回はその仏事コーディネーターに注目し、その仕事内容や資格の意味について解説していきます。さらに、仏事コーディネーターを目指す方に向けて、仏事コーディネーターになる方法や給与・年収・将来性などについてご紹介していきます。
仏事に関する知識が必要な方、仏事コーディネーターの資格を取りたい方はぜひ参考にしてください。
仏事コーディネーターとは?
仏事コーディネーターとは、仏教や仏壇家具など、仏事に関する深い知識を持っていることを証明する資格です。仏事コーディネーターは国家資格ではありませんが、仏事コーディネーター資格審査協会による仏事コーディネーター資格は、民間資格として認定されています。
仏事コーディネーターは、広く仏事のことを学びますが、中心となるのが亡くなった方の供養(法事やお墓など)や、決まった時期に行われる仏事(お盆・お彼岸など)に関するものです。
昨今はこうした仏事に関して情報を得られる場所が少なく、「どうやって故人を偲べば良いのか」と悩む方が増えたことから、仏事コーディネーターという資格が誕生しました。
仏事コーディネーターの認知度はまだ低いですが、仏教や仏事は私達の身近にあるため、仏事に関する知識を持ったプロフェッショナルが必要です。
今後は社会全体が高齢化していくにつれ、法事などを行う場面が増えてくると予想されるため、仏事コーディネーターのニーズは高まるでしょう。
仏事コーディネーターの主な仕事
仏事コーディネーターの基本的な仕事は、仏事や仏具に関して悩みを抱える消費者のサポートをすることです。特に仏事コーディネーターが必要とされるのは、仏壇を買うときです。
現在仏壇店などには数多くの種類の仏壇が用意されていますが、その中からすぐに故人と遺族に合ったものを選ぶのは難しいと言えます。
しかし仏事コーディネーターによるアドバイスを受ければ、仏壇選びや、仏壇購入後のお参りの仕方などについてより深く理解ができるでしょう。
他にも、仏事コーディネーターは以下のような場面でサポートを行います。
仏事コーディネーターの活躍する場面一覧
・ご本尊や仏具などの意味が分からない
・葬儀後にお寺とどう付き合えばよいか知りたい
・初盆をどうやって進めれば良いか分からない
・初盆で何を揃えれば良いか知りたい
・回忌法要の進め方が分からない
・回忌法要をいつすれば良いのか分からない
仏壇や仏具、仏事に関する悩みは多くの人が抱えるものです。さらに現代は核家族化が進み、地域の年長者に相談できる機会が非常に少なくなっています。
そこで仏事コーディネーターは、地域の年長者やお寺などに代わって仏事に関して悩む消費者に寄り添い、一緒に悩みを解決していくことが重要な役割なのです。
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仏事コーディネーターの歴史
仏事コーディネーターの資格試験が始まったのは、2004年です。それまで仏事に関してアドバイスできる知識を持っていることを証明する資格はなく、仏事に関して悩みを抱えた方は、親族や地域の人に相談するしかありませんでした。
しかし、核家族化や一人暮らし世帯の増加により、親族や地域の人と話せる機会はどんどん減っていきました。最近ではお寺に行く機会も減っているため、いざ親族が亡くなったとき、「どうすれば良いんだろう」と悩む人が増えている現状があります。
また、消費者の知識不足につけ込み、不当に高い金額で仏壇や仏具を販売したり、サポート料として法外な値段を取ったりする業者もいました。
そこで誕生したのが、仏具と仏事に深い知識を持つ仏事コーディネーターの資格です。仏事コーディネーターは、仏事に関する正しい知識で消費者をサポートするプロフェッショナルです。
消費者の悩みにつけ込むようなことはせず、正しい判断で仏壇や仏具を選べるようサポートします。現在でも、仏具に関連する業者とのトラブルはゼロではありませんが、仏事コーディネーターがいるお店はトラブルのリスクが低いとして、多くの消費者に安心を与えています。
仏事コーディネーター関連の著書
仏事コーディネーターは、仏壇・仏具のお店を選ぶ際参考になる資格です。しかし、一度葬儀などに関わった方でなければ、仏事そのものについてあまり詳しくないというケースもあるでしょう。
