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若者も終活を始めるべき?するべきことや始めるメリットについて解説

よりよいエンディングを迎えるために、多くの方々が終活に取り組まれるようになってきました。その年齢層は幅広く、今では10代20代といった若者からも注目を集めています。若い世代の終活とはどのようなものなのか、若者の将来に役立つ終活について解説していきます。

若者の終活について

 

終活とは終末期について考え、最期まで幸せな人生を送れるようにすることです。

一般的な終活の内容としては、主に、エンディングノートを書いたり、お墓の整理をしたり、財産整理をしたり…といったことをよく耳にするのではないでしょうか。

より充実したエンディングを迎えるための準備をしたり、これまでの人生を振り返りながら大切に毎日を過ごすようにするなど、皆さん様々な形で終活を行われています。

一方、若者の終活と聞くと、つい「就活の間違いじゃない?」と思ってしまいますよね。その位イメージが湧きにくく、やるべき項目もないと思われるかもしれません。しかし、やるべきことが少ないということは、それだけ一つ一つを掘り下げて考える時間があるということです。

それでは、具体的な内容を例に挙げながら、若者が行える終活についてご説明していきたいと思います。

エンディングノートの活用

エンディングノートとは、ご本人が亡くなられた後に残されたご家族が困らぬよう、終末期の希望や指示を書き残すためのノートです。

絶対にこれを書かなければいけないという決まりはありません。

ご自身の歴史や思い出、ご家族へのメッセージといった心情を綴ることも多く、受け取ったご家族にとっては世界に一つの宝物となるのです。

ここでは実際にエンディングノートに書かれている項目を例に挙げて、ご紹介させていただきます。

自分のことを振り返ってみる

年齢を重ねてしまうと昔の思い出はあまりはっきりと覚えていられませんが、若いうちからエンディングノートをはじめることで、[emp2]より鮮明で正確な思い出を記録[/emp2]していくことができます。

そして、大切な家族や友人にへの思いをじっくり考えることができるというのも大きなメリットなのではないでしょうか。

普段は恥ずかしくて面と向かっては言いにくい感謝の気持ちなどを書き留めておくことができます。

大切な人たちとの関係性を再確認し、これから今まで以上に今ある関係性を大切にしていけるのではないでしょうか。

また、自分史を書くことにより、それまで落ち込んでいた気持ちに区切りがついて前向きになったり、忘れていた目標や趣味を思い出して再度チャレンジしたという方も多くいらっしゃいます。

エンディングノートにそれまでの自分を書き残しておくことは、のちに悩んだり心が疲れたりしたときに頼りになる道しるべとなってくれるでしょう。

自分の財産についての整理をしてみる

次に、自分の財産についての整理をしてみましょう。

終活においての財産とは、遺産相続の時に資産としてプラスとマイナスになるものを言います。

少し難しい言いかたになりますが、相続して金銭的にプラスとなるものを積極財産、借金の借用書やローンといった金銭的にマイナスになるものは消極財産と言い、相続する場合にはそのどちらも遺産となります。

具体的な例としては以下のようなものです。

    • ・現金や預貯金
    • ・持ち家やマンション、アパートや土地などの不動産
    • ・車や貴金属、骨董品やプレミアのついた収集品などの動産
    • ・有価証券や貸付金の証書、著作権といった権利
    • ・カードや奨学金のローン、借用書

遺産相続は基本的にプラスとマイナスの両方を相続することになるため、特にマイナスの遺産を誰にも知らせずにいると相続する際に残されたご家族が負担を強いられることにもなり兼ねません。

ご自分の持ち物を整理するよい機会ともなりますので、一度財産目録を作ってみましょう。

介護や治療についての意思表示を考える

あって欲しくはないことですが、事故や災害といった不幸は年齢に関係なく可能性があるものです。

万が一に備えて介護や医療に関しての意思を書き残すことも重要です。

    • ・もし植物状態になったときの延命装置の停止について
    • ・治療を継続することが出来なくなった場合の延命治療について
    • ・亡くなった後の臓器提供をどのようにしたいのか
    • ・後遺症や重大な疾患を抱える状態になった場合はどのように暮らしていくか
    • ・もしもの時の備えについて

このような項目を一つ一つ掘り下げて考えていくと、改めてこれから先の生活をプランニングしやすくなり、ご家族の負担を軽減することが出来ます。

家族と話し合ってみる

年齢を重ねた方々の一番の財産は、それまで培われてきた人生経験と社会的常識です。

調べればすぐに情報が集まる現代社会ではありますが、例えば実際に介護をなさったりご葬儀やその後の遺産整理を行ったことのある親御さんの言葉は、何にも代えがたい貴重な生きた資料となります。

普段から万が一のときについての情報をご家族で共有しておくことは、いざというときに落ち着いて行動するための手助けにもなります。

エンディングノートがあるということが分かっているだけでも違いますので、何かわからないことがあったり一人では決められない項目などがある時には、ご家族に相談してみましょう。

財産やデータの管理


亡くなられた方が残した財産を整理する上で、一番大変な作業となるのが手続きを伴う遺産整理です。

特にお金に関わる遺産整理は相続の段階で揉めることがあり、終活として事前準備を行う方も多くいらっしゃいます。

また、パソコンやスマホの普及に伴い手軽で簡単に契約出来るようになった反面、ネット上でのやり取りは更に複雑化して分かりにくくなってきています。

このようなデータの財産について、やっておくべき終活をご紹介させていただきます。

銀行口座などの財産

銀行口座に残されている預貯金は、相続権のある遺族が銀行に必要書類を揃えて提出し相続します。

大まかには、

    • ・遺言書などが全くない場合には法定相続人が必要書類を提出して相続
    • ・遺言書がある場合には、裁判所で正式な遺言書と確認されたという証明書と必要書類を提出した上で、遺言書に従って相続(公正証書での遺言書の場合は確認の必要はない)
    • ・家庭裁判所での調停や審判があった場合には、調停調書や審判調書の謄本とともに必要書類を提出して相続

というようになります。

遺言書がなくても残されたご家族が揉めない場合はよいのですが、もし口座にまとまった金額があり相続するときに不安があるようでしたら遺言書を用意しておくとよいでしょう。

遺言書には民法で定められた決まりがあり、民法の決まりに従っていない場合は正当な遺言書として認められない場合があります。

ご自分で書くことも勿論可能ではあるのですが、より安心かつ安全をお考えでしたら各市町村に設けられている公証役場にて公正証書として遺言書を用意するほうがよいでしょう。

銀行口座に限らず、株券などの有価証券や不動産にも同じことが言えます。

ある程度まとまった金額になることが分かっている財産に関しては、公証役場で作成した遺言書があるとより効果的でスムーズな相続となりますので、残されたご家族のご負担を減らす意味でも遺言書を用意するようにしましょう。

パソコンやスマホのデータ

日常的に使いこなしている若者にとっては、パソコンやスマホはなくてはならない生活必需品ですよね。

パソコンやスマホには個人情報という貴重な財産が詰まっています。

クレジットカードやネットバンキングの暗証番号や、お仕事で使っている機密性の高い資料や知り合いの連絡先など、誰かに悪用される可能性のあるデータをどのように処理するのか、あらかじめ決めておく必要があるのです。

このような機械に関して詳しくないご家族の場合、残されたパソコンやスマホをそのままスクラップに出してしまう可能性もあり、そのようなパソコンから情報を抜き出すという人たちも残念ながら存在しています。

可能であれば信用できるどなたかに後を引き継いで貰うようにしたり、ご家族にパソコンやスマホの取り扱いについて話しておくなど、万が一の時にどうするかを考えるようにしましょう。

SNSのIDやパスワード

SNSやブログ、ネット上で契約している有料サービスなどのIDやパスワードを書き残しておくことも重要です。

その際には、どのサービスはどこに連絡をするのかといった連絡先もきちんと記しておきます。

ご家族がネット上で詳しくやり取りできるのであればそれが一番よいのですが、メールなどが苦手という方にはカスタマーセンターの電話番号なども一緒に記載しておくとよいでしょう。

このような情報はエンディングノートに書かれる方が多いのですが、エンディングノートを紛失した場合には情報を盗難される危険が出てきます。

乗っ取り詐欺などを防ぐ意味でも、エンディングノートにはあくまでSNSや使用している有料サービスの種類など書くだけにとどめておき、IDやパスワードはまた別の場所に保管してご家族に保管場所を知らせるようにしましょう。

写真や映像などのデータ

終活においては、写真や映像などのデータの管理も重要になってきます。

デジカメやビデオなどのデータがネット上やパソコン・スマホに保管されたままでは、ご家族が簡単に取り出すことが難しくなります。

可能であればこまめにデータを見直して、CD-Rなどの外部メディアに移しておくようにしましょう。

最近では、ネット上でアルバム作成を受け付けている専門家の方も多くなってきました。友人やご家族との思い出をアルバムにしてプレゼントしたり、ご家族がいつでも眺められる場所に置いておくのもよいですね。

若者が終活を考えるメリットは?


では、若者が終活を考えるメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

終活をするということは、自分の未来を見つめるということになります。

それは楽しい想像だけではないかも知れませんが、多くの可能性があることを認識するチャンスにもなるのです。

これまで言えなかった言葉をノートに綴ってみたり、終活を通してこれまで知らなかった社会の仕組みや問題点を知ることで、これからどのような人生を歩んで行きたいかという姿が浮かび上がってきます。

そして、その理想を追いかけるための十分な時間があることを認識できるのが、若者が行う終活においてメリットなのです。

最大のメリットとなる若さを生かして、ご自分で出来る範囲から少しずつ終活を始めてみましょう。

まとめ


今回の記事を振り返ってみますと

    • ・若者の終活はこれから先を見つめるよい機会となる
    • ・エンディングノートなどをうまく利用してわからないことは家族と相談してみる
    • ・若いときから始める終活には時間があり、社会的な面からの勉強に役立つ

ということが言えるのではないでしょうか。

いつから始めてもよい終活だからこそ、若い人たちにも終活の持つ魅力を知って頂けたらと思います。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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お葬式セミナー講師
エンディングコンサルタント
栗本 喬一(くりもときょういち)
1977年 東京生まれ(名古屋育ち)
略歴
母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者(セレモニーディレクター)として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、5,000件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等
株式会社GSI グリーフサポート アドバンスコース修了。