墓石にはどんな言葉を刻むのがいい?|人気の言葉・文字・デザイン
墓石に刻む言葉と言えば「○○家之墓」や「先祖代々之墓」といった文字が主流でしたが、現在では墓石のデザインの変化に合わせて、さまざまな文字や言葉が刻まれるようになっています。この機会に墓石に刻む言葉についてじっくりと考えてみましょう。
後世のことも考えて、墓石に刻む言葉選び
墓石に刻む言葉と言えば「○○家之墓」や「先祖代々之墓」といった文字が主流でしたが、現在では墓石のデザインの変化に合わせて、さまざまな文字や言葉が刻まれるようになっています。
今回「やさしいお葬式」では、墓石に刻む言葉について解説していきます。
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- ・お墓の形はどんなものがあるの?
- ・竿石(墓石の正面)に刻む言葉
- ・家名や南無阿弥陀仏以外はどんなものが入れられてるの?
- ・墓石に文字を刻む前の注意点
「やさしいお葬式」運営スタッフ
お墓に刻む言葉だけでなく、お墓の形の種類や言葉を刻む際の注意点などについても解説しております。
ぜひ最後までお読みください。
もしまだお墓を建てられていない方は「やさしいお葬式のお墓検索」をご利用ください。
お墓の形は?
墓石の形によって、彫りたい言葉を選ぶ基準が変わってきます。
一般的に墓石は、一生に一度あるかないかの買物です。
彫りたい言葉を決める前に、まずは墓石の形について見ていきましょう。
和型墓石
江戸時代からある、伝統的な四角い墓石です。
地域によって、形状や寸法に若干の違いがありますが、現在では最もよく見かけるポピュラーな墓石と言えるでしょう。
洋型墓石
洋型墓石は、和型墓石に比べると高さが低いのが特徴です。
安定性があるので、地震の時に倒れにくいと言えます。
和型に比べて墓石の上部にも十分に手が届き、表面積も小さいことが多いので、お掃除しやすいというメリットもあります。
近頃では、洋型墓石の人気が上昇しています。
新たに墓石を立てる場合の約6割から7割が洋型墓石を選ぶ地域もあるようです。
「やさしいお葬式」運営スタッフ
霊園や墓地によっては、お墓の形が決められていることもあります。
事前にお墓のデザインが自由かどうか確認しておくと良いでしょう。
実際に霊園・墓地をお探しの方は、「やさしいお葬式のお墓検索」をご利用ください。
「やさしいお葬式」では終活やお墓について詳しく解説した記事を多数掲載しております。
竿石(墓石の正面)に刻む言葉
竿石(さおいし)とはお墓の上に設置する縦長の石を指します。
竿石は、棹石(さおいし)と表記することもあります。
表側に家名や経文などの文字を刻み、裏側には墓石を建立した人の氏名を刻む場合がほとんどです。
建立者の氏名は、生存中は朱色に、亡くなったら白または黒で塗ることが多いです。
家名
和型墓石の場合、竿石が縦に長いので、「○○家之墓」や「先祖代々之墓」と彫るのが一般的です。
竿石が長いので「○○家先祖代々之墓」と多字数を入れることも可能です。
神道(しんとう)では
神道のお墓で家名を彫る場合は「○○家奥都城(おくつき)」や「○○家先祖代々霊位」と彫る場合が多いです。
奥都城(おくつき)とは、お墓を意味する言葉で、奥津城と表記することもあります。
「やさしいお葬式」では、神道の墓石についてより詳しく解説した記事も掲載しております。
宗教・宗派別の銘文・題目・経文集紹介
墓石には家名ではなく題目や経文などを彫る場合もあります。
宗教、宗派によって、どのような言葉を彫るのか順番に見ていきましょう。
神道のお墓
神道の墓石は竿石の先端が細くなっているのが特徴です。
神道には題目や経文がありませんので、墓石には「○○家奥都城(おくつき)」と彫ります。
ちなみに神道では戒名はつけず、姓名の下に「之霊」や「霊位」を付けた霊名を用います。
「やさしいお葬式」では神道のお墓についてより詳しく解説した記事も掲載しております。
天台宗
最澄が広めた密教、天台宗。
天台宗のご本尊は阿弥陀如来ですので、竿石の上部に阿弥陀如来を表わす梵字(キリーク)を彫るのが一般的です。
また、お経を読む前に必ず唱える「南無阿弥陀仏」を彫る場合もあります。
真言宗
弘法大師の名で知られる空海が広めた密教、真言宗。
全国には真言宗の寺院が約9000ほどあります。
墓石には家名を刻むのが一般的ですが、家名の上部にご本尊である大日如来の梵字を刻む場合もあります。
浄土宗
全国には浄土宗の寺院が約7000ほどあります。
浄土宗では「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」という念仏を唱えます。
墓石には「南無阿弥陀仏」や「倶会一処」という言葉を刻み、上部には阿弥陀如来像を表す梵字を入れることもあります。
浄土真宗
浄土真宗では、お墓を仏縁の場と捉えるので、墓石には「南無阿弥陀仏」や「倶会一処」という言葉を刻みます。
その場合は家名は台石に刻むことができます。
ちなみに墓石に家名を入れない決まりはありません。
「○○家の墓」「先祖代々之墓」といった家名を刻む場合も、浄土真宗では多くあります。
真宗大谷派
真宗大谷派の念仏はご本尊の阿弥陀如来を信じ、感謝の心を込めて唱える他力念仏です。
墓石には「南無阿弥陀仏」や「倶所一処」という言葉を刻む場合が多いです。
ちなみに真宗大谷派では、戒名とは言わず「法名」と呼びます。
臨済宗
禅宗である臨済宗、墓石に刻む題目は「南無釈迦牟尼佛」です。
家名の場合、「○○家先祖代々」という家名の上部に「〇」円相(えんそう)を入れることもあります。
ちなみに「〇」円相は、禅宗における悟りの象徴です。
曹洞宗
道元の教え「只管打坐」(しかんたざ)を守り、坐禅を特徴とする曹洞宗。
臨済宗と同様に、曹洞宗で墓石に刻む題目は「南無釈迦牟尼佛」です。
墓石の家名の上部に「〇」円相(えんそう)を入れることもあります。
黄檗宗(おうばくしゅう)
黄檗宗(おうばくしゅう)は京都宇治の黄檗山万福寺がご本山です。
臨済宗と曹洞宗に次ぐ禅宗で、江戸時代に始まりました。
墓石には「南無釈迦牟尼佛」の題目を刻みます。
日蓮宗
日蓮を宗祖とする日蓮宗では、法華経こそが釈尊の悟りのすべてと説かれます。
墓石にはヒゲ文字と呼ばれる独特な書体で「南無妙法蓮華経」と彫ることが多いです。
墓石にヒゲ文字で彫った題目をヒゲ題目といいます。
文字や詩
洋型墓石の場合、家名や題目にとらわれず、自由な文字や詩を選ぶ人が増えています。
故人が好きだった言葉のほかに、故人自身が作った詩や俳句を刻むこともできます。
「夢」「和」「心」など、思いのこもった一文字を刻んだり、メッセージを刻んだ墓石が多くなってきています。
「やさしいお葬式」運営スタッフ
霊園・墓地によっては、石材店が指定されていることもあります。
実際に全国の霊園・墓地をお探しの方は、「やさしいお葬式のお墓検索」をご利用ください。
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墓石に刻む言葉:好まれる文字集
ここでは実際の墓石によく使われている人気の文字を見ていきましょう。
墓石に刻む漢字一字
故人や家族の好きな言葉や気持ちを表す言葉が、よく選ばれています。
「空」「徳」「無」「和」「心」「愛」「祈」「真」「道」などが好まれています。
このほかに「絆」「想」「遥」「憧」「輝」「静」といった文字も人気です。
また「緑」「風」「天」といった自然界の言葉も人気があります。
楷書体のほか、行書体や隷書体など文字の書体にもバリエーションがあります。
自筆の文字を彫ってもらうこともできます。
墓石に刻む二字熟語
読みやすく想像力が湧きやすいとして、二字熟語も人気です。
好まれる言葉としては「自然」「清心」「珠光」「無限」「感謝」「平和」「永遠」などが代表的です。
「佛心」「合掌」「夢想」「慈光」「久遠」といった二字熟語も、故人や家族の個性を反映できることから好まれています。
墓石に刻む四文字熟語
イメージが湧きやすい言葉として、四文字熟語も人気があります。
好まれる言葉としては「一期一会」「春夏秋冬」「花鳥風月」「諸法無我」といったものや「知恩報恩」「和顔愛語」などがあります。
四文字熟語を選ぶときには、意味にまで気を配りましょう。
例えば仏教用語である「諸法無我」(しょほうむが)という言葉には、諸行無常であり自我に執着する必要はないといった意味が込められています。
故人を想って墓石にメッセージを刻む
墓石にはまとまったメッセージを刻むこともできます。
故人を偲ぶ言葉
墓石に刻む言葉は漢字だけとは限りません。
わかりやすい言葉で、個人を偲ぶ気持ちを表すこともできます。
代表的なものとしては「やすらかに」「旅へ」「あなたとわたし」「人として生きし」「ここに眠る」といったメッセージがあります。
また、海を愛する方が「父なる海とともに」という言葉を選んだ例もあります。
感謝を示す言葉
墓石に刻む言葉で、感謝の気持ちを伝える場合も多いです。
「ありがとう」「思い出をありがとう」というストレートなメッセージのほかに、「また会いましょう」「夢であおう」といった言葉で、存命中の感謝を伝えることもできます。
「いつもそばに」「我眠りて愛は眠らず」といった、励ましを贈るような言葉も人気があります。
故人の人柄を表す言葉
お墓参りに訪れる度に生前の姿が思い浮かぶような、故人の人柄を表す言葉を彫るのもおすすめです。
例えば「ほほえみ」「やすらぎ」「花一輪」「心の港」といった、温かな人柄を思い出すような言葉を刻むこともできます。
洋型墓石の人気に合わせて、「暫くのわかれ また団らん」「天に星 地に花 人に愛」といった長めの言葉を刻む人も増えているそうです。
墓石に刻む文字を決定する前に
これという文字や言葉を決める前に、次のような点に注意をすれば完璧です。
文字書体によって印象が変わる
墓石に刻みたい言葉が決まったら、次は書体を考えてみましょう。
石材店にて既成の書体を選ぶほかに、自分で書く、書家に依頼をして書いてもらうこともできます。
きっちりとした印象の楷書体のほかに、柔らかく流れるような印象の行書体、読みやすさと個性を両立させた隷書体など、書体選びにもこだわりたいところです。
洋型墓石の場合はローマ字を選ぶ人も増えています。
著作権侵害の可能性も
墓石に彫る言葉を自分で選ぶ場合、気をつけなければならないのが著作権に関する問題です。
歌詞を墓石に刻みたい場合、著作人格者に使用許諾を得る手続きが必要です。
適切な手続きをしないで好きな歌の一節を使うと、著作権侵害にあたってしまうこともあり得ます。
墓石に刻みたい言葉が決まったら、著作権法違反にならないよう事前にきちんと調べましょう。
お墓のデザインと言葉があっているか
もう一点気をつけたいのが、お墓のデザインと彫りたい言葉とのバランス。
墓石と言葉の意味、書体が全体として調和しているかどうかです。
和型墓石と洋型墓石の形の違いだけでなく、石材の色や質感もよく吟味すると品位が保てます。
墓石と刻まれた言葉で自分の理想とするお墓に仕上がるかどうかを施工前によく考えてみましょう。
墓石に家紋を彫る場合もある?
墓石に家紋を彫る方もいらっしゃいます。
家紋には色々な種類があり、ほとんどの家が家紋をもっています。
本家のお墓を見るなど、調べ方は色々あります。
また、どうしても家の家紋がわからないという場合もあると思います。
しかし、自分の好きな家紋を使ったり、オリジナルの家紋を創造したりしても全く問題ありません。
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いかがでしたか?
今回「やさしいお葬式」では、以下のことを紹介させていただきました。
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- ・和型墓石:江戸時代からある伝統的な墓石で現在では最もよく見かけるの
- ・洋型墓石:墓石の高さが低く特徴安定性があるので、地震の時に倒れにくい。
- ・表側:家名や経文など刻み 裏側:墓石を建立した人の氏名を刻む場合がほとんど
- ・個人の好きな漢字、個人の詩や、感謝の気持ちを彫る人も多い
- ・掘るときの注意点:文字の書体や石材は大きく墓石のイメージを左右する
近年注目を集めている終活の中で、お墓について考えることは大きなテーマを占めています。
また、墓石の注文と施工は、一生に一度あるかないかの大きな買い物です。
墓石に刻む言葉は、自分にいちばん合ったものをゆっくりと時間をかけて決めたいものですね。
生前に自分自身で言葉を考えることで、安心感が出ますし、大切な家族と話し合って決めることもできます。
皆さんもぜひこの機会に墓石に刻む言葉について考えてみませんか。
「やさしいお葬式」では、この他にも終活に関する記事を多数掲載しております。
ぜひあわせてお読みください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール