納骨堂の費用は85万円~!内訳・金額の抑え方~地域相場まで全解説
「納骨堂に興味があるけれど、費用がよく分からない…」
「なるべく費用を抑えて納骨堂に入るには、どうしたらよいの?」
確かに、納骨堂の費用は種類や場所によって価格差が大きく、分かりづらいですよね。
納骨堂にかかる費用の相場は、平均して85万円前後です。種類によって相場が異なりますが、個人用のお墓と比べると費用を抑えて納骨することができます。
納骨堂とは「遺骨を安置するための施設」で火葬後の遺骨を供養する永代供養墓です。プライベートゾーンの確保ができることに加え埋葬後の管理も任せられることから、近年需要が高まっています。
【永代供養墓の種類】
埋葬後、長期間にわたって供養を任せられる永代供養墓について詳しくは「永代供養墓とは?基礎知識・費用・探し方・注意点を完全解説!」も参考にしてください。
そんな納骨堂は費用が30万円〜150万円と非常に幅が広く、選び方によって安価に済ませられる場合と個人墓と同じくらいの費用がかかる場合があります。
費用を左右する大きな要因は主に4つあります。
要因 |
概要 |
利便性 |
交通アクセスや屋内型など、お墓参りのしやすさ |
地域性 |
土地の値段や周囲の納骨堂の相場など |
供養塔 |
納骨堂がどのような様式かによって供養塔が異なる |
供養の仕方 |
日々の読経や大規模な法要の有無など |
それぞれ要因がどの程度の金額の差を生み、金額の差がどのような内容の差につながるのかを理解しましょう。他にも、主な様式ごとの相場の違いや費用の細かい内訳など、納骨堂の費用にまつわる様々な内容をわかりやすく解説します。
納骨堂を検討している方だけでなく、他の埋葬方法と迷っている方も是非最後までお読みください。
納骨堂にかかる費用は85万円~
納骨堂に遺骨を埋葬する際にかかる費用は30万〜150万円で、実際に『納骨堂を利用した方が払った費用の総額は平均して85万円程度』という調査結果も出ています。
相場参考先:【第13回】お墓の消費者全国実態調査(2022年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
納骨堂以外の埋葬方法との費用比較
他の埋葬方法と費用を比べてみましょう。
埋葬方法 |
費用相場 |
墓のジャンル |
納骨堂 |
30万~150万
平均:85万円
|
永代供養墓 |
個人用墓(新設) |
150万~200万円 |
個人管理墓 |
個人用墓(既存) |
20万円前後 |
合祀墓 |
2.5万~30万円 |
永代供養墓 |
自然葬 |
10万円~ |
永代供養墓というジャンルで見ると、納骨堂にかかる費用は決して安いとは言えません。しかし、個人用墓の新設と比べると比較的安価で埋葬できることが分かります。
費用を比較した時にもう一つ読み取れるのが「費用の幅」です。納骨堂は他の埋葬方法と比べて相場の幅が広く、その差は120万円にものぼります。
同じ「納骨堂」という埋葬方法を選んでいても、合祀や既存の個人墓と同程度の価格で済ませられる人がいる一方で、個人用墓を新設する時と同じくらいの費用が発生する人も居るということです。
納骨堂選びで失敗しない!抑えるべき3つのキーワード
納骨堂の費用面で後悔しないためには、「内訳」「決定要因」「種類」について正しく理解することが求められます。
キーワード |
概要 |
1.費用の内訳 |
納骨堂への埋葬にかかる費用の内訳を理解することで、価格が適性がどうか見極めが可能になる。 |
2.費用の決定要因 |
費用に差が出るポイントについての理解を深め、自分が納骨堂に求めるものが明確になる。 |
3.納骨堂の種類 |
納骨堂の種類と内容について把握し、自分の希望について考える。 |
ひとことで「納骨堂」といっても、費用形態はさまざまで、種類や供養方法・規模などは施設によって大きく異なります。それぞれのポイントについて詳しく知ることで、納得のいく納骨堂選びができるでしょう。
それぞれの項目についてより詳しく確認しましょう。
