一周忌のお返しに添える礼状の書き方は?例文もご紹介します
- 一周忌ではお供えを頂くため、お返しをする際に礼状を添えます。礼状の書き方には、昔ながらのマナーが多くありますので注意が必要です。今回の記事では、一周忌のお返しに添える礼状の書き方についてのポイントや、送る相手に合わせた例文を紹介していきます。
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一周忌のお返しに添える礼状について
一周忌に頂くお供えへのお返しには、感謝の気持ちを込めて礼状を添えます。
しかし一周忌の準備があまりに忙しいと、礼状にあまり時間をかけられない方も多いのではないでしょうか。
一周忌に参列してくださる方たちに心を込めた礼状を送ることは、今後のお付き合いにも関わってくるため、大切にしたいマナーです。
礼状を書く際に気をつけておきたいポイントや注意点を知っておくと、すぐにでも礼状を書けるようになります。
そこで今回の「やさしいお葬式」では、一周忌法要での礼状について、書き方やポイントなどを中心に詳しく解説していきたいと思います。
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- ・一周忌のお返しの礼状の基本的なマナーは?
- ・一周忌の礼状を書く時の注意点は?
- ・一周忌の礼状の例文
以上のことなどを中心に、一周忌のお返しに添える礼状の書き方をまとめています。
頂いたお供えのお返しについても説明していますので、一周忌法要の準備に役立てていただければ幸いです。
大切な方を葬儀でお見送りしてもそこで終わりではありません。四十九日法要などを通じて故人の供養をしていく必要があります。故人をしのぶための法要で故人が亡くなって1年の節目に行うのが一周忌です。今回は一周忌で行うことや知っておくべきマナーなどについて見ていきます。
一周忌の礼状の書き方
一周忌の礼状は、参列してくださった方への感謝の気持ちを表すためのものです。
そのため法要の当日に、頂いたお供えへのお返しの品と一緒に渡します。
一周忌には欠席していてもお供えを贈ってくださった方には、それにふさわしいお返しと礼状を一緒に送ります。
弔事の礼状には昔ながらの風習やマナーが多くありますので、まず基本的な書き方から説明していきましょう。
礼状とは?
本来なら一周忌では、参列してくださった方へ向けて、お一人ずつに施主が挨拶をします。
しかし時間がかかってしまうために、お礼の挨拶を礼状にして渡す風習となりました。
仕事関係など遺族とは面識のない方が一周忌に来られる場合にも重宝します。
ポイントとして覚えておきたいのが、欠席されても香典や供物を贈ってきてくれた方へも、礼状を書くことです。
お供えのお返しの品を送る際に、礼状を同封しましょう。
文の内容や構成
礼状の内容は、まず誰の一周忌なのかを書くところから始めます。
手紙のマナーとされている季節の挨拶は、一周忌の礼状では省略します。
次に、一周忌へ参列してくださったことへの感謝を述べます。
そして本来なら、お一人ずつに施主が挨拶しなければならないことを、礼状の書面での挨拶に代えていることを伝えます。
最後には必ず一周忌当日の日付を入れましょう。
拝啓や敬具という頭語・結語は、省略しても使用してもどちらでもマナー違反ではありません。
頭語・結語を使いたい場合は、拝啓だけを書いて敬具が抜けているのは失礼になりますので、両方使いましょう。
礼状の書き方のマナー
一周忌の礼状の基本的な書き方を紹介したところで、次は具体的な書き方のマナーや注意すべきポイントについて、説明していきます。
通常の手紙のマナーとは違うところが多いため、礼状を書く際にはよく確認しましょう。
句読点や重ね言葉といった、文章の書き方についての独特なマナーがありますので、礼状を書く際には注意が必要です。
句読点は使ってはいけない
礼状の特徴として、基本的に句読点は使いません。
しかし読点は、文が長くなって読みにくくなってしまうようなら、途中で入れても構いません。
その場合でも多用しないように気をつけましょう。
これは昔からの礼状での決まり事です。
昔は現代のように文章を書くときに句読点を使う風習がなかったため、礼状ではそのままの風習がずっと続いているのです。
句読点を使うことが普通になった現代になってからも、句読点は物事を止める意味合いを持つとして、弔事の礼状では避けらてきました。
読みやすさを考えて読点は多少使われますが、句点は使ってはならないとされています。
繰り返し言葉を使ってはいけない
礼状を書く際に一番気をつけなければいけないポイントは、繰り返し言葉です。
弔事では「重ね言葉」として嫌われているため、繰り返しの言葉は使いません。
例として「重ね重ね」「次々」「度々」などは、お礼を述べる際に使ってしまいがちです。
しかし、次の不幸を重ねてしまうと縁起が悪いため、使わないよう注意して文章を書きましょう。
書く側にまったくそのつもりがなくても、弔事の慣習でもあり、受け取る側の問題でもあるので、使わないようにするのが一番です。
礼状は縦書きで書く
昔から日本の文章は、自分で墨をすり筆で書いていました。
そのため、筆書きに適した縦書きで礼状を書く風習があり、手書きでも印刷でも縦書きにするのがマナーとなっています。
特にご年配の方が多くいらっしゃる場合は、昔ながらのマナーに沿って縦書きで礼状を書きましょう。
大人数に礼状を用意する場合は、参列予定の人数よりも少し多い枚数を注文しておくようにするのがポイントです。
会社関係の一周忌の場合は特に、他の参列者の方に誘われて急に来られる方もいらっしゃるため、当日に枚数が足りないと慌てずにすみます。
もし礼状の枚数が足りなくなれば、すぐに手書きで用意しましょう。
礼状は手書きのほうがいいの?
礼状は感謝の気持ちを伝えるものですので、より丁寧に感謝を伝えたい場合には、手書きで書くことをおすすめします。
時間がなかったり人数が多い場合もあるため、印刷された礼状でも失礼にはなりません。
地域によっては、親族には礼状は必要ないとされているケースもありますので、事前に確認しましょう。
その場合でも故人の友人や知人で参列してくださった方へは、必ず礼状を渡します。
一周忌に参列されるのが少人数の場合であれば、印刷で用意するよりも手書きの方がかえって手間もかかりません。
会社関係での法要では一周忌に集まる人数が多いため、どうしても印刷になりますが、これもマナー違反ではありません。
故人をどのように呼ぶか
一周忌の礼状には、最初に故人の名前を書きます。
その際に故人をどのように呼ぶかは、施主から見た関係で故人との続柄を当てはめます。
たとえば自分の祖父であれば「亡祖父」となり、その後ろに名前を書き、「儀」と添えます。
仕事上での関係者が多く集まる一周忌で施主を務めるならば「弊社会長」などと役職を書き、続けて「 故 ○○(名前)儀」と書きます。
親族の場合は「亡○○」、仕事の関係者という立場なら「故」、というようにどちらかを使い分けましょう。
名前の後ろに「儀」とつけるのは、どちらの場合でも共通です。
「逝去」は敬語のため身内である施主は使いませんので、注意しましょう。
一周忌の礼状を送る時の注意点は?
まず参列してくださったことへの感謝を、丁寧な言葉使いで書くことがポイントです。
手書きで書くと、心を込めていることが相手に伝わりやすいでしょう。
会社関係なら参列予定の人数よりも多く用意しておくと、急に人数が増えた際にも対応できて安心です。
他にもよく疑問に思われる注意点を挙げて、説明していきます。
誰に送ればいいか
基本的には一周忌へ参列してくださる全員に送りますが、親族へは送らないとする地域もあります。
これは必ず前もって確認しておきましょう。
必ず送る相手は、一周忌のために来ていただく故人の友人や知人などの関係者です。
一周忌に招待していても参列できなかった方で、香典や供物を贈ってこられた方へも、お返しの品と一緒に礼状を送ります。
欠席された方へ送る場合は、礼状の文章の内容も少し変わります。
差し出し人を書く必要はあるのか
誰からの礼状なのかをはっきりさせるために、礼状には施主の名前を書きます。
家族や会社の関係者の名前も書き連ねる場合は、左横に「一同」と添えましょう。
たとえば親族の場合は「親族一同」、会社関係の場合は「○○会社一同」となります。
一周忌当日の日付や住所も忘れずに記入しましょう。
一周忌の礼状の例文
それでは、一周忌の礼状にはどのように書けばいいのか、ケース毎に例文を挙げてみましょう。
礼状の基本的な書き方として、文章は縦書きで書きます。
どちらのケースでも、主な内容と構成は変わりません。
季節の挨拶は省略し、拝啓および敬具は使用してもしなくても構いません。
一周忌に参列してもらった場合
拝啓
本日は 亡祖父 故○○(名前)儀 の一周忌法要に際しまして
御多用中にもかかわらず御参列賜りまして深く御礼申し上げます
お陰をもちまして一周忌法要を滞りなく済ませることができました
早速拝眉の上御礼申し上げるべきところではございますが、略儀ながら書中をもちまして心より御礼申し上げます
敬具
平成○年○月○日(一周忌当日の日付)
住所を記入
施主名(フルネーム)
親族一同
一周忌を欠席してお供え物をいただいた場合
拝啓
この度は 亡祖父 故○○(名前)儀 一周忌法要に際しまして
御繁盛中にもかかわらず御鄭重なる御厚志を賜りまして、心より厚く御礼申し上げます
お陰をもちまして一周忌法要を滞りなく済ませることができました
ご厚情に感謝いたしますとともに、今後も変わらぬご厚誼をお願い申し上げます
早速拝謁して御礼申し上げるところではございますが、略儀ながら書中をもちまして深く御礼申し上げます
敬具
平成○年○月○日(一周忌当日の日付)
住所を記入
施主名(フルネーム)
親族一同
一周忌のお供えのお返しについて
一周忌に頂いたお花やお菓子のお供えにはお返しの品物を渡します。
定番のお返しや人気の品物についてや、金額相場やのしについても説明しましょう。
お返しを送るタイミングが一周忌から大きく遅れる場合には、先に礼状だけを送っておきましょう。
少なくとも一週間以内には礼状が届くように手配します。
お返しも長くて1ヵ月以内には送るのがマナーですので、気をつけましょう。
一周忌のお供えのお返しに適したもの
一周忌のお供えのお返しには「消えもの」と呼ばれるお菓子・お茶・洗剤などが定番です。
消えものとは、食べたり使ったりすると無くなってしまう品物のことです。
親戚が多いとそれだけ法要も多くなり、もらうお返しも大量になっていくため、形が残る品物よりも消えてなくなる品物が喜ばれることも多いです。
他には、気軽に使ってもらえるタオル類や、相手に選んでもらうギフトカタログも人気があります。
遠いところから来られる方の負担を軽くするためにも、なるべく重いものや大きくてかさ張るものは避けましょう。
一周忌のお供えのお返しの相場
一周忌のお供えのお返しは、頂いた供物の7割ほどの金額の品物をお返しするのがマナーです。
お供えの金額相場が3000円~10000円ですので、2500円~7000円ほどが相場となります。
一般的には、全員に当日に渡せるよう2500円ほどのお返しを用意しておきます。
そして高額のお供えを贈ってくださった方には、後であらためてその金額に応じたお返しを送ります。
一周忌のお供えのお返しの熨斗の書き方
一周忌のお供えのお返しへは「志」または「御供養」と熨斗に書きます。
四十九日を過ぎているため、薄墨ではなく濃い墨の筆記具を使うのがポイントです。
双銀の水引が印刷されている熨斗紙を準備し、上段に表書きを、下段に施主の名前をフルネームで書きましょう。
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一周忌のお返しの礼状についてのまとめ
今回の「やさしいお葬式」では、一周忌のお返しの礼状について説明しましたが、いかがでしたか?
この記事の内容をまとめると以下のようになります。
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- ・一周忌のお返しの礼状の基本的なマナーは?
お供えのお返しには礼状を添えるのがマナーである。一周忌に参列してくださった方への感謝を書面で述べるものだが、欠席されてもお供えを贈ってくださった方へも書く。
- ・一周忌の礼状を書く時の注意点は?
礼状の書き方の注意点は、句読点や繰り返し言葉を使わないこと。手書きでも印刷でも必ず縦書きにすること。故人の呼び方は施主との関係によって決まる。日付と差出人を忘れずに書く。
- ・一周忌の礼状の例文について
礼状の例文は、一周忌に参列してくださった方への例文と、欠席してもお供えを贈ってくださった方への例文と、二通りのケースがある。基本はだいたい同じだが、内容が少し変わるので注意する。
一周忌の礼状の書き方は、昔ながらの慣習によるところが大きいため、ポイントを抑えて書くことが大事です。
お供えのお返しの品は、消えもので定番のお菓子や人気のあるタオル類などを選び、礼状を添えてお渡ししましょう。
今回の記事をお読みになり、一周忌の礼状の書き方について参考にしていただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール