法要は故人を偲んで一同に集まる大切な場。「三回忌法要」もそのうちの1つです。本記事では三回忌法要のお布施の金額やお布施の袋の書き方や三回忌法要の施主側、参列者側のマナーについてもご紹介していきます。
法要は故人を偲んで一同に集まる大切な場。「三回忌法要」もそのうちの1つです。
では具体的に三回忌法要ではどのようなことを意識すれば良いのでしょうか?
お布施や一連の流れなどを含め、「施主側」「参列者側」それぞれが気をつけるべきことをご説明します。
INDEX
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- 三回忌法要の流れ
三回忌とは?
それではまず、三回忌についての基本的な知識をご説明します。
年忌法要とは?
そもそも三回忌は「年忌法要」の中の1つです。年忌法要とは、数年間隔で故人の命日に行われる法要のことを指します。
基本的には命日当日に法要を行うのが理想です。
しかし親戚が遠方だったり仕事の都合があったりするため、なかなか一同に集まれる機会を取れないというのが現状です。
そのため現在では、年忌法要日手前の土日祝日に法要を行うというのが一般的。命日を過ぎてからの土日祝日には行わないので注意しましょう。
年忌法要の順番
年忌法要は以下の順番で行われます。
一周忌→三回忌→七回忌→十三回忌→十七回忌→二十三回忌→二十七回忌→三十三回忌→五十回忌
年忌法要をいつまで続けるかについては特に決まりがあるわけではありません。
ただ一般的には、三十三回忌を「年忌止め」としてそれ以降の年忌法要を打ち切ることが多いです。
また、親族や友人などが幅広く参列するのは「三回忌まで」であることが多く、それ以降はご遺族のみで行われることがほとんどです。
さらに十七回忌以降に関しては省略されることも多いです。
各年忌法要については下記記事もご参考ください。
【一周忌】
・一周忌とは?意味・香典・お布施・お供え・マナーを完全解説!
・意外と相場がわからない!一周忌の香典の相場やマナーを完全解説!
・親が死んだらすることは何?亡くなってから一周忌までを時系列順に解説!
【三回忌】
・三回忌のお布施を完全解説!金額相場・書き方・渡し方・喪主・参列者のマナーを紹介!
・三回忌とは?意味と施主と参列者が知っておくべき法事・法要のマナーとは?
・法事・法要の香典相場はいくら?三回忌・七回忌・十三回忌と故人との関係別に解説!
【七回忌】
・七回忌とは?意味とお布施・香典の相場と出席マナーを解説!
【十三回忌】
・13回忌とは?13回忌の準備から招待された場合のマナーまでを完全解説!
【二十三回忌】
・23回忌とは?23回忌の準備から注意点まで徹底解説!
【三十三回忌】
・33回忌(三十三回忌)とは?弔い上げの意味から33回忌に注意したいマナーまで完全解説!
三回忌とは、三回忌の日程
「三回忌」は、上記の年忌法要の中で2回目に行われる年忌法要のことです。
なぜ三回忌なのに2回目なのかというと、年忌法要の数え方に理由があるためです。
一周忌だけは「満◎年」という形で数えるため、お亡くなりになった翌年に法要を行います。
三回忌以降は亡くなった年も含める
しかし三回忌からは「お亡くなりになった年」も含めて数えるため、お亡くなりになってから「2年後の命日」に三回忌を行うのです。
この数え方の通りに考えると、「七回忌は6年目」「十三回忌は12年目」「十七回忌は16年目」というようになります。
数字から1を引けば良いので考え方はシンプルですね。
宗教ごとでの法要
この三回忌は宗教ごとで日程や名称などが変わるので覚えておきましょう。
神道の法要
まず神道には、仏教の法要に相当する「霊祭」という行事があります。
この霊祭は亡くなってから10日ごとに行われるものです。基本的には「五十日祭」を以って、10日ごとに行う霊祭は一旦打ち止めとなります。
その後は「百日祭」「一年祭」と続き、命日から満三年を迎える日に、三回忌法要に相当する「三年祭」を行うのです。
神道については下記記事もご参考ください。
・神社のお葬式とは?神道のお葬式の流れから作法まで完全解説!
キリスト教の法要
キリスト教に関しては、法要や霊祭のように日程の決まった行事はありません。
命日から3日目や7日目などに追悼ミサを行うことはあります。
しかしこれにも大きな決まりはなく、仏教の初七日や四十九日などに合わせて追悼ミサを行うことも可能です。
初七日、四十九日については下記記事もご参考ください。
【初七日】
・初七日とは?意味・数え方・お供え・お経・知っておきたい常識とマナー
・初七日とは?初七日までしてはいけないことや期間を徹底解説!
【四十九日法要】
・四十九日の香典相場を完全解説!書き方・マナー・故人との関係別相場も紹介!
・49日とは?49日(四十九日)の意味や行われる法要について徹底解説!
三回忌法要の流れ
それでは具体的な三回忌法要の流れについてご説明します。
宗派や地域によって多少流れが変わる可能性はあるため、今回ご説明するのはあくまでも一例として覚えておいてください。
①施主による挨拶
僧侶が入場したら、まずは施主が挨拶を行います。あまり長々話さず、簡潔に参列者と僧侶へのお礼を述べれば大丈夫です。
>>施主と喪主の違いとは?葬儀における施主の役割を解説!
>>喪主と施主の違いは?それぞれの役割から喪主と施主の兼任まで完全解説!
②読経とご焼香
僧侶による読経が始まります。途中で僧侶が合図したらご焼香を行ってください。施主から順番に、故人と血縁関係の深い者からご焼香します。
>>焼香とは?よく聞くけど以外と知らない焼香の意味や種類、宗派ごとにことなる焼香の作法まで完全解説!
③法話
僧侶によっては法話を行う場合もあります。ここでは仏様の教えに関することを話していただくことがメインです。
④会食
僧侶の読経と法話が終わったら会食です。自宅で折り詰めの弁当を食べることもあれば、料亭に移動することあります。
料亭に移動する場合はあらかじめ「法要の食事」であることを伝えておいてください。
そうすることで海老や鯛などのおめでたい食材を省いて用意してくれるでしょう。
この会食にはご遺族や参列者だけでなく、僧侶が参加する場合もあります。
ここに参加するかによって御膳料を準備するかが変わってくるので、しっかり確認しておきましょう。
基本的には以上の流れで三回忌法要を行います。法要後にお墓参りをする場合もあるので、自分たちの希望に沿って予定を組むと良いでしょう。
会食(お斎)については下記記事もご参考ください。
・おとき(お斎)とは?意味とマナーと香典相場を3分で解説!
三回忌法要の準備
それでは、上記の三回忌法要をスムーズに進めるために必要な準備について確認しておきましょう。
日程・場所を決める
まずは日程と場所を決めましょう。
日程の決め方
一番理想なのは「命日当日に三回忌法要を行う」ということ。
しかし先述の通り、現在は仕事の都合や場所の関係で物理的に命日に行うのが難しいため、命日手前の土日祝日で行えると良いでしょう。
場所の決め方
場所は、自宅・寺院・法事専門会館・斎場などから選びます。参列者や僧侶の交通の便の良さなどを考慮して決めると良いでしょう。
お盆やお彼岸などは、自宅以外の会場は早めに埋まる可能性もあります。
お盆やお彼岸については下記記事もご参考ください。
【お盆】
・お盆の期間はどれぐらい?地域によって異なる期間からお盆の過ごし方まで徹底解説!
・お盆(盂蘭盆会)とは?期間・意味・マナーを完全解説!
【お彼岸】
・今年はいつから彼岸入り?お彼岸の期間だけでなく、準備や過ごし方まで徹底解説!
・お彼岸はいつから?お彼岸の時期や意味、お彼岸の準備やマナーまで完全解説!
僧侶の日程を確認する
さらにその時期は僧侶も忙しいため、希望の日程や場所が取れないことも考えられるでしょう。
そのため時期が被りそうなら早めに予定を固めておくのがベストです。
先祖代々のお墓を管理しているお寺を「菩提寺(ぼだいじ)」と呼びます。昨今は、お寺とのお付き合いも薄くなってきており菩提寺を持っていない方も多いです。その場合は僧侶を手配することもできます。
僧侶派遣は『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。
また、自宅以外で会食を行う場合はその食事場所も決めておきましょう。
料亭を予約することもあれば、寺院指定の仕出し業者に依頼することもあります。
僧侶派遣については下記記事もご参考ください。
・寺院手配サービスとは⁉︎寺院(僧侶)を手配する方法とは?
・宗教者・お坊さんの手配の仕方とは⁉︎身内が亡くなった時・法事の時の宗教者手配方法
返礼品の手配
三回忌法要でも基本的には香典を受け取ります。そのため返礼品の準備も必要です。
返礼品の相場
返礼品の値段は「香典の1/2〜1/3程度」というのが一般的。そのため3千〜5千円ほどになることが多いです。
返礼品として好まれるのは「お菓子」「石鹸や洗剤などの日用品」「カタログギフト」など。日常で気軽に消費できる消耗品を用意すれば問題ありません。
葬儀屋によっては返礼品もセットで組まれている場合があるので確認しておきましょう。
参列者への案内
日時や場所などの大切なことが決まったら忘れずに案内状も送りましょう。
案内状の注意点
誰が参列するのかを確認しやすいように、返信用の往復はがきを入れておきます。
法要後に会食を行う場合は、その会食への参加も確認しておきましょう。
この参加人数によって予約する食事の量が決まるので、「いつまでに返信して欲しいのか?」を明確に記載しておくとわかりやすいです。
また、細かいマナーですが「案内状の文章に句読点を使わない」ということを意識しましょう。
これは、句読点を使わないことで「法要をスムーズに行えるように」という意味が込められています。
ちなみに、案内状の作成は枚数が多くなるほど作業が大変なので、業者に依頼することも可能です。
返礼品業者や葬儀会社、あるいは仏具店などでも依頼することができます。
三回忌のお布施
三回忌などの法要でも、基本的には僧侶による読経を行います。
そのため、僧侶へお渡しするためにお布施の用意をすることが必要です。では三回忌法要のお布施は、どのくらいの金額を用意すれば良いのでしょうか?
三回忌のお布施相場
三回忌法要のお布施は「1万〜5万円程度」が相場とされています。
もちろん宗教や宗派、地域や寺院との関係性によっても多少変動しますが、そこまで大きな差は出ないことが多いです。
基本的にはこの金額前後をお渡しできれば問題ありません。しかしそれでも不安に感じる方がいるかと思います。
その場合は僧侶に直接金額をお伺いしても大丈夫です。お金のことを聞いても嫌な顔をする僧侶はいないでしょう。
宗派による相場
先述の通り、三回忌法要のお布施に関してはそこまで相場に大きな差はありません。
葬儀のお布施は戒名の料金なども含まれるため数十万単位になることもあります。
そのくらい元の金額が大きければ様々な要素で変動しやすいですが、三回忌法要のお布施は1万〜5万円程度が相場のためほとんど差は出ないのです。
御車代・御膳料・卒塔婆の相場
僧侶にお渡しするのはお布施だけではありません。場合によっては「御車代」「御膳料」も準備する必要があります。
御車代
「御車代」は、三回忌法要を自宅などの寺院以外で行う場合にお渡しするお金のことであり、交通費としての意味を持つものです。
交通手段を問わず「5千〜1万円程度」が相場とされています。
最近では、あらかじめ手配しておいたタクシーに乗ってきてもらい、実際にかかった費用をタクシー会社に支払うという方も増えているそうです。
御膳料
「御膳料」は、僧侶が会食への参加を辞退したり、そもそも会食を行わないという場合にお渡しします。
御車代と同じく、相場は「5千〜1万円程度」です。
ちなみに、このお布施と御車代と御膳料は全て別で包んでお渡しする必要があります。
なぜなら、お布施は厳密に言えば「御本尊へと捧げる物」であり、御車代と御膳料のように「僧侶へのお礼としてお渡しする物」とは一緒にしないというのがマナーだからです。
卒塔婆代
卒塔婆とは、お墓の後ろに立てる細長い板のことです。故人を供養するために卒塔婆を立てます。卒塔婆の費用は3,000円~10,000円ほどです。
卒塔婆については下記記事もご参考ください。
・卒塔婆とは?意味と種類と供養方法と相場を解説!
・必要ではないものと思っていませんか?「塔婆」を準備する意味とは?
三回忌以外の御布施の相場
三回忌以外のお布施は下記になります。
葬儀のお布施
葬儀のお布施は、5万〜100万円以上と大きく幅があります。
四十九日法要と一周忌法要の相場
四十九日法要と一周忌法要はのお布施の相場は3万〜5万円です。
納骨でのお布施
地域によっても差がありますが、1万〜5万円程度です。
開眼供養でのお布施
納骨式と一緒に「開眼供養」を行う場合があります。金額相場としては1万〜5万円程度が妥当です。
墓じまい
墓じまいの金額相場は3万~5万円です。
お布施については下記記事もご参考ください。
・お布施を完全解説!意味・相場・表書き・裏書などを解説!
・3分で分かる法事のお金の相場(香典・お布施):お金の入れ方と袋の書き方!
・一周忌とは?意味・香典・お布施・お供え・マナーを完全解説!
三回忌のお布施に関するマナー
お布施は上記のような相場を意識してお渡しします。では、実際にお渡しする時にはどのようなマナーがあるのでしょうか?
封筒の選び方
お布施を入れる袋としては「白い無地の封筒」が一般的です。
郵便番号欄があるものや柄の入った封筒を使わないように注意してください。香典袋と共にお布施用の封筒も販売されていることが多いです。
水引は不要
ちなみにお布施の袋に水引は必要ありません。香典袋と兼用になっているタイプの物もあるので、その場合は水引を外しておきます。
もし水引が実物ではなくすでに印刷されている封筒の場合は、そのまま使っても大丈夫です。
熨斗(のし)も不要
熨斗(のし)はお祝い事に使います。その為、弔事ではお布施に熨斗を付ける必要はありません。
表書きの書き方
お布施袋には表書きを記載します。仏教であれば「お布施」あるいは「御布施」と記載しておけば問題ありません。
記載する場所は、「封筒表面の半分よりも上部」です。半分よりも下部には「施主のフルネーム」あるいは「(ご遺族の苗字)家」と記載しておきます。
ちなみに、宗教が違うと表書きの記載方法が異なるので確認しておきましょう。
宗教ごとのの表書き
仏教の場合は「お布施」「御布施」ですが、キリスト教は「御礼」「献金」「ミサ御礼(カトリックのみ)」のどれか、神道は「御礼」「御祭祀料」のどちらかを記載します。
名前を書く場所は同じです。
表書きは濃い墨のペンで書く
ちなみに、表書きの文字は「市販の濃い墨のペン」で書きます。
葬儀の時などは、突然の不幸によって文字が涙で滲んでしまったということを表現するために薄墨で書くのが一般的です。
しかし三回忌はあらかじめ決まっている予定なので、濃い墨で書いても問題ありません。
お布施の金額は旧字体で書く
お布施の金額を書くときは旧字体で書きます。
旧字体とは、「壱・弐・参」などの漢数字のことです。例えば、3万円であれば参萬圓と記載します。
表書きについては下記記事もご参考ください。
・お布施を完全解説!意味・相場・表書き・裏書などを解説!
お金の入れ方・包み方
お札は適当に封筒に入れれば良いというわけではありません。失礼にならないように準備する必要があります。
お布施を包むもの
お布施は先述の白い無地の封筒に入れたり「奉書紙」という物で包むのが一般的です。
どちらでも問題ありませんが、奉書紙の方がより丁寧であるとされています。
お札の向き
どちらを使う場合でも、お札の向きと状態に気を配りましょう。
まずお札の向きについてですが、肖像画を上向きにして袋から取り出した時に最初に肖像画が見えるようにしておきます。
袋の入口部分に肖像画が来るようにしておくということですね。
お札は新札を入れる
お札の状態に関しては、新札などのできるだけ綺麗なお札を使うようにしましょう。
お世話になっている僧侶にお渡しするので、なるべく綺麗なお札の方が失礼になりません。
金額は偶数でも良い
結婚式などお祝い事では割り切れる偶数の金額は入れるべきではないとされています。しかし、お布施に関しては偶数であっても問題ありません。
お布施の渡し方
基本的にお布施は、そのまま手渡しするということはありません。正式な渡し方が存在します。
切手盆に乗せる
まずお布施を封筒に入れたら、それを「切手盆(祝儀盆)」という小さなお盆の上に乗せます。
乗せるときは、表書きの文字が自分側から読めるようにしておきましょう。
僧侶への渡し方
僧侶の読経中などでまだお渡しできない場合は、その状態で自分の近くに置いておきます。
そしてお渡しできるタイミングになったら切手盆を時計回りにゆっくり回転させ、表書きの文字を僧侶から読めるようにして切手盆ごと差し出しましょう。
切手盆が無ければ袱紗(ふくさ)に包む
もしも切手盆などのお盆が無い場合は、お布施を「袱紗(ふくさ)」に包んでお渡しします。
これにも正式な作法があるので確認しておきましょう。まずお布施を包んだふくさを右の手のひらに乗せます。
置くときは表書きの文字が自分から読める向きにしてください。そのふくさを左手で開いて自分の膝に置き、お布施を両手で持ち上げます。
そしてこのお布施を切手盆と同じように時計回りに回転させ、今度は僧侶の方向から表書きの文字を読めるようにして差し出しましょう。
袱紗(ふくさ)の色
袱紗(ふくさ)の色を選ぶときは、黒や紺、灰色などの暗い寒色系を選びましょう。紫色の袱紗であれば慶事でも弔事でも両方使えるので便利です。
>>袱紗とは?お葬式にふさわしい袱紗の色から包み方まで完全解説!
お布施を渡すタイミング、添える言葉
お布施を渡すタイミング
お布施をお渡しするタイミングにも気をつけましょう。基本的には「法要前」あるいは「法要後」にお渡しします。
法要後であれば僧侶の荷物も少なく済みますが、法要前でも特に問題はありません。
添える言葉
お渡しする時には、上記の渡し方はもちろん「一言添える」という点にも注意してください。
この言葉は長々話す必要はありません。
法要前であれば、
「お暑い中ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします」
法要後であれば、
「本日はありがとうございました。こちらは感謝の気持ちでございます。お納めください」
などをお伝えできれば大丈夫です。無言でお渡しするのは失礼なので気をつけましょう。
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三回忌法要で施主を務める場合のマナー
以上がお布施に関して気をつけるべきマナーです。ではこれ以外に、施主側はどのようなことを意識すべきなのでしょうか?
施主の決め方
基本的には故人と最も近しい関係にあった方が施主を務めます。そのため配偶者や実子が施主となることが多いです。
ただし、特に施主の決め方に関する法律などがあるわけではありません。
そのため、故人の友人など全く血縁関係の無い方が施主を務めることも可能です。
施主については下記記事もご参考ください。
・施主と喪主の違いとは?葬儀における施主の役割を解説!
・喪主と施主の違いは?それぞれの役割から喪主と施主の兼任まで完全解説!
お布施金額の聞き方
先述の通り、お布施をどれくらい包めば良いか分からない場合は僧侶の方に直接聞いても構いません。
ただし聞き方には少し注意が必要です。直接的に「いくら払えば良いですか?」と聞くのは少々失礼なので、「他の方はどのくらいの金額を包むことが多いですか?」というようなニュアンスで質問しましょう。
これなら一例を出すだけなので答えやすいですよね。
法要での相場については下記記事もご参考ください。
・法事とは?日程とお布施と服装持物を徹底解説!
・四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!
・七回忌とは?意味とお布施・香典の相場と出席マナーを解説!
三回忌法要での挨拶
三回忌法要では始まりと終わりに施主による挨拶を行います。この挨拶は簡潔に済ませれば大丈夫です。
法要前の挨拶は以下のような言葉で行いましょう。
「本日はお忙しい中、(故人の名前など)の三回忌法要にお集まりいただきありがとうございます。
これより(故人の名前など)の三回忌法要を執り行いたいと思います。それではご住職、よろしくお願いいたします。」
法要後の挨拶は以下のような言葉で行いましょう。
「本日はお忙しい中、(故人の名前など)の三回忌法要にお集まりいただきありがとうございました。
皆様のおかげで無事に執り行うことができました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
心ばかりのものをご用意しておりますのでどうぞ皆様お持ち帰りください。本日は誠にありがとうございました。」
挨拶では難しい言葉を使う必要はありません。あまり砕けすぎた言葉にならない程度の、各々の思いを簡単に伝えることを意識しましょう。
また、会食があればそこでも挨拶を行うことがあります。
その場合は「ささやかですが別席をご用意いたしました。お時間の許す限りごゆっくりお過ごしください。」
などを伝えれば大丈夫です。
弔事での挨拶については下記記事もご参考ください。
・喪主とは?喪主の決め方と役割、服装、マナー、挨拶を解説!
・喪主の挨拶とは?葬儀・告別式の文例・言葉!失敗しないマナーを徹底解説!
・出棺の挨拶のポイントは?出棺の挨拶のポイントから出棺のマナーまで徹底解説!
三回忌法要に参列する場合のマナー
ここまでは主に「三回忌法要を行う側」のマナーなどについてご説明してきました。では参列者側はどのようなことを意識すれば良いのでしょうか?
案内状への返信
三回忌法要への招待が届いたら、なるべく早めに返信しましょう。
なぜなら、施主側は参列者の数によって食事の量や返礼品の準備を行う必要があるためです。
もちろん基本的には、案内状に記載してある返信期限までに返事を出せば問題ありません。
しかしだからといってギリギリまで引き延ばすよりも、予定が確定した時点で施主側に伝えた方が負担は小さくなりますよね。
もしハガキでの返信が間に合いそうになければ、電話やメールなどで伝えると良いでしょう。
服装と持ち物
三回忌法要以降は、案内状に「平服でお越しください」と記載されることが多いです。
そのため喪服よりもややカジュアルな「略式喪服」で参列するのが一般的です。
また「参列者の服よりも施主の服の格式が上であるべき」という考えもあります。
そのため施主が「正喪服」あるいは「準喪服」を着用し、参列者は「略式喪服」を着用することで、施主の服装の格式を上にする狙いもあるそうです。
男性の服装
男性は喪服のように真っ黒なスーツではなく、濃紺やグレー系の濃い色合いの服装であれば大丈夫です。
そこに黒ネクタイ、白シャツ、黒い靴下、黒い革靴というスタイルを合わせましょう。
女性の服装
女性も男性同様にグレー系で濃い色合いのワンピースやスーツを着用します。
インナーやストッキングも黒系統の地味目なものを選びましょう。
また、こうした法要などの場では派手なアクセサリーや時計を使うことは避けるのが無難です。結婚指輪は付けていても問題ありません。
学生の場合は制服を着用すれば大丈夫です。
法事での持ち物
持ち物はそこまで多くありません。「香典」「ふくさ」「数珠」を持参すれば大丈夫です。
弔事の服装については下記記事もご参考ください。
・ユニクロで喪服を用意できる?ユニクロで喪服を用意する際のメリットやデメリット、注文方法を完全解説!
・お通夜のマナーとは? 服装や香典マナー、流れを喪主側参列者側で徹底解説!
・急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!
香典
三回忌法要の場合も忘れず香典をお渡しします。故人との関係性によって相場が変わるので、以下を参考にして決めると良いでしょう。
◎故人が「両親」である場合
1万〜5万円程度が相場
◎故人が「兄弟姉妹」「祖父母」である場合
1万〜3万円程度が相場
◎故人が「友人・知人・同僚」などである場合
5千円前後が相場
基本的には血縁が近くなるほどお渡しする香典の金額も高くなります。
もちろん上記の金額はあくまでも目安です。
血縁が無くても、生前お世話になっていたり頻繁に交流があったりした場合は、多めに香典を包むことがあります。
こうした関係性を考慮して金額を決めると良いでしょう。
ただし、お世話になったからといってあまりにも高額をお渡ししてしまうとご遺族に負担をかけてしまう可能性があります。
例えば、他の参列者と同額程度の返礼品を準備していたのに、相場よりもかなり多い香典を受け取ってしまうと釣り合いが取れなくて、施主側が気にしてしまうかもしれません。
そうしたことが起きないように、相場を基準にして常識的な範囲で包む金額を決めましょう。
香典については下記記事もご参考ください。
・香典のお札はどうやって入れるの?香典のお札の入れ方から香典の包み方やマナーまで徹底解説!
・香典の金額はどう書けば良い?香典袋に金額を書き入れる際の書き方や注意点を徹底解説!
・法事・法要の香典相場はいくら?三回忌・七回忌・十三回忌と故人との関係別に解説!
参列できない場合
もちろん全員が出席できるわけではありません。
「遠方まで行く時間が無い」「仕事の都合がどうしても調整できない」など、どうしても参列できない場合もあるでしょう。
その時は返信期限等を待たずにすぐ欠席である旨を伝えてください。
伝えるのはハガキでも電話でもどちらでも大丈夫です。
いずれの場合でも、簡潔に「参列できない理由とお詫びの気持ち」をきちんと伝えておきましょう。
後日お供え物の品や、現金書留でお手紙を添えて香典をお送りしても大丈夫です。
>>香典を郵送で送る際には手紙を添える?香典を郵送する際の注意点から手紙を添える方法を徹底解説!
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三回忌のお布施についてのまとめ
以上がお布施を含めた三回忌法要に関する知識の数々です。最後に改めて今回の内容をまとめて確認しておきましょう。
【三回忌とは?】
・そもそも三回忌は「年忌法要」の中の1つ。年忌法要とは、数年間隔で故人の命日に行われる法要のことを指している。
・基本的には命日当日に法要を行うのが理想だが、現在では、年忌法要日手前の土日祝日に法要を行うというのが一般的。
・年忌法要は以下の順番で行われる。
一周忌→三回忌→七回忌→十三回忌→十七回忌→二十三回忌→二十七回忌→三十三回忌→五十回忌
・「三回忌」は、上記の年忌法要の中で2回目に行われる年忌法要のこと。
一周忌だけは「満◎年」という形で数えるため、お亡くなりになった翌年に法要を行う。
しかし三回忌からは「お亡くなりになった年」も含めて数えるため、お亡くなりになってから「2年後の命日」に三回忌を行う。
・この三回忌は宗教ごとで日程や名称などが変わる。
神道には、仏教の法要に相当する「霊祭」という行事があるが、キリスト教には法要や霊祭のように日程の決まった行事は無い。
【三回忌法要の流れ】
・具体的な三回忌法要の流れは以下の通り。
①施主による挨拶→②読経とご焼香→③法話→④会食
基本的には以上の流れで三回忌法要を行う。法要後にお墓参りをする場合もあるので、自分たちの希望に沿って予定を組む。
【三回忌法要の準備】
・三回忌法要をスムーズに進めるために必要な準備については以下の通り。
まずは日程と場所を決める。日程は命日手前の土日祝日に設定する。場所は、自宅・寺院・法事専門会館・斎場などから選ぶ。
自宅以外で会食を行う場合はその食事場所も決めておく。
三回忌法要でも香典を受け取るため、返礼品の準備も必要。返礼品の値段は「香典の1/2〜1/3程度」というのが一般的。
日時や場所などの大切なことが決まったら案内状も送る。誰が参列するのかを確認しやすいように、返信用の往復はがきを入れておく。
【三回忌法要のお布施】
・三回忌法要のお布施は「1万〜5万円程度」が相場である。
これ以外にも、場合によっては「御車代」「御膳料」も準備する。このお布施と御車代と御膳料は全て別で包んでお渡しするのがマナー。
・お布施を入れる袋としては「白い無地の封筒」が一般的。水引は必要ない。
・お布施袋には表書きを記載する。仏教であれば「お布施」「御布施」のどちらか。
キリスト教は「御礼」「献金」「ミサ御礼(カトリックのみ)」のどれか。神道は「御礼」「御祭祀料」のどちらか。
お布施は白い無地の封筒に入れたり「奉書紙」という物で包む。どちらを使う場合でも、お札の向きと状態には気を配る。
お札の向きは、肖像画を上向きにして袋から取り出した時に最初に肖像画が見えるようにしておく。
また、新札などのできるだけ綺麗なお札を使うようにする。
・お布施はそのまま手渡しせず、「切手盆(祝儀盆)」という小さなお盆の上に乗せて作法に則って差し出す。
もしも切手盆などのお盆が無い場合は、お布施を「ふくさ」に包んでお渡しする。
・お布施をお渡しするタイミングは「法要前」あるいは「法要後」が一般的。
お渡しする時には、渡し方だけでなく「一言添える」という点にも注意する。
【三回忌法要で施主が意識すべきこと】
・その他に施主側が意識すべきことは以下の通り。
施主は基本的に故人と最も近しい関係にあった方が務める。
お布施をどれくらい包めば良いか分からない場合は僧侶の方に直接聞いても大丈夫だが、聞き方には少し注意が必要。
「他の方はどのくらいの金額を包むことが多いですか?」というようなニュアンスで質問すると良い。
始まりと終わりの挨拶は簡潔に済ませれば大丈夫。難しい言葉を使わず、あまり砕けすぎた言葉にならない程度に各々の思いを簡単に伝える。
【三回忌法要で参列者が意識すべきこと】
・三回忌法要に参列する側が意識すべきことは以下の通り。
三回忌法要への招待が届いたら、なるべく早めに返信する。
三回忌法要以降は、案内状に「平服でお越しください」と記載されることが多いため、喪服よりもややカジュアルな「略式喪服」で参列するのが一般的。学生の場合は制服を着用すれば大丈夫。
持ち物としては「香典」「ふくさ」「数珠」を持参すれば問題ない。
・香典の金額は故人との関係性によって相場が変わる。基本的には血縁が近くなるほどお渡しする香典の金額も高くなる。
ただし、相場よりもかなり多い香典をお渡ししてしまうと施主側の負担になる可能性もあるので注意。
・どうしても参列できない場合は、返信期限等を待たずにすぐ欠席である旨を伝える。
簡潔に「参列できない理由とお詫びの気持ち」も伝えておく。
三回忌法要は、ご遺族以外にとっては故人を偲んで一同に集まれる最後の機会になる可能性が高いです。
そのため施主側も参列者側もスムーズに会を進行させたいと考えます。
全員が気持ち良く故人の思い出を偲べる会にするため、細かい部分も含めた知識を覚え、トラブル等が無いようにすることを心がけましょう。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール