胃を全摘出|がんや余命と向き合う方法と今できること3つを徹底解説
「胃がんで全摘出をしなければ、余命3ヶ月と言われた」
そもそも、胃がんは肺がんの次に多いがんとして知られ、がん情報サービスのがん種別統計情報によると2018年の病症件数は「男性第2位」「女性第5位」であり、特に50代以降の男性に多い病気です。
症状は、胸やけといった胃への違和感、進行すると出血やみぞおち辺りに強い痛みを感じることがあります。無症状の人も多いため、会社などの健康診断で発見され、突然余命や手術を告げられることが多いようです。
しかし、熊本大学消化器外科教授の馬場秀夫氏によれば、「日本の胃がん全摘出の成績は、欧米の手術成績と比べても高い」と評価されており、手術による死亡率も極めて低いことが分かっています。
情報引用元:m3.com|胃全摘の死亡率、初の実績値 【時流◆消化器癌】
実際に、「がんになっても|皆さんからの体験談」より61歳男性の方が胃・胆嚢全摘手術を受け、2年以上経過した段階で再発もなく元気に生活されているのです。
本記事では、現状の不安や混乱を解消するために、胃がんだけではなく、国立がん研究センターの統計を元に生存率を解説しながら、以下3つのことを詳しく紹介していきます。
- 1.胃がんに向き合うために行う心構えの方法
- 2.治療費を軽減させる8つの制度
- 3.大切な人のためにできる3つこと
胃がんや生存率を知れば、気持ちの整理にも繋がるでしょう。さらに、落ち着いた状態で心構えの方法を知っておけば、今よりも気持ちが楽になり、今後の現実的な話にも目を向けられるはずです。
少しでも大切な時間を無駄にしないために、すぐに行動できるような内容になっていますので、ぜひ最後まで読了ください。
胃がん全摘出などの治療を受けると余命も変化する
胃がんの手術を行えば、余命や生存率は大きく変化します。
通常ステージⅣの5年生存率は5.7%ですが、全がん協生存率の手術症例のデータによれば、手術を行った方の5年生存率は、16.4%と10%以上も上昇しています。
さらに、以下のことを詳しく知っておけば、不安な気持ちも少し落ち着けるでしょう。
- 1.完治と判断されるステージ別5年生存率
- 2.今後の完治に向けて行う流れ
完治と判断されるステージ別5年生存率
がんのステージは、0期〜Ⅳ期の5段階で進行程度を示すものです。手術などの治療を行った後、主に5年間転移や再発しなければ完治したと見なされます。
そのため、5年生存率を基準に調査され、2011年〜2013年のステージ別5年生存率は以下の通りです。
|
症例数 |
実測生存率 |
ステージⅠ |
14,451人
|
88.9%
|
ステージⅡ |
2,256人
|
60.5%
|
ステージⅢ |
1,860人
|
42.8%
|
ステージⅣ |
3,908人
|
5.7%
|
引用元:全がん協加盟施設生存率協同調査|全がん協生存率|5年生存率全症例
上記の数字から、ステージⅣでの症例数が多くなっているため、発見も難しいと分かります。生存率も非常に低いですが、それでも完治して元気に生活されている方もいます。
以下の「同じ境遇の人を探す」を、合わせて参考にしてください。
今後の完治に向けて行う流れ
検査・診断が終わったら、以下の順番で行われます。大まかな流れであっても、前もって知るだけで、ただ漠然と怯えるのではなく、心に大きなゆとりが生まれるでしょう。
- 1.治療法を選択する
がんの状態に合わせて、担当医が治療方針を説明します。主に、以下のような治療法がありますが、人によって胃がんの状況は異なりますので、詳しくは担当医に尋ねてみましょう。
- ・内視鏡治療
- ・手術
- ・薬物療法
- ・緩和ケア
-
- 2.治療の開始
治療法が決まったら、治療が始まります。治療法によっては、副作用や痛みを伴うため、心身ともに辛いです。身体に気になることがある場合は、我慢せずに担当医や看護師、薬剤師に相談するようにしましょう。
- 3.リハビリテーション
治療の途中や終了後は、副作用や痛みから身体を動かさなくなり、身体機能が低下します。医師の指示の下、日常的な身体活動などを行っていきましょう。
- 4.経過観察で定期的に通院
退院後、体調の変化やがんの再発がないかなどを確認するために、1か月〜3か月に1回通院し、検査を行います。その後、5年間再発や転移が見られなければ、完治となるのです。
胃がんに向き合うために行う心構えの方法
がんと診断され、最初は受け入れられないかもしれません。しかし、心は徐々に変化していくので、少しずつ今後のことを考えられるようになるでしょう。
以下、胃がんと向き合うには、どうしたらいいかを順番に紹介します。
心構えの方法
- 1.担当医や家族と話し合う
- 2.セカンドオピニオンを受けて、違う角度からの意見を得る
- 3.同じ境遇の人を探す
- 4.自分の信念を決める
担当医や家族と話し合う
まずは、担当医や家族と病気について相談をしてください。理由は、得体の知れない病気に自分がかかったという事実が、不安や恐怖に繋がっているからです。
胃がんや治療について、インターネット上で調べれば多くの情報を得られますが、「どの医療情報が自分に当てはまるか」は、誰よりも担当医が熟知しています。まずは、自分が何に不安を感じているかを担当医に話しながら、知っていくことが大切です。
同時に、家族とも話し合いを行ってください。家族と話し合うと気持ちが落ち着いたり、整理できたりします。今後の生活についても話しておけば、もしもの時の心配や不安がなくなり、大きな支えにもなるでしょう。
セカンドオピニオンを受けて、違う角度からの意見を得る
がんや治療法について、何らかの不安や納得がいっていない場合、セカンドオピニオンを受けてください。セカンドオピニオンとは、担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。
がんの治療は簡単ではありません。担当医に自分の人生や命を預けるという意味なので、納得した上で治療を開始するようにしましょう。
セカンドオピニオンやがんについての情報が知りたい場合、以下の窓口から相談可能です。
同じ境遇の人を探す
気持ちが落ち込み、担当医などから心の専門医を家族と一緒に勧められることもあります。
しかし、がんと診断され周囲に「自分の気持ちが分かるものか」、心の専門医や担当医であっても「がんになったこともないのに」と思い、受け入れられないかもしれません。
受け入れられない気持ちをほぐすために、同じ境遇の人を見つけてみてください。同じ胃がんと診断された方の声を知れば、共感し自分も頑張ろうと前を向けるでしょう。
実際に、元お笑いコンビ・雨上がり決死隊の宮迫博之さんは、42歳の時に早期胃がんと診断されるも、胃の3分の1以上を切除し2~3週間入院した後、今は回復されYouTuberとして元気に活動されています。
他にも以下の胃がんと診断され、全摘出しても元気に活動されている方々がたくさんいますので、ぜひ参考にしてください。
- 1.Kato Chikage
胃がんステージ4で、胃がなくても人生を楽しんで暮らしている方です。病気なんて嘘のようにパラグライダーやキャンプに出かけていて、逆に元気が貰えるような日常を綴っています。
- 2.りんごのblog~40代スキルス胃がん~
高校生と中学生の娘さんがいる方で、胃を全摘出しましたが、現在は抗がん剤の治療は終了し、経過観察をしています。さらに、治療中に休職していた仕事にも復帰しているパワフルな方です。
自分の信念を決める
気持ちが落ち着いて、少しでも前を向けるようになったら、がんに対する信念(心構え)を決めてください。
胃がんの治療が始まれば、体力や食欲の低下が始まります。マイナスな気持ちで挑んでしまうと、病気に負けてしまうかもしれません。
まずは、前向きで気楽なものを考えていきましょう。
- ・治療に積極的に向き合う
- ・胃がんを治す
- ・治療が落ち着いたら、旅行に行きたい
治療費を軽減させる8つの制度
がんの治療費は部位や範囲、治療法によって異なりますが、保険適用したとしても平均30万〜50万円かかるとされています。
また、先進医療であれば、保険適用外で300万〜400万円かかる可能性があり、何も知らずにいると大変なことになるのです。
しかし、制度を利用すれば高額な治療費を軽減できるので、安心して治療に専念できるでしょう。以下、申込み場所別で重要度が高い順番に、8つの制度を紹介します。
制度 |
対象者 |
申請場所 |
加入している公的医療保険(※) |
1.限度額認定証 |
医療費が高額になる恐れがある方 |
2.高額療養貸付制度 |
収入の関係で医療費の支払いが困難な方 |
3.高額療養費制度 |
支払った医療費が21,000円以上の方 |
4.傷病手当金 |
治療のため休職したい方 |
申請場所 |
税務署または確定申告会場 |
5.医療費控除 |
年間の治療費が世帯で10万円以上支払った方 |
申請場所 |
年金事務所や市区町村の国民年金担当窓口 |
6.障害年金 |
生活や仕事などが制限される可能性がある方 |
申請場所 |
加入している生命保険会社 |
7.先進医療特約 |
先進医療を受けようと考えている方 |
8.リビング・ニーズ特約 |
余命が6か月以内と宣告された方 |
(※)公的医療保険:健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険、共済組合などのこと
限度額認定証【申請場所:公的医療保険】
がんなどの治療で治療費が高額になると予想される際に、公的医療保険に「限度額適用認定証」を申請し、医療機関の窓口で提示しておくと、自己負担限度額での支払いになる制度です。
自己負担限度額については、以下を参照ください。
厚生労働省|医療費の自己負担「患者負担割合及び高額医療費自己負担限度額(現行)」
申請から、1週間程度で認定証が送られてきますので、早めに申請しておきましょう。支払い時に、3割負担よりも減額された治療費での支払いになり、家計的にも楽になります。
ただし、高額療養費制度で支払われる還付金の前払いという形なので、入院中の差額ベッドや食事代などは対象外です。
高額療養貸付制度【申請場所:公的医療保険】
治療費が高額で支払いが難しい場合、事前に医療機関の承諾を得れば、公的医療保険から無利子でお金を借りられる制度です。
加入している公的医療保険によって異なりますが、還付金の8〜9割程度の金額を借りられます。
ただし、高額療養費が払い戻されるまでの間のみ利用可能で、保険料を滞納していた過去がある方は、制度を利用できないことがありますので、予め公的医療保険に確認するといいでしょう。
高額療養費制度【申請場所:公的医療保険】
1か月間、世帯で支払った治療費が高額で、定められた金額を超えた場合、後から払い戻される制度です。
ただし、入院時のベッド代や食事、先進医療費は対象外となります。さらに、申請から支給まで大体3か月かかるため、早めに申請しておくといいでしょう。
場所によっては、医療保険から支給申請を勧めたり、自動的に高額医療費を振り込んでくれたりするので、事前に確認しておくと安心です。
収入や年齢に応じて上限額が定められていますので、詳しくは以下を参照ください。
厚生労働省|高額療養費制度を利用される皆さまへ
傷病手当金【申請場所:公的医療保険】
病気や怪我により会社を休み、会社から十分な給与が支給されない場合に、被保険者とその家族の生活を保障するための制度です。
休んだ最初の3日を除いて、4日目から給与の一日あたり3分の2程度、最長で1年6ヶ月間支給されます。
ただし、障害年金や障害者手当金を受けている場合には、傷病手当金は支給されませんので注意してください。
さらに、以下の手当を受給している場合にも、差額または支給されないこともありますので、詳しくは加入している公的医療保険に問い合わせしましょう。
医療費控除【申請場所:税務署】
1月1日〜12月31日までの1年間で、世帯全体の医療費合計が10万円以上であれば、年明けの2月〜3月の確定申告で税務署に還付申請できます。
医療費控除は、通院にかかった電車代やタクシー代(公共交通機関が利用できない方のみ)、ドラッグストアなどで購入した医薬品、寝たきりの人のおむつ代(おむつ使用証明書が必要)などが対象です。
また、歯列矯正や健康診断、予防接種は対象外となるので、もし迷うような費用があるなら、税務署に問い合わせするといいでしょう。
ただし、高額医療費の払い戻しや別の医療保険の給付金を受け取っている場合、その分は控除対象から差し引かれて還付されますので、注意してください。
障害年金【申請場所:年金事務所】
病気や怪我によって、生活や仕事などに支障が出た場合に受け取れる制度で、国民年金に加入している場合は「障害基礎年金」、厚生年金は「障害厚生年金」に請求でき、初診から1年6か月を経過した日から受給可能です。
障害年金に該当する状態よりも軽い障害が残った場合には、障害手当金(一時金)を受け取れます。
しかし、障害年金と障害手当金を一緒に受け取ることはできませんので、注意してください。詳細については、日本年金機構に問い合わせしましょう。
日本年金機構
本部:03-5344-1100(代表)
直接相談したい方は予約受付専用電話:0570-05-4890
先進医療特約【申請場所:加入している保険会社】
先進医療特約とは、厚生労働大臣が認めた先進医療を受ける際に、費用の全額または上限内(各保険会社によって異なる)で保障してくれる特約のことをいいます。
がんの治療のため、医師は先進医療を勧める場合もあります。しかし、先進医療は保険適用外のものがほとんどで、高いものだと300万円以上の多額な治療費を請求されるのです。
原則、加入している保険会社の医療保険やがん保険といった保険に対し、月100円〜500円でオプションとして付けられます。途中加入も可能なので、保険会社に確認しておくといいでしょう。
リビング・ニーズ特約【申請場所:加入している保険会社】
リビング・ニーズ特約は、被保険者が余命6か月と判断された際に、契約した死亡保険などの一部または全額を生前に受け取れる特約で、原則無料が付加できます。
すべての病気や怪我が対象になるので、受け取った給付金は治療費の他に自由に使用できるため、余生についての希望も叶えられるでしょう。また、仮に余命よりも長く生きられたとしても返金する必要はありません。
しかし、以下の4つの注意点がありますので、保険会社に連絡する際に確認しておくといいでしょう。
- 1.使い切らずに亡くなった場合、相続税対象になる
- 2.死亡時に受け取れる保険金が減額される
- 3.保険会社で定める利率で計算した、余命分の利息と保険料が差し引かれる
- 4.1度給付金を受け取ったら、次は利用できない
大切な人のためにできる3つこと
次に家族などの大切な人のために、以下の3つのことを行ってください。今後、突然病気が悪化した時、残された家族は「何をどうすればいいのか」と戸惑うでしょう。
しかし、以下の3つのことを生前に準備しておけば、家族が戸惑うこともなく、相続問題も未然に防げるのです。また、直接家族に自分の気持を伝えられ、気持ちの整理にも繋がるでしょう。
- 1.エンディングノートを書く
- 2.財産や負債を確認して遺言書を作成する
- 3.葬儀の生前予約を考える
エンディングノートを書く
エンディングノートを書くべき理由は、2つの理由があります。
- ・残される家族が困らない
- ・家族に自分の思いなどを伝えられる
しかし、ただ気持ちだけを書いてしまうと、大切なことが伝わりません。そのため、以下の項目を意識して書くといいでしょう。
- 1.自分のこと
名前、生年月日、住所(本籍地)、血液型
- 2.個人情報
運転免許証や保険証、マイナンバー、パスポート、年金など
- 3.契約状況
携帯電話、契約している保険会社と担当者名、電気、ガス、水道など
- 4.ペットのこと
飼育の状況、保険、かかりつけ医、餌、自分の死後にどうしてほしいか
- 5.連絡先
自分の兄弟関係など親族の住所、電話番号など
- 6.葬儀
規模や呼んでほしい人の連絡先、遺影、お墓について菩提寺の有無、名称など
- 7.相続やお金のこと
相続遺産(預金や有価証券、クレジットカード、不動産など)、ローンなどの負債、遺言書の保管場所、作成相談した弁護士などの連絡先など
最適なエンディングノートの選び方と効率的に書く方法は「エンディングノートのおすすめ20選とスラスラ書くための7つのコツ」の記事をご参考下さい。
財産や負債を確認して遺言書を作成する
財産や負債をエンディングノートで把握できたら、法的効力がある遺言書を作成します。遺言書とは、自分の死後に財産をどのように分けるかを書き記したものです。
遺言書に記載すると、渡したい人に財産を譲れるため、相続問題に発展しにくくなります。しかし、書き方が複雑で、1つでも間違えていると遺言書の効力がなくなってしまうので、注意が必要です。
以下、遺言書の3種類と書き方を簡単に紹介します。
- 1.自筆証書遺言【費用:0円】
遺言者が手書きで全文を書く。財産目録はパソコン可。
注意事項
- ・本人の手書きのみ(パソコンや代理人の代筆不可)
- ・書いた日付を記載
- ・署名・押印(できれば実印)
- ・1つでも不備があった場合、無効になる
-
- 2.公正証書遺言【費用:2万円~5万円】
公証役場の公証人に作成してもらう。遺言書に書きたい内容などを伝え、作成するので、不備がなく自筆証書遺言よりも安心。
- 3.秘密証書遺言【費用:11,000円】
封をした状態で、遺言書を公証役場に預ける。内容を見られる心配がなく、パソコンなどでも作成可能。ただし、自分で書いた場合、不備があれば無効になるので注意が必要。
もし、自筆で書く場合は、できれば弁護士や司法書士といった専門家に相談して書くと安心です。
しかし、実際の書き方が分からないと書けません。詳しい書き方や例文は、「【文例付き】相続プロが教える!有効な遺言書の書き方完全マニュアル」を参考にしてください。
葬儀の生前予約を考える
生前予約とは、本人が存命中に葬儀会社に葬儀の方法などを、予約しておくことをいいます。生前予約をしておくと、以下のようなメリット・デメリットがありますので、確認しておきましょう。
メリット |
デメリット |
- ・遺族の精神的・経済的負担を軽減できる
- ・自分の希望どおりに葬儀を選べる
- ・身寄りがない場合、安心できる
- ・費用が分かる
|
- ・遺族が生前予約を知らないと実行できない
- ・不謹慎だと言われる可能性がある
- ・遺族と意見が食い違う可能性がある
- ・前払いのため、リスクがある
|
デメリットは、家族としっかりと話し合えば解決できるでしょう。前払いのリスクは、3つの点を契約前に確認してください。
- 1.葬儀費用信託が利用できる
- 2.契約後も変更できる
- 3.返金してもらえる
生前予約は、家族への負担を大きく軽減してくれるものの、まだ広く浸透していないため、納得してもらえないかもしれません。あくまで家族と話し合いながら、信頼できる葬儀会社を探すといいでしょう。
生前予約についての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。しつこい勧誘等も行いません。
まとめ【胃がんで余命や全摘出を勧められても、終わりではない】
・胃がんについて
50代以降の男性に多い病気で、2018年の病症件数は「男性第2位」「女性第5位」と非常に身近な病気である。がん情報サービス|がん種別統計情報|胃参照。
・日本の手術技術は好成績
全摘手術の死亡率は2.3%と非常に低い水準であり、「日本の胃がん全摘出の成績は、欧米の手術成績と比べても高い」と評価されている。m3.com|胃全摘の死亡率、初の実績値 【時流◆消化器癌】参照。
・胃がんに向き合うために行う心構えの方法
- 1.担当医や家族と話し合う
- 2.セカンドオピニオンを受けて、違う角度からの意見を得る
- 3.ブログや体験談を探して、同じ境遇の人を探す
- 4.病気と向き合うために、前向きな信念を決める
・治療費を軽減させる8つの制度
制度 |
対象者 |
申請場所 |
加入している公的医療保険(※) |
1.限度額認定証 |
医療費が高額になる恐れがある方 |
2.高額療養貸付制度 |
収入の関係で医療費の支払いが困難な方 |
3.高額療養費制度 |
支払った医療費が21,000円以上の方 |
4.傷病手当金 |
治療のため休職したい方 |
申請場所 |
税務署または確定申告会場 |
5.医療費控除 |
年間の治療費が世帯で10万円以上支払った方 |
申請場所 |
年金事務所や市区町村の国民年金担当窓口 |
6.障害年金 |
生活や仕事などが制限される可能性がある方 |
申請場所 |
加入している生命保険会社 |
7.先進医療特約 |
先進医療を受けようと考えている方 |
8.リビング・ニーズ特約 |
余命が6か月以内と宣告された方 |
・大切な人のためにできる3つこと
- 1.エンディングノートを書く
自分の思いを伝えながら、残された家族が困らないように、自分のことだけではなく相続や葬儀について書く。
- 2.財産や負債を確認して遺言書を作成する
遺言書の自筆証書遺言を書く場合は漏れがないようにする。不安であれば公証人や弁護士、司法書士に依頼する。
- 3.葬儀の生前予約を考える
存命中に葬儀会社に葬儀の方法などを予約しておく。以下の点を確認しておくと安心できる。
- ・葬儀費用信託が利用できる
- ・契約後も変更できる
- ・返金してもらえる
がんという宣告は自分だけでなく、大切な人にも大きな影響を与えます。たとえ、辛い状況であったとしても、やらなければいけないことは待ってはくれません。
上記のことを順番に行っていけば、少しでも気持ちを改善しながら、やらなければいけないことが分かってくるでしょう。大切な家族のためだけではなく、自分自身のために、ぜひ実行してみてください。
-
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール