墓石への文字入れ|知るべき料金の相場と内訳・抑えるポイントを解説
「墓石に文字を入れる場合どのくらい料金がかかるのだろう...」
新しく墓石を作る際にはもちろん、すでにある墓石に文字を追加で入れていきたい場合の値段相場は案外わからないですよね。
墓石に文字を追加する場合の主な内訳と支払い先は下記の通りで、文字の彫刻代だけで言えば、相場は3〜5万円が目安です。
費目 |
支払先 |
相場 |
備考 |
彫刻代 |
石材店 |
3〜5万円
|
・1名ごとの値段設定
・1文字ごとに値段設定
・1面ごとに値段設定
の3種類の計算方法があるので事前に石材店に確認が必要
|
搬送代 |
石材店 |
1〜3万円
|
区画内で行うことが可能だが、事情により石材店で作業を行う必要がある場合に必要となる |
お布施 |
寺院・菩提寺 |
1〜3万円
|
魂抜き・魂入れに対する僧侶へのお礼 |
御車代 |
寺院・菩提寺 |
5千〜1万円
|
僧侶が移動する際の交通費のようなもの |
合計 |
5.5万〜12万円
|
|
しかし墓石はただの石の状態から、魂を入れて供養の対象にする「魂入れ」を僧侶が行うことで、「魂が入った供養の対象物」として完成しています。
そのため、すでにある墓石に文字を追加で入れる場合は、墓石からの「魂抜き」を行ってからでないと進めることができず、文字入れ作業後も再度「魂入れ」をする必要があるのです。
また、追加の文字彫刻は基本的には今のお墓の場所で行うことが可能ですが、墓地・霊園によっては機材の持ち込みが難しかったり、騒音などの理由から禁止されている場合もあり、その場合は石材店への搬送が必要となります。
そのため、これらを知らずに予算をイメージしてしまうと「予定よりお金がかかってしまった...」というトラブルにもつながってしまい、後悔にもつながってしまうでしょう。
せっかく大切なお墓に対してそう思ってしまうのは悲しいですよね。
今回は、さまざまなケースごとにある相場はもちろん、料金が高くなるポイントや抑えるポイント、そして墓石に入れる文字の色やフォントのルールや、取り掛かるべきタイミングまでわかりやすくご紹介します。
墓石に文字を入れる際に必要となる予算がどのくらいになるのかを理解し、準備しておくことで、費用面でも家族の負担を減らしながら「長い年月家族で守っていく」墓石とできるのです。
ぜひ最後まで読んで準備していきましょう。
墓石に文字を入れる際の費用相場
・墓石に文字を入れる際の費用相場
入れ方 |
総額 |
計算方法 |
・既にある墓石 |
文字を追加する
|
5.5〜12万円
|
・1名ごとの値段設定
・1文字ごとに値段設定
・1面ごとに値段設定
の3種類の計算方法があるので事前に石材店に確認が必要
|
文字を修正する
|
12.5〜34万円
|
1文字数単位での値段設定が多い |
文字を塗り直す
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3.5〜10万円
|
・1文字数ごとに値段設定
・1面ごとに値段設定
の2種類の計算方法があるので事前に石材店に確認が必要
|
・新しい墓石 |
8〜15万円
|
建立費用に一式含まれることが多い |
墓石への文字の彫刻代のみの費用相場は3〜5万円が目安ですが、必ず必要になってくるのが僧侶への「お布施」です。
「お布施」とは僧侶に対する感謝の気持ちとして渡すお金のことですが、お墓は「ただの石」の状態から、読経を行うことにより、「故人の魂が入ったもの」となります。
「故人の魂が入ったもの」の状態のまま文字を彫刻することはできないため、その都度「魂抜き(閉眼供養)」や「魂入れ(開眼供養)」を僧侶に依頼する必要があるのです。
墓石に文字を入れることを検討した場合、この「お布施」や、僧侶への交通費でもある「御車代」が必ず必要になることを忘れずに計画しましょう。
「魂抜き」「魂入れ」に関しては「魂抜きと魂入れ(費用相場:1〜3万円)」でより詳しくご紹介しますのでご覧ください。
すでにある墓石に追加する場合
墓石の文字の値段と言っても、墓石の種類や状況で様々なケースが考えられますよね。
まずは下記3つのような「すでにある墓石に対して」の相場をご紹介します。
・すでにある墓石に対して文字を追加したい場合
・様々な事情により文字を修正したい場合
・今の文字の色が剥げてしまってお手入れをしたい場合の相場
文字を追加する(費用相場:5.5〜12万円)
費目 |
支払先 |
相場 |
備考 |
彫刻代 |
石材店 |
3〜5万円
|
・1名ごとの値段設定
・1文字ごとに値段設定
・1面ごとに値段設定
の3種類の計算方法があるので事前に石材店に確認が必要
|
搬送代 |
石材店 |
1〜3万円
|
石材店で作業を行う必要がある場合 |
お布施 |
寺院・菩提寺 |
1〜3万円
|
魂抜き・魂入れに対してのお礼 |
御車代 |
寺院・菩提寺 |
5千〜1万円
|
|
必要費用合計 |
|
5.5万〜12万円
|
|
彫刻代は文字数ごとに値段設定がされている場合や、1文字
入れる名前の文字数は関係なく、1名単位での価格となりますので、同じ場所に複数名入れる場合は人数分の価格が必要です。
今ある文字を修正する(費用相場:12.5〜34万円)
費目 |
支払先 |
相場 |
備考 |
彫刻代 |
石材店 |
5万円
|
・1名ごとの値段設定
・1文字ごとに値段設定
・1面ごとに値段設定
の3種類の計算方法があるので事前に石材店に確認が必要
|
加工代 |
石材店 |
5〜25万円
|
掘られている文字は磨いて取ることが一般的
1文字毎の値段設定が多い
|
搬送代 |
石材店 |
1〜3万円
|
石材店で作業を行う必要がある場合 |
お布施 |
寺院・菩提寺 |
1〜3万円
|
魂抜き・魂入れに対してのお礼 |
御車代 |
寺院・菩提寺 |
5〜1万円
|
|
必要費用合計 |
|
12.5万〜34万円
|
|
すでに掘ってある文字を修正する場合、一般的には「文字の掘られている部分、もしくは全体を磨いて削る」〜「正しい文字を彫刻する」という加工が必要となるためこの加工分の費用が加算されます。
磨いた部分をパテで埋めるという方法もありますが、時間が経つと埋めた部分が目立ってしまうことがあるため、あまり一般的ではありません。
また、墓石を磨いて削り取る必要があるため、それまでの墓石よりサイズが変わることも理解しておきましょう。
とても費用がかかってしまうため、文字を入れる際には間違いがないよう、何人かでよく確認してから申し込むようにすることが大切ですね。
今ある文字を塗り直す(費用相場:3.5〜10万円)
墓石に掘っている文字部分の色が剥げてきたり、汚れが目立つ場合は色の入れ直しなどの手入れをすることで経年劣化を防ぐことができます。
費目 |
支払先 |
相場 |
備考 |
塗り直し代 |
石材店 |
1〜3万円
|
墓石のデザイン問わず
・1文字数ごとに値段設定
・1面ごとに値段設定
の2種類の計算方法があるので事前に石材店に確認が必要
|
搬送代 |
石材店 |
1〜3万円
|
石材店で作業を行う必要がある場合 |
お布施 |
寺院・菩提寺 |
1〜3万円
|
魂抜き・魂入れ |
御車代 |
寺院・菩提寺 |
5千〜1万円
|
|
必要費用合計 |
|
3.5万〜10万円
|
|
特に特に文字部分を白や金で塗っている場合には色落ちや汚れも目立ってきますので、定期的な塗り直しが重要です。
もちろん自分でホームセンターなどで材料を揃えて塗り直すことも可能ですが、時間が経つほど仕上がりにプロとの差が出ますので、慎重に考えましょう。
新しく作る場合
新しく墓石を作る場合の文字入れのみの費用は、墓石建立費用の中に含まれていることが一般的ですので、あくまでも目安としてご覧ください。
文字入れのみの費用目安(費用相場:8〜15万円)
「和型墓石」と呼ばれる、主流となっている墓石の場合は文字を入れる位置により、入れるべき内容が異なります。
詳しくは「墓石の形別!墓石に入れるべき内容|和型墓石」でご紹介しますので最後までご覧ください。
費目 |
支払先 |
相場 |
備考 |
彫刻代 |
石材店 |
5〜10万円
|
棹石正面 |
彫刻代 |
石材店 |
3〜5万円
|
棹石側面や台座側面 |
必要費用合計 |
|
8〜15万円
|
|
最近増えてきている「洋型墓石」と呼ばれる横長で低い墓石の場合は、正面に入れる文字数が多い場合や、イラストなど複雑な彫刻をする場合、別途費用が発生することもあるので注意しましょう。
魂抜きと魂入れ(費用相場:1〜3万円)
墓石への文字入れを考えた際に必ず必要となるものが「魂抜き」「魂入れ」で、菩提寺がある場合はそこの僧侶か、ない場合は僧侶を手配して依頼する形が一般的となり、「お布施」と呼ばれるお礼のお金をお渡しします。
「お布施」は僧侶への感謝の気持ちだからこそ、値段が設定されていないため、親族に確認しながら失礼のないように金額を決めて、お渡ししましょう。
そもそも墓石は購入してすぐの状態ではあくまでも「ただの石」で故人の魂は入っていないため、「開眼供養」とも呼ばれる「魂入れ」を僧侶が行うことで故人の魂が入り、「供養するための対象」となります。
この開眼供養の主な流れは「読経」→「焼香」→「読経」が通例です。
反対に、今ある墓石はすでに魂が入ったものですので、そのまま作業することはできず、「魂抜き(閉眼供養)」を行うことで、一度「ただの石」の状態に戻す必要があります。
「これで完璧!お布施の包み方・書き方・入れ方・渡し方のマナーと準備」では、失礼がないばかりか、より丁寧な印象を与えるためのお布施の渡し方までを解説しておりますので併せてご覧ください。
費用が高くなる5つのポイント
費用が高くなる5つのポイントを、自分の依頼内容で費用が高くなる順にご紹介します。
1.デザインの範囲が広い
2.デザインが細かい
3.特殊な掘り方
4.墓石がある場所への機材持ち込みが難しい場合
5.墓地・霊園で禁止されている場合
デザインの範囲が広い
まずはデザインする範囲が広いことです。
これは主に「洋型墓石」「デザイン墓石」の場合に多くなりますが、彫刻する範囲が広くなればなるほどに、彫刻にかかる時間も必要となるので値段は高くなります。
デザインが細かい
「石に彫刻」するため、紙に書くことやパソコン上でシミュレーションする場合などとは異なり、デザインが細ければ細かくなるほど、表現するために特殊な技術が必要となります。
例えば「筆で手書きしたような風合いを残したい」など、筆の質感を残すために線の細さなどが求められるように、デザインの複雑さや範囲の広さで価格は高くなる傾向にあるのです。
あまりにも細かすぎてしまうと彫刻では表現できないと断られることもありますので注意しましょう。
特殊な掘り方
通常は「サンドブラスト」という、細かい鉄の砂を圧力で噴射する形で墓石を削って掘る方法が一般的です。
画像引用先:有限会社 渡辺信也石材【お墓の彫刻】お墓に刻む彫刻種類を紹介します
文字の彫刻方法にはいくつか種類がありますが、中でも「薬研彫り」や「サライ彫り」といった特殊な方法は値段も少し高額となります。
「薬研彫り」は五重塔に刻まれている神仏を一文字で表す文字としてインドから広まった「梵字」に多く使われている伝統的な掘り方で、墓石に掘った文字の断面がV字型になるように掘る手法です。
画像引用先:株式会社石徳「梵字が際立つ薬研彫りのお墓」
文字がV字になっているため、文字の中に影が出て、浮き上がったような立体的に見えます。
また、この手法は手彫りの手法となり、最近増えている機械彫りとは違い、時間が経つほどに風格や味が出て暖かさもある反面、手彫りができる職人さんが激減しているため、高額となってしまうのです。
「サライ彫り」は通常の彫刻方法である「サンドブラスト」で掘った後、ノミを使って文字の底の部分が平らになるように削る方法で、底が削られている分、文字全体が白っぽく見えて、通常の掘り方に比べてもより読みやすくはっきりとします。
画像引用先:有限会社 渡辺信也石材【墓石 彫刻】「サライ彫」についてご説明いたします
これは通常の掘り方の後、さらに加工が必要となるため、値段も上乗せする必要があります。
このように掘り方一つで見え方が大きく変わってきますので、石材店に相談しながら進めていくといいですね。
墓石がある場所への機材持ち込みが難しい場合
墓石がある墓地・霊園によっては、道幅や状況により掘るための機材の持ち込みが難しい場合があります。
事前に石材店とともに確認しておくようにしましょう。
墓地・霊園で禁止されている場合
墓地・霊園によっては彫りの際の騒音や粉じんなどで周辺の墓石に悪影響が出ることを防ぐためにも、禁止しているところがあります。
そのため、墓石を管理している墓地や霊園に事前に確認しておくようにしましょう。
費用を抑える4つのポイント
必要なお金とはいえ、トラブルがない範囲で可能な限り値段は抑えたいですよね。
今回は墓石に文字を入れる際の費用を抑える4つのポイントを、取り掛かりやすい順にご紹介します。
1.納骨前に名前入れが終わるように段取りをする
2.イラスト|細かいものや広い範囲のものは避ける
3.予算を設定して石材店と相談する
4.墓誌を検討する
特に1〜3まではあらゆるケースで対応できるポイントですので是非下記での詳しい内容をご覧ください。
納骨前に名前入れが終わるように段取りをする
墓石への加工タイミングに特に決まりはありません。
ただし、墓石の加工後には必ず「魂入れ」が必要となるため、納骨前に名前入れを終わらせておくと、納骨の際に一緒に「魂入れ」もしてもらうことができ、「お布施」の回数も最小限におさめることができます。
例えば下記2つのケースでの値段の違いを見ていきましょう
1.納骨前に名前入れを終わらせ、納骨時にまとめて「魂入れ」を依頼した場合
2.発注が遅れて間に合わず、納骨後に「魂抜き」してから「魂入れ」をした場合
1の場合ですと「魂入れ」に対しての僧侶への「お布施」と「御車代」のみになりますので、相場ですと1.5万〜4万円程となります。
しかし、2の場合ですと「納骨に対するお布施」「魂抜きと魂入れに対するお布施」の2回が必要となり、値段も倍額が必要です。
そのためにも早めに依頼しておくことが重要ですので、「依頼に適切なタイミング」でのより詳しい内容を是非ご覧ください。
イラスト|細かいものや広い範囲のものは避ける
特に新しいお墓を建てる際、「より故人らしいお墓にしたい」と意気込んでしまうあまり、イラストや文字を細かいデザインにしたり、広い範囲への彫刻を考えがちです。
もちろん、故人らしいお墓にするために心を込めることはとても大切ではありますが、そのために費用がかさんでしまうと、「思ったより値段が高かった」などと後悔することにもなります。
予算を設定して石材店と相談する
上記の細かいものや広い範囲のものだけではなく、文字の彫刻方法まで後悔なく心を込めて作るためには、事前に予算を設定して石材店に伝えると、「予算内で抑えた上でできる最善の方法」を考えてくれます。
これまでの記事を参考に、「どこに」「いくらくらいかかるのか」を元に全体の予算を考えた上で、各所の予算を割り出して、石材店にかけられる予算を決めておきましょう。
墓誌を検討する
墓石の区画内に板状の石があるのを見たことがあるのではないでしょうか。
これは「墓誌」といい、墓石の側面に刻む戒名などの内容は「墓誌」に刻んでいくこともできます。
「墓誌」は墓石とは違い魂が入っていないものですので都度必要な「魂抜き」「魂入れ」が不要のため、「お布施」を省くことが可能です。
そのため、墓誌を建てることで将来家族でお墓を守っていく際の値段も抑えていくことが可能ということは是非覚えておきましょう。
墓誌に関しては「墓誌を知る」で詳しくご紹介しますので是非ご覧ください。
墓石に入れる文字について知る
墓石に入れる文字についての決まりも理解しておきましょう。
1.墓石の形別!墓石に入れるべき内容
・和型墓石
・洋型墓石・デザイン墓石
2.文字のフォントや色の傾向
3.注意すべきポイント
4.依頼に適切なタイミング
墓石への文字入れを検討した際にこの順で理解しておけると、スムーズに依頼ができるようになります。
墓石の形別!墓石に入れるべき内容
お墓には主に3種類の形があります。
1.和型墓石:「お墓」と考えた時に一番最初に思い浮かぶ形です。
2.洋型墓石:近年増えている横長の長方形で低い形のお墓です。
3.デザイン墓石:従来にとらわれない形から自由に決めることができるお墓です。
これらの形ごとにそれぞれ入れるべき文字について解説いたします。
和型墓石
和型墓石は3つの中で唯一仏教の教えが反映されたものとなるので、入れるべき内容や位置にある程度決まりがあり、文字を入れる際には「魂抜き」「魂入れ」が必要となります。
主にこの「棹石(さおいし)」部分に文字を刻むのが一般的です。
正面には「○○○家」などの家の名前や「南無阿弥陀仏」などの題目を入れ、側面には戒名などの授かった名前、そして亡くなった年月日と亡くなった歳を数え年で入れ、生前の名前が入ります。
名前はなくなった順で右から左へ向かって刻んでいくのが一般的で、亡くなった1名ずつが基本の形ですが夫婦ごとに名前を刻む方法もあり、決まりはありません。
裏面には建立年月と、建立者名が入ります。
洋型墓石・デザイン墓石
和型墓石と違い、2つとも仏教の教えが反映されない形となるので書くべき内容に決まりはありません。
そのため、建てる家族が決めた文字を刻むことができ、下記のような内容が刻まれることが多いです。
・漢字1文字:「絆」「愛」「縁」「笑」「和」「偲」「想」「夢」「心」「慈」「空」
・漢字2文字:「感謝」「笑顔」「永遠」「静偲」
・メッセージ:「ありがとう」「たからもの」「やすらぎ」
また、洋型墓石やデザイン墓石では、イラストやモチーフを刻むケースも多く、花や故人の趣味、好きだったものや家族を表すものが好まれています。
文字のフォントや色の傾向
墓石のフォントや色にも傾向やルールがありますので、理解しておくと決めやすくなります。
フォント
使わなければいけないフォントに決まりはありませんが「楷書体(かいしょたい)」「行書体(ぎょうしょたい)」 といったフォントが選ばれることが多くなります。
特に「楷書体」は遠くからでも墓石の文字が読みやすく、認識しやすいので人気です。
色
文字の色には特に決まりはありませんが、主に使われるのは下記の色です。
・黒
・白
・グレー
・金
・掘ったままの石の色
また、地域によってよく使われる色に違いがあります。
・関東:黒
・関西:白
・九州:金
最近では終活として自分の墓を用意しておく人も増えていて、 9月30日に亡くなった落語家の三遊亭圓楽さんや、10月1日に亡くなったアントニオ猪木さんも、生前にお墓を用意されていたのが印象的ですよね。
このように生前にお墓を建てる場合、文字の色は朱(赤)を使い、正面部分に赤を入れている場合は泣くなったら色を抜く必要があります。
また、正面ではなく棹石の裏面に入る建立者名も、生前に建てる場合には朱を使用しますが、裏面の朱の色は抜かなくても問題ありません。
ただし、どちらの場合も仏教的な意味ではなく石材店の考えに由来するものなのです。
注意すべきポイント
「今ある文字を塗り直す(費用相場:3.5〜10万円)」でもご紹介いたしましたが、文字の色を白や金にする場合は、他の色に比べると色が剥げてきたり、汚れも目立ちますので、定期的な塗り直しが必要です。
また、洋型墓石やデザイン墓石に入れる内容に関しては「亡くなった1人」に対してのお墓ではなく、将来誰が入るお墓になるのかを考えて、目先の気持ちだけではなく、広い視野で表現したいことを考えていきましょう。
依頼に適切なタイミング
様々なケースがありますが、文字を入れる際には早くても2週間、長くて1ヶ月程度要します。
そのため、納骨などの予定も合わせて間に合うように余裕を持って依頼することがとても重要です。
墓誌を知る
「墓誌を検討する」でご紹介しましたが、お墓の横に板状の石である墓誌は亡くなった家族の名前などを記した石碑のような存在です。
特に洋型墓石やデザイン墓石の場合、一緒に墓誌を建立される方も多くいらっしゃいます。
ただし、お墓の区画の広さによっては墓誌を置くスペースがないこともありますので、事前に墓地や霊園、石材店に相談するようにしましょう。
それでは墓誌についての詳細を、実際に進める際に重要な順でご紹介していきます。
1.墓誌の費用相場
・新しく作る場合(費用相場:12万〜27万円)
・今あるものに追加で文字を入れる場合(費用相場:3〜5万円)
2.入れるべき内容
3.名前の彫刻順
4.魂抜きと魂入れ
5.必要な日数
墓誌の費用相場
墓誌の場合の値段を
・新しく作る場合
・すでにある墓誌に文字を追加する場合
の2つのケースでご紹介していきます。
新しく作る場合(費用相場:12万〜27万円)
費目 |
支払先 |
相場 |
備考 |
墓誌本体代 |
石材店 |
8〜20万円
|
文字数ではなく1名毎の単位 |
彫刻代 |
石材店 |
3〜5万円
|
据付費 |
石材店 |
1〜2万円
|
|
必要費用合計 |
|
12〜27万円
|
|
新しく作る場合の墓誌本体代は主に石の種類で値段が大きく変わってきます。
本体代と彫刻代に加えて、設置するための据付費も必要となるので注意しましょう。
今あるものに追加で文字を入れる場合(費用相場:3〜5万円)
費目 |
支払先 |
相場 |
備考 |
彫刻代 |
石材店 |
3〜5万円
|
文字数ではなく1名毎の単位 |
墓石に文字を追加していく場合の相場が5万5千〜12万円なのに対し、墓誌がある場合は3〜5万円の彫刻代のみで入れていくことができ、予算をかなり抑えることが可能なのです。
入れるべき内容
墓誌に入れるべき内容は下記の通りです。
<故人のこと>
・戒名などの授かった名前
・没年月日
・没年齢(数え年)
・俗名(生前の名前)
<墓誌そのものの名前>
「墓誌」という名前が一般的ですが、浄土真宗の場合は「法名碑」、その他の仏式では「霊標」となるなど、地域や宗派で異なる場合がありますので、石材店に相談しましょう。
名前の彫刻順
棹石の側面に書くのと同様、縦書きに書かれた墓誌の名前の横から左に向かって亡くなった順番に入れるのが一般的です。
また、墓誌も亡くなった1名ずつではなく、夫婦ごとに名前を刻む方法もあり、決まりはありませんので、希望があれば親族で話し合うようにしましょう。
魂抜きと魂入れ
亡くなった方々の名前を記す石碑のようなものなので、故人の魂は入っていません。
そのため、文字を刻む際の「魂抜き」「魂入れ」は不要となり、墓誌に名前を刻んでいくことで、棹石を削ることがないため、新しい遺骨を納める際の「お布施」の費用を抑えることができます。
必要な日数
墓石同様、必要な日数は早くても2〜3週間、繁忙期になれば1ヶ月程必要ですので、納品してほしいタイミングから逆算して余裕を持ったスケジュールで依頼しましょう。
文字入れを進める流れと安心して依頼するためのポイント
墓石や墓誌などの文字入れを進める上で、どんな流れで依頼するべきかを、トラブルなく安心して任せるために覚えておくべきポイントと一緒に解説します。
<流れ>
順番 |
流れ |
ポイント |
1 |
依頼する石材店を決める |
墓地や霊園によっては石材店が指定されていることがあるのでよく確認しましょう |
2 |
石材店と打ち合わせをし、文字入れする場所と内容や納期を相談する |
予算を元に「どこに」「何を」「どう」入れるかを相談し、現地での作業の可否、内容に間違いがないかも確認しながら進めます |
3 |
見積もりをもらう |
最初に聞いていた金額から、気がつけば追加料金が発生していて高額請求だったということを防ぐためにも、見積もりを書面でもらい納得した上で作業に入ることが重要です |
4 |
魂抜き |
墓石の場合は僧侶に依頼します |
5 |
石材店による作業 |
|
6 |
納品 |
納骨へ向けて間に合うかどうかも石材店に相談して進めましょう |
7 |
魂入れ/納骨 |
墓石の場合は僧侶に依頼します |
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まとめ
費用相場
<今あるお墓に文字を追加する場合>
・文字を追加する(費用相場:5.5〜12万円)
・今ある文字を修正する(費用相場:12.5〜34万円)
・今ある文字を塗り直す(費用相場:3.5〜10万円)
<新しく作る場合>
墓石建立費用の中に含まれていることが一般的
文字入れのみの費用目安(費用相場:8〜15万円)
魂抜きと魂入れ
・墓石はただの石から「魂入れ」を行うことで故人の魂が入り供養の対象になる
・墓石に文字を追加する場合は必ずこの魂を「魂抜き」する必要がある
・「魂抜き」「魂入れ」はともに僧侶への依頼となるため「お布施」が必要
費用が高くなる5つのポイント
1.デザインの範囲が広い
2.デザインが細かい
3.特殊な掘り方
4.墓石がある場所への機材持ち込みが難しい場合
5.墓地・霊園で禁止されている場合
費用を抑える4つのポイント
1.納骨前に名前入れが終わるように段取りをする
2.イラスト|細かいものや広い範囲のものは避ける
3.予算を設定して石材店と相談する
4.墓誌を検討する
墓石に入れる文字
<和型墓石>
正面:「○○○家」などの家の名前や「南無阿弥陀仏」などの題目
側面:戒名などの授かった名前、そして亡くなった年月日、亡くなった歳(数え年)、生前の名前
裏面;建立年月と、建立者名
<洋型墓石やデザイン墓石>
書くべき内容に決まりはない
<フォント>
「楷書体」「行書体」が選ばれることが多いが特に決まりはない
<色>
・特に決まりはないが「黒」「白」「グレー」「金」「掘ったままの石の色」が多い
・地域によって使われる色や違いがある
・生前に建てた場合は名前は朱で入れる。棹石の正面であれば色は抜き、裏面であれば抜かなくてもいい
<必要な日数>
早くても2週間、長くて1ヶ月
墓誌
・お墓の横に板状の石である墓誌は亡くなった家族の名前などを記した石碑のような存在
・故人の魂は入っていないので「魂抜き」「魂入れ」が不要で「お布施」がいらない
・書くべき内容は棹石の側面に入れる内容とほぼ同じ
・新規で建てる場合は12〜27万円必要だが文字を追加する場合は3〜5万円のみ
依頼する流れ
1.依頼する石材店を決める
2.石材店と打ち合わせをし、文字入れする場所と内容や納期を相談する
3.見積もりをもらう
4.魂抜き
5.作業
6.納品
7.魂入れ/納骨
墓石に文字を入れる場合の値段についてご紹介いたしましたが、値段を少しでも抑えるためには、墓誌を建てることを検討することで、その後の家族の費用負担を大きく減らすことが可能です。
大切な家族の居場所でもあるお墓に対し、ネガティブな気持ちを持ってしまわないためにも、家族の費用面での負担を考えることはとても大切なことでもあります。
「何に」「どのくらい」お金がかかるのかの全体像を意識して、予算を考えながら無理せずに自分たちに合うベストな形で、お墓を大切に守っていきましょう。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール