遺品のお焚き上げで後悔しない5つのコツ!場所と費用・注意まで解説
「遺品は捨てずにお焚き上げした方がよいというが、方法が分からない」
「遺品を処分したいけど、お焚き上げできるの物か判断できない…」
「お焚き上げするなら神社かお寺、それとも業者?どれがいいのわからない…」
「遺品のお焚(た)き上げ」とは、故人の遺品を神社やお寺で供養して処分することです。
お焚き上げには「故人に物を返す」意味合いのほか、「残された人の気持ちの整理」としても有効といわれています。
故人の遺品をただ燃やして処分する…わけではなく、古くからある日本の宗教的儀式ですので、正式な手順に従ってきちんと行うべきでしょう。
自宅で焼却すると、自治体の条例に反する可能性や近隣トラブルにも発生する可能性があるためおすすめできません。
神社やお寺へ依頼するのが一般的ですが、遺品の量や内容によっては引き受けを断られることもあるため、民間の業者へ依頼することもできます。
ただし、「お焚き上げはなんでも燃やせる」というわけではなく、仏壇などのサイズが大きいものや不燃物など、引き取り先を選ぶ必要があり、依頼する場所や費用についても戸惑う方もいらっしゃるでしょう。
そこで、本記事を読めば、お焚き上げに関する基礎知識から費用感までまるっと分かります!下記を詳しく知ることで、故人を想い納得するお焚き上げを行うことができるようになるでしょう。
・お焚き上げをする意味
・お焚き上げ出来る場所
・お焚き上げできる・できない品物の分別
お手元の遺品を上手に処分し、後悔のない後片付けをしたい方はぜひ最後までご覧ください。
お焚(た)き上げは宗教的儀式のため正式な手順で行うべき
お焚き上げは宗教的儀式のひとつです。
ひとつひとつの動作に意味があり、お焚き上げをおこなう側の人の心もちも重要になってきます。
ここからは、お焚き上げに関する基本的な知識をお伝えしてまいります。
1.お焚き上げをおこなう2つの意味
2.お焚き上げは自分で行うと法律違反やトラブルの原因に!
ポイントをしっかり押さえて、後悔のないお焚き上げにしましょう。
お焚き上げをおこなう2つの意味
お焚き上げには、大きく分けて2つの意味があります。
故人に遺品をお返しする
ひとつめは、「故人に遺品をお返しする」という意味です。
故人が生前使用していた家具や仏器、大切にしていた思い出の品などをお焚き上げすることで、故人に品物を届けられるとされています。
棺に入れ忘れたものがあったり、遺品整理で新たに出てきたものがあれば入れてあげるとよいですね。
残された人の気持ちを整理する
ふたつめは、残された遺族側の気持ちを整理する意味合いです。
遺品を手元から離し、焼却という物理的になくす方法をとることで、気持ちに整理を付けることができます。
故人を連想させるような家具や仏器、故人が過去使用していた書類などをお焚き上げという形で処分することで、心理的にも物理的にも一区切りつけることができるんですね。
お焚き上げは自分で行うと法律違反やトラブルの原因に!
お焚き上げは自分で行うと法律違反やトラブルの原因になります。
お焚き上げといっても、やっていることは「野焼き」と同じです。自宅の庭で勝手に大きな遺品を燃やしたり、小規模でも煙を上げることは自治体や法律に反する可能性があります。
手元でのお焚き上げの危険性について、押さえておきたいのは以下の2点です。
1.法律で「野外焼却」は禁止されている
2.煙で近隣に迷惑がかかる危険がある
「よかれと思ってお焚き上げを自分でやったのに、ご近所トラブルになってしまった…」
こんなことがないように、お焚き上げを自分でおこなうべきではない理由をしっかり押さえておきましょう。
法律で「野外焼却」は禁止されている
個人規模での野焼き(野外焼却)は、法律で禁止されています。
第十六条の二 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準
又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活
環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの (ふん尿の使
用方法の制限)
経済産業省|廃棄物の処理及び清掃に関する法律
違反すると、5年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金が課される可能性がある重罪なんです。
野外焼却には以下のような例外がありますが、「野外焼却禁止の例外かどうか」は事前に自治体に判断を仰ぐ必要があります。
・風俗慣習上または宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却(どんど焼き、お焚き上げなど)
・一般家庭の風呂焚き
・暖を取るための薪木の焼却(暖炉など)
・バーベキュー、キャンプファイアーなどの娯楽
参考元:川俣町|野外焼却は法律で禁止されています!
「お焚き上げなら例外なのでいいだろう」といった安易な判断は避け、自治体に相談のうえおこなうか、自分でお焚き上げをするのは避ける方がよいでしょう。
煙で近隣に迷惑がかかる危険がある
自宅でお焚き上げをすると、煙の広がり具合によっては近所に迷惑がかかる危険があります。
窓を開けると煙の嫌なにおいがしたり、ランニング中に煙だらけの道があったら誰だって迷惑に思いますよね。
最悪の場合、煙を吸い込むことで体調が悪くなるなど大きなご近所トラブルにつながりかねません。
野焼きが原因の火災は決して他人事ではなく、実際に、2022年4月には京都府内でゴミの焼却が原因の火災が起こっています。
参考サイト:京都新聞|「野焼き」で火災多発、昨年の2倍超 消防「原則禁止なので行わないで」(2022年4月14日配信)
素人に風向きや乾燥具合は予測しづらいですし、不要なご近所トラブルを避けるためにも手元でのお焚き上げは控えたほうがよいといえるでしょう。
お焚き上げに出す品物を知る4つのポイント
お焚き上げに出す品物について押さえておきましょう。
お手元にある遺品をお焚き上げする際にスムーズにおこなえるよう大項目から順にご紹介いたします。
1.お焚き上げできる品とできない品の例
2.神社やお寺から受け取った品物かどうか
3.大きさ
4.重さ
お焚き上げできる品とできない品の例
お焚き上げできる品とできない品の例を挙げてみました。
お焚き上げできる品 |
お焚き上げできない品 |
・木製製品(仏壇仏具や神棚)
・布製製品(人形やぬいぐるみ、お守りなど)
・紙(写真)
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・パソコンなどの精密機械
・ビニール製品
・プラスチック製品
・ガラス製品
・引火性があるもの
・有害物質が発生する危険物
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お焚き上げできる品は、木製、布製、紙などである品がほとんどです。
中でも、仏具など魂が宿るとされているものや、顔のある人形、想いが込められたお守り、人の顔が映った写真などがお焚き上げの趣旨にも合っているといえるでしょう。
お焚き上げ出来ない品は、大まかに言えば不燃性のものです。パソコンなどの精密機械はもちろん、有害物質を出すプラスティック製品も燃やせません。
神社やお寺から受け取った品物かどうか
お焚き上げの方法として、神社やお寺に依頼するという方法があります。
神社やお寺によっては、そこから受け取った品物のみをお焚き上げするという制約を設けていることがあります。
例えば、お焚き上げを依頼する神社以外から受け取ったお守りはお焚き上げできないということですね。
神社やお寺にお焚き上げを依頼する際は、制約がないかどうかよく確認しておいて下さい。
金額など詳細を知りたい方は、本記事の「神社(相場:3,000円~)」または「お寺(相場:3,000円~)」をぜひ、合わせてご覧ください。
大きさ
参考画像:一社タイプの神棚
お焚き上げを受け付ける遺品にも、大きさの規定を設けているところが多いです。特に神棚や仏壇といった大きくなりがちなものは、規定に漏れてしまうことがあるでしょう。
例えば、九州に位置する諫早(いさはや)神社では神棚の大きさによりお焚き上げ料を変えています。
神社やお寺で断られた場合は、さまざまな大きさの遺品のお焚き上げに対応している業者に依頼することも視野に入れておきましょう。
重さ
お焚き上げを受け付ける遺品において、重さの規定を設けることもあります。理由は、郵送する際の重さ規定に引っかかってしまうからです。
例えば、ゆうパックの場合は最大25kg、それ以上は重量ゆうパックで30kgまで郵送できます。対応していないお寺、神社、業者の場合は送付が難しくなるため、直接自分で届けなければいけません。
もしくは、仏壇を現地で直接引き取りに来てくれるサービスをおこなっているお寺を探すことも可能です。
仏壇だとひとつでかなりの重さがかかりますし、大量の書類などが積もって数十キロに及んでしまうことも珍しくありません。
この場合においても、さまざまな重さの遺品のお焚き上げに対応している業者に依頼することも視野に入れておきましょう。
お焚き上げの3つの方法
お焚き上げをするには主に3つの方法があります。費用がかかりにくい順にご紹介いたします。
それぞれ説明していきますね。
神社
お焚き上げは神社に依頼しておこなうことができます。少ないところでは年に一度、多いところでは常時受付をしているとこがありますよ。
制約さえ守れば、お賽銭分のみで済む比較的安価なお焚き上げができますが、神社は神道なので、仏教用具である仏壇や位牌などの処分は引き受けてくれない可能性が高いので注意してください。
探し方のコツは、「Webと電話の使い分け」です。比較的規模の大きな神社が近くにある場合は、神社の名前でGoogle検索してみましょう。
公式ホームページがあれば、そこからお焚き上げのページやお問い合わせフォーム経由で質問してみるのがオススメ。もし近くに神社がない場合は、「(お住まいの県名) 神社 お焚き上げ」で検索してみてください。
近くにヒットする神社がない場合は、神社に直接電話で確認してみるのがおすすめです。
公式ホームページはなくても、電話番号を見つけられますので探してみてくださいね。
お寺
お焚き上げはお寺に依頼しておこなうこともできますがお寺は仏教なので、神棚といった仏教用具ではないものは受け付けてもらえない可能性が多いので注意しましょう。
制約さえ守り、お布施でいくらか包めば3,000円程度でお焚き上げ可能です。
また、お寺にも宗派があります。仏教だからと言ってどの宗派の遺品でもお焚き上げしてくれるわけではありません。
お焚き上げを依頼する際は、自分の家が入っている宗派のお寺を選ぶのが無難でしょう。探し方のコツは、こちらも「Webと電話の使い分け」です。
比較的規模の大きなお寺が近くにある場合は、お寺の名前でGoogle検索してみましょう。
公式ホームページがあれば、そこからお焚き上げのページやお問い合わせフォーム経由で質問してみるのがオススメ。
もし近くにお寺がない場合は、「(お住まいの県名) お寺 お焚き上げ」で検索してみてください。
近くにヒットする神社がない場合は、お寺に直接電話で確認してみるのがおすすめです。命日でお参りいただいたときに聞くのも手ですね。
公式ホームページはなくても、電話番号を見つけられますので探してみてくださいね。
業者に依頼する
もっともおすすめできるのが、お焚き上げを業者に依頼してしまうことです。
業者であれば、遺品の大きさや重さにより処分したい遺品にピッタリのプランを選択することができるからです。
神社やお寺と比べると費用が高いですが、ほぼ全ての遺品をお焚き上げ出来る便利さが取柄です。
宗教・宗派なども問われませんので、「やっぱりダメだった…」なんて二度手間も起きにくいのがうれしいですね。
日本全国に数多く存在する業者の中からひとつひとつチェックしていくのは難しいので、ここからは本記事が厳選したおすすめ業者を4社ご紹介していきます。
おすすめ業者4社
遺品のお焚き上げを依頼する業者は多くありますが、中でもおすすめしたい業者を4社ご紹介いたします。
1.遺品整理みらいプロセス
画像引用元:遺品整理みらいプロセス
場所 |
全国 |
処分できる品の例 |
仏壇、遺影、家具、食器、車両など全般 |
費用感 |
遺品整理サービスを利用で無料 |
遺品整理みらいプロセスは、遺品整理をおこなう企業です。職員を派遣することで全国対応となっており、優良事業者認定も受けています。
特徴は、遺品整理のサービス料金にお焚き上げ費用が含まれているということ。
遺品整理の最低価格は1Kで24,000円から。部屋ごと整理したいなどのリクエストにも応えてくれますよ。
相談・見積もりは無料なのでまずは問い合わせてみるのがおすすめです。
2.片付け堂
画像引用元:片付け堂
場所 |
全国 |
処分できる品の例 |
仏壇、遺影、家具、食器など全般 |
費用感 |
2LDK:80,000円~ |
片づけ堂は不用品の整理や買い取り、特殊清掃など幅広い事業を手掛けています。全国31店舗あり、それぞれの自治体に合わせて遺品を処分してもらえます。
特徴は、買取業を活かした遺品買取サービス。お焚き上げには費用がかかりますが、価値のある遺品を査定・買い取りしてもらうことで費用感を抑えることができますよ。
遺品整理のプランでも供養の上処分してもらえますが、さらに丁寧な供養をお望みの方にはお焚き上げプランもありますので一度見てみるのがおすすめです。
3.片付け110番
場所 |
全国 |
処分できる品の例 |
仏壇、遺影、家具、食器など全般 |
費用感 |
紹介される業者により異なる |
片づけ110番は、全国の清掃業者を紹介・派遣するマッチングサービスです。
業者を紹介するサービスというと、「ボッタクリ業者だったらどうしよう…」というお悩みがありますよね。
片づけ110番では「質の落ちた加盟店には退場してもらう」という厳しい基準があり、万が一の時の賠償責任保険は1億円分加入してあるという用意周到ぶり。
さまざまな整理業者を比較検討する手間がはぶけるだけでなく、あなたの今の状況に合った1社をプロの目線から紹介してもたえますよ。
問い合わせや見積もりは無料なうえ、見積もりを断っても費用は発生しません。一度問い合わせてみるのがよいでしょう。
4.やさしいお葬式の無料相談を利用
やさしいお葬式でも、お焚き上げのご相談を受け付けております。まずはお問い合わせフォームにてお焚き上げご希望の遺品や日時などをご相談ください。
やさしいお葬式|お問い合わせフォーム
お焚き上げの費用は大きさや重さで異なる
お焚き上げの費用は大きさや重さで異なります。
費用の大体の目安を押さえるために、お焚き上げができる主な場所別に料金表を作成いたしました。
【場所別の料金表】
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神社 |
お寺 |
業者に依頼する |
小さなサイズ
(レターパック)
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五百円~
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五百円~
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千円~
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中くらいのサイズ
(A4レターパック)
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千円~
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2千円~
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3千円~
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大きなサイズ
(160サイズ以上)
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1万円~
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1万円~
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1万五千円~
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※神社によっては、一部無料で引き受けるところもあります
ご自身の状況にあった依頼先を見つけられるよう、費用感をチェックしておいてくださいね。
神社(相場:五百円~)
神社でのお焚き上げの目安は、ぬいぐるみなどの大きなサイズのものを依頼する前提で3千円程度と見ておきましょう。
お守り数個やお札数枚といった小規模なものであれば、気持ちを賽銭箱に納める程度で済むこともあります。
神社でのお焚き上げの様子を実際に見てみたいという方は、下記の動画を参考にしてみてくださいね。
お寺(相場:五百円~)
お寺でのお焚き上げの目安は、レターパックプラスに入る分の遺品(位牌ほか数点など)を依頼する前提で3千円程度と見ておきましょう。
依頼する遺品の大きさや量により多少変動がありますが、大体は3千?1万円程度を見ておけばよいです。
お寺ではどのようにお焚き上げをしてもらえるのか、実際の様子を見てみたい方は下記動画を参考にしてみてください。
業者に依頼する(相場:千円~)
業者に依頼する場合、お焚き上げの規模によって変わってきます。
例えば、遺品を郵送して処分してもらう場合は最も小さいレターパックサイズ(25cm×17cm)で千円代のものがあります。
お焚き上げだけでなく、部屋ごと片づけてもらう場合、作業費や人件費、車両手配代など込みで1DKでも4万円ほどかかると考えておきましょう。
お焚き上げを依頼時にチェックしておきたい5つのポイント
お焚き上げを業者に依頼するときにチェックしておくべき5つのポイントをお伝えします。
1.遺品の種類がお焚き上げの対象か?
2.焼却後にお祈りの品が届くか?
3.お焚き上げの時期に適しているか?
4.手厚いサポートが得られるか?
5.実際に利用した人のレビュー評価は良いか?
「依頼してみたら思ったより雑に扱われてしまった!」ということや、「対象外の品目が多く全然処分できなかった…」ということが起きないように、順番に見ていきます。
遺品の種類がお焚き上げの対象か?
お焚き上げを依頼する前に、処分したい遺品の種類がお焚き上げの対象かどうか見ておきましょう。
一般的には、下記のように分類されます。
お焚き上げできる品 |
お焚き上げできない品 |
・木製製品(仏壇仏具や神棚)
・布製製品(人形やぬいぐるみ、お守りなど)
・紙(写真)
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・パソコンなどの精密機械
・ビニール製品
・プラスチック製品
・ガラス製品
・引火性があるもの
・有害物質が発生する危険物
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業者の場合、受け付けられる遺品の種類は公式サイトにて説明されています。
神社やお寺に依頼する場合は、どのまでの規模なら可能か、宗派が異なるものでも処分可能か事前に確認しておきましょう。
焼却後にお祈りの品が届くか?
画像引用先:みんなのお焚き上げ
お焚き上げをした後に「お焚き上げをきちんと行いました」というお祈りの品や証明書を発行してくれるところがあります。
中には、より安価にサービスを提供するためにお祈りの品を送らない業者や、受け取るためには事前に申告する必要があるところがあります。
ひとつの区切りとして手元に持っておきたい方など、ご希望の方は事前にこういったサービスに対応しているかどうかチェックしておきましょう。
お焚き上げの時期に適しているか?
お焚き上げは常時受け付けられているとは限りません。
お寺や神社の場合、年に一度合同でおこなうお焚き上げの受付の機会を逃すとまた来年…ということもあります。
反対に、境内に置いてある木箱に収める仕組みのところや、常時受付で申し込めるものもあります。
特に部屋の片づけを丸ごとやってくれる業者の場合、年末年始や年度初めなど引っ越しシーズンは人手が足りず希望の時期にサービスを受けられない可能性があります。
「お焚き上げしようかな」と思いついたときは、自分に合ったサービスをいち早く見つけ「いつできるのか」だけでも把握しておくとスムーズに進められますよ。
手厚いサポートが得られるか?
お焚き上げで重要なのがサポートの厚さです。
遺品は故人の想いも遺族の想いも詰まった大切な品物なので、杜撰に扱われると心を痛めてしまいますよね。
お寺や神社の場合、お焚き上げに立ち合えたり、無料で祈祷してもらえたりするところがあります。
郵送でお焚き上げをする業者でも、名前パネルを設置してお焚き上げしてくれたり、個別に祈祷するようすを動画で撮影してくれたりするところがあります。
業者ごとに受けられるサポートの違いがありますので、お焚き上げ先を選ぶ際には価格と合わせてサポート体制も押さえるようにしておきたいところです。
実際に利用した人のレビュー評価は良いか?
業者全般に言えることですが、どれだけのサービスを謡っていても実際に使ってみないと本当のところは分からないですよね。
そんなときに見ておきたいのが、実際に利用した人のレビュー評価です。
大抵の業者のページには「お客様の声」といった過去の利用例が掲載されています。写真や利用年月がついており、より具体的なレビューがある業者を選ぶようにしましょう。
お焚き上げに関するよくある質問3つ
お焚き上げに関する質問を、よくある順番に3つご紹介いたします。
1.抱えきれないほど大量の紙の遺品はどう処分すべき?
2.お焚き上げの時期って決まっているの?
3.遺品整理士がいる会社に依頼する方がよい?
ご自身の状況にマッチした質問を見て、具体的にどう行動すべきかを押さえておけばいざお焚き上げをする際にスムーズに進められますよ。
抱えきれないほど大量の紙の遺品はどう処分すべき?
大量の紙の遺品は業者に依頼するのがよいでしょう。
郵送でお焚き上げの品物を受け付けている業者では、箱のサイズと重さに応じて遺品を受け付けています。
中には3辺が170cm以内で重さが25kg以内であればOKのものもありますので、書類などもまとめて入れて処分してもらうのがおすすめ。
お寺や神社は、宗教的な理由(お守りやお札、目がついている人形など)以外でお焚き上げの品に応じているところは少ないです。
自宅での処分は自治体の条例に反する可能性がある他、許可が出たとしても紙は高く舞い上がって延焼をまねく危険性があるため避けるのが無難でしょう。
お焚き上げの時期って決まっているの?
お焚き上げの時期に決まりはありませんが、場所によっては行っていないこともあります。
四十九日のように葬式から何日経ったらおこなう、という決まりはありませんので、遺族の方の心の整理がついたときがよいでしょう。
遺品整理士がいる会社に依頼する方がよい?
お焚き上げだけでなく、遺品整理も行う場合は遺品整理士がいる会社に依頼しましょう。
なぜならば、遺品整理士は物の売買やリサイクル法などを学んでおり、不法投棄や窃盗といった不祥事を起こしにくいとされるからです。
無資格の業者の場合、遺品整理と語って高価な貴金属の査定を懇願してきたり、遺品整理後に連絡を取ろうとしても電話も何も通じない…といった被害に会いやすくなってしまいます。
まとめ
今回は、遺品のお焚き上げについて解説してきました。
遺品のお焚き上げをおこなうことで、故人に物を返す意味合いのほか、残された人の気持ちの整理としても有効といわれています。
後悔しないお焚き上げのためにチェックすべきポイントを、もう一度おさらいしておきましょう。
1.遺品の種類がお焚き上げの対象か?
2.焼却後にお祈りの品が届くか?
3.お焚き上げの時期に適しているか?
4.手厚いサポートが得られるか?
5.実際に利用した人のレビュー評価は良いか?
また、お焚き上げする品物について、できるものとできないものの仕分けも自然にしておくと便利ですよ。
お焚き上げできる品 |
お焚き上げできない品 |
・木製製品(仏壇仏具や神棚)
・布製製品(人形やぬいぐるみ、お守りなど)
・紙(写真)
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・パソコンなどの精密機械
・ビニール製品
・プラスティック製品
・ガラス製品
・引火性があるもの
・有害物質が発生する危険物
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業者によってはガラス製品や家具、車両などを請け負ってくれるところもありますので、まずは自分の状況に合ったサービスを見つけることが大切です。
【場所別の料金表】
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神社 |
お寺 |
業者に依頼する |
小さなサイズ
(レターパック)
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五百円~
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五百円~
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千円~
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中くらいのサイズ
(A4レターパック)
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千円~
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2千円~
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3千円~
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大きなサイズ
(160サイズ以上)
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1万円~
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1万円~
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1万五千円~
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※神社によっては、一部無料で引き受けるところもあります
この記事があなたの納得のいく遺品のお焚き上げにつながることをお祈りしております。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール