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ターミナル ケア

ターミナルケアを徹底解説!看取りまでに話し合うべき4つのポイント

「療養中の家族が余命を告げられ、ターミナルケアの対象になると言われてしまった…」

「今まで看取りについて家族同士で話し合ったことがない…進め方がわからない」

「ターミナルケア」とは、すでに効果的な治療法がなく余命が数か月と判断された終末期の時期に行われる医療の事です。

基本的に延命を目的とした治療は実施されず、身体的・精神的苦痛を取り除き、人生の最期の時まで生活の質(QOL)の維持・向上を目指した処置が行われます。

ターミナルケアは、高齢化が進む日本において重要性が高まっている医療・ケアでもあり、診断が多くなるにつれ、疑問や不安を抱えている方達への指針にもなっています。

ケアを受ける際に最も重要なのは、ターミナルケアの正しい知識と療養場所の違いや費用を理解し、患者本人や家族が納得出来る療養先を検討し決定できるようになることです。

しかし、患者本人がどのような最期を迎えたいと思っているかを家族同士で話し合ったことが無かったり、看取りの時までにどのような事を決めておく必要があるかわからないという方がほとんどで、とても不安ですよね。

そこで本記事では、ターミナルケアの定義から療養場所ごとのサービスや料金の違い、看取りまでに話し合うべき4つのポイントを解説します。

ターミナルケアや療養場所についての十分な知識を得ておけば、本人の希望を叶えるための選択が可能となり、来るべき時に慌てずに対応することが出来ますよ。

「ターミナルケア」がどんなものなのか知りたい方、家族の看取りで後悔しないために必要なことを確認したいという方はぜひ最後までご覧ください。

ターミナルケアとは?

ターミナルケアとは、老衰や疾患、障害の進行によって起きる苦痛を取り除き、人生の最期の時まで生活の質(QOL)の維持・向上を目指した処置を行うケアのことです。

『ターミナル』とは『終末期』を指しており『終末期医療』とも呼ばれています。

ターミナルケアを行うかは患者やその家族の意志によって決定されますが『ターミナルケアを開始すること』=『余命を受け入れ、延命措置をしない』ということになるため、とてもデリケートな問題になります。

日本人は一般的に、死を話題にする事を縁起が悪いと言って忌み嫌う傾向にあります。

しかし、ターミナルケアについて考える際は、自分自身や大切な家族が、残りわずかな時間をどのように過ごしていくか?どのように生き抜いていくか?を前向きに検討していくことが大切です。

ターミナルケアの定義

ターミナルケアの考え方は、1950年代からアメリカやイギリスで提唱されました。

人が死に向かってゆく過程を理解して医療のみでなく人間的な対応をすることを主張して普及し、日本でも1980年代頃から徐々に定着するようになりました。

厚生労働省は平成30年に人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドラインを策定しており、ケアの内容や手続きなどを決定するガイドラインとして、終末期医療に関する様々な指針となっています。

終末期に関わるケアの違い

ターミナルケアや終末期医療に類似する言葉は多数あります。概念や定義が似ていることもあって、わかりにくく感じることが多いです。

ここではそれぞれのケアの特徴についてまとめました。

【表1】

  特徴
ターミナルケア ・延命治療はせず人間らしく死を迎えることを支える

・最期の時を迎えるまで医療行為や看護は行う

・余命が数か月と判断された方が対象

ホスピスケア 死期が近い患者に対し、やすらかな最期を迎えてもらうために身体的・精神的・社会的ケアをおこなう。余命の告知を受けている人が対象。
緩和ケア ・病気の進行度に関係なく苦痛や疼痛を和らげることに焦点を当てる

・疾患の治療も並行しておこなうことが可能

看取りケア 終末期において、医療行為は行わずに日常生活のケアを通して精神的・身体的苦痛を和らげ、人間らしく死を迎えることを支えるケア。
サポーティブケア

(支持療法)

おもに、がんによる症状や、がん治療による副作用を軽減するための医療。患者や家族を包括的にサポートする。
エンド・オブ・ライフ・ケア 命の終わりについて考える人が、最期までその人らしく生きることができるように支援するケア。年齢・健康状態・診断名を問わない。

『ターミナルケア』と同じ意味で使われているのが『ホスピスケア』です。

以前は緩和ケア専門病棟をホスピスと呼ぶことが多く【緩和ケア病棟=ホスピス=終末期医療の場】とされており、『緩和ケア』も終末期のみに受ける医療のように捉えられていました。

しかし現在『緩和ケア』は、病気の進行度に関係なく苦痛や疼痛を和らげることに焦点を当てるケアとして疾患の治療も並行して行われることが増えてきており、終末期のみに行われるケアではなくなってきています。

「緩和ケア」がそもそもどんなものか関心がある方は「緩和ケアの定義と制度を解説!療養場所の決め方と知るべき5つの注意」をご覧ください。

ターミナルケアで受けられる具体的なケアの内容

ターミナルケアを受ける目的で最も重要なのは、身体的苦痛や精神的苦痛などの終末期に感じるあらゆる苦痛を取り除くことです。

モルヒネなどの医療用麻薬を使用しての痛みのコントロールや、鎮静薬(睡眠薬)を使用して苦痛を感じない状態にする方法がとられるケースが多いです。

ここでは、ターミナルケアで受けられる具体的な3つのケア内容と、ターミナルケアに関わる資格について解説していきます。

身体面のケア

主に医療従事者によってターミナルケアで行われる身体面のケアが行われます。

【表2】

ケア ケア内容
投薬 痛みを取り除く、鎮静(眠り)のコントロール
栄養・水分補給 食事内容や食事形態の工夫、経管栄養法、点滴など
全身状態維持目的の検査や治療 レントゲンや血液検査、酸素吸入、輸血、褥瘡ケアなど

終末期には痛みを訴える方が多く、痛みを取り除くためにモルヒネなどの医療用麻薬を使用するケースがあります。

医療用麻薬は、一般的な「麻薬」とは異なり、法律で医療用の使用が許可されているもので、適正に使用すれば依存性もなく、終末期に感じる痛みのコントロールに適しているためQOLの向上が見込めます。

現在は内服薬だけではなく、貼るタイプの薬なども出てきています。

また、全身倦怠感や息苦しさ、不眠などの苦痛がひどく、意識があるままだととても苦しい場合には、鎮静薬(睡眠薬)を使用して意識を低下させ、苦痛を取り除くケアがなされます。

鎮静には会話が可能な浅いものから、24時間継続して眠る深いものもあり、鎮静を行う基準については日本緩和医療学会理事会が2005年に策定した「苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン」を元に、患者本人や家族の希望を聞いて行われます。

食欲不振も多くみられる症状で、本人が食べやすいものを用意したり、刻んだりすり潰したりする工夫を行います。

固形物が食べられなかったり必要な水分が飲めない場合は、鼻に通した管から栄養剤や水分を投与する経管栄養法や、点滴による水分補給などがなされます。

疾患に対する積極的な治療は行われませんが、患者本人や家族の希望に応じて、必要な検査を実施したり、酸素吸入や輸血などの処置がなされることもあります。

また、床ずれ予防のための体位変換なども行われています。

精神面のケア

終末期の方は、死に対する不安や恐怖、自分がいなくなった後の家族の心配、継続する痛みや不快な症状によって、精神的に不安定になる場合が多くあります。

そのため、医療従事者や家族、ボランティアの方などによって精神面のケアが行われます。

具体的な例をまとめました。

【表3】

ケア ケア内容
環境調整 ベッド周囲の環境を本人がリラックスできるような雰囲気にする
音楽・写真・映像 好みの音楽をかける、思い出の写真を飾るなどの手助けをする
思いの傾聴 孤独感を持つことのないように思いを傾聴する配慮をする

この他にも、個人によって希望されることは様々であるため、周囲は誠意を持って思いを傾聴し、心穏やかに過ごせる工夫をしてみると良いでしょう。

社会的ケア

ターミナルケアを受ける際に、費用の負担を気にして精神的な負担となってしまう場合があります。

特に家計を担っている方がターミナルケアを受ける場合は、そのような心配が負担となるケースも多いです。

この負担を減らすために、社会的援助について紹介したり、調整を行う役割として「医療ソーシャルワーカー」や「ケアマネージャー」という専門職種の方がいます。

【表4】

職種 役割
医療ソーシャルワーカー

(MSW)

福祉制度や経済面の相談役です。転院先の調整やケアマネージャーと連携して在宅生活開始の調整も担います。
ケアマーネジャー

(介護支援専門員)

在宅生活の介護保険サービスを整えます。

また、社会的ケアには遺産相続や遺品整理のサポートも含まれます。

遺品整理の料金や費用を抑える工夫などについて知りたい方は遺品整理の料金はどのくらい?業者に遺品整理を依頼する際の相場や注意点、安く抑える工夫などを完全解説!の記事をご覧ください。

ターミナルケアに関わる資格について

ターミナルケアや看取りについて、ご家族や職場で関わる機会がある場合、より多くの知識があれば患者さんや家族に喜ばれるケアを実施することが出来ます。

ターミナルケアに関わる資格として『終末期ケア専門士』『看取りケアパートナー』を紹介します。

【表5】

資格 受験資格 費用 メリット
終末期ケア専門士

(日本終末期ケア協会)

医師・歯科医師・看護師などの資格を持ち、実務経験2~3年が必要 受験料:10,000円

登録料:10,000円

更新料:5,000円(3年ごと)※税別

・専門性が身に付く

・キャリアアップ

・他の有資格者との意見交換が出来る

看取りケアパートナー

(一般社団法人みんなのプライド・ユーキャン)

制限なし 約30,000円 ・看取りの知識が身に付く

・社会保障制度を学べる

医療従事者で資格を本格的に仕事で活かす場合は終末期ケア専門士が、家族や身近な方の介護に役立てたい場合は看取りケアパートナーがおすすめです。

目的に応じて受験を検討しましょう。

ターミナルケアを受けられる場所とそれぞれの特徴・費用

人生の最期をどこで、どのように迎えたいかを本人・家族で話し合うことは、ターミナルケアや終末期について考える際にとても大切です。

出来る限り本人の意志を尊重して決定することが大切ですが、一緒に暮らす家族が本人の希望に対応可能かどうかは、しっかりと見極める必要があります。

また、経済的な面や、介護にかかる時間の面、公的サービスの利用についてなど、希望を叶えるために具体的に確認していかなければならない事もあるでしょう。

ターミナルケアは、おもに「病院」「介護施設」「在宅」で受けられます。

ターミナルケアを

受けられる場所

特徴 費用相場
病院 ・専門のスタッフにより、苦痛を和らげる処置やケアを24時間受けられる

・個室のため、周囲に気遣いをすることなく家族や友人、場合によってはペットと穏やかな時間を過ごすことが出来る

・緩和ケア病床は全国で9464床であり、十分な数とは言えない

約1万5千円~13万円/1日あたり

介護施設 ・看取り介護加算算定の施設であれば、苦痛を和らげる処置やケアを24時間受けられる

・看取りの際は個室へ移動し、本人・家族・周囲の利用者への配慮がされる

・公的な特別養護老人ホームは費用が抑えられるため入所のハードルが高い

・民間の介護付き有料老人ホームは費用は高いが比較的早く入所可能

約8万円~30万円/1カ月 あたり

在宅 ・訪問診療や訪問看護を受けて自宅で過ごす

・病院や介護施設で過ごすよりも費用は抑えられるが、介護者である家族の負担は大きい

・看取りの際に慌てないように、訪問医や訪問看護師と病状が悪化した際の連絡先などの確認をしっかりと行うことが大切

約1~3万円/1カ月あたり

ここからはそれぞれの施設の特徴や費用について詳細に解説していきます。

病院

病院の特徴

病院でターミナルケアを受ける場合は「緩和ケア病棟」や「ホスピス」に入院します。

「緩和ケア病棟」では、専門のスタッフにより、苦痛を和らげる処置やケアを24時間受けることが可能です。

また、ほとんどが個室のため、周囲に気遣いをすることなく家族や友人、場合によってはペットと穏やかな時間を過ごすことが出来る体制が整っています。

しかし、日本ホスピス緩和ケア協会によると、2021年11月の時点で、緩和ケア病棟の病床数は、全国で9464床となっており、数としては十分と言えない状況です。

そのため、最近では疼痛が激しい場合に一時的に緩和ケア病棟に入院し、症状が和らいだタイミングで自宅へ退院し在宅療養へ移行するというスポットでの利用も増えています。

病院でターミナルケアを受ける際の費用(費用相場:約1万5千円~13万円/1日あたり)

緩和ケア病棟入院中には、どんな治療・ケアを受けたとしても1日の料金が一定に決められている定額制になっています。

【表7】

入院日数 入院料1(※1) 入院料2
30日以内 51,070円 48,700円
31~60日 45,540円 44,010円
61日以降 34,500円 32,980円

(※1)入院待機期間14日以内、死亡退院等15%以上等の基準を満たす場合

医療費には医療保険が適応されるので、医療保険自己負担率によって1~3割の負担になります。

また、医療費の他に食事療養費や室料差額などの医療保険外費用がかかります。

【表8】

医療費以外の費用項目 費用の目安
食事療養費(※1) 460円×1日3食×入院日数
室料差額(※2) 個室利用等に対して各病院が設定する費用

約3,000円~90,000円

文書料(※3) 診療情報提供書や紹介状の作成を依頼した際にかかる費用

約2,000円~10,000円

(※1)食事療養費は住民税非課税世帯の場合減額されます

(※2)入院する緩和ケア病棟によって費用は変動します。詳細は各施設へお問合せください。

(※3)内容や各施設の料金設定により異なります。詳細は各施設へお問合せください。

ターミナルケアは高額療養費制度の対象になり、1か月あたりの一定額を越えると返金される制度があります。

詳しくは加入している医療保険(保険者)に申請する必要があります。

また、あらかじめ加入している健康保険組合や協会けんぽに申請し「限度額適用認定証」を交付してもらっておくと窓口での支払いを限度額までにできます。

返金を待つ必要がなくなるためおすすめです。

介護施設

介護施設の特徴

特別養護老人ホーム(特養)や介護付き有料老人ホームでもターミナルケアを受けることが可能です。

どちらも医療施設との連携がとれていることや、医師・看護師・介護士などスタッフの人数や配置について、個室設備が充実しているかなどの環境が整っていることが条件になります。

環境が整っていない施設だと、終の棲家だと思っていたのに疾患の悪化を理由に退去を求められたり、病院へ救急搬送されてしまい、看取りは病院で行われたというケースが少なくありません。

入居契約を結ぶ前に

「ターミナルケアの実施が可能か?」

「看取りまでの入居が可能なのか?」

など、医療体制についての詳細を施設へ確認し、納得したうえで契約するようにしましょう。

一般的な特別養護老人ホーム(特養)と介護付き有料老人ホームのそれぞれの特徴・違いを表にまとめました。

【表9】

項目 特別養護老人ホーム(特養) 介護付き有料老人ホーム
運営 地方公共団体・社会福祉法人 民間企業
入居の条件 要介護3以上/65歳以上 要介護度の基準なし/65歳以上
入居期間 長期(終身にわたり入居可) 長期(終身にわたり入居可)
居室面積 10.65㎡ 13㎡以上
医師配置 非常勤が普通 施設により異なる
介護・看護職員配置 夜勤や当直の看護師を配置する義務はないが、夜勤職員配置加算が算定される施設では24時間看護師が配置される 施設により異なる
入居者:介護スタッフ比 3:1 3:1(要支援1の場合は10:1)
待機者 多い 比較的少ない
入居の難易度 高い 低い

介護施設でターミナルケアを受ける際の費用(費用相場:8~30万円/1カ月あたり)

介護施設(特養・介護付き有料老人ホーム)に入所してターミナルケアを受ける際の費用・内訳は以下の通りです。

【表10】

項目 特別養護老人ホーム(特養) 介護付き有料老人ホーム
入居一時金 なし あり:要介護度や施設により異なる

※0円~数百万円

月額費用 8~13万円 15~30万円(施設により異なる)

月額費用の内訳は以下の通りです。

【表11】

項目 特別養護老人ホーム(特養) 介護付き有料老人ホーム
居住費 介護度・負担割合により異なる

約3万~9万円

施設ごと・介護度により異なる

約6万~17万円

食費 所得金額に応じて異なる

約9千円~4万円

施設ごとに異なる

約5万円

施設介護

サービス費

要介護度と部屋タイプにより異なる

約2万~3万円

負担割合により異なる

約2万~6万円

日常生活費 日用品の購入・理美容代・クリーニング代・レクリエーション費用など

個人によって異なる

約5千円~1万円

日用品の購入・理美容代・クリーニング代・レクリエーション費用など

個人によって異なる

約2万円

特別養護老人ホーム(特養)に入所した場合、この他に以下のような様々な加算が設定されており、介護サービスを手厚くすることが出来ます。

利用者は介護保険負担割合により、1~3割の金額を自己負担とします。

・夜勤職員配置加算(費用目安:約5千円~1万5千円/月)

夜間の時間帯に、定められている基準よりも多くの介護職員・看護職員を配置している場合に加算されます。この加算が算定されている施設では、24時間の手厚い見守り体制がとられていて、夜間にも吸痰や体位変換などのケアを受けることが可能です。

・看取り介護加算(費用目安:約3千円~1万円/月)

一定の施設基準をクリアした施設で、疾患の回復が見込めないと診断された利用者に対して食事ケアや排泄介助などの日常生活のケアを行った際に算定されます。

看取り介護加算を算定できる施設基準は以下の通りです。

【看取り介護加算を算定できる施設基準】

・複数の医師が配置されている、もしくは連携している医師と24時間連絡が出来る体制が整っている

・他の診療所や訪問看護ステーションの看護職員と連携し24時間連絡が出来る体制が整っている

・看取りに関する指針を定め、施設入所時に入所者と家族への説明を実施し同意を得ている

・看取りに関する指針を、医師・看護職員・ケアマネージャー・介護職員などが適時見直しをおこなっている

・看取りに関する職員への研修をおこなっている

・個室や静養室で看取りケアがおこなわれ、利用者や家族、他の利用者へ配慮されている

在宅

在宅の特徴

在宅でターミナルケアを受ける際は、介護保険を利用して介護用品等をレンタルするなどして在宅でも安全に過ごせるように環境を調整し、訪問診療や訪問看護を受けながら自宅で過ごします。

在宅でターミナルケアを行う場合、病院や介護施設で過ごすよりも費用は抑えられますが、介護する家族は、食事・排泄・体位変換などのサポートをするため、負担は大きくなります。

公的なサポートを利用したり、家族同士が協力して対応することがとても大切です。

本人もご家族も自宅で看取りたいという希望があっても、病状が悪化した際に慌てて救急車を呼んでしまい、結局看取りは病院になってしまったというケースもしばしば見受けられます。

訪問してくれる医師や看護師と、病状が悪化した際にどこに連絡をするべきか?という点において、しっかりと話し合っておき、急変時に慌てないように対応することが大切です。

在宅でターミナルケアを受ける際の費用(費用相場:約1~3万円/1カ月あたり)

在宅でターミナルケアを受ける際にかかる費用は、下記4つの費用の合算になります。

  1. 1.診療所に支払う訪問診療費用や治療に実際にかかった費用(医療保険が適応され、それぞれの治療内容や往診頻度によって変動する)
  2. 2.処方箋薬局で支払う薬の費用(個人によって変動する)
  3. 3.訪問看護ステーションに支払う費用(それぞれの治療内容や往診頻度によって変動する)
  4. 4.衛生材料費や交通費などの医療保険適応外の費用がかかった場合は別途支払い

【表12】自宅で訪問診療を受ける場合の医療費の目安

医療保険負担割合 1割 2割 3割
1か月にかかる医療費の目安

5,788円~6,688円/月

11,576円~13,376円/月

17,364円~20,064円/月

(※1)厚生労働省HP 訪問看護別表7・8参照

【表13】訪問診療で患者の病状によって別途費用のかかる主な項目と医療費の目安

項目 内容 1割負担 2割負担 3割負担
初診料 初診の際にかかる費用

368 円

736 円

1,104 円

往診料 定期訪問以外の病状悪化の際の往診(※1)

720 円/回

1,440 円/回

2,160 円/回

退院前カンファレンス 退院される病院などの関連機関と家族が出席して病状の把握や退院後の生活に関する調整を行う場への出席

1,700 円/回

3,400 円/回

5,100 円/回

訪問看護指示書 訪問看護師への指示と情報提供

300 円/回

600 円/回

900 円/回

診療情報提供書 他の医療機関を受診する際に医師へ情報提供をするための文書の作成

250 円/回

500 円/回

750 円/回

(※1)休日・夜間・深夜は別途加算があります。

※この他の項目も詳細に料金が決まっています。詳細はかかりつけ診療所にお問合せください。

【表14】訪問看護基本療養費(医療保険)の目安

看護師・保健師・助産師

による訪問の場合

1割負担 2割負担 3割負担
週3日目まで5,550円/日

555円

1,110円

1,665円

週4日目まで6,550円/日

655円

1,310円

1,965円

訪問看護管理療養費 月の初日 7,400円/日

740円

1,480円

2,220円

その月の2日目以降 2,980円/日

298円/回

596円/回

894円/回

早朝・夜間加算(6~8時・18~22時)2,100円

210円

420円

630円

深夜加算(22~6時)4,200円

420円

840円

1,260円

※この他の項目も詳細に料金が決まっています。詳細はかかりつけ訪問看護ステーションにお問合せください。

※訪問看護は介護保険の適応となる場合もあります。ソーシャルワーカーやケアマネージャーに確認すると良いでしょう。

上記以外にも、必要に応じて検査・処置・医学管理料等の費用がかかる場合があります。

ターミナルケアを開始するまでに話し合うべき4つのポイント

終末期の準備というと、葬式や墓をどうするか、遺言や相続について考えるなど、死後の事や残される家族についての事を決めなければならないというイメージを持つ方が多いと思います。

死後の準備も大切ではありますが、もっと大切なことは、老いたり病気になったとしても、どうやって自分らしく・その人らしく生き抜いていくかという、日々のことを考えていく事です。

このような観点も含めて、下記の4つのポイントを意識して準備をすすめていくと良いでしょう。

この順番で準備をすると、ターミナルケアについて今まで考えてこなかった人でも、“最期の時”を具体的にイメージすることができ、後悔しない選択をしていけるようになりますので、是非お試しください。

1)ターミナルケアの準備を開始する時期

2)理想の最期を迎えるためには協力者が必要

3)延命治療をするかどうか話し合う

4)終活について話し合う

ターミナルケアの準備を開始する時期

疾患の診断を受けて治療中の場合、医療技術の進歩により急激に悪化をするというよりは、徐々に機能が低下したり、体調が悪くなっていくケースが多いです。

そのため、準備を開始する時期としては、

・疾患の診断を受けた時

・これまでよりも少し具合が悪い日が多くなってきたなと思った時

などが良いタイミングと言えます。

もちろん早く準備を始めた方が時間に余裕があり、いろいろと調べたり様々な人の意見を聞くことが出来たり、自分や家族と相談することなどが可能です。転ばぬ先の杖として早めに取り組むことをおすすめします。

理想の最期を迎えるためには協力者が必要

最期の時をどのように過ごしたいかを考える際は、同時にその理想を叶えるために協力してもらえる人や思いを託すことの出来る人を検討することが大切です。

あらゆる場面を想定して理想を考えたとしても、病状などは想定外に進んでしまうこともあります。

寝たきりで自由に動けなくなることや、意識が低下して意思表示が出来なくなることを考慮すると、協力者の存在は必要不可欠です。

『どんな思いを、誰となら共有して叶えるために協力してもらえるのか?』

そのような観点で考えると、より具体的なイメージが湧き、理想が明確になっていくでしょう。

延命治療をするかどうか話し合う

ターミナルケアへ移行する時には、延命治療をするのかどうかという点について考えておく必要があります。延命治療とは具体的に下記の3種類があります。

【表6】

延命治療の種類 特徴
人工呼吸 自力で呼吸が出来ない状態や、肺機能の低下によって血液の酸素化が出来ない状態の時に人工呼吸器を使って心肺機能を維持し、延命させる治療。
人工栄養 経口摂取が困難な状態の時に行われる。

経鼻経管栄養法:鼻から管を挿入して胃内へ留置し栄養・水分を注入

胃瘻:腹部表面から胃に直接栄養を入れる管を設置して栄養・水分を注入する。

中心静脈栄養法:太い血管に中心静脈カテーテルを挿入して血液中に高カロリーの点滴をする。

末梢静脈栄養法:腕の血管にカテーテルを挿入して血液中にカロリーの摂れる点滴をする。中心静脈栄養法よりも摂取出来る栄養量が少ない。

人工透析 腎機能が低下した状態の時に、尿毒症になるのを防ぐために人工的に取り出した血液中の老廃物を排出し、必要な物質の残った血液を体内へ戻す処置のこと。

この他に、在宅でターミナルケアを実施する場合は、急変時に救急車を呼んで病院へ搬送するかどうかについても話し合っておく必要があるでしょう。

延命治療をどうしていくかは、本人が決められるうちに検討して希望を周囲に伝えておくことが一番良いですが、それが困難なケースでは家族が決定していくことになるため、後悔しないためにも家族間で十分に話し合いを重ねるようにしましょう。

また、急変時などに本人に代わって誰が意志決定をするのかを決めておくようにすると、混乱を避けることが可能になります。

終活について話し合う

終末期やターミナルケアについて考えることは、『終活』をしていく事と同じ意味だと捉え、疾患や治療の事だけでなく、以下の3つの事も考えてみることをおすすめします。

・家族や友人へ自分の思いや伝えたいことをまとめたエンディングノートを書いてみる。

・相続についてなど、残された家族が混乱しないように遺言書の作成や財政状況の整理をしておく。

・どんなお葬式をして見送って欲しいか、葬儀の内容やお葬式に参列してもらいたい方のリスト作成・連絡先をまとめるなど、残された家族がスムーズに準備が出来るようにしておく。

遺言書の作成ですが、書き方を間違えてしまうと無効になってしまうケースもあり、慎重に行う必要があります。

“正しい遺言書の書き方”については「【文例付き】相続プロが教える!有効な遺言書の書き方完全マニュアル」の記事をご覧ください。

また、財政状況の整理をする場合に『財産目録』を作成しておくと、被相続人の相続財産を明確にし、相続をスムーズにするために大変役に立ちます。

『財産目録』は必ず作成しなければならない書類ではありませんが、書き方のポイントや簡単な作成のコツを知りたいという方は「『財産目録』の書き方のポイントは5つだけ!簡単な作成のコツを解説」の記事をご覧ください。

「縁起でもない!」と終活を遠ざけることは簡単ですが、誰もがいつかは迎える「死」をどのように迎えていくかを考えるのは大切なことです。

人生の最期の時まで自分自身をプロデュースして理想を叶えていくような前向きなイメージで捉えてみましょう。

また、それは同時に大切な家族を混乱させてしまう可能性が高い状況から守るためという考え方もあるのです。

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まとめ

・ターミナルケアとは?

『ターミナルケア』とは、すでに効果的な治療法がなく余命が数か月と判断された終末期の時期に行われる医療を指します。

基本的に延命を目的とした治療は実施されず、身体的・精神的苦痛を取り除き、人生の最期の時まで、生活の質(QOL)の維持・向上を目指したケアを行うことです。

・ターミナルケアを開始するまでに話し合うべき4つのポイント

1.ターミナルケアを開始する時期

疾患の診断を受けた時やこれまでよりも少し具合が悪い日が多いと感じるようになった時などが良いタイミングと言えるでしょう。

2.理想の最期を迎えるための協力者について

病状などが想定外に進んでしまった場合、寝たきりで自由に動けなくなることや、意識が低下して意思表示が出来なくなることも考えられます。思いを叶えるために協力してもらる人を考えておきましょう。

3.延命治療をするかどうかについて

延命治療とはおもに「人工呼吸」「人工栄養」「人工透析」の3つを指します。延命治療をどうしていくかは本人が決められるうちに検討し、希望を周囲に伝えておくことが一番ですが、それが難しい場合は本人に代わって意思決定をする人を決めておくと急変時に混乱を避けることが可能です。

4.終活について話し合う

ターミナルケアや終末期について考えることは『終活』をしていく事と同じ意味だと捉え、疾患や治療の事だけでなく、

・エンディングノートを書いてみる

・遺言書の作成や財政状況の整理をする

・葬儀の内容や参列者リストの作成する

などにも取り組んでおくことをおすすめします。終活をしておくと残された家族が困る場面が減らせるというメリットがあります。

・ターミナルケアを受けられる場所

ターミナルケアを受けられるのは「病院」「介護施設」「在宅」の3つで、それぞれに特徴があり、費用にも違いがあります。

・病院の特徴と費用

  特徴 費用相場
病院でのターミナルケア ・専門のスタッフにより、苦痛を和らげる処置やケアを24時間受けられる

・個室のため、周囲に気遣いをすることなく家族や友人、場合によってはペットと穏やかな時間を過ごすことが出来る

・緩和ケア病床は全国で9464床であり、十分な数とは言えない

約1万5千円~13万円/1日あたり

・介護施設の特徴と費用

  特徴 費用相場
介護施設での

ターミナルケア

・看取り介護加算算定の施設であれば、苦痛を和らげる処置やケアを24時間受けられる

・看取りの際は個室へ移動し、本人・家族・周囲の利用者への配慮がされる

・公的な特別養護老人ホームは費用が抑えられるため入所のハードルが高い

・民間の介護付き有料老人ホームは費用は高いが比較的早く入所可能

約8万円~30万円/1カ月あたり

・在宅の特徴と費用

  特徴 費用相場
在宅での

ターミナルケア

・訪問診療や訪問看護を受けて自宅で過ごす

・病院や介護施設で過ごすよりも費用は抑えられるが、介護者である家族の負担は大きい

・看取りの際に慌てないように、訪問医や訪問看護師と病状が悪化した際の連絡先などの確認をしっかりと行うことが大切

約1~3万円/1カ月あたり

今回は、ターミナルケアの定義から療養場所ごとの特徴、サービスや料金の違い、看取りまでに話し合うべき4つのポイントを解説しました。

ターミナルケアを受ける療養先を決めるには、施設ごとの特徴や費用の違いを理解することはもちろん重要です。

しかし、本人と家族がどのような最期を迎えたいのかという理想について考えを共有することや、普段、話題にするにはデリケートな「延命治療・終活」についてなどを、積極的に話し合うことがとても大切なポイントとなるでしょう。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

プロフィール

運営会社

会社概要

会社名 LDT株式会社
Life Design Technologies co.,Ltd


https://le-tech.jp/
資本金 11,930万円(資本準備金含む)
代表取締役 白石 和也
設立 2019年9月
所在地 〒105-0004
東京都港区新橋5丁目23-10片山ビル6階
TEL:0120-538-175
FAX:03-6800-5820
事業内容 AgeTech(エイジテック)プラットフォーム事業
AgeTech(エイジテック)関連のソフトウェア開発・提供事業
AgeTech(エイジテック)関連のコンサルティング事業

企業理念

ライフエンディング(葬儀)の後悔をなくす

私たちは超高齢社会に適した情報インフラとサービスインフラを構築することにより、人々のQOLの向上に寄与し、社会に貢献し続けます。

やさしいお葬式

「丁寧なお葬式を適正価格で」

私たちは後悔のない終活の
サポートに全力を注ぎます。

私たちはお客様がご納得いただける
まで真摯に向き合います。

私たちはお客様の「ありがとう」を
仕事のやりがいにします

私たちは誰もが知っていて誰もが
使いやすく誰もがなくては困る
そんなサービスを提供し続けます

私たちはこの仕事に誇りを持っています

やさしいお葬式監修

葬祭ディレクターとして10年以上培った経験を活かし、多様化する価値観の中でご相談者様にとって
どのようなご葬儀を選択することがよいのかを丁寧にヒアリングさせていただき、ご提案いたします。

お葬式セミナー講師
エンディングコンサルタント
栗本 喬一(くりもときょういち)
1977年 東京生まれ(名古屋育ち)
略歴
母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者(セレモニーディレクター)として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、5,000件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等
株式会社GSI グリーフサポート アドバンスコース修了。