そこでここからは、仏事コーディネーターを目指す方の参考になる仏事・仏教に関する本をご紹介していきます。仏事コーディネーターの資格をもつ方が執筆している本もあるので、仏壇・仏事の基礎を理解するためぜひ読んでみてください。
この『仏事・仏壇がよくわかる』という本では、先祖の供養に必要な基本知識が分かりやすくまとめられている本です。
著者の滝田雅敏さんは仏事コーディネーターとしてさまざまなサポートを行っており、全日本宗教用具協同組合理事、仏事コーディネーター資格審査協会幹事も務めている方です。
この本の中では、お葬式のことに加え初七日、四十九日などその後の法要としきたりについても解説しています。
さらに、お彼岸やお盆など、様々な法事を解説しているので、基本的な知識がない方でも安心して仏事を進めることができます。
仏事や仏壇の基本的な意味や知識を身につけておきたい方は、まず読んでおくべきでしょう。
『仏教と仏事のすべて―知識、しきたり、マナーまで この一冊で丸わかり』では、仏教や仏事の基本について、仏教の歴史や文化を中心に学ぶことができます。
著者の大久保良峻さんは仏事コーディネーターではありませんが、仏教学、日本仏教史を中心とした研究を行う早稲田大学の教授です。
仏教の成り立ちや宗派の違いなどを解説しつつ、仏事のしきたりやマナーを学べます。また、参考としてお寺や仏像の鑑賞ポイントも解説されているので、趣味の本としてもおすすめです。
図解やカラーページも豊富なので、仏事コーディネーターを目指すにあたって「仏教のことはほとんど知らないから不安」という方はぜひ一度読んでみてください。
仏事コーディネーターの資格を持っている有名人
2020年現在、仏事コーディネーターの資格を取得していると公表している有名人・芸能人はいないようです。
仏事コーディネーターの資格を取るには、宗教関連のものを扱っているお店で働く必要があるので、資格取得までのハードルが少し高いことも理由のひとつでしょう。
しかし、仏壇店・仏具店で働いたことがあるという方は、芸能関係者の中にもいる可能性があります。今後、葬儀や仏事に関連する業界が注目されるにつれて、仏事に関する資格をもつ人が増えていくのかもしれません。
仏事コーディネーターの一般的な生活
仏事コーディネーターの多くは、仏壇や仏具に関わるお店で働いています。
そもそも仏事コーディネーターの資格を取得するには、宗教用具を取り扱う店で3年以上働いていることが必要条件になるため、仏事コーディネーターの資格を取得した後もそのまま勤めていたお店で働くという方が多いです。
仏事コーディネーターの生活は、勤めているお店の規定によって大きく異なります。例えば仏壇販売店の場合、お店によっては定休日を定めているところもありますし、定休日が無い場合は交代制で勤務となるところもあるでしょう。
しかし一般的な仏壇・仏具販売店であれば基本的に夜勤などはないため、自分のライフスタイルに合わせて安定した働き方をしている方が多いといえます。
ただし、勤めているお店によっては休日出勤・長時間残業が当たり前になっているケースもあります。仏事コーディネーターとしてより良い待遇を求めている方は、勤めるお店を選ぶ際に注意が必要です。
仏事コーディネーターになる方法と費用
仏事と仏教、仏壇に関する専門知識を持ち、仏事で悩みを抱える方に分かりやすいアドバイスを行う仏事コーディネーター。葬儀や仏事に関する関心が高まっている今、仏事コーディネーターになりたいという方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に仏事コーディネーターと名乗るには、仏事コーディネーターの資格が必要です。
そこでここからは、仏事コーディネーターの資格取得方法や、資格試験の内容、資格取得までにかかる費用について解説していきます。仏具関連のお仕事を目指している方、またはすでに仏具のお店で働いた経験のある方はぜひチェックしてください。
仏事コーディネーターになる方法
仏具・仏壇の販売を行うだけであれば仏事コーディネーターの資格は必要ありません。しかし仏事コーディネーターの資格を取得していれば、「仏事コーディネーター」を名乗ることが可能になり、より多くのお客さんに信頼される人材になれるでしょう。
そのため仏壇・仏具に関わる仕事に就くなら、仏事コーディネーターの資格取得を目指してみましょう。
仏事コーディネーターの資格を取得するには、仏事コーディネーター資格審査協会が運営する資格試験を受験して合格する必要があります。
仏事コーディネーターの試験難易度は公式サイトで明らかになっていませんが、20歳以上で、仏壇・仏具のお店に3年以上勤めている人だけが受験できる試験となっているので、ある程度難しい問題が出ると考えておいた方が良いでしょう。
仏事コーディネーターの資格試験では、以下のような事項が問われます。
仏事コーディネーターの試験項目
・仏教の基礎知識
・仏事に関する知識
・仏壇仏具の製品知識
・仏壇仏具の販売知識
・仏具などに関連する法令の知識
・仏事コーディネーターとしての使命
さらに、資格を取得するには学科の試験に加え、仏事コーディネーター資格審査協会が指定する講習を受ける必要があります。
講習と試験を無事にクリアできれば、1ヶ月以内に合否結果が届き、無事に仏事コーディネーターと名乗ることができるようになります。
仏事コーディネーターの資格を取得すると、名前入りのIDカードを発行することが可能です。IDカードを身につけ、仏事コーディネーターとしてお客さんからの信頼度をアップさせましょう。
仏事コーディネーター資格を取る費用
仏事コーディネーターの資格を取得するには、講習料及び受験手数料わせて35,000円を指定の口座に振り込む必要があります。
また、資格取得に必要な講習を受けるには、仏事コーディネーター資格審査協会の指定するテキストを別に購入しなければいけません。テキストは全日本宗教用具協同組合のホームページから、購入が可能となっており、定価14,000円(税別)。全宗協会員価格11,000円(税別)で、送料は着払いです。
テキストがなければ講習が受けられないので、テキストを含めて最低限受験にかかる実質金額は49,000円(税別・全宗協会員でない場合)となっています。
勤務しているお店によっては、受験料やテキスト代の補助を行ってくれることもあるので、仏事コーディネーターを目指す方はまずお店に相談してみましょう。
仏事コーディネーターの給与・年収
仏事コーディネーターの多くは、仏壇業者・仏壇販売店などで働いているため、ここからは仏壇業界での給与や年収についてご紹介したします。
全国での平均になりますが、正社員の場合、仏壇店の月収は18万〜25万円ほど。アルバイト・パートの場合時給850円〜1,000円ほどが一般的となります。
特別給与の高い業界ではありませんが、仏事コーディネーターの資格を持っていれば追加で資格手当がもらえるお店もあるので、勤務するお店の選び方によって収入は大きく変わります。
仏壇・仏具に関する仕事に就くなら、働くお店を念入りに選ぶことが大切です。
仏事コーディネーターの将来性
超高齢化社会となった日本で、お葬式や法要に関してアドバイスができる仏事コーディネーターは、非常に価値の高い存在だと言えます。しかし、仏事コーディネーターの多くが勤める仏壇・仏具店の将来は厳しいとも言われています。
その最大の理由は、祖先を偲ぶ方法が多様化したことにより「仏壇は必要ない」「仏具を買っても、使う機会がない」と考える方が増えたことです。
今後も仏壇や仏具に対するニーズが低下すると、仏壇などの販売・製造をしている会社は売上を伸ばすのが難しくなってしまいます。そのため仏事コーディネーターと合わせて別の葬儀関連の資格を取得しておくと、仕事をする上でも安心でしょう。
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仏事コーディネーターについてのまとめ
仏事のプロフェッショナルである仏事コーディネーターの認知度はまだそれほど高くありませんが、今後葬儀など仏事に関わることになる方は増えていくことになります。
そのため仏事コーディネーターの資格があれば、今後の仕事で有利になるシーンは多いでしょう。
ただし仏事コーディネーターの資格を取得するには、宗教用具を取り扱う店でアルバイトやパートを含め3年以上の勤務を行っている必要があります。まずはお店で経験を積み、少しずつ勉強を重ねてから、仏事コーディネーターを目指しましょう。
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