お墓参りでのお線香のマナーは7つだけ!丁寧な作法と全持ち物を紹介
「お墓参りのお線香の正しいあげかたやマナーに実は自信がない…。」
お墓参りでお線香をあげることには、下記3つの意味と理由があります。
<墓参りで線香をあげる3つの意味>
意味 |
理由 |
故人とつながるため |
お線香をあげることで玄関のチャイムを鳴らすように先祖や故人に来たことを知らせ、お線香の香りと煙に乗せて自分の気持ちをあの世に伝えると言われています |
仏教におけるお供え物の五供のひとつ |
仏教によるお供え物は「香・花・灯明・水・飲食」の5つの種類があり、お線香はそのうち「香」にあたり、お線香の香りを仏様に捧げるという意味があります
供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!
|
香りで場所や人を清めて浄化する |
お線香の香りはその場所やいる人の身を浄化してくれると言われています |
今まで何度もしてきたお墓参りでお線香をあげるという行為も、実は流れのまま行っていたり、理由やマナーを知らない方もきっと少なくないですよね。
昔はお香や香木を手向けていましたが、その後「棒状のお香」という形にとなったお線香がインドの生活に取り入れられ、仏教とともに日本へ伝わったと言われているのです。
お墓参りでお線香をあげる理由と、守るべき7つのマナーを理解することでより丁寧に、心をこめて行うことができます。
1.お線香をあげる前にまずは掃除で整える
2.お線香を束ねている紙は必ず外して持ち帰る
3.お線香へは可能な限りロウソクから火を移す
4.お線香の火は手であおいで消す
5.香炉(こうろ)への置き方を知る
6.お線香が燃え尽きるまで見守る
7.より丁寧なお墓参りの仕方を知る
今回は、お墓参りやお線香をあげる理由からお墓参りでのお線香の7つのマナー、そして必要な量やお墓参り当日の持ち物まで解説していきます。
「お墓参りで、より丁寧な印象を与えるお線香のあげかたをしっかりしっておきたい」という方はぜひ最後までご覧ください。
7つのマナー|お墓参りでのお線香のマナー
お墓参りのお線香マナーは下記7つを覚えておくだけで、作法を守りスムーズに行うことができるでしょう。
大切なのはお墓参りで「お線香をあげる」ときだけ心を込めるのではなく、あげる前後の流れそれぞれに込められた意味を理解して行うことなのです。
お墓参りでの流れ順でご紹介していきます。
1.お線香をあげる前にまずは掃除で整える
2.お線香を束ねている紙は必ず外して持ち帰る
3.お線香へは可能な限りロウソクから火を移す
4.ロウソクやお線香の火は手であおいで消す
5.香炉への置き方を知る
6.お線香が燃え尽きるまで見守る
7.より丁寧なお墓参りの仕方を知る
お線香をあげる前にまずは掃除で整える
冒頭の「墓参りで線香をあげる3つの意味」でご紹介した通り、お線香をあげることは、故人とつながるためにも大切な意味が込められています。
そのため、まずはお線香をあげる前に、お墓はもちろんお墓周辺の掃除をして整えましょう。
具体的には下記となります。
<お墓の構造の名称>
場所 |
掃除内容 |
あると便利な掃除道具 |
花筒 |
ビニール袋に入れて持ち帰り花筒をきれいにしましょう |
・スポンジ(柄付きがあると尚良い)
・ビニール袋
|
香炉 |
以前のお線香の燃えカスがあれば取り除き、水洗いしてきれいに拭きます |
・ステンレスたわし
・乾いた布
|
墓石(棹石・上代・中台・芝台・花立・水鉢) |
水に濡らして軽く絞ったスポンジや布で拭き、ひどい場合や彫刻部分は毛が柔らかいブラシや軍手の指部分などで「優しく」磨きます |
・スポンジ
・濡らせる布
・毛が柔らかいブラシ
・軍手
|
お墓区画内 |
ゴミや落ち葉、雑草を取り除く |
・手袋
・ビニール袋
・ほうき
・ちりとり
|
砂利を整える |
お墓は水洗いで十分ですので、洗剤など使わずに、故人の身体をキレイにしているような気持ちで、心をこめて丁寧に行いましょう。
ただし、墓石は勝手にやりすぎてしまうと傷つけることにもなってしまうため、汚れがひどい場合には一度墓石掃除の専門家に頼ることが大切です。
お墓掃除は、墓石の種類と素材にあった道具を使い、正しい手順を知ることで、「誰でも・簡単に・短時間で」キレイに掃除することができます。詳しくは「【墓石掃除の手順と持ち物】誰でも簡単&キレイに落とせる4つのコツ」で紹介していますのでぜひご参考ください。
お線香を束ねている紙は必ず外して持ち帰る
お線香は紙に巻かれて束になっていますので、この束ねている紙は必ず外し、扇状にすることでお線香全体に火が付きやすくなります。
もしも紙を残したままお線香に火を付けてお供えした際、お線香の火が紙に燃え移り、灰になった燃えカスが周辺含めたお墓を汚してしまったり、火事になってしまうのを防ぐためにも、ビニール袋に入れて持ち帰り、処分しましょう。
お線香を全て燃やさないためにわざと紙を残す方もいらっしゃいますが、その場合は紙を残すのではなく、短いサイズのお線香の利用がオススメです。
お線香へは可能な限りロウソクから火を移す
お線香をお供えすることを「お線香を焚く」という言い方もします。
「墓参りで線香をあげる3つの意味」でご紹介した五供の中にある「灯明」は「ロウソクの明かり」のことを意味するのです。
仏教では灯明である「明かり」が、手を合わせる者の心の迷いなどを取り除く「光」となると言われているので、可能な限りライターなどではなくロウソクから火を移すようにしましょう。
お墓が屋外にあり風が強くて火をなかなか移すことができない場合には、風に強いロウソクも販売されているので用意しておくのも良いですね。
ロウソクやお線香の火は手であおいで消す
「灯明」としてお供えするものの一つで、大切な光となるお線香の火を口で吹き消すことはマナー違反となるため、必ず手であおぐようにして火を消します。
仏教では身口意(しんくい)という言葉があり、人の悪い行動は「身=からだ」「口」「意=心」から出てくるものと言われているため、口から吐いた息でお線香の火を消すことは、悪い行動となってしまうのです。
「お線香へは可能な限りロウソクから火を移す」で灯した火も、必ず手であおいで消してからお墓を去るようにしましょう。
香炉への置き方を知る
お墓参りでのお線香置き場である「香炉」は大きく分けて2種類あり、それぞれ置き方が異なります。
香炉が縦向きの場合は火がついている方を上にして置いていきます。
横向きの場合、火がついている方を左側にして寝かせて置く「寝線香(ねせんこう)」が基本ですが、もしも自分より先にあげた人が火がついた方を右側にして置いている場合は、前の人と同じ向きで置くのがルールです。
地域や宗派ごとに異なる場合もあるので、「絶対に左が正しい!」ということではなく、柔軟に対応するのがマナーとなります。
また、宗派により置き方が異なりますので詳しくは「宗派ごとに必要なお線香の目安の量」で解説しますので最後までご覧ください。
お線香が燃え尽きるまで見守る
火がついたお線香は火事防止のためにも、基本的には「火が消えるまでその場所で待つ」のがルールです。
仏壇に手を合わせたりしていても、毎日のこととなると流れ作業のようになってしまう方も少なくないと思います。
お墓参りに行った際、お線香の火が消えるまでは故人の話をしたり、故人に話しかけたりしながら少しゆっくり時間を過ごすのも、お墓参りをする上でとても素敵な時間の過ごし方ですね。
ただし、お墓があるお寺や管理会社によってルールが定められていることもありますので事前確認しておけるとスムーズです。
お線香の長さや燃焼時間、種類は「種類と量|お線香の種類とお墓参りに必要な目安量」で解説しますので最後までご覧ください。
より丁寧なお墓参りの仕方を知る
お墓参りでお線香をあげる際、ただ「お線香を丁寧にあげる」だけでは意味がありません。
お線香をあげるまで、そしてお線香をあげたあとのマナーもしっかり身につけておくことで、より丁寧なお墓参りをすることができます。
順番に解説していきましょう。
もしもお墓が菩提寺などのお寺にある場合は、お墓に行く前に必ず本堂をお参りをしてからにします。
大切なのはお線香をあげる前に身を清めて挨拶して、掃除をしてお供えすることと、お線香をあげたあとゆっくり過ごしてから、迷惑かけないように片付けるということなのです。
お墓参りの流れについては下記動画もご参考ください。
動画引用先:お墓参りの正しい順番と作法|みほとけちゃんねる
種類と量|お線香の種類とお墓参りに必要な目安量
実はお線香は
・杉線香(すぎせんこう)
・匂い線香(においせんこう)
の2種類があり、仏壇や寺院で使われる一般的な線香は「匂い線香」で、お墓参りには「杉線香」というものを使用します。
また長さも
・短寸
・ミニ
・長寸
と大きく3種類あり、用途や燃焼時間によって使い分けて使用しているのです。
さらには、宗派によってお墓参りに必要な目安の量や置き方のルールも異なりますので、それぞれご紹介していきます。
お線香の種類とお墓参りにオススメのもの
<お線香の種類>
お線香は2種類あり、お墓参りの際は「杉線香」を使用して、杉特有の香りや煙を多く出して故人にお供えします。
種類 |
特徴 |
用途 |
杉線香 |
杉の葉っぱや小枝を乾燥させて粉末にしたもので杉特有の香りの煙が多く出る |
お墓参りにオススメ |
匂い線香 |
クスノキ科の常緑高木である椨(たぶ)樹皮粉を乾燥させて粉末にし、白檀やフローラル系などの香りや墨の粉末などを調合したもの |
・仏壇や寺院で使われる一般的なお線香
・香りがついているものはお香として楽しむ人もいる
|
「杉線香」を使用するのがオススメですが、匂い線香の使用も問題ありませんので、故人の好きな香りなどで選ぶのも良いですね。
<お線香の長さ>
お線香の長さはメーカーにより異なりますが大きく分けて主に3種類あります。
名称 |
長さ(cm) |
燃焼時間(分) |
詳細 |
短寸 |
約13〜14 |
約25〜30 |
お線香として一般的なサイズ |
ミニ |
約9 |
約15〜20 |
短寸に比べ少し短く燃焼時間も短い |
長寸 |
約22 |
約40〜50 |
寺院で読経時に使われるサイズ |
夏の暑い時期や、「火が消えるまで待つ時間がない」などの事情がある方は少し短めのサイズを用意したり、短寸を半分に折って使用することもあります。
「杉線香」の場合は上記より燃焼時間がかかる場合もありますので、お線香購入時に確認しておくといいですね。
<杉線香のオススメ>
・【短寸】淡路梅薫堂のお線香 菊月 小把10入 / ¥1,199
1本の長さは14cmで30分の燃焼時間です。
国産天然杉を使用しているので、安心できる品質の杉線香はお徳用を一つ持っておくと重宝します。
<匂い線香のオススメ>
・【短寸】梅薫堂 初梅 小束10入 / ¥1,045
こちらも安心の純国内製品であるお線香で長さは13.5cm、燃焼時間は30分です。
運び出しに便利な1束ずつに分かれていて包装も品があります。
・【ミニ】【宇野千代のお線香】 淡墨の桜 極少煙タイプのお線香 白檀の香り 超短寸 (ミニ寸)/ ¥1,250
お線香の長さは7cmで燃焼時間も約10分と短いタイプのお線香です。
煙が少なく、白檀の香りがするので、夏の時期などに活躍しますね。
宗派ごとに必要なお線香の目安の量
宗派により、お墓参りでお供えするお線香の本数や置き方も異なりますので、事前に頭に入れておきましょう。
宗派 |
1人あたりの必要本数 |
ルール |
真言宗 |
3本〜10本 |
自分から見て逆三角形になるように立てて置く |
天台宗 |
3本〜10本 |
自分から見て逆三角形になるように立てて置く |
浄土宗 |
1本〜3本 |
1本を2つに折ることもある |
浄土真宗 |
1本〜3本 |
1本を2〜3つに折り寝かせる |
日蓮宗 |
1本〜3本 |
立てて置く |
曹洞宗 |
1本 |
立てて置く |
臨済宗 |
1本 |
立てて置く |
日蓮正宗 |
1本〜3本 |
横に泣かせる |
「故人の宗派がわからない」方は、親戚に確認するなどの方法がありますが、どうしてもわからない場合は香炉の向きに合わせてお供えするという方法で問題ありません。
持ち物|お墓参りに持っていくと良いものとオススメ
お墓参りに持っていくと良いものとオススメのアイテムをご紹介します。
順番ではないので、自宅にあるもので揃え、ないものは一つ用意しておけると重宝するので良いですね。
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まとめ
<墓参りで線香をあげる3つの意味>
意味 |
理由 |
故人とつながるため |
お線香をあげることで玄関のチャイムを鳴らすように先祖や故人に来たことを知らせ、お線香の香りと煙に乗せて自分の気持ちをあの世に伝えると言われています |
仏教におけるお供え物の五供のひとつ |
仏教によるお供え物は「香・花・灯明・水・飲食」の5つの種類があり、お線香はそのうち「香」にあたり、お線香の香りを仏様に捧げるという意味があります
供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!
|
香りで場所や人を清めて浄化する |
お線香の香りはその場所やいる人の身を浄化してくれると言われています |
<守るべき7つのマナー>
1.お線香をあげる前にまずは掃除で整える
2.お線香を束ねている紙は必ず外して持ち帰る
3.お線香へは可能な限りロウソクから火を移す
4.お線香の火は手であおいで消す
5.香炉への置き方を知る
6.お線香が燃え尽きるまで見守る
7.より丁寧なお墓参りの仕方を知る
・お墓参りには出来れば「杉線香」を利用する
・お線香の長さは一般的な「短寸」で約25〜30分の燃焼時間
・火が消えるのを待てない場合は「ミニ」サイズを利用する
・宗派ごとに必要な本数や置き方のルールがあるので調べておく
・不明であれば香炉の向きに合わせてお供えする方法で問題ない
お墓は、ご先祖様や故人の家のような場所です。
そこにお邪魔してお線香をあげることは、玄関でのチャイムのように故人に来たことを「挨拶」し、そこから故人とつながり話をするためにも大切で意味があるものとなります。
これまで深く意味を理解しないままあげていたお線香ですが、「お線香をあげる」ことの意味を理解した上で行うと、一つ一つの動作に心をこめることができるのです。
意味を理解した上で行うお墓参りは、自分にとってもよりスッキリできて素敵な時間を過ごせるものとなり、自分自身を助けてくれるものにもなり得るかもしれません。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール