保険加入の審査基準は?抑えておくべき3つのポイントと対処法3選!
「保険加入する際の審査って厳しいイメージ…」
「過去に大きな手術をしたけど入れるのかな?」
「審査の基準や期間はどれくらいなんだろう…」
過去に大きな手術をして、転移・再発の可能性があったとしても『審査は通るのか?』不安要素の一つでもありますよね。
結論をいいますと、誰でも審査に通るわけではありませんが、審査基準の条件さえクリアすれば保険の加入はできます。現在、病院に通っていたとしても、完治しているなどの保険会社の決めた基準に満たしていれば大丈夫です。
【保険加入の3つの審査】
健康状態 |
病気の有無や、定期間の病歴や健康診断の結果など |
職業 |
リスクが高い職業かどうかの判断 |
道徳的 |
加入者と受取人の関係に不正はないか?反社会的勢力等との関わりがないかなど |
保険に加入する際、審査が行われるのは加入者同士の公平性を保つためにあります。審査の内容は、加入者の年齢や保険金額で違い、また健康状態などの告知や診断結果などが必要です。
しかし、健康状態や職業、道徳的に問題がある場合は審査に通らないことも考えられますが必ずしも加入を拒否されるわけではありません。
本記事では、保険を加入する際の審査で抑えておくべき3つのポイントや、通らなかった場合の3つの対処法を解説します。
保険に加入するとき必要な審査についてや、対処法の知識を得ることで、審査の心配を解消できます。
審査にかかる日数や審査結果についてなどにも触れていますので、ぜひ最後までご覧下さい。
保険加入時に必要な3つの基準
保険加入時に必要な審査基準は、『健康状態・職業・道徳的』の3つです。
【3つの審査基準】
1.健康状態 |
病気の有無や、過去の一定期間の病歴、健康診断や人間ドックの結果、肥満体型などの生活習慣病になる確率が高い場合や、妊娠中かなどが審査の対象となる。 |
2.職業 |
プロボクサーやプロレスラーなどの格闘家、ラグビー選手、レーサー、登山家、サーカス団員などのリスクが高い職業の方は加入できないまたは、加入できても保険金額に制限がかかる。 |
3.道徳的 |
保険の不正利用や悪用を防ぐため、契約者、被保険者、保険金受取人の関係性が不自然ではないか、反社会的勢力等との関わりがないかを慎重に判断する必要がある。 |
審査を通りやすくするためには、基準内容をきちんと理解することが必要となってきます。
各保険会社によって、審査の項目内容は多少異なりますが、どのような点を審査するのか詳しくご紹介します。
加入者の健康状態
保険に加入する際に、審査のポイントとして健康状態が重要な判断基準となります。
加入者の健康状態とは、病気の有無や過去の一定期間の病歴、喫煙するかしないかや妊娠中かどうかが審査の対象となります。
また病歴がなくても、健康診断や人間ドックの結果で、血圧や血糖値などが高く要観察・再検査となっている場合や、肥満体型であり、生活習慣病になる確率が高い場合も審査に影響がでるでしょう。
生命保険や医療保険では、病気やケガによる、手術・入院・通院などで保険金支払いが決定するため審査が行われます。
保険会社としては、加入者が事前にどんな健康状態かを確認・把握するためです。
職業(リスクのある仕事)
保険の加入には、健康状態だけじゃなく、職業(リスクのある仕事)についても審査があります。
職業が審査の対象になっているのは、危険を伴う仕事に従事している方はリスクが高くなるからです。
- ・プロボクサーやプロレスラーなどの格闘家
- ・スポーツ選手
- ・レーサー
- ・登山家
- ・サーカス団員
- ・高所作業を行う仕事
- ・爆発物などの危険物を扱う仕事
上記などの仕事に従事している方は、日々の勤務で危険を伴うことがあります。
一般の仕事と比較すると、ケガや事故が原因で入院・通院することが多いのではないかと考えられ、そのたびに保険金支払いが多くなれば、保険会社の運営に支障をきたすためです。
なので、保険会社としては、加入前にケガを負うリスクが高い職業についていないかを審査する必要があります。
道徳的(モラル)
保険の悪用を防ぐため、道徳的(モラル)も審査の対象となりました。
道徳的とは、生命保険や医療保険を不正に利用し、保険金・給付金を受け取るために加入するのではないかや、収入や資産等にふさわしい保証額であるかなどがあります。
保険の不正利用や悪用を防ぐため、契約者、被保険者、保険金受取人の関係性が不自然ではないか、反社会的勢力等との関わりがないかを慎重に判断し審査を行います。
保険加入時に審査があるのは公平性を保つため
保険加入時に審査があるのは、死亡する確率、病気やケガで手術・入院・通院が必要になる確率などの、保険金や給付金の支払いが発生する確率を判定するために行われます。
保険は、加入者たちが日々の保険料を払い合って、必要な人に保険金や給付金を支払う『相互扶助』の仕組みとなっています。
たくさんの人がお互いに助け合うためには、加入者間が公平でなければいけません。
そのため、保険加入の際に、加入者間の公平性を保つために審査を行う必要があります。
例えば、持病がある方は、持病がない方と比べれば、入院や手術の可能性が高くなるため、同じ保険料だと不公平になることがあげられます。
