オンライン法事・法要を完全解説!お布施・流れ・マナーを紹介!

コロナウイルスの感染拡大・蔓延が長期化する中、仕事のリモートワーク化が進み、移動制限や外出自粛要請が出るなど、わたしたちの暮らしは短期間で大きく様変わりしました。

その影響は、仏教界や葬儀業界にまで広がっています。 

最近よく聞く言葉の中に「オンライン◯◯」というものがありますが、実際に会合や飲み会などをオンラインで行うことが多くなってきました。

実は、葬儀や法事もオンラインで行う事例が増えてきているのです。

そこで、オンラインで行う葬儀や法事とはどのようなものなのか、これらに関する流れやマナーなどについてお伝えします。

オンラインでの葬儀・法事とは

オンラインでの葬儀、法事とは、寺院や式場など、現地で行われる葬儀や法事の模様を動画で撮影し、その様子を遠隔地(自宅など)からパソコンやスマートフォンなどを使って視聴し、儀式に参列するというものです。

具体的に見ていきましょう。 

オンラインでの葬儀・法事が増えている理由

オンラインでの葬儀・法事が増えている1番の理由は、何といっても「コロナウイルスの感染および拡大の防止」のためでしょう。

現代の葬儀や法事は、寺院や式場で行うことがほとんどです。

その場合、1つの場所に多くの人が集まり、着席時は人と人との間隔が狭まるため、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つことが困難になります。

いわゆる三密(密集・密閉・密接)の状態が長時間続くことになるわけです。

また、終了後は会食の席が設けられることも多く、飲食や会話をする際はマスクを外すため、飛沫感染する可能性も考えられます。

葬儀や法事という性質上、それらを避けることは物理的に不可能と言えるでしょう。

実際、葬儀会場でクラスター(集団感染)が発生したという事例もあるため、関係者は対応に苦慮しているという話もあります。

このような状況から、葬儀や法事のオンライン化が始まったと考えられます。

オンライン対応の動き

では、実際に葬儀や法事のオンライン化を導入したケースについて見てみましょう。 

対応サービスの登場

葬儀や法事のオンラインサービスが開始された背景には、「コロナウイルスの感染拡大防止」という大きな要因があります。

感染者の爆発的な増加、不要不急な外出の自粛要請、県境を越える移動の制限、三密回避やソーシャルディスタンスの保持なども加わり、従来のスタイルによる葬儀や法事を行うことが物理的に難しくなってきたのは事実です。

さらに、檀家や利用者側からの葬儀・法事のオンライン化対応の要請と、寺院・式場側での受付・運営体制の完了が融合して、新たな葬儀・法事のスタイルが誕生したのです。

まさに「需要と供給が一致した結果」とも言えるでしょう。

現在、既存の葬儀会社も次々とオンライン葬儀のサービスを提供しています。

オンライン葬儀では、葬儀に関わるほとんどの過程を専用システム上で行うことが可能です。

事前に関係者専用ページが用意され、アクセスできるのはURLやQRコードを知っている方だけになります。

では、実際にどのようなサービスが行われているのか、その一例を見てみましょう。 

・訃報のお知らせ

故人が亡くなったことを知らせたい相手の連絡先を登録しておけば、メールやSNSなどで案内してくれるシステムになっています。

逝去のお知らせと同時に、葬儀日時や式場などの情報も一緒に送信することが可能です。

・芳名帳(受付記帳)

専用ページに参列者が住所や氏名などを入力すると、個別のQRコードが発行されます。

会場へ行く必要がある場合は、QRコードを提示するだけで受付が完了する仕組みです。

また、参列者情報はデータベースからダウンロードできるので、後は印刷するだけで芳名帳が完成します。

・香典、供花、供物、弔電

専用ページからクレジット決済で香典を送るシステムも存在しています。

メッセージを添えたり、供花、供物、弔電も送ることができたりします。

喪主側は、香典の受け取りはもちろん、辞退の設定も可能。さらに、専用ページから返礼品の注文までできてしまいます。 

・遺影、アルバム

事前に写真を登録しておくと、遺影やスライドショーなどが閲覧できるシステムです。

・葬儀ライブ配信

葬儀の様子をリアルタイムで配信するシステムです。

こちらはオンライン葬儀のメインとなる部分なので、どのサービスもこのシステムが基本となっています。

また、葬儀終了後はシステム上に映像データが保存されるので、後日改めて視聴することも可能です。

寺院の対応例

葬儀や法事のオンライン対応を可能とする寺院も、少しずつではありますが増えてきています。

寺院は、動画の即時配信が可能なツール(ZoomやYouTubeなど)を利用して、読経や焼香、説法など、一連の流れを視聴するための専用URLを設定し、パスワードの入力を必須とするなどして、セキュリティに配慮した上で参列者にそれらを通知します。

参列者は、開式時間になったら指定されたURLにアクセスし、パスワードを入力して画面を開き、視聴・参列します。 

ちなみに、配信映像は世界中で見ることができるため、海外にいる親族や友人などに参列してもらうことも可能です。

その場合は、事前にURLとパスワードを知らせておきましょう。 

しかし、参列者にとっては便利となる一方で、寺院側はオンライン対応の協議、マニュアルの作成、必要となる機材の準備と設営、当日の運用、それらに対応できる人材の確保や育成など、オンライン化に向けてのハードルは意外と高いものです。

そのため、対応できる寺院はまだまだ少ないというのが現状です。 

オンライン葬儀の流れ

では、オンライン葬儀は実際どのように行われるのか、従来のやり方とはどう違うのか、というところを見ていきましょう。

オンライン葬儀は、事前予約制のところがほとんどです。

日時を決めて予約し、指定された時間に専用URLを開くと、葬儀会場の様子が映し出されます。

ウイルス感染防止のため、会場には僧侶と配信担当のスタッフだけという場合が多いですが、喪主を含めたごく少数の身内がいることもあります。 

オンラインと聞いただけで、何か特別な感じがして身構えてしまう方もいるかもしれませんが、葬儀全体の流れ自体に大きな変更はありません。

「自分が葬儀会場にいるかいないか」くらいだけです。

読経が始まってしばらくすると焼香の案内がありますので、参列者はパソコンの前で焼香および合掌をします。

読経後に僧侶からのお話がある場合もありますが、ない時は僧侶の退席後にスタッフから終了の案内がありますので、お礼を述べて視聴を終了します。

オンライン葬儀のマナー

オンラインとはいえ、葬儀という厳粛な儀式の場であることに変わりはありません。

参列場所は、会場内の別室や自宅などの場合が多いと思いますが、葬儀中の行動や会話は画面を通して相手に伝わります。

お互いに不愉快な思いをしないよう、儀式に臨んでいるということを念頭に置いて参列するようにしたいものですね。

ここからは、オンライン葬儀のマナーについて解説していきます。

遠隔での参列時の服装

遠隔での参列時でも、服装はブラックフォーマル、いわゆる礼服(喪服)での参列が望ましいです。性別や年齢ごとの注意点を見ていきましょう。 

男性の場合)

・礼服:黒無地、生地は光らない素材を選ぶ。

・上着:シングルでもダブルでも問題ありません。

・パンツの裾:シングルがいいです。

・Yシャツ:白無地を着ましょう。色柄物は避けてください。

・ネクタイ:黒無地、生地は光らない素材で。ディンプル(ネクタイのくぼみ)は作らないようにしましょう。

・ベルト:黒無地、シンプルなデザインで。爬虫類柄は殺生をイメージするので避けてください。

・靴下:黒無地が基本です。白や柄物は避けてください。

・靴:黒の革靴。紐で結ぶタイプが無難です。 

女性の場合)

・礼服:黒無地で、生地は光らない素材が基本です。ワンピースやアンサンブルが一般的ですが、パンツスタイルでも問題ありません。また、冬服およびオールシーズン用は長袖、夏服の場合は五分丈が基本です。

・スカート丈:膝下からふくらはぎくらいを目安にし、過度な露出は避けましょう。

・アクセサリー:真珠が定番ですが、結婚指輪や婚約指輪はそのままで問題ありません。ただし、ネックレスの重ねづけはNGです。

・ネイルをしている場合:手袋などでカバーし、焼香時は外します。

・バッグ:色は黒、布製で光沢のないシンプルなものを選びます。荷物が多い場合は黒いサブバッグを持っても問題ありません。

・ストッキング:薄地の黒が基本。網タイツや柄物はNGです。

・靴:黒のパンプス。素材は布または革製を選びます。ヒールの高いもの、サンダルなどはNGです。

学生の場合)

・制服がある場合は制服を着用し、ない場合は、光沢のないダークカラーのシンプルなスーツやワンピースなどを着用しましょう。

子どもの場合)

・園児で制服がある場合は制服を着用し、ない場合は、白無地のシャツにダークカラーのシンプルなボトムがおすすめです。

・靴:会場で走り回る可能性を考慮して、靴は洗って清潔にした運動靴の方が無難です。 

男女共通の持ち物)

・数珠:宗派によって決まりが違いますが、一連タイプならどの宗派でもOKです。

・袱紗:紫の袱紗が慶弔兼用で便利です。

・ハンカチ:黒または白無地。色柄物はNGです。

遠隔での参列時の注意点

遠隔で葬儀に参列する場合は、自分の居場所からパソコンなどの画面を通して参列します。

葬儀会場内の別室であれば問題ありませんが、注意が必要なのはそれ以外の場所、つまり自宅などから参列するケースです。 

オンラインとはいえ厳粛な儀式ですから、事前の準備がとても大切になります。

まずは、会場となる場所を片付けて線香や香炉などを並べたのち、パソコンなどを設置します。

採光にも注意をはらい、画面が見やすい場所に置きましょう。

なお、設置の際は必ずインターネットの接続状況を確認してください。

葬儀中に回線が切断されては元も子もありません。途中で慌てることのないよう、安定して接続できる環境を整えておきましょう。

そして、ペットがいるご家庭の場合は、鳴き声やいたずらなどで儀式が中断しないよう、別室でケージに入れておくか、事前にペットホテルへ預けるなどの配慮も必要です。 

遠隔で会食を行う際の注意点

オンライン葬儀後の会食は、一般的には省略することがほとんどです。

感染予防という点から見ても理に適うものでしょう。

親族側も、参列者へ会食の代わりに相応の金品を渡す、ということはしなくても大丈夫ですが、僧侶には「御膳料」と「御車代」を包んで渡ししましょう。

不祝儀袋に「お布施」と書き、対面が可能であれば手渡しで、難しい場合は現金書留で送るなどの対応を行います。

オンライン葬儀・法事システムを導入している葬儀社やシステムを行う会社であれば、香典送金を行うことも可能です。

なお、御膳料および御車代の相場は、それぞれ5,000円〜10,000円くらいが一般的です。

香典の送り方

オンラインでも葬儀であることには変わりないので、参列する場合は香典を用意します。

香典の金額は、親族なら10,000円〜100,000円、会社関係なら5,000円〜10,000円くらいが相場といわれています。 

なお、血縁者の一般的な相場は下記の通りです。 

・両親:50,000円〜100,000円

・祖父母:10,000円〜30,000円

・孫:30,000円〜100,000円

・おじ・おば・いとこ・甥・姪:10,000円〜50,000円 

会うことが可能であれば手渡しするのが一番ですが、遠隔地の場合は難しいため、現金書留で送るのが安全かつ確実と思われます。

その場合は、不祝儀袋にお金を入れて表書きを書き、そのまま現金書留の専用封筒に入れて郵便窓口に持参すれば届きます。

郵送する際は、お悔やみの言葉をしたためた手紙を入れると丁寧ですので、可能な限り入れるといいでしょう。

ちなみに、現金を普通郵便や宅配便で送ることは郵便法第17条で禁止されていますのでご注意ください。 

オンライン法事の流れ

オンライン法事は、葬儀と同じく事前予約制のところがほとんどです。

法事当日の指定された時間に専用URLを開くと、法事会場の様子が配信されます。法事の流れは、オンライン葬儀の時とほぼ同じと考えていいでしょう。

読経が始まって焼香の指示が出たら、パソコンの前で焼香および合掌をします。

読経後は、僧侶が退席した後に法事の終了を告げられますので、お礼を述べて視聴を終了します。 

オンライン法事のマナー

オンライン葬儀のところでもお伝えしましたが、法事も立派な儀式ですので、やはり厳粛な気持ちで臨みたいものです。

遠隔会場となる自宅などを片付け、必要な仏具やパソコンなどを設置し、いつもと同じように作動するかをチェックします。

静かな環境で心を込めた法要が営めるよう、私語などは厳に慎みましょう。

服装

四十九日から一周忌までは、礼服での参列が望ましいですが、三回忌以降は、儀式も服装も簡略化していくことが多いので、黒、紺、グレー系のダークスーツやワンピース、アンサンブルなどで参列しても大丈夫です。

もちろん礼服でも構いませんが、服装の格が違いすぎるとお互いに気まずい思いをしかねません。

そうならないために、事前に参列者同士で話し合っておくと安心ですね。

マナー、注意点

葬儀に参列する場合と同様に、遠隔参列ならではの注意すべき点があります。

まず、リビングなどの会場となる場所を片付け、仏具をセットし、パソコンを設置する際は画面が見やすい場所に置きます。

法事中の回線切断を防ぐため、事前にネットの接続状況も確認しておきましょう。

また、小さな子どもやペットがいる場合は、見守り役の方を配置するのも一つの方法です。

オンラインでの葬儀・法事のお布施

オンラインであっても、葬儀と法事に「お布施」は必要です。

地域性や寺院との関係性によって差が開くため、周りの方に聞いたけどわからないという場合は、直接寺院に問い合わせしても構いません。

ここでは平均的な相場をお伝えします。

葬儀のお布施

葬儀のお布施の一般的な相場は、200,000円~500,000円ほどといわれていますが、寺院とのつながりやついた戒名によって大きな差があります。

お布施には読経料、戒名料、御膳料、御車代の4つがあり、大半を占めるのが戒名料です。 

院号の有無、居士、大姉、信士、信女など、戒名の位によっては1,000,000円近いお布施が必要となる場合もあります。

一例として、1人の僧侶に通夜から告別式までの読経をお願いし、院号なしで信士または信女の戒名をつけた場合は、だいたい200,000円~350,000円が相場です。

さらに、これとは別に、御膳料と御車代を包みます。

御膳料と御車代は、それぞれ5,000円〜10,000円が一般的な相場です。

お布施を包む時は、読経料と戒名料をまとめて1つの不祝儀袋に入れ、御膳料と御車代はそれぞれに包んで渡すのが一般的ですが、オンライン葬儀の場合もそれに準じるのが無難です。

ただし、お布施の金額は大きくなるため、手渡しが難しい場合は現金書留や振込等で対応することもやむを得ないでしょう。

そのあたりについては、事前に寺院へ確認しておくことをおすすめします。 

法事のお布施

法事の際のお布施にも、一般的な相場があります。

故人が亡くなってから四十九日を迎えるまでの間を中陰(ちゅういん)といい、昔は初七日から六七日(むなのか)まで、7日ごとに法要を行っていました。

現在では簡略化され、初七日と四十九日の満中陰(まんちゅういん)に法要を行うパターンが多いです。

初七日も四十九日も、お布施の相場はそれぞれ30,000円〜50,000円が相場といわれています。

ちなみに、葬儀と初七日法要を同時に行う場合は、葬儀のお布施に初七日法要分の金額を合わせて包みます。

また、四十九日法要と同時に納骨法要を行う場合は、四十九日のお布施に納骨法要分の金額を合わせて包みます。

納骨法要の相場は、四十九日と同じく30,000円〜50,000円です。

さらに開眼供養も行う場合は、別途お布施が必要になります。

開眼供養の相場は、100,000円〜150,000円くらいが一般的です。 

オンライン法事についてのまとめ

通常の葬儀・法事とオンライン葬儀・法事との違いは、平たく言えば「会場でやるか自宅でやるか」ということでしょう。

儀式の臨場感や厳粛な雰囲気などは、やはり実際のお葬式の場が一番です。

ですが、コロナウイルスの感染防止はもちろん、従来のやり方では参列が難しかった方が一緒に参列できるようになったという点では、オンラインを活用する方法も一つの手段です。

「リスクマネジメント」と「IT技術」が融合した、葬儀や法事のオンライン化という新たな試み。

そして、檀家や利用者からの申し出に対して、柔軟な対応をする寺院や式場。

伝統や格式が重要視される仏事も、時代の波に合わせた変化が必要な時期に来ているのかもしれません。

オンライン法事・法要を行っている寺院一覧

浄土真宗本願寺派「築地本願寺」

浄土真宗本願寺派「勝田山最乗寺」

曹洞宗「瑞松山景福寺」

真言宗豊山派 宝性寺越谷別院

  • 超高齢化多死社会を迎える中、今の時代に必要なのは、ご遺族の状況に応じたプランをご提案することです。
    厚生労働省認定1級葬祭ディレクターとして、これまでの画一的な「一般的な葬儀」を一から見直し、必要な人に、必要なお葬式を自由に選んでもらうためのプランを作成しました。
    後悔のないお葬式を執り行いたいけど、シンプルなお葬式でいい。そんな方はぜひお気軽にご相談ください。

  •