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三回忌 香典・お供えの金額相場と表書き

三回忌は、故人が亡くなってから丸2年が経過した節目の法要です。家族の気持ちも徐々に落ち着いてくる一方で、香典やお供えについては「いくら包めばいい?」「のし袋の表書きは?」「三回忌は一周忌より少なくてもいい?」など、意外と迷う場面が多いものです。

しかし安心してください。三回忌は一周忌ほど格式が高くないため、香典の金額相場も幅が広く、無理のない範囲で問題ありません。

この記事では、三回忌 香典の金額相場、お供え品の選び方、のし袋や表書きの基本マナーを、専門家として丁寧に解説します。読み終える頃には、どんな立場でも迷わず・安心して三回忌に臨める知識が身につきます。

INDEX

01
【1】三回忌 香典の金額相場
02
【2】三回忌 香典の“包み方”とマナー
03
【3】三回忌のお供え(お供物)の選び方
04
【4】香典とお供えは両方必要?──結論は「どちらでも大丈夫」
05
【5】宗派別|三回忌の香典・お供えの注意点
06
【6】香典を郵送する場合のマナー──離れていても伝わる「やさしい供養」
07
【7】お供えを辞退された場合の対応──“従うこと”が最大の思いやり
08
【8】親族間で金額差を出さないコツ
09
【9】香典を多く包むべきケース / 控えるべきケース
10
【10】よくある質問(FAQ)
11
【11】まとめ ― 三回忌の香典は“気持ちがすべて”

【1】三回忌 香典の金額相場

三回忌は「年忌法要の中でも少し格式が下がる時期」にあたります。そのため、金額の相場は一周忌よりやや控えめになるのが一般的です。

結論:三回忌の香典相場は 3,000円〜10,000円 が中心

■ 親族の相場

  • 両親・兄弟姉妹:10,000円〜30,000円
  • 祖父母:5,000円〜10,000円
  • 叔父・叔母・いとこ:5,000円〜10,000円

■ 一般参列者(友人・職場関係)

  • 3,000円〜5,000円が中心

参列者側は無理のない範囲で十分です。三回忌は小規模で行われることも多く、「気持ちをいただけるだけでありがたい」と考える遺族がほとんどです。

金額に“正解”はありません。大切なのは、故人を偲ぶ気持ちです。

■ 会食の有無で金額が変わる場合も

会食あり → 香典はやや高め
会食なし → 相場の下限でOK

ただし「会食があるから必ず高くする必要がある」という決まりはありません。「参加する側が負担にならない額」を最優先にしましょう。

【2】三回忌 香典の“包み方”とマナー

金額だけでなく、「のし袋の選び方」「表書き」「中袋の書き方」も大切です。ここでは迷いやすいポイントを丁寧に整理します。

■ のし袋は「黒白の水引」または「双銀」

三回忌は「仏式の法要」のため、次のどちらかを選びます。

  • 黒白の水引(本州で最も一般的)
  • 双銀(関西で多い)

※黄白は地域性が強いため、迷ったら黒白で問題ありません。

■ 水引の結び方は「結び切り」

結婚式のような「何度あっても良いこと」ではないため、一度きりで終わる「結び切り」が必須です。

■ 表書きの書き方

三回忌の香典で最も多いのは次の3つです。

  • 御仏前(一般的)
  • 御香料(宗派問わず使える)
  • 御供物料(お供えの代わりとして渡す場合)

迷ったら「御仏前」を選べば間違いありません。

※「御霊前」は四十九日まで。三回忌では避けるのがマナーです。

■ 名前の書き方

表書きの下にフルネームを記載します。 家族連名の場合は次の例を参考にしてください。

例(夫婦・家族連名):

  • 夫婦 → 中央に夫の名前、左下に妻の名前
  • 一家 → 「〇〇家」と記載

■ 中袋の書き方

中袋には次を記載します。

  • 表:金額(旧字体だとより丁寧)
  • 裏:住所・氏名

金額は無理に旧字体で書かなくても問題ありません。迷ったら普段の数字で構いません。

【3】三回忌のお供え(お供物)の選び方

香典だけでなく「お供え」を持参してもマナーとして問題ありません。むしろ、三回忌は少人数で行われることが多いため、やさしい気遣いとして喜ばれます。

■ 三回忌のお供え品の定番

  • 菓子折り(個包装・日持ちするもの)
  • 果物(盛り合わせ)
  • 線香・ろうそく
  • 飲み物(ジュース・お茶など)

「消えもの(使ってなくなるもの)」が基本です。

■ お供えの金額相場

1,500円〜5,000円程度が最も一般的。

高額だと遺族が気を遣ってしまうため、控えめで十分です。

■ のし(熨斗)の表書きは?

お供え品の表書きは、以下から選びます。

  • 御供(最も一般的)
  • 御供物
  • 御仏前

どれも間違いではありませんが、迷ったら「御供」を選べば安心です。

のし紙は白黒の結び切りを使用します。

【4】香典とお供えは両方必要?──結論は「どちらでも大丈夫」

三回忌では、香典とお供えのどちらを準備すべきか迷う方がとても多いですが、どうか安心してください。

結論:香典だけ、またはお供えだけでも失礼にはならず、両方を揃える必要もありません。

三回忌は一周忌より格式がやわらぎ、家族で静かに故人を思い返す“やさしい法要”です。そのため、金額や品物の有無よりも、あなたの気持ちが何より大切にされます。

■ 香典だけの場合

もっとも一般的な形です。 3,000〜10,000円の相場内で無理のない金額を包めば十分です。

■ お供えだけの場合

小規模な三回忌では、菓子折りなど“消えもの”のお供えだけ持参する方も多く、まったく問題ありません。

■ 香典+お供えの場合

両方そろえると丁寧な印象にはなりますが、遺族に気を遣わせる場合もあるため、気持ちと負担のバランスで決めてOKです。

迷ったら、家族構成や法要の規模を思い浮かべてください。
「この程度なら負担にならず、自然だな」と感じる形が、あなたにとって最良の選択です。

【5】宗派別|三回忌の香典・お供えの注意点

三回忌の香典マナーは宗派ごとに変わるのでは? ──と心配される方もいますが、実は大きな違いはほとんどありません。

三回忌は“仏式”で行われることが一般的。表書き・水引はほぼ共通で大丈夫です。

■ 仏式(もっとも一般的)

三回忌という考え方があるのは仏教のみです。

  • 表書き:御仏前(最も一般的)/御香料/御供物料
  • 水引:黒白または双銀の「結び切り」

「御仏前」を選べば、どの宗派の仏式でも安心です。

■ 神式(慰霊祭の場合)

神道では「三回忌」という表現は用いず、「二年祭」「三年祭」などの慰霊祭を行います。

  • 表書き:御玉串料・御神饌料・御神前
  • 水引:白黒/双銀/黄白など地域性がある

仏教用語(御仏前・御香料など)は使用しないよう注意しましょう。

■ キリスト教(カトリック・プロテスタント)

キリスト教では香典ではなく「献金」や「御花料」という考え方に近いです。

  • 表書き:御花料・献花料
  • 水引:なし(白封筒でOK)
  • お供え:白い花・菓子など

仏式用ののし袋は使いません。

■ 宗派が分からない時の最適解

迷ったら「御供」または「御仏前」を選べば失礼になりません。

また、お供え品は宗派を問わず喜ばれやすい以下の品が安全です。

  • 個包装の菓子
  • 果物
  • お茶・ジュース
  • 線香・ローソク

どの宗派でも「心を込めた静かな贈り物」が一番の供養になります。

【6】香典を郵送する場合のマナー──離れていても伝わる「やさしい供養」

近年、仕事や距離の問題で法要に参加できず、
「香典だけでもお送りしたい」という相談が大変増えています。

どうか安心してください。

三回忌の香典は、郵送してもまったく失礼にはなりません。

むしろ「遠方だからこそ丁寧に気持ちを届けたい」という、その優しさが遺族にとって何よりの供養になります。

■ 郵送の正式な流れ

香典を郵送する際は、次の手順で進めれば安心です。

  1. 郵便局で「現金書留用封筒」を購入する
    金銭を安全に送るための唯一の方法です。
  2. 香典袋を用意する
    表書きは通常の三回忌と同じく「御仏前」「御香料」で問題ありません。
  3. 封筒に入れて郵送
    宛名は遺族の代表者へ。名字だけでも丁寧です。

■ 香典と一緒に「添え状」を入れると印象がやわらぐ

手紙が一枚添えられているだけで、受け取る側の気持ちは驚くほど温かくなります。

《添え状の好印象文例》

「このたびの三回忌にあたり、心ばかりではございますが、ご仏前にお供えいただければ幸いです。
ご家族皆様が穏やかにこの日を迎えられますよう、お祈り申し上げております。」

長文でなくても構いません。 “あなたを思っています”という一言が、何よりの供養になります。

■ 郵送はいつ送ればいい?

  • 法要の1週間前〜前日までが目安
  • 当日に届いてもマナー違反ではない

遺族が準備に追われる時期なので、早めの到着が好まれます。

■ 参列しない場合のお悔やみの伝え方

香典とともに、メールや電話での連絡も丁寧です。

「本日は心ばかり手を合わせております。」 「ご家族の皆様が穏やかにお過ごしになれますよう。」

このような短い言葉だけでも、遺族にとっては支えになります。

【7】お供えを辞退された場合の対応──“従うこと”が最大の思いやり

近年では、
「お供えは辞退します」「香典はお気持ちだけで」
という案内を出すご家庭も増えています。

理由の多くは、

  • 負担をかけたくない
  • 準備やお返しがたいへん
  • 気軽な形で法要をしたい

といった、参列者への思いやりです。

■ 結論:辞退の意向があれば必ず従う

辞退された場合に贈り物をすると、遺族に気を遣わせてしまいます。

「気持ちだけいただきます」という言葉には、やさしい配慮が込められています。 そのお気持ちに寄り添うことが、最も美しいマナーです。

■ とはいえ“何かしたい”ときの代替案

それでも心が動く時は、次の控えめな方法がおすすめです。

  • 短い手紙を送る(贈り物はなし)
  • 法要の日に手を合わせると伝える
  • メールで一言だけ思いを伝える

「香典やお供えをしない」ことが冷たいわけではありません。 あなたの“そっと寄り添う思い”は、遺族の心に必ず伝わります。

■ お供え辞退の中でも唯一OKなケース

お菓子などの実物はNGでも、弔電であれば迷惑になりにくい場合があります。

ただし、家庭によって考え方が異なるため、気になる場合は自然な形で確認を取ると安心です。

■ 気持ちの伝え方(例文)

《控えめで好印象な例文》

「ご家族の皆様が心穏やかに三回忌の日を迎えられますよう、遠くよりお祈り申し上げます。」

この程度の言葉でも十分です。 大切なのは、形式より“気持ちに寄り添う姿勢”です。

【8】親族間で金額差を出さないコツ

意外と多いのが、「親族同士で金額差が気になってしまう」という悩みです。

しかし、次の工夫でほぼ解消できます。

■ ① 相場の“真ん中”を選ぶ

例えば親族なら 5,000〜10,000円の範囲であれば、7,000円〜8,000円程度を選ぶと安定します。

■ ② 親族にそっと確認する

たった一言で不安が消える魔法の確認。

「皆さん、香典はいくらくらいをお考えですか?」

■ ③ 無理に高額に合わせない

「あの人が1万円だから自分も…」と合わせすぎる必要はありません。経済状況は家庭ごとに違うため、無理をしないことが何より大切です。

【9】香典を多く包むべきケース / 控えるべきケース

■ 多く包むべきケース

  • とてもお世話になった人
  • 生前の交流が深かった人
  • 施主に負担をかけたくないとき

■ 控えるべきケース

  • 遺族が「お気持ちだけで」と伝えている
  • 会食がない小規模な法要
  • 遠方で郵送のみの場合

金額は義務ではなく気持ち。
経済的負担を感じるほど包む必要は絶対にありません。

【10】よくある質問(FAQ)

Q1:三回忌の香典は「奇数」「偶数」どちらが良い?

A:気にしなくて問題ありません。偶数がNGというのは結婚祝いなどの慶事の風習です。

Q2:1,000円札を複数入れるのは失礼?

A:3,000円を1,000円札3枚で包むのは一般的です。失礼にはなりません。

Q3:新札は避けるべき?

A:新札は“準備していた”印象が強いため、折り目を入れて使うのが無難です。

Q4:会社の関係者の三回忌はどうする?

A:職場関係は無理のない 3,000〜5,000円で十分。参列しない場合はカードやメッセージを添えても良いでしょう。

【11】まとめ ― 三回忌の香典は“気持ちがすべて”

最後に、この記事の要点を整理します。

・三回忌の香典相場は 3,000〜10,000円
・親族は 5,000〜30,000円と幅広い
・表書きは「御仏前」が最も一般的
・お供えは1,500〜5,000円の消えものが最適
・辞退された場合は必ず従う
・郵送も完全にマナーとして問題なし
・金額よりも「気持ち」が何より大切

三回忌の香典・お供えに迷うのは、故人や遺族を思う優しさがあるからこそです。相場やマナーはあくまで“目安”。あなたの無理のない範囲で気持ちを添えるだけで、十分すぎるほど立派な供養になります。

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どのようなご葬儀を選択することがよいのかを丁寧にヒアリングさせていただき、ご提案いたします。

お葬式セミナー講師
エンディングコンサルタント
栗本 喬一(くりもときょういち)
1977年 東京生まれ(名古屋育ち)
略歴
母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者(セレモニーディレクター)として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、5,000件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等
株式会社GSI グリーフサポート アドバンスコース修了。