葬祭DXとは?最近よく聞くDXと葬祭DXについて完全解説!
みなさんはDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞いたことはありますか?
社会の中でITに関する技術がハード・ソフトともに飛躍的に進化し、高度な情報化が進む中で、様々な産業で進むのがこのDXになります。もちろん、この変化は葬儀業界でも激しく起きています。
皆さんのなかには、「そもそもDXって何?」と思われたり、「DXってITに関することでしょ?葬儀と関係あるの?」と思われたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんな葬儀業界のDXについて、そもそもの意味や他業界も含めたわかり易い例をご紹介した後に、葬儀業界のDXについて、実例を交えながら詳しくご紹介してまいります。
DXとは?
IT分野に精通されている方であれば、DXと言われてパッとなんのことか理解できるかもしれません。一方で、多くの人にとってはまだ身近ではない言葉かもしれません。
本記事では、葬儀業界のDXについて実例を交えながら詳しくお話してまいりますが、まずは、そもそものDXの意味からご紹介してまいります。
DXとは?
DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)のことで、ITなどの技術を用いて、会社における組織変革を起こしたり、事業自体のビジネスモデルを変革していったりすることが挙げられます。
デジタルと聞くと、業務にパソコンやタブレットを導入するなどしてIT化を進めていくのかなと理解される方も多いかもしれません。しかし、それではまだ70%の理解になります。
DXはビジネスモデルの変革を指す
確かにDXでは、IT技術を導入していきますが、その導入の目的は、単なる既存事業の効率化にとどまらず、事業のあり方(ビジネスモデル)自体を変革していくことにあるのです。
ですから、IT化は「既存の事業の効率化が目的」であることに対して、DXでは「組織やビジネスモデルそのものを変革することが目的」であることには留意が必要です。
ここからも、DXは既存のIT化に対してより高次での取り組みであると言えます。
わかりやすいDXの例
一言で「ビジネスモデルの変革」と言われても、ピンと来ない方が非常に多いかと思われます。ここからは、身近なDXの例についてご紹介してまいります。
動画配信サービス
身近なDXの例としてNetflixやAmazon Prime videoなどの動画配信サービスが挙げられます。
従来だと、私達は何視聴したい動画があった時にレンタルビデオショップへ出向き、1作品ごとにDVDを借りて料金を支払い、期限が来れば自分で返却に行かなければなりませんでした。
一方で、IT技術を屈指したNetflixなどの動画配信サービスでは、店舗の営業時間や期限を気にすることなく、自宅で登録から視聴、返却まで完結することができます。
このように、もともとレンタル商品を店舗に保管し、来店客に商品を貸し出して利益を得ていたビジネスモデルから、IT化により実店舗がなくとも定額の料金を支払っている顧客に自由に動画視聴してもらって利益を得るビジネスモデルを生み出したのです。
このような変化こそが、DXの具体的な例と言えるでしょう。
モバイルオーダー
お店と利用者が便利になっているという観点では、マクドナルドやスターバックスも積極的に導入しているモバイルオーダーがあります。これまではお店に行って注文していたのが、事前にアプリで注文し、到着と同時に商品を受け取る、ということが可能です。消費者側としては待つ時間がなくなり、お店にとっても何時にどの商品を用意しておく、とわかることでオペレーションの均一化が可能となり、慌ただしくしなくてもよくなります。
電子契約サービス
また、多くの企業が最近では、契約書の電子契約サービスを導入し、はんこなしで契約締結をできるようにしていたり、人事や経理業務をRPAという自動処理ロボット(PCのソフト)を導入し、ルーティン業務の自動化に取り組むことも積極的です。
このような変化こそが、DXの具体的な例と言えるでしょう。
葬祭DXとは?
さて、ここまでは一般的なDXの意味と実例について詳しくご紹介して参りました。ここからは、葬儀業界におけるDXである「葬祭DX」について詳しくご紹介してまいります。
これまでの葬儀のイメージだと、なかなか想像しづらいかもしれませんが、葬儀に関してもITの恩恵を受けてDXが進んでいる分野の1つだと言えます。
みなさんも、この記事を機に、新しい葬儀の形を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
葬祭DXとは?
葬祭DXとは、その名の通り、葬儀に関するデジタルトランスフォーメーションのことを指します。先程も説明したように、DXとは、ただ単にITを導入することではなく、組織やビジネスモデル自体を変革させることを指します。
ですので、ただ単に、売上の管理や顧客管理にデジタルツールを導入したり、ホームページを改善したりするだけでは、DXとは言わないのです。ここから先は、そんな葬祭DXについてご紹介してまいります。
葬祭DXの例
葬祭DXの主な例として「スマート葬儀」と「スマート葬儀CRM」についてご紹介してまいります。
日本で初めてクラウド型CTIを導入したシステムとして有名ですので、代表的な例として取り上げさせていただきます。
スマート葬儀
まずスマート葬儀についてご紹介してまいります。スマート葬儀とは、ライフエンディングテクノロジーズ株式会社が運営する「葬儀や法事への参列から香典などの送付や芳名帳への記帳、焼香までオンラインで行うことができる」葬儀システムになります。
>>公式サイト「スマート葬儀」
スマート葬儀の特徴
これまで、葬儀への参列は必ず現地へと足を運ばなければならず、遠方に住んでいるなどの場合はやむを得ず欠席することもしばしばありました。
しかし、ITを活用したオンライン葬儀システムの登場により、遠方に住んでいるなどの理由で参列できなかった人が、オンライン上で葬儀や法事に参列できるようになりました。
加えて、新型コロナウイルスが流行している現在においては、オンラインによる葬儀の実施は現実的な葬儀の実施手段として重宝されるようになってきています。
オンライン葬儀・法要に関しては下記記事をご参考ください。
・本当にオンラインで参加可能⁉︎お盆のオンライン合同法要を開催しました
・3分で分かるオンライン葬儀!香典・お布施・費用を完全解説!
・必読!オンライン葬儀(リモート葬儀)のメリット・デメリットを解説!
・オンライン葬義の流れを解説!おすすめのサービスも紹介!
スマート葬儀CRM
続いてご紹介するのは「スマート葬儀CRM」です。こちらも同様にライフエンディングテクノロジーズ株式会社が運営するシステムになります。
まず、CRMとは、顧客管理システムのことです。このスマート葬儀CRMでは、これまで追随が煩雑だった顧客情報を一元管理することで、容易に追跡、アフターセールスなどを可能としています。
顧客関係管理(CRM)については「最新の葬儀社の顧客管理手法・クラウド型顧客管理とは?内容と提供サービスを解説!」の記事もご参考ください。
スマート葬儀CRMの特徴
顧客管理についても、DXによって、単にデジタルデータへと移行するだけでなく、情報共有を迅速に行い、その先のより効果的なクレーム対応や販売促進活動へとつなげることができるのです。
また、他のCRMとスマート葬儀CRMが異なる点としては、日本では初めてクラウド型CTIを導入している点にあります。CTIとは、電話やFAXとコンピュータを連携させて、コンピュータ上で受発信の管理などを行うことができるシステムのことです。
スマート葬儀CRMでは、具体的には、通話内容の録音やテキスト化、またそうしたデータをCRMと連携させることができます。
スマート葬儀の取材・放映情報は下記記事をご覧ください。
・週刊女性にオンライン葬儀対応システム「スマート葬儀」を取材頂きました。
・Yahoo!ニュースにオンライン葬儀参列システム「スマート葬儀」が掲載されました。
・ダイヤモンドオンラインで当社のオンライン葬儀参列システム「スマート葬儀」を掲載頂きました。
スマート葬儀を始め、各種葬儀プランのご相談は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。
その他の葬儀関連のDX例
ここまでは、葬祭DXの例としてスマート葬儀やスマート葬儀CRMをご紹介して参りました。本節では、上記のサービスとは異なった、他の葬儀関連DXをいくつか簡単にご紹介致します。
株式会社博愛社
まずご紹介するのは、株式会社博愛社です。この会社では、「カイクラ」と呼ばれるシステムを導入することで、DXを実現しました。
カイクラの特徴
>>公式サイト「カイクラ」
カイクラは、電話着信時にお客様の情報が自動的に表示されるシステムです。このシステムを導入することにより、葬儀社側がしっかりと顧客情報を確認した上でお電話対応ができるため、お客様の精神的なご負担を軽減し、トラブルやクレームを未然に防ぐことにつながっています。
加えて、顧客情報と担当者が紐付いて表示されるため、これまでは手が空いている誰かが電話を取り、担当へとつなげており、取次が発生していましたが、この取次が不要となりました。これによって顧客側のストレスが軽減するだけでなく、会社側も電話業務で作業の手を止めることなく仕事を進めることができるようになりました。
株式会社よりそう
続いてご紹介する例は、株式会社よりそうです。株式会社よりそうは「よりそうお坊さん便」という、葬儀時のお坊さんを簡単に手配できるシステムを運営しています。
よりそうお坊さん便の特徴
>>公式サイト「よりそうお坊さん便」
これまでは、急な葬儀にお坊さんの手配をすることも難しかったですが、このシステムを利用することで明確な金額でしっかりと決まった日時に簡単にお坊さんを手配できる様になったのです。
また、このサービスではLINEとの連携が可能で、AIチェットボットが窓口として「僧侶の手配」などを行ってくれます。
こうしたところでも、IT技術の進化を垣間見ることができます。
また僧侶手配は、『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。
株式会社アスカネット
最後にご紹介する例は、株式会社アスカネットです。株式会社アスカネットは、もともと遺影に関する事業を行っておりましたが、さらに「inori」と呼ばれる、オンライン上で遺影や思い出のビデオを確認できるサービスを展開しております。
inoriの特徴
>>公式サイト「inori」
このサービスを用いることにより、遠方に住んでいるなどの理由で葬儀に参列できなくとも、故人の写真を見ながら故人を偲ぶことができます。
また、こうしたサービスは、新型コロナウイルス感染症が流行する今、非常に重要なサービスであるということができます。
遺影については「遺影写真の原稿で悩まないようにするには」の記事もご参考ください。
葬祭DXについてのまとめ
さて、ここまで葬祭DXについて、実例を交えながら詳しくご説明してまいりました。
【DXとは?】
●DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)のこと
●事業のあり方(ビジネスモデル)自体を変革していくこと
【葬祭DXとは?】
●葬儀に関するデジタルトランスフォーメーションのこと
【葬祭DXの例と特徴】
●スマート葬儀
・オンライン上で葬儀や法事に参列できるようになる
●スマート葬儀CRM
・日本では初めてクラウド型CTIを導入
・通話内容の録音やテキスト化、またそうしたデータをCRMと連携させることが可能
●株式会社博愛社(カイクラ)
・電話着信時にお客様の情報が自動的に表示されるシステム
・葬儀社側がしっかりと顧客情報を確認した上でお電話対応ができる
●株式会社よりそう(よりそうお坊さん便)
・急な葬儀にお坊さんの手配をすることが可能
・LINEとの連携も可能
●株式会社アスカネット(inori)
・葬儀に参列できなくとも、故人の写真を見ながら故人を偲ぶことができる
高度情報化社会において、IT技術の進歩は凄まじく、葬儀業界に関しても、大きな変化が生まれてきています。
これまでは馴染みが無かったDXもこれからどんどん当たり前になってゆくことが想像できます。みなさんも、今回の記事を機に、オンライン上での葬儀など、新しい葬儀の形を選択肢の一つに加えてみても良いのではないでしょうか。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール