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十三回忌以降はどこまで行う?現代の年忌法要の考え方

十三回忌以降はどこまで行う?現代の年忌法要の考え方

故人を偲ぶ年忌法要。一周忌・三回忌・七回忌と続き、十三回忌以降も供養は継続されますが、現代では「どこまで行うべきか」「省略してもよいのか」と悩む方が増えています。本記事では、十三回忌以降の年忌法要の判断ポイントと現代の傾向をわかりやすく解説します。

十三回忌以降が悩ましい理由

年忌法要は本来、三十三回忌または五十回忌が「弔い上げ」とされる伝統があります。しかし現代では次の事情により迷いが生まれています。

  • 家族が遠方に住んでいて集まりにくい
  • 高齢化により担い手が減っている
  • 省略する家庭が増え、地域差も大きい
  • 宗教的な慣習と現代生活のギャップ

そのため「年忌はどこまで続ければ正解なのか」という悩みが生まれています。

現代の価値観:続けてもよい、省略してもよい

まず知っておきたいのは、十三回忌以降を省略しても失礼には当たらないということです。生活環境や家族構成が変化している今、伝統的な形式をそのまま続けることが難しい家庭も多くあります。

供養は形式ではなく、「心を向け続けること」が本質です。

  • 命日に手を合わせる
  • 仏壇やお墓にお花を供える
  • 家族で思い出を語り合う

こうした日常の供養も大切にされる時代になりました。

十三回忌以降の判断基準

では、どのように「どこまで行うか」を決めればよいのでしょうか。ここでは判断のポイントを紹介します。

① 家族の負担の大きさで決める

遠方、年齢、仕事の都合など、負担が大きい場合は省略しても問題ありません。無理のない供養スタイルが家族にとって最善です。

② 親族の意見を確認する

親族の中には「集まりを続けたい」と考える人もいれば、「簡素にしたい」という人もいます。事前の話し合いがトラブル防止になります。

③ 菩提寺・宗派の考えを聞く

寺院によって最終年忌が異なることがあります。菩提寺に相談すると、家庭事情に合わせた柔軟な提案をしてくれる場合も多いです。

④ 家族独自の“供養方針”をつくる

現代では家庭ごとに供養ルールを決めるケースが増えています。

  • 十三回忌で弔い上げとする
  • 十七回忌までは行う
  • 法要は省略、命日にお参りを続ける

家族の気持ちに合わせた「続けられる供養」を選ぶことが大切です。

⑤ 続ける場合は「縮小型法要」が人気

十三回忌以降でも法要を続けたい場合、負担の少ない形式がおすすめです。

  • 自宅での簡易法要
  • 親族のみの小規模法要
  • オンライン読経を活用

形式の見直しにより、現代生活と無理なく両立できます。

事例:実際の家庭はどうしている?

事例①|十三回忌で弔い上げにした家庭

「高齢の親族が多く、これ以上の負担は難しい」という理由で十三回忌で終了。
その後は命日に仏壇へお供えする形で供養を継続。

事例②|法要は省略し、家族の食事会だけ続けるスタイル

お寺での読経は依頼しつつ、親族は年に一度集まって食事。
形式よりも家族のつながりを大切にする“現代らしい供養”として好評。

事例③|オンライン法要で継続したケース

遠方に住む兄弟が多いため、住職のオンライン読経に参加。日程調整が簡単で、費用負担も軽減。

【実践編】十三回忌以降をどう決める?いまの家族に合った“続け方”を見つける方法

ここからは、十三回忌以降の年忌法要を実際にどのように決めていけばよいのか、現代の家庭事情に合った“実践的な判断方法”を紹介します。無理なく・心を込めて続けられる供養方法を見つけるために、ぜひ家族会議の参考にしてみてください。

1|まずは「現在の家族の状況」を整理する

年忌法要を続けるかどうかの判断は、故人との関係よりも「いまの家族の環境」に左右されます。次のような項目を書き出してみましょう。

  • 親族の年齢(移動が難しくなっていないか)
  • 家族の居住地(遠方同士か、帰省が容易か)
  • 仕事や育児の状況(休めるのか)
  • 菩提寺へのアクセス条件
  • 法要の費用負担をどう考えるか

これらを「負担が大きい/小さい」の2段階で振り分けるだけで、無理して続けるべき段階ではないのかが自然と見えてきます。

2|家族の“供養観”を確認してみる

家族が何を大切に思っているかは、年忌法要の方向性を決める大きなヒントになります。

例として、家族内で次の質問を共有してみましょう。

  • 「形式よりも気持ちが大事」だと思うか?
  • 「親族が集まる場として続けたい」と考えるか?
  • 「仏教の作法を大切にしたい」と感じている人はいるか?
  • 「費用や準備の負担を軽くしたい」という気持ちはあるか?

この話し合いによって、家族それぞれの価値観が見えるため、納得感のある決定がしやすくなります。

3|“簡略化”の選択肢を知っておく

十三回忌以降、「小規模法要」や「簡略供養」を選ぶ家庭は増えています。これは決して手抜きではなく、現代の生活に合わせた自然な流れです。

人気の簡略スタイルは次のとおりです。

● 自宅での読経+家族のみの食事会

お寺に出向く必要がなく、準備も最小限。シンプルながら温かい供養が実現します。

● オンライン法要

住職がオンラインで読経し、親族は自宅から参加。費用も時間も軽減され、遠方の家族が参加しやすいメリットがあります。

● 命日にお墓参りのみ実施

法要という形にこだわらず、命日にお参りする形。家庭の負担が少なく、継続しやすい供養です。

● 法要は省略し、寄付や善行で供養

「故人の名前で植樹」「寄付」「清掃活動」など、現代的な供養方式を取り入れる家庭も増えています。

4|弔い上げを決めるタイミングのポイント

十三回忌以降は、どのタイミングで「弔い上げ」にするかを決めておくと混乱がありません。一般的には次のような考え方があります。

  • 十三回忌:負担を軽くしたい家庭で選ばれることが多い
  • 十七回忌:比較的よく行われる中間的な区切り
  • 二十三回忌:地域によってはここまで行うことが一般的
  • 三十三回忌:伝統的に最も多い弔い上げの時期

重要なのは、「無理なく続けられるか」という視点です。

5|家族会議の議題として使えるチェックリスト

実際に家族で相談する際、以下のチェックリストがあるとスムーズです。

  • 次の年忌を「行う/行わない」のどちらで考えているか
  • 希望する法要形式(お寺・自宅・オンライン・省略)
  • 費用分担はどうするか
  • 移動や準備の負担が大きすぎないか
  • 弔い上げの時期について意見は一致しているか

これらを書き出しながら話し合うことで、「何となく決めにくい」という状態から抜け出せます。

6|省略する場合の“誠意を込めた伝え方”

親族に対し、十三回忌以降を省略することを伝えるのは気を遣うものです。しかし、以下のように説明すると、誤解なく受け入れてもらえる場合がほとんどです。

「高齢の方が多く、移動の負担を考えて簡略化したい」
「集まることが難しくなったため、命日に家族で供養する形に切り替えたい」

正直な気持ちを丁寧に伝えることがポイントです。

7|続ける場合は“意義を再確認”してみる

年忌法要を続けるなら、「なぜ続けたいのか」を明確にすると意義が深まります。

  • 親族同士が顔を合わせる貴重な機会である
  • 故人の教えを次の世代に伝えたい
  • 人生を振り返る節目として大切にしたい

こうした前向きな理由は、家族の絆をより強めてくれます。

実践編まとめ:供養の形は変わっても、想いは続いていく

十三回忌以降の年忌を「どこまで行うか」は、家庭ごとに正解が異なります。大切なのは、家族が無理なく・穏やかな気持ちで供養を続けられることです。

形式が変わっても、規模が小さくなっても、供養の本質は変わりません。
あなたと家族が故人を思い続ける気持ちこそが、最も大切な供養なのです。

まとめ:十三回忌以降は“無理なく・心を込めて”が現代の供養

十三回忌以降の年忌をどこまで行うかには明確な正解はありません。重要なのは、家族が無理なく続けられる供養方法を選ぶことです。

現代では次のようなスタイルが一般的になっています。

  • 十三回忌で区切る
  • 縮小しながら十七回忌・二十三回忌まで行う
  • 法要は省略し、命日に祈りを捧げる

供養は「形式の大小」ではなく、故人を思い続ける“気持ち”そのものです。
家族にとって最も穏やかで負担のない方法を選びましょう。

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エンディングコンサルタント
栗本 喬一(くりもときょういち)
1977年 東京生まれ(名古屋育ち)
略歴
母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者(セレモニーディレクター)として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、5,000件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等
株式会社GSI グリーフサポート アドバンスコース修了。