審査にかかる日数は約10日間
審査にかかる日数は、保険商品や金額、告知内容、手続きに必要な書類の提出状況によって異なりますが、『3〜10日』となっています。
申告内容に不備がある場合などは、審査に時間がかかる可能性もありますので、気をつけましょう。
現在、保険加入は『書面申し込み』と『WEB申し込み』があり、審査にかかる日数はそれぞれ少し変わってきます。
書面申し込みの場合は、保険会社の担当者が書類を持ってきてから、加入者が書類を記入していき、そこから提出→受理→申し込み内容・告知書などの書類を確認します。審査にかかる日数は、不備がなければだいたい3~10日間です。
WEB申し込みの場合は、お持ちのPCまたはスマートフォンから、順番に入力していき完了となります。審査にかかる日数は、不備がなければだいたい1~2日間です。
保険会社にもよりますが、申し込みと告知から、1~10日間の審査を終えて、保険料の支払いが揃った日に保険契約が成立し有効になります。
保険開始時期は申し込み日数によって異なる
審査期間中に月をまたぐ場合は、保険開始期日が異なります。
保険開始時期は申込日の翌月1日になることが多いです。月の下旬に申し込みをした場合は、翌々月1日になる保険会社もあります。
例えば、審査にかかった日数を3日とします。4月25日に申し込み完了をした場合、審査が終了したのは4月28日になります。そうすると、5月1日から保険開始日が適用です。
次に、審査にかかった日数を10日とします。4月25日に申し込みを完了をした場合、審査が終了したのは5月3日になります。そうすると、翌月の6月1日から保険開始日が適用されます。
審査内容(告知書)
画像引用先:告知書のご記入方法(フレキシィ エス)|メットライフ生命
保険会社の審査は『告知書』が必要となってきます。告知項目には、健康面や職業面などについてありのまま正しく知らせることが大切です。
告知項目に当てはまるからといって、100%審査に落ちるわけではありません。病気やケガの内容によっては、完治からの経過期間、治療内容などをふまえて審査に通ることがあります。
保険会社や保険の種類によって変わってきますが、基本的には下記のような告知項目となっており、「はい」「いいえ」などで回答していきます。
告知項目 |
内容 |
身長・体重 |
身長 cm、体重 kg |
最近の健康状態 |
・最近3ヶ月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けたことがありますか?等 |
病気・ケガについて |
・過去5年以内に、病気やケガで、7日以上の入院をしたことがありますか?
・過去5年以内に、病気やケガで手術を受けたことがありますか?等
|
健康診断・人間ドックについて |
過去2年以内に、健康診断や人間ドックを受けて、要経過観察、要再検査、要精密検査、要治療を指摘されたことがありますか?等 |
身体の障害について |
・視力、聴力、言語、そしゃく能力の障害
・手、足、指の欠損または機能障害
・脊柱(背骨)の変形または障害 等
|
女性の方へ |
・過去5年以内に、妊娠、分娩にて、入院や手術を受けたことがありますか?
・現在、妊娠の可能性またはしていますか?等
|
喫煙の有無 |
過去2年以上喫煙していませんか?等 |
職種 |
職業の種類、業種 |
勤務先・電話番号 |
勤務先名、電話番号 |
年収 |
約 万円 |
告知項目の回答が「はい」等に当てはまる場合は、病気やケガの名前、診察・検査・投薬・治療の期間、現在の状況、手術名、入院期間、種類、どこを手術したか、手術年月日、薬剤名、健康診断結果・再検査の結果などについて詳しく記入しましょう。
告知書を偽ると告知義務違反となる
告知書を偽ってしまうと、告知義務違反となります。
いざ、保険を使用したいときに、告知義務違反が発覚した場合、保険金や給付金が支払われず契約解除や、支払いしていた保険料は返還されることもありません。
例えば、保険の申し込み1年前に、医療機関へ通院していた、日帰りの入院または手術を受けたなど、自己判断でその旨を告知書に記入しなかった場合が上げられます。
健康な人と病気になった人や、大きなケガが原因で障害がある人とでは、保険金や給付金を受け取る可能性に違いがででくるため、保険料にも差があるということです。
そのため、告知書はちょっとしたことでも、正確に記入することが大事です。また、記入漏れがあった場合でも告知義務違反となりますので、気づいた場合はすぐに保険会社または代理店へ連絡しましょう。
保険の加入審査結果は大きく分けて3つ
審査が終えて、保険会社から判断される審査結果は大きく分けて『無条件・見送り・条件付き』の3つがあります。
審査結果 |
内容 |
無条件 |
健康状態などについて問題なく、保障内容や保険料も申し込み内容のまま加入できる |
見送り(謝絶) |
健康状態など条件から大きく外れているため、加入できない |
条件付き(特別条件をつけ加える) |
加入者間の公平を保つため、リスクの高い人などは一定の条件をつけ加え承諾すれば加入できる |
無条件
無条件は、健康面・職業面・道徳面について問題なく、保障内容や保険料も申し込み時の内容通り加入可能です。
見送り(謝絶)
見送り(謝絶)は、健康面・職業面・道徳面の条件から大きく外れているため加入できないという意味です。
条件付き
加入者間の公平を保つため、病歴やケガをした時期と申し込み時期が近い場合や、リスクが高く近いうちに保険金・給付金を請求する可能性がある場合などは、一定の条件をつけ加え承諾すれば加入できます。
主な条件の内容は、下表の通りです。
条件付き |
内容 |
保険料割り増し |
保障内容は変わらないが、リスクの種類や程度によって通常の保険料より、一定額を割り増しにする条件 |
特定部位・疾病不担保 |
特定の身体の部位・特定の病気について、一定期間または全期間保障しない条件 |
特定障害不担保 |
特定の障害状態が、一定期間または全期間保障しない条件 |
保険金削減 |
保険金や給付金が何割かを一定期間または全期間削減される条件 |
審査が通らなかった場合の3つの対処法
病歴や持病があり、「審査に通らなかった場合はどうしたらいいの…。」と不安をかかえている方も安心してください。
希望する保険会社で審査が通らなかった場合でも、3つの対処法があります。
1)他社の保険を検討する
2)引受基準緩和型医療保険
3)無選択型医療保険
審査に通らなかった場合でも、上記3つの対処法をとれば保障を得られる可能性が高いです。
他社の保険を検討する
対処法1つ目は、他社の保険を検討することです。
保険会社によって、審査基準は異なるため、A社では審査が通らなかったがB社では審査が通り加入できたということもあります。
例えば、血糖値が高く要観察が原因で希望する保険の審査が通らなくても、他社ではゆるめの基準だったため通ることがあります。
そのため、審査に通らなかった部分の条件を照らし合わせることで、他社の条件に合う保険を比較し申し込むのは有効的です。
告知事項がゆるめの引受基準緩和型医療保険を検討する
対処法2つ目は、告知事項がゆるめの引受基準緩和型医療保険を検討することです。
引受基準緩和型医療保険は、通常の保険料よりも若干高くなる傾向にありますが、審査基準がゆるめのため、持病のある方でも加入しやすくなっています。
引受基準緩和型医療保険の告知事項は、下記の通り3つ程度と少なくゆるめの内容です。
- ・直近3ヶ月以内に入院・手術を医師にすすめられたか
- ・過去5年以内に、がんや白血病、肝硬変、認知症などと診断されたか
- ・過去1年(2年)以内に入院・手術をしたことがあるか
このように告知事項がゆるめのため、持病があったとしても治療内容や時期などを告知する必要がないです。
「保険の加入を考えているが、通常の保険では審査に通らないかも」と不安の方は、引受基準緩和型医療保険の検討をオススメします。
告知義務のない無選択型医療保険を検討する
対処法3つ目は、無選択型医療保険を検討することです。
無選択型保険は、健康状態などの告知や医師の診査がなくても加入することができます。
病歴や持病、年齢の制限などにより一般の保険審査が通らなかった方を対象とした保険です。
通常の保険と比べると無選択型医療保険は保険料が高くなり、保険金や給付金の上限額が低いというデメリットはありますが、もしものために備えておくにはいいですね。
まとめ
保険の加入審査は、加入者間の公平性を保つために行われます。
【保険加入の3つの審査基準】
健康状態 |
病気の有無や、過去の一定期間の病歴、健康診断や人間ドックの結果、肥満体型などの生活習慣病になる確率が高い場合や、妊娠中かなどが審査の対象となる。 |
職業 |
プロボクサーやプロレスラーなどの格闘家、ラグビー選手、レーサー、登山家、サーカス団員などのリスクが高い職業の方は加入できないまたは、加入できても保険金額に制限がかかる。 |
道徳的 |
保険の不正利用や悪用を防ぐため、契約者、被保険者、保険金受取人の関係性が不自然ではないか、反社会的勢力等との関わりがないかを慎重に判断する必要がある。 |
審査にかかる日数は約3〜10日間ですが、書類に不備がある場合は遅れることもあるので記入漏れのないようにしましょう。
審査内容は告知書によって結果がでるため、加入時の健康状態などを正しく伝えることが大切です。
告知書を偽ったり、記入漏れがあったりした場合でも告知義務違反となり、いざという時に保険金が給付されないや保険解除となる可能性がありますので気をつけましょう。
告知項目に当てはまるからといって、100%審査に落ちるわけではありません。病気やケガの内容によっては、完治からの経過期間、治療内容などをふまえて審査に通ることがあります。
また、病歴や持病があり希望する保険が審査に通らなかった場合でも、3つの対処法がありますのでぜひ検討してください。
- ・他社の保険を検討する
- ・引受基準緩和型医療保険
- ・無選択型医療保険
引受基準緩和型医療保険や無選択型保険は、通常の保険と比べて保険料が割増となりますが、もしものために備えておくといいですね。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール