仏式葬儀の焼香・数珠の使い方
仏式 葬儀に参列するとき、多くの方が気になるのが「焼香の回数は?」「数珠の持ち方は?」「合掌のマナーは?」といった仏教 作法です。
しかし、ポイントさえ押さえれば難しいことはなく、むしろ心が落ち着き、故人を穏やかに偲ぶ時間になります。
この記事では、初めての方でも安心できるように、仏式 葬儀での焼香・数珠の使い方・合掌 マナーをわかりやすく解説し、不安が自信へ変わることを目指します。
仏式葬儀とは?基本の流れと心構え
仏式 葬儀の目的と特徴
仏式 葬儀は、故人の冥福を祈り、遺された方の心を支える大切な儀式です。僧侶の読経や焼香、合掌などの仏教 作法を通じて、故人が安らかに成仏できるよう願いを捧げます。
仏式 葬儀の作法は、「間違えない」ことよりも「心を込めること」の方がずっと大切です。
この記事では、形ばかりを追うのではなく、故人への想いを自然に表せるようになるためのポイントをお伝えします。
仏式 葬儀の一般的な流れ
仏式 葬儀の主な流れは次の通りです。
・受付・記帳
・開式・僧侶入場・読経
・焼香
・僧侶による法話やお別れの言葉
・閉式・出棺
参列者が特に不安を感じやすいのは「焼香」と「数珠」、そして「合掌 マナー」です。以降は、この3つに絞って丁寧にみていきます。
焼香の意味とマナーを押さえよう
焼香とは?
焼香とは、香を焚いてその香りを仏さまや故人に捧げる仏教 作法です。香りは、心を清め、故人への敬意と感謝の気持ちを表すとされています。
焼香は「正解の形」を当てるテストではなく、「ありがとう」という気持ちを届ける行為です。
焼香 回数の目安(宗派別の考え方)
焼香 回数は宗派によって違いがありますが、参列者が細かく覚える必要はありません。一般的には次のような目安があります。
焼香 回数の代表的な例
・浄土真宗:1回(額にいただかない場合も多い)
・浄土宗:1〜2回
・曹洞宗:2回(1回目は額にいただき、2回目はそのまま香炉へ)
・臨済宗:1〜2回
・真言宗・天台宗:3回が目安とされることもある
ただし、地域やお寺によっても習慣が異なります。
迷ったときは「焼香は1回」であれば、どの宗派でもマナー違反にはなりません。自信がないときは、前の人の動きをさりげなく参考にするのも一つの方法です。
焼香の基本動作(立礼焼香の場合)
焼香の一連の流れ
一般的な立礼焼香の流れは次の通りです。
1. 焼香の順番が来たら静かに立ち上がる
2. 祭壇・遺影に向かって軽く一礼する
3. 香炉の前に進み、一歩下がった位置で立ち止まる
4. 右手の指で香をつまむ
5. 必要に応じて額に軽く押しいただく
6. 香炉の中に静かに落とす
7. 数珠を手に合掌し、黙祷する
8. 再度、祭壇・遺族に向かって一礼し席へ戻る
動作そのものよりも、「ゆっくりと」「静かに」を意識することで、自然と美しい所作になります。
よくある不安と安心ポイント
・香をつまむ量が多い/少ない
・額にいただく高さがわからない
・歩く速度が速くなってしまう
こうした細かな点は、実はほとんど問題になりません。香はほんの少量で構いませんし、額にいただく場合もほんのり持ち上げる程度で十分です。
「周りに迷惑をかけない範囲で丁寧に」を意識していれば、十分に心のこもった焼香になります。
数珠の基礎知識と宗派ごとの考え方
数珠の意味とは?
数珠は、お念仏やお経を唱える際に使う仏具で、1つ1つの玉には「煩悩を鎮める」という意味が込められています。参列者が手にする数珠には、故人に祈りを捧げる気持ちを形にする役割があります。
数珠は「仏さまや故人と自分の心をつなぐもの」と考えると、扱い方に自然と丁寧さが生まれます。
数珠 宗派による違い
数珠には大きく分けて「本式数珠」と「略式数珠」があります。
・本式数珠:宗派ごとに玉の数や輪の形が決まっている正式な形
・略式数珠:宗派を問わず使える、1連タイプの一般的な数珠
参列者として仏式 葬儀に参列する場合は、「略式数珠」で十分です。数珠 宗派の違いを細かく揃えなくてもマナー違反にはなりません。
数珠の持ち方・使い方(基本マナー)
数珠を持つ手は?
一般的には、数珠は左手に持つ・左手首にかけるのが基本とされています。焼香の際は、左手に数珠をかけたまま、右手で香をつまみます。
合掌時の数珠の扱い
合掌するときは、数珠を両手にかけるか、または左手にかけたまま両手を合わせます。
・両手にかける場合:合掌した手に数珠をふわりとかける
・左手にかけたままの場合:数珠の位置を大きく動かさなくてOK
「必ずこうでなければならない」という決まりよりも、乱暴に扱わず、丁寧に持つことが一番大切です。
数珠をポケットやバッグに入れてもいい?
式の最中は、できるだけ手元に持つか、膝の上に置くのが望ましいとされています。どうしても両手がふさがる場合などは、一時的にバッグにしまっても構いません。
ただし、床に直接置くことは避けましょう。仏具として丁寧に扱うことが、仏教 作法の基本です。
合掌 マナーを身につけると所作が美しくなる
合掌の意味
合掌とは、左右の手のひらを胸の前で合わせる動作です。右手は仏さま、左手は自分自身を表し、それを合わせることで「仏さまとの一体」を表現するとされています。
合掌は、故人や仏さまに向けて「感謝」「お詫び」「祈り」を伝える、もっともシンプルで深い仏教 作法です。
美しく見える合掌 マナーのポイント
手を合わせる位置
合掌は、胸の前やみぞおちあたりの高さが一般的です。高く掲げすぎる必要はありません。
指先と背筋
・指先をそろえる
・左右の手のひらの間は、軽くすき間がある程度
・背筋をすっと伸ばす
これだけで、余計な力を入れなくても、凛とした印象の合掌になります。
黙祷の長さ
合掌して目を閉じる時間は、長すぎる必要はありません。
1〜2秒、静かに故人を思い浮かべるだけでも、十分な祈りとなります。
「上手にやろう」と意識しすぎるより、「ありがとう」と心の中で一言そっとつぶやいてみてください。それだけで、合掌の時間が温かいものに変わります。
初めての仏式 葬儀でも安心な立ち振る舞いのコツ
動きは「ゆっくり・静かに」が最優先
仏式 葬儀では、作法の細部よりも、全体の雰囲気に調和しているかどうかが大切です。
・立ち上がるとき
・歩くとき
・焼香のとき
・着席するとき
いずれも、普段より少しだけ「ゆっくり・静かに」動くことを意識してみてください。それだけで、落ち着いた印象になり、周囲への配慮にもつながります。
「わからない」は恥ではなく、自然なこと
仏式 葬儀の作法は、普段から慣れ親しむものではありません。わからないことがあって当然です。
・係の方の案内に従う
・前の人の動きをそっと真似する
・事前に家族や葬儀社に聞いておく
マナーを守ろうとするその気持ちこそ、故人やご遺族への何よりの礼儀です。
服装や持ち物に不安があるときは?
服装や香典など、作法以外にも不安を感じる方は多いものです。最近では、葬儀社や相談窓口でも、服装・香典・マナー全般をまとめて相談できる体制が整ってきています。
葬儀のマナーや仏教 作法について不明点があれば、『やさしいお葬式』から24時間365日、無料相談が可能です。
服装や持ち物、焼香 回数、数珠 宗派など、ちょっとした疑問でも気軽に確認しておくと、当日に落ち着いて参列できます。
心が軽くなる「ポジティブな仏教 作法」の捉え方
作法は「自分を責めるため」ではなく「心を整えるため」にある
仏教 作法を「間違えたら怒られるもの」と捉えてしまうと、葬儀そのものが怖い場所に感じられてしまいます。
本来、焼香や合掌、数珠などの作法は、故人と向き合う時間を穏やかにし、自分自身の心を整えるためにあります。
・合掌すると、自然と呼吸が深くなる
・焼香の香りで、気持ちが静まっていく
・数珠をそっと握ると、心が落ち着く
そう感じられるようになると、仏式 葬儀は「難しい場」ではなく、「心を整える場」に変わっていきます。
今からできる小さな準備
この記事を読み終えた今、できる準備はとてもシンプルです。
・自分用の略式数珠を1つ用意しておく
・焼香 回数は「迷ったら1回」と覚えておく
・合掌 マナーのイメージをしてみる
少しの知識と心構えがあるだけで、次に仏式 葬儀へ参列するとき、きっと以前より落ち着いて行動できるはずです。
まとめ:不安から一歩すすんで「故人を想う時間」へ

仏式 葬儀の焼香・数珠・合掌について、基本的な仏教 作法とマナーをお伝えしてきました。
・焼香 回数は宗派で違いがあるが、迷ったら1回でOK
・数珠 宗派の違いを気にしすぎず、略式数珠で十分
・合掌 マナーは「指先をそろえ、胸の前で静かに」が基本
・動作は「ゆっくり・静かに」を意識するだけで美しく見える
・作法の完璧さよりも、故人を想う真心がもっとも大切
あなたが「きちんとしたい」と思ってこの記事を読んでいる時点で、すでに故人やご遺族への大きな思いやりを持っている証拠です。
仏式 葬儀の作法は、決してあなたを縛るためのものではありません。むしろ、気持ちを言葉にできないときに、「焼香」や「合掌」「数珠」という形でそっと背中を押してくれるものです。
どうか、作法に怯えるのではなく、
「少しでも丁寧に、静かに、心をこめて」
そう思いながら一つひとつの動作を行ってみてください。
その姿こそが、何よりも美しい弔意の表れとなり、故人への最高の供養になるはずです。
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