喪主の挨拶文例|開式・閉式・会食・お礼電話で使える言葉
喪主を務めることは、人生の中でそう何度も経験するものではありません。その中でも特に負担になりやすいのが、開式や閉式、会食の場、お礼電話などでの喪主 挨拶です。
「何を話せばいいのか」「どのくらいの長さがよいのか」「泣いてしまったら失礼ではないか」など、不安は尽きません。しかし、挨拶で大切なのは完璧さではなく、故人や参列者への感謝の気持ちです。
この記事では、開式 挨拶・閉式 挨拶・会食 挨拶・お礼 電話という4つの場面ごとの基本的な流れと文例に加え、続柄別・年齢別・状況別の応用パターンまで、誰でもそのまま使える形でわかりやすくご紹介します。
喪主挨拶の基本|長さと考え方
喪主 挨拶は「1分」で十分
一般的な喪主 挨拶は、どの場面でも30秒〜1分程度で十分とされています。長く話そうとするほど内容が散漫になりやすく、緊張も高まります。むしろ、短く整った挨拶のほうが参列者の記憶にも残りやすいと言えるでしょう。
また、挨拶は暗記する必要はなく、あらかじめ紙に書いておき、それを読み上げても失礼にはあたりません。声が震えたり、途中で涙ぐんでしまっても問題ありません。心を込めて言葉を伝えようとしていることが何より大切です。
どの場面でも共通する基本構成
開式 挨拶・閉式 挨拶・会食 挨拶・お礼 電話など、どのタイミングでも基本となる流れは共通しています。
① 参列・連絡へのお礼
② 故人の生前のご厚誼への感謝
③ 遺族を代表しての感謝の言葉
④ 今後の付き合いへのお願い
⑤ 締めのひと言
この5つの型さえ押さえておけば、場面に合わせて言い回しを変えるだけで、自然で失礼のない喪主 挨拶が作れます。
【開式】喪主の挨拶文例
開式 挨拶は、葬儀・告別式の始まりに喪主が述べる短い挨拶です。ここでは「お忙しい中、故人のために集まってくださったことへのお礼」を中心に述べます。
開式 挨拶のポイント
開式のタイミングでは、まだ参列者も緊張していることが多く、長い挨拶は必要ありません。
- 30秒〜1分程度におさめる
- 故人の名前をはっきり述べる
- 生前のご厚誼への感謝を伝える
- これから式を始める旨を簡潔に告げる
開式 挨拶の30秒文例
まずはどなたでも使いやすい「最短版」の文例です。
「本日はお忙しい中、故◯◯の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
生前は皆さまから温かいご厚情を賜りましたこと、喪主として心より御礼申し上げます。
これより式を執り行ってまいりますので、どうぞ最後までお見守りくださいますよう、お願い申し上げます。」
開式 挨拶の標準文例
少しゆとりを持たせた、約1分程度の標準的な文例です。
「本日はご多用のところ、故◯◯の葬儀・告別式にご参列いただき、誠にありがとうございます。
故人は生前、皆さまとのご縁に支えられ、日々を過ごしておりました。
こうして多くの皆さまにお集まりいただけたことを、故人もきっと喜んでいることと思います。
家族一同を代表し、厚く御礼申し上げます。
それではこれより、葬儀・告別式を執り行わせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。」
【閉式】喪主の挨拶文例
閉式 挨拶は、葬儀・告別式の締めくくりとして行う挨拶です。最後まで参列してくれた方々へのお礼と、今後のお付き合いをお願いする言葉を中心に伝えます。
閉式 挨拶のポイント
閉式の挨拶では、「無事に故人を見送ることができたことへの感謝」を、素直な気持ちで伝えることが大切です。
- 最後までお付き合いいただいたことへのお礼
- 故人・遺族が支えられた感謝の気持ち
- 今後も変わらぬお付き合いを願うひと言
- 簡潔な締めの言葉
閉式 挨拶の30秒文例
「本日は最後までお付き合いくださり、誠にありがとうございました。
皆さまのおかげをもちまして、故人も安らかに旅立つことができたことと思います。
家族一同、心より感謝申し上げます。」
閉式 挨拶の標準文例
「本日はご多忙の中、葬儀・告別式の最後までお付き合い賜り、誠にありがとうございました。
皆さまから頂戴した温かいお言葉やお心遣いに、家族一同、大変支えられております。
本日こうして無事に見送ることができましたのも、ひとえに皆さまのお力添えのおかげと深く感謝申し上げます。
故人同様、今後とも変わらぬお付き合いを賜れましたら幸いです。
本日は誠にありがとうございました。」
【会食】会食 挨拶の文例
告別式の後の精進落とし・会食の場での会食 挨拶は、少し雰囲気を和らげつつ、改めて感謝を伝える機会です。ここでは、故人の思い出話に触れてもよいでしょう。
会食 挨拶のポイント
- あらためて参列へのお礼を伝える
- 会食の趣旨(故人を偲ぶ場であること)を伝える
- 「どうぞごゆっくりお召し上がりください」と締める
会食 挨拶の30秒文例
「本日はご多忙の中、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ささやかではございますが、お食事の席をご用意いたしましたので、故人を偲びながら、どうぞごゆっくりお召し上がりください。」
会食 挨拶の標準文例
「本日は葬儀・告別式にご参列いただき、誠にありがとうございました。
ささやかではございますが、故人を偲ぶ会食の席を設けさせていただきました。
故人も、皆さまと食卓を囲む時間をとても大切にしておりました。
ぜひ、故人との思い出話などお聞かせいただきながら、ゆっくりとお過ごしいただければと存じます。
本日は誠にありがとうございました。」
【電話】お礼 電話で使える文例
葬儀後、参列してくださった方や、香典・弔電のみを頂いた方に対して、お礼 電話で感謝を伝えることがあります。電話でのお礼は、長くなりすぎないのがマナーです。
お礼 電話のポイント
- 名乗りと用件を簡潔に伝える
- 葬儀への参列・お心遣いへの感謝を述べる
- 長話にならないよう、1〜2分程度で切り上げる
お礼 電話の文例
「先日はご多用のところ、葬儀にご参列いただきありがとうございました。
また、生前は故人が大変お世話になり、家族一同心より感謝しております。
おかげさまで、無事に見送ることができましたことをご報告申し上げるとともに、改めてお礼をお伝えしたく、お電話いたしました。」
続柄別|喪主 挨拶の文例
同じ喪主 挨拶でも、故人との続柄によって自然な言い回しは少し変わります。ここでは「閉式 挨拶」で使える続柄別の文例をご紹介します。
父が亡くなった場合の挨拶
「本日は父◯◯のためにご会葬いただき、誠にありがとうございました。
父は不器用ながらも家族思いで、私たちにたくさんの教えを残してくれました。
生前、皆さまに支えられたおかげで、父は幸せな人生を送ることができたと感じております。
家族一同、心より御礼申し上げます。」
母が亡くなった場合の挨拶
「本日は母◯◯の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
母はいつも周囲への気配りを忘れない人で、家族だけでなく、近所や友人の皆さまにも可愛がっていただきました。
そのようなご縁に恵まれましたことを、家族一同深く感謝しております。」
祖父母が亡くなった場合の挨拶
「本日は祖父(祖母)◯◯のためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。
祖父(祖母)は穏やかな人柄で、多くの方に慕われておりました。
皆さまの支えの中で、長い人生を穏やかに過ごすことができましたことを、家族一同感謝申し上げます。」
配偶者(夫・妻)が亡くなった場合の挨拶
「本日は妻(夫)◯◯のためにご会葬いただき、誠にありがとうございました。
長年連れ添った家族として、共に過ごした日々は何ものにも代え難い宝物でございます。
皆さまからの温かいお付き合いのおかげで、故人は明るく前向きに歩むことができました。
家族を代表して、心より御礼申し上げます。」
兄弟姉妹が亡くなった場合の挨拶
「本日は兄(姉・弟・妹)◯◯の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
兄(姉)は、家族にとって頼りになる存在であり、友人の皆さまからも厚く信頼されておりました。
皆さまのご厚情に支えられたことに、家族一同深く感謝申し上げます。」
参列者構成・喪主の年齢別の文例
親族が少ない場合の挨拶
「本日はお忙しい中、故人◯◯のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。
親族は多くはございませんが、こうして温かい皆さまに見送っていただき、故人も心強く旅立てたことと思います。
家族一同、心より御礼申し上げます。」
会社関係者が多い場合の挨拶
「ご多用のところ、故人◯◯のために大勢の皆さまにご会葬賜り、誠にありがとうございます。
故人は仕事を通じて、皆さまとのご縁を何よりの誇りとしておりました。
生前賜りましたご指導ご厚誼に、家族一同深く感謝申し上げます。」
家族葬の場合の挨拶
「本日は家族葬という形ではございますが、故人◯◯を静かに見送ることができました。
生前お世話になりました皆さまには、あらためて感謝申し上げます。
ささやかな形ではありますが、故人もきっと喜んでくれていることと思います。」
喪主が若い場合の挨拶
「まだ未熟な喪主ではございますが、本日は皆さまのお力添えにより、無事に式を終えることができました。
生前は故人が大変お世話になり、心より御礼申し上げます。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。」
喪主が高齢の場合の挨拶
「この年齢で不行き届きな点も多々あったかと存じますが、皆さまのお支えのおかげで、なんとか無事に見送ることができました。
温かいお言葉とお心遣いに、心より感謝申し上げます。」
喪主が話せないときの代読・涙が出たときの対処
喪主が話せないときの代読文例
体調不良や精神的なつらさから喪主が挨拶できない場合は、司会者や親族が代読しても失礼にはなりません。
「喪主◯◯に代わりまして、私からご挨拶を申し上げます。
本日はご多用のところ、故人◯◯のためにご会葬いただき、誠にありがとうございました。
喪主ならびに遺族一同、皆さまの温かいお心遣いに深く感謝しております。
今後とも変わらぬお付き合いを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
涙で言葉が詰まったときの“つなぎの一言”
挨拶の最中に涙がこみ上げて話せなくなってしまうこともあります。その際には、次のようなひと言を挟むと気持ちを落ち着けやすくなります。
- 「申し訳ありません、少しお時間をください……。」
- 「取り乱してしまい、失礼いたしました。続けさせていただきます。」
- 「気持ちが整うまで、少しだけ間をいただきます。」
泣いてしまうこと自体は失礼ではありません。むしろ、故人を想う素直な気持ちとして、参列者も温かく受け止めてくれるはずです。
汎用テンプレート|どの場面にも使える基本型
最後に、開式 挨拶・閉式 挨拶・会食 挨拶・お礼 電話など、さまざまな場面に応用できる喪主 挨拶のテンプレートをご紹介します。必要な部分を差し替えるだけで使える便利な型です。
汎用テンプレート
「本日はお忙しい中、故◯◯のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。
生前は皆さまから温かいご支援とご厚情を賜りましたこと、家族一同心より感謝申し上げます。
不慣れな点も多々あったかと存じますが、無事にこの日を迎えられましたのは、ひとえに皆さまのお力添えのおかげと深く御礼申し上げます。」
この文章に「これより式を始めます」「本日はこれにて閉式とさせていただきます」「ささやかではございますが会食の席を設けました」などの一文を加えることで、あらゆるシーンに対応できます。
まとめ|あなたの言葉は必ず伝わります
喪主の挨拶は、決して「上手に話すこと」が目的ではありません。大切なのは、故人と参列者に対して、感謝とねぎらいの気持ちを真っ直ぐに伝えることです。
・短くていい
・読み上げてもいい
・泣いても噛んでも大丈夫
その場にいる人たちは、皆、あなたと同じように故人を偲び、支えになろうとしてくれている方々です。完璧な言葉よりも、あなたの心がこもった一言一言が、何よりの供養になります。
本記事の文例やテンプレートを、ご自身やご家族の状況に合わせてアレンジしながら、どうか安心して喪主 挨拶に臨んでいただければ幸いです。
葬儀の流れやマナー、挨拶以外の不安な点がありましたら、『やさしいお葬式』までお気軽にご相談ください。
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