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セカンドオピニオンの”正しい”やり方!3つのポイントと6つの注意

「セカンドオピニオンを受けたいけれど主治医とトラブルにならないか心配」

「スムーズに受ける方法を知りたい」

今の治療方法に不安があったり、他の医師の意見も聞いてみたいなど、セカンドオピニオンを考えるときがありますよね。

セカンドオピニオンとはセカンド(第2)オピニオン(意見)という名の通り、別の医師に検査結果や治療方法を見て意見をもらうことで、主治医を変えることではありません。

セカンドオピニオンにとって一番大切なことは、下記2つです。

・主治医ときちんとコミュニケーションを取る
・病気と今の治療法を理解する

主治医と信頼関係を築き、自身も病気について学ぶことでトラブルを防ぎ、より有効的なセカンドオピニオンをすることが出来ます。

厚生労働省「平成23年度受療行動調査の概況」によると、セカンドオピニオンを経験したことがある人は全体の約6割となっており、3割の人しか受けたことがないのが現状です。

ただし、受けたことがある3割の人のうち約8割の人は「受けてよかった」と回答しています。

つまり、セカンドオピニオンは医師とトラブルになるよりも、最適な治療方法が見つかったり、納得して治療に向かうことができるという、満足度が高いものなのです。

今回はセカンドオピニオンをどう利用すべきかという正しい知識と、受けた後までの進め方や6つの注意点を詳しく解説していきます。

現在通っている病院に失礼がないように、トラブルを避けてセカンドオピニオンを利用したいとお考えの方、是非ご覧ください。

【ポイント1】セカンドオピニオンを理解する

 

セカンドオピニオンとはセカンド(第2)オピニオン(意見)という名の通り、別の医師に検査結果や治療方法を見て意見をもらうことです。

他の医師に意見を聞くことが目的であり、主治医を変えたり、転院することが目的ではありません。

セカンドオピニオンを受けた後に主治医と相談した上で、別の医師の元での治療に変更することはありますが、最初から主治医を変える意志がある場合には、転院を検討しましょう。

4つのメリット

セカンドオピニオンを受けることには4つのメリットがあります。

・別の治療方法を検討できる

・納得して治療に踏み切れる

・誤診の防止

・経験や設備が今より充実したところに相談できる

前向きに治療方法を模索したり、今の自分の治療に適した方法なのかを確認できるため、納得して治療に踏み切ることができるのです。

別の治療方法を検討できる

主治医からの診断や治療方法に迷いがあるとき、違う治療方法を考えたいとき、セカンドオピニオンはとても有効です。

主治医の病院では見つけることができなかった新たな治療方法をもしも見つけることができれば、受けられる治療の幅が広がります。

納得して治療に踏み切れる

別の医師の意見が主治医と同じだった場合「間違っていなかったんだ」と安心でき、反対に違う治療方法を提案された場合は自分がどう治療したいかで選ぶことが可能なので、より納得した形で治療に踏み切ることができるのです。

誤診の防止

誤診の可能性は高くはないのですが、第2の意見をもらうことで客観的な立場での診察を受けることができるため、結果的に主治医の誤診を回避することにもつながります。

自己防衛のためにも不安な気持ちがあれば、まずは主治医に話してみましょう。

経験や設備が今より充実したところに相談できる

別の病院により経験豊富な専門外来があったり、診てもらいたい医師がいたりなど、より充実した病院に意見を求めたい時にも、セカンドオピニオンは有効です。

勉強し、相談したからこそ出会えた医師に相談することで、自分の希望する治療方法を見つけたり、今の治療方法に納得することができます。

2つのデメリット

メリットがある反面、

・医療費の負担が増える
・違う意見を聞き混乱する可能性がある

というデメリットがあることも理解しておきましょう。

医療費の負担が増える

セカンドオピニオンは公的医療保険制度が使えないため、全額自己負担となります。

費用は医療機関や地域により異なりますが、目安は30分5,000円〜40,000円です。また、他にも紹介状作成や検査画像や病理データがある場合には別途診断料がかかるケースもあるので注意しましょう。

違う意見を聞き反対に混乱する可能性がある

別の意見を聞くことができるのは大きなメリットである一方、反対に違う意見を聞くことで混乱してしまい、どの治療方法を受けるべきなのかわからなくなってしまうことがあります。

セカンドオピニオンを受け、治療方法を選ぶのは自分自身です。混乱しないように何のために受けるのかを考え、自分以外の人に同行してもらったりなど、対策をしておきましょう。

【ポイント2】どんな人が受けるべきか理解する

セカンドオピニオンを有効的に利用するためには、自分が受けるべきか、避けるべきかを事前に理解しておく必要があります。

受けるべき人

こんな人は是非前向きにセカンドオピニオンを検討しましょう。

・別の治療方法を探したい
・納得して治療を受けたい
・今の治療方法へ向けて迷う気持ちを断ち切りたい
・主治医の話を別の角度からも検討したい

別の意見をもらうことが目的なので、「この治療方法でいくんだ!」と自分の背中を押すイメージで、納得して治療に向かいたい方にオススメです。

避けるべき人

反対にセカンドオピニオンを避けるべき人は下記の通りです。

・主治医に内緒でする相談
・最初から転院、転医するつもりでの相談
・医療ミス、裁判中、医療保障の相談
・医療費や医療給付に関する相談
・亡くなった人に対しての相談

あくまでもセカンドオピニオンは前向きな治療方法の模索が目的ですので、それ以外の場合は避けましょう。

【ポイント3】正しいセカンドオピニオンの受け方を理解する

セカンドオピニオンで一番大切なことは受ける前の準備と、主治医とのコミュニケーションです。今回は受ける前から受ける時、そして受けた後まで、正しい受け方を解説していきます。

セカンドオピニオンを受けるベストなタイミング

 

セカンドオピニオンは治療方法に対する意見をもらうものなので、これから治療に入る方、治療方法を切り替えるタイミングの方が対象です。

検査結果が出て、治療方針の話が主治医から出たときや、現在受けている治療が一段落し、別の治療方法を探るタイミングで相談します。

すでに治療が始まっている場合は治療途中での変更が難しい場合があり、注意が必要です。

受ける前

受ける前にどれだけ主治医と相談し、病気や治療のことを理解できているかが大切になります。そのため、事前準備はしっかりと行いましょう。

主治医の話を理解する

別の医師の意見をもらうためには、主治医の話の内容をしっかりと理解することが大切です。

病気のことだけではなく、病状やどのくらい進んでいるのか、そして主治医の考える治療方法とそれがどんなものなのか、メリット・デメリットを確認して、理解しましょう。

わからないことは積極的に質問し、コミュニケーションを取ることがとても大切です。

病気のことや治療方法を学んで自分の希望を考える

医師の話だけではなく、自身で病気のことを学ぶことはとても重要です。

学んでいくにつれ、自分がどんな治療方法を望むのかがわかることもあり、そこがセカンドオピニオンを利用する上での大きな判断基準となります。

また「なぜセカンドオピニオンを受けたいのか?」についてもここでしっかりと考えておきましょう。

セカンドオピニオンの病院を選ぶ

主治医にセカンドオピニオンを希望する旨を相談すると、主治医が紹介してくれる場合があります。

また、最近では「セカンドオピニオン外来」が設置されている病院も増えていますので、自分で探してみるのもいいでしょう。

詳しくは「セカンドオピニオンが受けられる病院の探し方」でまとめていますのでこちらをご覧ください。

主治医に相談し、紹介状や検査データをもらう

セカンドオピニオンの病院では基本的に新しい検査などは行わず、既にある検査結果を元に意見をまとめてくれます。

そのため、主治医から自分の氏名や症状などが書かれた紹介状と、検査結果のデータや画像をもらいましょう。

セカンドオピニオンを受けたい旨を相談すると主治医の方で必要書類を用意してくれます。

受診準備をする

セカンドオピニオンを受けるほとんどの病院では完全予約制となるため、予約を取り、その際に必ず下記3点を確認しておきましょう。

・所要時間
・費用
・必要書類

セカンドオピニオンを行う病院では、治療を受けている患者さんもいらっしゃるため、所要時間が決められてることが一般的となり、限られた時間の中で知りたいことを聞き、意見をもらう必要があるので、当日聞きたい内容と時間を頭に入れておきます。

さらに、どのくらいの費用がかかるのか、そして必要書類も当日バタバタしないように事前にしっかりと確認しておきましょう。

受ける時

受診する当日も時間は限られたものだということを理解し、しっかりと対策します。

時間を厳守する

予約時間だけでなく、所要時間を守ることも大切なマナーです。時間を有効的に使うためにも余裕を持って病院へ向かい、受付をして待ち時間に内容を頭に入れて準備しておきます。早め早めの行動は自分の心にも余裕が出来るのでオススメです。

話を理解し内容を覚えておく

 

画像引用元:主治医意見書|埼玉県HP

せっかくもらった意見を忘れてしまっては意味がありませんので、しっかりと覚えておきましょう。病院によっては「意見書」を用意してくれることがあります。

一人で不安な場合は誰かに同行してもらうこともできますので、一緒に話を聞いて、相談できる人を考え、スケジュールを調整しておきましょう。

もしも本人以外だけで受ける場合にはセカンドオピニオン先の病院へ委任状を提出する必要があるため、予約時にここも確認しておきます。

受けた後

セカンドオピニオンを受けた後は意見を元に治療方法を自分で決めて、セカンドオピニオンの結果ごと主治医としっかりと相談することが重要です。

セカンドオピニオンの結果を元に治療方法を自分で決める

より納得した形で治療に入るために、主治医とセカンドオピニオンの意見を元にどう治療するかを自分で決めます。同行者がいた場合は一緒に話し合って決めましょう。

治療方法含めて主治医と相談する

セカンドオピニオンの結果を受けて主治医と再度相談します。「主治医とともに最適な治療方法を探す」という認識でセカンドオピニオンを受けることで、主治医との信頼関係を深め、その後の治療を安心して受けられるようになるのです。

そして、主治医と相談の上、万が一セカンドオピニオンを受けた病院で治療していくとなった場合には、主治医から改めて紹介状をもらい、主治医からセカンドオピニオンに治療を引き継ぐ準備をします。

セカンドオピニオンが受けられる病院の探し方

まずは主治医に相談してみましょう。セカンドオピニオンを受ける意志を伝えると、より経験豊富な病院などを紹介してくれることもあります。

この場合、医師同士で情報提携してくれることもあるため、安心して任せることができます。

自分で気になる医療機関や医師を調べる方法もあります。インターネットや本はもちろん、知人に相談してみるのもいいですね。

近年では「セカンドオピニオン外来」を設置している病院も増えているので、「住んでいる地域 セカンドオピニオン」と検索してみてください。

他にも、自身が民間の医療保険に加入している場合、特典の一つとしてセカンドオピニオン手配サービスを行っていることもあるため、改めて保険内容を確認しておきましょう。保険内容次第では無料で受けることも出来るのも大きいですね。

セカンドオピニオンの6つの注意点

主治医とトラブルなく有効的にセカンドオピニオンを利用するためには、最後に6つの注意点を理解しておきましょう。

・主治医の話の内容を理解しセカンドオピニオンの結果も相談する
・自分の病気や治療方法のことを勉強しどうしたいかを考える
・医師の品定めであるドクターショッピング化を避ける
・病状や進行度合いでは時間がないこともある
・治療に「絶対」はない
・自分以外に家族など別の人へ同席を依頼する

これらを頭に入れておくことで、トラブルを避けるばかりではなく、反対に主治医との信頼関係を深め、より納得して、前向きに治療を受けることができるのです。

主治医の話の内容を理解しセカンドオピニオンの結果も相談する

「なぜその治療方法なのか」「なぜその診断になったのか」という主治医の話を理解しないままセカンドオピニオンを受けても、聞きたい内容がまとまらず所要時間を無駄にしてしまい、費用がかさみ、より一層不安が主治医への不満として出るという悪循環に陥りやすくなります。

わからないことは聞き、しっかりと話し合いましょう。

自分の病気や治療方法のことを勉強しどうしたいかを考える

主治医の話を受けて自身でも病気や治療方法のことを学ぶことで、新しい治療方法の可能性を見つけることもできます。

それらを元に自分がどう治療していきたいのかという希望を考えることで、より有効的に主治医と相談できたり、セカンドオピニオンを利用して可能性を広げることが出来るのです。

医師の品定めであるドクターショッピング化を避ける

「最初の病院での診察に納得せず、2つ目の病院へ行ったけど同じようなことしか言われずに不満を持ち、さらにまた別の病院へ行く」など、医師を品定めするように次々と病院を変える行動を続けることをドクターショッピングと言います。

ドクターショッピングは「自分が期待している治療方法や診断結果を言ってくれる医師を探す」という目的が強く現れます。

そのため、別の医師に意見を聞いても決断できずに、気がつけば適切な治療を受けられるタイミングを逃してしまうことにもつながってしまうのです。

病状や進行度合いでは時間がないこともある

適切な治療方法を模索したくても、病状や進行度合いによっては治療が緊急を要し、時間が取れないこともあります。

主治医にセカンドオピニオンを希望し、予約して受けることができるまでに早くても1週間〜2週間は必要です。

そのため病状次第ではセカンドオピニオンを検討する前に、治療を優先すべき場合もありますので、しっかりと主治医と相談しましょう。

治療に「絶対」はない

「絶対に治る」など、治療に「絶対」という言葉はありません。この言葉を安心材料にしたい気持ちもわかりますが、それではドクターショッピングになりかねないのです。

「納得して任せる」ために出来る事を探していきましょう。

 自分以外に家族など別の人へ同席を依頼する

自分一人では抱えるものが多すぎて、冷静な判断が出来なくなることも多くあります。そのため、自分以外に家族など信頼できる人へ同席をお願いしておきましょう。

一人で抱え込まずに主治医、身内など、「素直に質問する」「相談できる人を増やしておく」ことも大切なことなのです。

まとめ

・セカンドオピニオンとは別の医師に検査結果や治療方法を見て意見をもらうこと

・メリット

  別の治療方法を検討できる

  納得して治療に踏み切れる

  誤診の防止

  経験や設備が今より充実したところに相談できる

・デメリット

  医療費の負担が増える

  反対に混乱する可能性がある

・別の治療方法を探したいなど納得して治療に向かいたい方にオススメ

・治療に入る前か切り替えるタイミングで受けるのがベスト

・正しい受け方

  1. 主治医の話を理解する

  2. 病気のことや治療方法を学んで自分の希望を考える

  3. セカンドオピニオンの病院を選ぶ

  4. 主治医に相談し、紹介状や検査データをもらう

  5. 受診準備をする

  6. 時間を厳守する

  7. 話を理解し内容を覚えておく

  8. セカンドオピニオンの結果を元に治療方法を自分で決める

  9. 治療方法含めて主治医と相談する

・セカンドオピニオンが受けられる病院の探し方

  主治医に相談する

  自分で医療機関や医師を調べる

  医療保険の特典にないか調べる

・セカンドオピニオンの6つの注意点

  主治医の話の内容を理解しセカンドオピニオンの結果も相談する

  自分の病気や治療方法のことを勉強しどうしたいかを考える

  医師の品定めであるドクターショッピング化を避ける

  病状や進行度合いでは時間がないこともある

  治療に「絶対」はない

  自分以外に家族など別の人へ同席を依頼する

セカンドオピニオンは保険が使えずに全額自己負担になるからこそ、費用や時間を無駄にしないために、主治医とコミュニケーションを取り、自分でも勉強することが最も重要です。

前向きな治療を受けるために、セカンドオピニオンは患者に与えられた大切な特権の一つでもあります。

自分の大切な身体の事。不安要素は「理解する」「自分で手を伸ばす」ことで少しずつ取り除くことが出来るだけではなく、主治医と「しっかり話し合える」関係性を作ることは、その後の治療の受けやすさや、心細さや不安を解消する大切なことでもあるのです。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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栗本 喬一(くりもときょういち)
1977年 東京生まれ(名古屋育ち)
略歴
母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者(セレモニーディレクター)として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、5,000件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等
株式会社GSI グリーフサポート アドバンスコース修了。