喪主になったら何をすればいい?法事の準備・当日の流れを完全解説
喪主を初めて務めると、多くの方が「何をすればいいのか」「失礼はないだろうか」と不安を抱きます。しかし喪主は、完璧な知識や経験が必要な役割ではありません。
むしろ大切なのは、故人を想う気持ちを中心に、家族の代表として丁寧に向き合う姿勢です。この記事では、喪主がすること、法事の準備、当日の流れ(進行手順)まで、初めてでも落ち着いて進められるように完全解説します。
読んだ人が「大切な人のために、私にもできる」と前向きになれる内容になっています。
喪主とは?役割と心構え
喪主は「全部を背負う人」ではない
喪主とは、葬儀や法事の場で家族を代表し、故人を見送る中心的な役割を担う人です。一般的には配偶者や子どもが務めますが、家族の事情に応じて誰が喪主になっても問題ありません。
喪主に必要なのは「完璧さ」ではなく「気持ち」です。葬儀社や僧侶、親族が必ず支えてくれるため、喪主一人が全てを抱え込む必要はありません。
喪主の主な役割
喪主は多くのことを担うように思えますが、実際には次の3つを押さえれば十分です。
① 葬儀・法事の準備や決定
会場・日時・僧侶の手配など「方向性を決めるだけ」で良い部分が多く、専門的な手続きは葬儀社がサポートします。
② 参列者・僧侶への対応
受付対応の依頼や当日の案内などを担当しますが、スタッフがフォローしてくれるため過度な負担はありません。
③ 家族の代表として故人を見送る
式全体を見守りつつ、丁寧に気持ちを寄せることが最も大事な役割となります。
喪主がすることを3つの流れで整理
喪主がすべきことは複雑に思えますが、次の3段階で理解すると一気に整理できます。
・葬儀前の準備
・葬儀当日の進行と挨拶
・葬儀後の法事準備
1. 葬儀前に行う準備
葬儀前は決めることが多いと思われがちですが、実際は「選ぶだけ」で進められる項目がほとんどです。
葬儀日程の調整
菩提寺(僧侶)と会場のスケジュールを確認し、親族と相談して葬儀の日程を決めます。葬儀社が候補日を提示してくれるので安心です。
会場・葬儀プランの決定
プラン内容や予算は葬儀社が丁寧に説明してくれます。喪主がするのは「どのプランを選ぶか」の判断だけです。
参列者の連絡・対応
親族で連絡を分担すれば負担は大きく減ります。最近はグループLINEなどで共有するケースも増えています。
返礼品・会葬礼状の確認
カタログから選ぶだけで良いため、難しい手続きは必要ありません。
喪主挨拶の準備
挨拶は短くて良いので、当日に読み上げる簡単なメモを作っておけば安心です。
葬儀当日の流れ(進行手順)
葬儀当日は緊張するかもしれませんが、スタッフが常に横で案内してくれます。
当日、喪主が段取りを全て覚える必要はありません。案内に従うだけで自然に進行できます。
葬儀当日の一般的な流れ
① 受付開始
喪主は受付に立つ必要はありません。親族にお願いすれば十分です。
② 開式・読経
僧侶が進めるため、喪主は席に座り見守るだけで問題ありません。
③ 焼香(喪主が最初)
スタッフからタイミングの案内があるため、自然に動けます。
④ 弔電紹介
司会が読み上げます。喪主は聞いているだけで構いません。
⑤ 喪主挨拶
短く、丁寧な挨拶で十分です(後半で例文を紹介します)。
⑥ 出棺 → 火葬
スタッフが誘導してくれるため、流れに身を任せれば自然に進みます。
⑦ 精進落とし(会食)
食事開始と終了時に挨拶をするのみで大丈夫です。
葬儀後の「法事準備」
法事準備は1ヶ月前からでOK
四十九日、一周忌、三回忌などの法事は、葬儀よりも落ち着いた雰囲気で進められるため、喪主も心の余裕を持って準備ができます。
僧侶への依頼
日程調整を行い、法要の時間や場所を決めます。
会場・料理の手配
寺院、自宅、会館など場所を選び、人数に応じて会食の準備を行います。
引き出物の準備
タオル・食品・お菓子など、1,000〜5,000円程度が目安です。
服装の準備
喪主はブラックフォーマルが基本となります。
法事は、故人と静かに向き合う大切な時間。一つ一つを丁寧に準備するだけで、喪主として十分な役割を果たせます。
法事当日の流れ(進行手順)
法事当日は、葬儀に比べて穏やかな雰囲気の中で進みます。喪主が行うことは多く見えますが、実際には「丁寧に、落ち着いて過ごす」ことが最も重要です。
法事当日の段取りをすべて覚える必要はありません。僧侶やスタッフが案内してくれるため、安心して流れに身を任せるだけで大丈夫です。
法事当日の基本的な流れ
① 参列者の受付
喪主は受付に立つ必要はなく、親族にお願いすればスムーズに進みます。喪主は入口で軽く挨拶をする程度で問題ありません。
② 僧侶の読経
読経は僧侶の案内で落ち着いて進みます。喪主は姿勢を正して見守るだけで十分です。
③ 焼香(喪主が最初)
焼香は喪主が最初に行いますが、スタッフがタイミングを教えてくれるため安心です。
④ 法話(宗派による)
僧侶が故人への思いや教えについて話す時間です。喪主は静かに耳を傾けるだけで構いません。
⑤ 墓参り(行う場合)
お墓参りを行う場合、僧侶の案内で進みます。花や線香はこちらで用意されている場合もあります。
⑥ 会食(お斎)
会食では、喪主が開始と終了の挨拶をします。短い挨拶で問題ありません。
⑦ 締めの挨拶
法要終了時の挨拶ですが、長く話す必要はなく、気持ちを込めて一言伝えれば十分です。
そのまま使える喪主挨拶の例文
喪主が最も不安を感じやすいのが、挨拶の場面です。ここでは、葬儀・法事・会食の場面ごとに、そのまま使える挨拶文をご紹介します。
葬儀での挨拶(短め・丁寧)
「本日はご多用のところ、故人のためにご会葬いただき心より御礼申し上げます。
皆さまからの生前のご厚情に家族一同深く感謝しております。
今後とも変わらぬお付き合いをいただけますようお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」
法事開始時の挨拶(一周忌・三回忌など共通)
「本日はお忙しい中、◯◯の法要にお集まりいただき誠にありがとうございます。
皆さまのおかげで無事に法要を営むことができましたこと、家族一同心より御礼申し上げます。」
会食開始時の挨拶
「本日はご参列いただき、温かいお言葉を賜り誠にありがとうございます。
ささやかではございますが、お食事をご用意いたしましたので、故人を偲びながらごゆっくりお召し上がりください。」
会食終了時の挨拶
「本日は最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
皆さまのおかげで穏やかなひとときを過ごすことができました。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。」
喪主の心の負担を軽くする3つの方法
喪主は精神的な負担が大きい立場ですが、少し視点を変えるだけで心がぐっと軽くなります。
① 全部を抱え込まない
葬儀社・寺院・親族は喪主を全力で支えます。役割を分担することは決して悪いことではありません。
② 相談することをためらわない
「不安」「わからない」という気持ちを口にすることで、周囲は必ず力になってくれます。葬儀社は質問に慣れているため安心してください。
③ 故人と向き合う時間を大切にする
喪主は忙しい立場ではありますが、あえて数分だけ故人に話しかける時間をつくると、心が落ち着き前向きになれます。
“喪主を務めてよかった”と思える理由
喪主を経験した人の多くが、後からこう語ります。
・大変だったけれど、やってよかった
・気持ちの整理がついた
・家族の絆が深まった
・故人をしっかり見送れたという安心感が残った
喪主は、故人の人生を結ぶ“最後の橋渡し役”。 その経験はあなた自身を強く、優しい人にしてくれます。
まとめ:あなたなら大丈夫。ゆっくり、丁寧に、心を込めて。
最後に、喪主として大切なポイントを整理します。
・喪主は「完璧にこなす人」ではなく「方向を決める人」
・当日はスタッフが案内するため、段取りを覚える必要なし
・法事は落ち着いた時間。ゆっくり向き合えば十分
・挨拶は短く丁寧でOK
・一人で抱え込まず、周囲に頼ることが大切
・気持ちを込めて過ごすことが、何よりの供養になる
喪主を務めることは、不安が多い役割です。しかし、それ以上に「大切な人に向き合える貴重な時間」でもあります。あなたの気持ちは必ず故人にも家族にも伝わります。
葬儀や法事について不安がある場合は、24時間365日相談できる窓口もあります。悩んだら一人で抱え込まず、気軽に相談してください。
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