納骨堂にかかる3つの内訳
納骨堂にかかる費用は、「初期費用」「永代供養料」「その他」と大きく3つに分けて考えることができます。
項目 |
概要 |
1.初期費用 |
納骨する際のお布施や人件費など諸手数料としての費用 |
2.永代供養料 |
遺骨の管理及び供養を永代に渡ってお任せするための費用 |
3.その他 |
彫刻・戒名づけなど、上記2つとは別に発生するオプション費用 |
納骨堂の費用相場である30万〜150万円というのは、これら3つの項目を合算した金額です。場所によって呼び方が違うこともありますが、基本的にはこれらの項目の合計金額で総支払額が決定します。
初期費用
初期費用は、埋葬費・開眼供養料・納骨料とも呼ばれ、埋葬時に読経を行う僧侶へのお布施や管理者の人件費として使われる費用で、永代供養料と合算して考える所もあります。別途徴収される場合の相場は、1万~5万円程度です。
個人向けのお墓のように納骨式を行う場合などは更に数万円程度相場が上がる傾向にありますが、複数人まとめて埋葬を行う納骨堂の場合は高額な徴収は行われません。
永代供養料
日々の供養や納骨堂の維持管理費など、遺骨の管理をお任せするための費用です。具体的な費用相場は20万~150万円と幅が広く、納骨堂にかかる費用のほとんどを永代供養料が占めるケースも珍しくありません。
納骨堂は「永代供養墓」であり、永代に渡って遺骨の供養を委託する埋葬方法です。そのため、施設の維持管理という意味合いで永代供養料が発生し、埋葬・供養の仕方によって金額に差が生まれるでしょう。
金額を左右する要因については「費用を決める4つの要因」にて解説していますので参考にしてください。
その他(管理費、お布施 等)
「初期費用」や「永代供養料」とは異なり、自分で選んだオプションによって発生する費用や場所によって求められる会費などが「その他」に該当します。
どのようなオプションがあり、それぞれ費用がどのくらいかかるかについてまとめました。
名目 |
概要 |
相場 |
管理費、
護持会費(ごじかいひ)
|
納骨堂施設の清掃や供養等にかかる維持管理費。 |
1万円~/年 |
お焚きあげ |
遺品を神聖な炎で焚きあげて供養する儀式 |
5千円~ |
一時納骨 |
一時的に安置してもらう際の費用 |
2万円~/年 |
戒名付け |
直葬を選んだ場合など戒名がない場合、改めて僧侶に戒名をつけてもらうための費用
参考記事:戒名とは?浄土宗の戒名の特徴から他宗の特徴、生前戒名まで徹底解説!
|
5万円~ |
納骨供養 |
僧侶による読経などを含んだ納骨の儀式を個別に行うための費用 |
3万円~ |
位牌料 |
故人の戒名や法名を記した位牌を作成するための費用 |
1万円~ |
その他の費用としていくらかかるかは、納骨プランの選び方や施設の方針に左右される部分が大きいでしょう。無宗教など場合によっては0円で済むケースもありますが、戒名や個人的な読経を希望する場合などは数万円程度の費用が発生します。
管理費については、永代供養墓において「通常発生しないもの」という認識が強いですが、納骨堂は徴収される割合が高いと覚えておきましょう。
永代供養料は払っていても、施設の維持管理を目的に年に数万円の管理費を徴収する施設は多く、利用している限り永年にわたって支払いを続ける必要があるからです。
費用を決める4つの要因
納骨堂にかかる費用は、4つの要因によって大きく左右されます。
要因 |
概要 |
1.利便性 |
交通アクセスの良さや屋内施設かどうかなど、お墓参りをする際の利便性の高さ |
2.供養塔 |
納骨堂のシンボルとなる供養塔の規模や種類 |
3.地域性 |
都市部にある納骨堂か、地方にある納骨堂かの違い |
4.供養の仕方 |
日々の供養の内容や、定期的な法要の有無 |
要因がどのように金額に影響を与えているのかを理解することは、「自分が求める理想の納骨堂」を意識することにつながります。
定期的にお墓参りに来てほしいが、お墓のきらびやかさは求めないという方であれば「利便性」を重視し「供養塔」の部分は費用を抑えて検討するなど、希望にあった選び方をすることが大切です。
要因それぞれの詳細について、金額に与える影響の大きい順に解説します。
利便性
利便性とは「お墓参りのしやすさ」を意味し、費用を大きく左右する最も大きなポイントです。
利便性の高い納骨堂 |
・屋内型で、天候に左右されず参拝が可能
・駅から近く、交通アクセスが良い
・インターネットからお墓参りの予約が取れる
(他の人とバッティングせず、落ち着いて参拝できる)
|
他施設との差別化や利用者のニーズに答え、利便性の高い納骨堂が増えてきています。納骨堂に限らず、利便性が高い施設ほど維持管理費が高くなるため、利用者が支払う費用も高額になる傾向があるでしょう。
供養塔
供養塔とは、納骨されている場所の象徴・シンボルのことです。仏様の像や慰霊碑タイプが一般的ですが、中には豪華絢爛な供養塔が用意されている場所もあります。
近年では、従来のお墓らしさを感じさせないスタイリッシュな供養塔やステンドグラスなどお洒落な個々のモニュメントを施した納骨堂が増えてきています。テレビモニターが併設されており、故人の写真を上映できる場所も人気です。
このように納骨堂の供養塔にも様々な種類があり、費用の差を生むポイントとなっています。
地域性
あくまでも傾向ではありますが、地方と比べて都市部のほうが合祀墓の費用総額が高いとされています。これは、土地の価格や土地にかかる税金・人件費の相場など、多くの要因が「都市部」と「地方」とでは異なることが原因です。
自動搬送型など、利用できる土地が限られている都市部に多く、地方には少ないというものもあるため、一概に地方だからといってすべてのタイプの納骨堂が安いという訳ではありません。
具体的な金額の差については「地方の納骨堂も検討する」にて実際に都市部と地方の金額を表でまとめていますので参考にしてください。
供養の仕方
埋葬後、どのくらいの頻度でどのような供養をしているかによっても費用の違いが発生します。供養の内容は、納骨堂運営元の方針により差が大きい部分ですが、頻度が高く大規模な法典が行われるほど値段が高くなることが多いでしょう。
供養の仕方 |
特徴 |
費用 |
大規模な法典がある |
・年に数回、遺族を招いた法典が行われる
・お布施や心付けを納める必要がでてくることも
|
高い
↑
↑
↓
↓
安い
|
毎日供養する |
・原則として、毎日供養が行われる |
月の決まった日に供養 |
・月の中で決まった日に供養が行われる。
・頻度は、場所により異なる
|
特に決まりはない |
・供養の日程について公表されておらず、管理者のタイミングで行われる
・頻度は、場所により異なる
|
供養とは、「亡くなった人と向き合い祈りを捧げる行為」の総称として使われる言葉です。
・お供えものをして線香をあげる
・僧侶による読経
・お参りをして故人への思いを馳せる
供養が充実している場所ほど人件費や維持管理費がかかるため、費用は高めに設定される傾向にあると覚えておきましょう。
納骨堂の種類と相場
納骨堂は、場所によって納骨場所の様子や施設としての設備に違いがあり、大きく4つの種類に分けられます。
種類 |
相場 |
特徴 |
位牌型 |
30万円~ |
遺骨が安置されている場所と参拝用の位牌が別のスペースにある。 |
ロッカー型 |
50万円~ |
大きなロッカーのような棚に、骨壺を納める。 |
仏壇型 |
80万円~ |
個々の納骨檀がお堂内に設けられている。 |
自動搬送型 |
120万円~ |
個々の納骨壇が、電子管理されたお堂に安置される。 |
このように種類によって特徴が異なり、費用にも大きな影響を与えています。それぞれのメリット・デメリットについても考えながら、詳細を確認しましょう。
位牌型 相場:30万円
特徴 |
・遺骨と位牌が別の場所にあり、位牌のあるお堂に参拝する
・遺骨は、骨壺のままor別の箱などに移した状態で、集合安置される
・相場は、30万円~
|
メリット |
デメリット |
・他の種類の納骨堂よりも安価 |
・パーソナルスペースがほとんどない |
位牌型では、遺骨を納めている部屋とお参りする部屋が別に設けられていることが一般的です。合祀のように他の人の遺骨と混ざり合うことはありませんが、骨壺や箱の状態で1か所に集合安置されます。
お堂には、位牌がずらっと並んでおり個別の区画はありません。個人の位牌に向けてお供え物をすることは難しいでしょう。その分費用は安く抑えることができます。
ロッカー型 相場:50万円
特徴 |
・大きなロッカーの棚1つ1つが個々の納骨スペースとなっている。
・1つの施設で多くの人の遺骨を埋葬できるため、納骨堂の主流ともいえるタイプ
・相場は50万円~
|
メリット |
デメリット |
・全国的に数が多い
・比較的安価
|
・殺風景だと感じる人もいる |
コインロッカーに見た目が似ていることから「ロッカー型」と呼ばれるこのタイプは、並んだ棚の中に骨壺を納めます。個々のスペースが狭いため、費用を比較的安価に抑えることができるのが特徴です。
「棚の中に遺骨のみを納め、参拝時には別途用意されたご本尊に祈りを捧げるもの」と、「棚の中に位牌と遺骨を納め、ロッカーの前で参拝するもの」の2種類があり、施設によって形態が異なります。
費用は50万円程度が相場です。同じ施設内でも、下段の方が安く設定されている・家族で入れる広めのロッカーの方が高いなど価格に違いが設けられているケースも多いです。
仏壇型 相場:80万円
特徴 |
・位牌を安置する仏壇(上段)と遺骨を納める(下段)からなる個々の納骨檀
・遺影やお花を供えることができ、パーソナルスペースを実感しやすい
・相場は80万円~
|
メリット |
デメリット |
・供養、宗教の印象が強い
・屋内なので参拝しやすい
・お供えものができる場合が多い
|
・比較的高額になりがち
・数があまり多くない
|
霊廟型(れいびょうがた)とも呼ばれるこのタイプは、お堂内に納骨檀(仏壇)がずらりと横並びになっています。屋内型なので、天候に左右されずに参拝できる点も大きなメリットですね。
個々のしっかりとした納骨檀があるため、しっかりと供養できているという印象が強く、個人用墓からの改葬先としても人気があります。
納骨檀の規模や格式にもよりますが費用は高めになる傾向にあり、相場は80万円〜です。
自動搬送型 相場:120万円
特徴 |
・ICカードや電子キーなどで認証することで自動的に運ばれてくる
・写真、動画、音楽などを映し出すスクリーンが設置されるなど最先端の納骨堂
・相場は120万円~
|
メリット |
デメリット |
・プライバシーへの配慮が徹底されている
・屋内型なので参拝しやすい
・アクセスの良い場所にあることが多い
|
・初期費用・管理費共に高額になる傾向
・都市部には多いが、地方には少ない
|
コンピューターで制御された施設内に多くの納骨檀が設けられているのが「自動搬送型」の大きな特徴です。活用できる土地の狭い都市部に多く見られるタイプで、地下スペースに個々の納骨檀納め、遺族が操作すると自動で参拝スペースに搬送されます。
参拝スペースは、個室や仕切りなどでプライバシーへの配慮が徹底されている施設が多いのも大きなメリットです。また、コンピューター制御なのでセキュリティ面も安心です。
最新テクノロジーを搭載していることなどから、相場は120万円と高めの水準となっています。
納骨堂にかかる費用を抑える3つのポイント
納骨堂は、永代供養の中でも比較的値が張る埋葬方法ですが、3つのポイントをおさえることでその費用を90万円近くの費用削減につながる可能性があります。
キーワード |
概要 |
公営の納骨堂を検討してみる |
公営の納骨堂の方が、費用を抑えることが可能 |
個別の区画にこだわらない |
個別の区画が狭い納骨堂の方が、価格が安い傾向にあり |
地方の納骨堂も検討する |
地方は、都市部と同じ設備でも安価である場合が多い |
納骨堂の費用を抑える3つのポイントについて、費用対効果の高い順にそれぞれ詳しく確認しましょう。
また、納骨費用を最大限抑えたい場合には「合祀墓」について検討してみるのも1つの手段です。
合祀とは、遺骨を個別ではなく他の人の遺骨と合わせて埋葬する方法です。納骨堂のように個別の埋葬とは異なります。
最も費用を抑えられる方法であるため知っておいて損はないでしょう。合祀墓の費用の相場や細かい内訳については「合祀墓の費用は4〜30万円!埋葬方法ごとの違いと費用の抑え方」の記事で紹介しています。
公営の合祀墓を検討してみる(費用対効果:25万円~)
埋葬にかけるお金を少しでも減らしたい場合には、「公営」の納骨堂を検討してみるのも一つの方法です。
公営の施設は「市区町村や県が管理する埋葬施設」であるのに対し、民間の納骨堂は「宗教法人が供養のため納骨を受け入れる場所」であり目的が大きく異なります。価格が抑えられるものの、供養に関しては必要最低限度の対応に留まると思っておきましょう。
また、大前提として民間の納骨堂は決して多くはありません。民間施設のように居住地を問わないなどの自由度もありませんので、お住まいの地域によってはそもそも公営の納骨堂がない場合もあります。
費用の点などから、どうしても公営の納骨堂を利用したいと希望する際には、市区町村の役場に相談してみましょう。
個別の区画にこだわらない(費用対効果:20万円~)
個別の区画が広く設けられている納骨堂ほど、費用が高くなる傾向にあります。そのため、区画へのこだわりを持たないことで費用を大きく抑えることができるでしょう。
納骨堂は、他の永代供養と比べて個人用墓に近い感覚で埋葬できるという良さがあります。他の人と同じ建物に埋葬されてはいるものの、遺骨が合祀されている訳ではないので個々の区画が設けられているのが特徴です。
納骨堂の種類 |
区画について |
相場 |
区画 |
価格 |
自動搬送型 |
・個別の仏壇がある
・仕切りのある個別スペースで参拝
|
120万円~ |
広い
↑
↑
↓
↓
狭い
|
高い
↑
↑
↓
↓
安い
|
仏壇型 |
・個別の仏壇がある
・他の人の仏壇と同じ部屋にある
|
80万円~ |
ロッカー型 |
・ロッカー内に安置
・仏壇と比べて個別のスペースは狭い
|
50万円~ |
位牌型 |
・位牌に向かって参拝する
・遺骨はまとめて保管
|
30万円~ |
納骨堂の種類によって、個別の区画の広さは異なります。自動搬送型と位牌型とでは、相場に90万円の差が出ています。必ずしもこの表の通りとは言えませんが、個別の区画の広さと価格は比例するのが一般的です。
費用を少しでも抑えたい場合には、区画へのこだわりをなくして検討してみることがおすすめです。
地方の納骨堂も検討する(費用対効果:20万円~)
多くの納骨堂は、居住地から離れている場所でも納骨を受け入れています。埋葬する土地にこだわらないという場合は、地方の納骨堂も視野に入れて検討してみるのも一つの手です。
実際、どのくらいの費用の差があるのかを納骨堂の種類別にまとめました。特別なオプションを含めない状態での総額で比較しています。
【位牌型】
【ロッカー型】
【仏壇型】
もちろん地域を問わず安価で受け入れる所もありますので、全ての納骨堂がそうだということではありませんが、このように種類が同じでも都市部の方が費用が高い傾向にあります。
生前住んでいた場所や出身地など故人にゆかりのある土地にある納骨堂を選ぶ方が多い傾向にあります。そのため都市部にお住まいだった方や都市部出身の方は、どうしても費用が高めになってしまうでしょう。
・故人が好きだった観光地
・思い出の旅行先
・景色の綺麗な土地
・自然に囲まれた空気の綺麗な場所
このように、地方の納骨堂を選ぶ素敵な理由は多々あります。お墓参りに行くのが大変になるというデメリットこそありますが、普段の日に心地よく過ごせる土地と考えれば故人も喜んでくれるのではないでしょうか。
他の永代供養との違いを把握しよう
複数ある永代供養は、それぞれに異なるメリット・特徴があります。同じく永代供養である「合祀」「自然葬」「散骨」との違いから、納骨堂についてより理解を深めましょう。
納骨堂の特徴の1つに「納骨後の管理を任せられる」という点があり、これを永代供養といいます。永代供養にもいくつか種類があり、それぞれに異なる特徴があります。
永代供養のメリットは、納骨後の管理が不要である点です。これらの永代供養はすべてそのメリットを得られるという点では共通ですが、遺骨の扱いや供養の有無などに違いがあります。
納骨堂は、他の永代供養と比べて供養や遺骨の管理などが個人用の墓に近いことから、「個人用の墓と永代供養の間をとったような埋葬方法」と説明する施設も多いようです。
納骨堂の費用に関する5つの疑問
自信を持ってお墓選びをするために、是非知っておきたい「納骨堂の費用に関する5つの情報」をQ&A方式で紹介します。
質問 |
答え |
1.夫婦や家族で同じ場所に納骨する際の費用は? |
場所により異なるが、2人目の方が安い。 |
2.納骨時、諸費用とは別にお布施や心付けなどは必要? |
必ずしも必要ということではないが、少額でも包んでおくと無難。 |
3.お墓参りの際、お布施は必要? |
必ずしも必要ということではない。参拝の頻度にもよるが、渡す人が多い。 |
4.墓じまいをして納骨堂に移動させる際の費用は? |
「墓じまい:80万円+納骨堂費用」で100万円以上かかることが一般的 |
5.納骨堂の費用は誰が払うのが一般的? |
遺族が払うことが多かったが、近年では生前申し込みとして本人が払うケースも増えてきている。 |
それぞれの回答について、より詳しく確認しましょう。
夫婦や家族で同じ場所に納骨する際の費用は?
夫婦や家族の遺骨を同じ区画に安置できる納骨堂があり、バラバラに納骨するよりも費用は安く抑えることができる傾向にあります。
※「柱」「霊位」とは、ご遺骨の数え方を指します。
このように、2霊用や家族用を設けている納骨堂も多く、個人用の区画と比べて広く設計されています。単身で考えると高くなってしまいますが、先々のことを考えると1人あたりの値段を抑えることができるでしょう。
施設によっては、後から個人用→複数人用への移動ができない場合もあるため、予定がある場合には初めから家族用・夫婦用の区画を選ぶようにしましょう。
納骨時、諸費用とは別にお布施や心付けなどは必要?
渡さないことで供養が変わることはありませんが、一般的には納骨堂であってもお布施を渡す人が大半です。
僧侶やお寺に対する謝礼は、お布施や心付けと呼ばれ、あくまでも「気持ち」を形にしたものとして扱われているため金額に指定はありません。
主な法事法要で包むべきとされる金額の一般的な相場は以下の通りです。
※各項目をクリックすると対応する記事を確認することができます。
納骨堂によって、納骨式を個別に行うのか・施設のタイミングで他の人と合わせて行うのかは異なります。
個別の場合には、1万~5万円前後のお布施と合わせてお車代などを用意することが一般的です。納骨を合同を行う場合には、お布施として1万円を包むという方が多いでしょう
地域や宗派によって多少違いが出ることもあるので、葬儀社などに相談して確認してみるのもおすすめです。
お布施の用意の仕方についてはいくつかのマナーがあり、知っておかないと恥をかいてしまうこともあるでしょう。詳しくは「これで完璧!お布施の包み方・書き方・入れ方・渡し方のマナーと準備」の記事にて紹介していますので参考にしてください。
お墓参りの際、お布施は必要?
「納骨時、諸費用とは別にお布施などは必要?」と同じように払わなければならないということはありませんが、用意する人の方が多数派です。
お墓参りの頻度にもよりますが、年に1度~2度の参拝であれば数千~1万円程の心付けを用意しておくと無難です。頻度高く参拝しているという場合には、お盆や命日など各々のタイミングで年に1度~2度程度お渡しすれば十分でしょう。
もちろん、心付けは気持ちなので渡すことに問題はありませんが、渡さないことで失礼にあたるということもありませんので、ご安心ください。
墓じまいをして納骨堂に移動させる際の費用は?
この場合、「墓じまいにかかる費用」+「納骨堂の費用」の2つが発生します。
墓じまいにかかる費用 |
離檀料:3万~20万円
閉眼供養料:3万~10万円
墓の解体費用:10万~30万円/1坪あたり
運搬費用:20万円~80万円
|
合計の相場 50万円~ |
まず墓じまいにかかる費用ですが、一般的には総支払額が50万円前後となることが多いとされています。墓じまいの流れや費用に関する詳細は「墓じまいに関するお金の疑問を解消!墓じまいにかかるお金の相場を徹底解説!」の記事を参考にしてください。
檀家となっていたお墓を閉めてお墓を改めることを改葬と呼びます。この改葬先として近年需要が高まっているのが納骨堂や合祀墓といった永代供養墓です。
改葬の際は、墓じまいの費用に加えて納骨堂の費用(相場30万〜150万)がプラスで発生します。納骨堂の費用をできるかぎり抑えた場合であっても80万円以上はかかってくるものと想定しておきましょう。
納骨堂の費用は誰が払うのが一般的?
納骨堂の費用は、誰が払っても問題ありませんが「遺族」が支払うケースが一般的です。しかし、近年では生前申し込みに対応した納骨堂も増えてきており、本人が予め希望する納骨堂に申請をして支払いを済ませるケースも多々あります。
支払い者 |
概要 |
遺族 |
故人の死亡後、遺族が納骨堂への申し込み・支払い手続きをする。 |
本人 |
生前に納骨堂の枠を確保する「生前予約」に対応した納骨堂へ、本人が自ら申し込み・支払い手続きをする。 |
以前は、葬儀・火葬後のタイミングで遺族が納骨堂を探し、手続き・支払いをするのが多数派でした。しかし、近年では「終活」や「お墓選び」というワードが浸透し、自分で納骨堂の申し込みをする人が増えてきました。
人気の納骨堂などは、募集後すぐに枠が埋まってしまうケースもあるため、生前予約を積極的に活用することがおすすめです。
納骨堂選びはプロに相談しよう
お葬式やお墓選びなどの仏事については、専門知識を持ったプロに相談することで、後悔なくスムーズに埋葬まで執り行うことができるでしょう。
プロへの相談は、一般的な個人用墓地に限定したことではありません。納骨堂や合祀墓といった永代供養墓についても、ご自身やご遺族だけで悩みを抱えるのではなく積極的にサービスを利用することがおすすめです。
「やさしいお墓」では、「お墓探しサービス」として一般墓地・永代供養・納骨堂・合祀墓の案内サービスを行っています。地域の担当者が、費用面を含め、埋葬方法・供養の仕方・お墓の種類に至るまで、納得できるお墓選びをサポートします。
納骨堂に関するちょっとした疑問やお悩みなど気軽に相談し、後悔のないお墓選びをしましょう。
まとめ
当記事では、納骨堂の費用について詳しく解説しました。
キーワード |
ポイント |
納骨堂の相場 |
30万~150万円 平均支払額:85万円前後 |
【位牌型】
30万円~
|
【ロッカー型】
50万円~
|
【仏壇型】
80万円~
|
【自動搬送型】
120万円~
|
費用の内訳 |
初期費用、永代供養料、その他(オプションや年会費等) |
費用を左右する要素 |
利便性:交通アクセス、お墓参りのしやすさ
供養塔:納骨場所のシンボルとなる供養塔の規模や種類
地域性:都市部の方が高くなる傾向にある
供養の仕方:供養が充実しているほど費用も高くなる
|
費用を押さえるコツ |
「公営施設」や「地方施設」を選択肢に入れると共に、個別の区画を持たないことを検討するとよい |
合祀墓にかかる費用の大半は「永代供養料」が占めていることが多く、「利便性」「供養塔」「地域性」「供養の仕方」によって金額が大きく異なります。
費用を最低限に抑えるためには、個別の区画の広さにこだわらないことが大切です。また、公営や地方の納骨堂を検討することでも出費を抑えることができます。
納骨堂と一言でいっても、施設の方針や納骨の方法などに違いがあります。そしてその違いが費用の違いにもつながっているということを知っておきましょう。
納骨堂に対するイメージを膨らませ自分の希望を明確にし、後悔のないお墓選びをしましょう。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール