故人の預金残高を確認する手順
家族を亡くした直後は気持ちの整理もつかない中で、「銀行 残高 確認」「預金 調査」「故人 口座の解約」など、さまざまな相続 銀行手続きを進めなければなりません。
しかし多くの人にとって相続や銀行 手続きは初めての経験であり、「何から始めたらよいのか」「必要書類が分からない」「通帳が見つからない」など、不安や疑問を抱えるのは決して珍しいことではありません。
本記事では、故人の預金残高を確認する具体的な手順と、銀行 残高 確認から相続 銀行手続きまでの流れを、初めての方でも迷わないように、できるだけやさしい言葉で完全解説します。
故人の預金残高を確認する目的
まず、なぜ故人の預金残高をきちんと確認しなければならないのでしょうか。単に「口座にいくら入っているか知りたい」だけではなく、次のような重要な意味があります。
- 遺産全体を把握し、財産目録を作成するため
- 相続税がかかるかどうか判断するため
- 遺産分割協議をスムーズに進めるため
- 葬儀費用や当面の支払いの目途を立てるため
- 相続放棄・限定承認の判断材料にするため
- 死後の不正引き出しを防ぐため
特に、他にどんな財産や借金があるか分からない場合でも、預金残高や銀行取引の内容を把握することは、相続全体のスタート地点となります。
故人の預金を確認する3つの方法
故人 口座の預金残高を確認する方法は、大きく分けて次の3つです。
1. 家に残っている通帳やキャッシュカードから確認する
最初に確認したいのが、自宅にある通帳やキャッシュカードです。もっとも手軽で確実な方法です。
通帳・カードを探すときのポイント
以下のような場所を中心に確認してみましょう。
- 金庫・キャビネット・机の引き出し
- 故人がよく使っていたバッグや財布
- 書類ボックスやファイル類
- 銀行からの郵便物をまとめていた棚
通帳やキャッシュカードが見つかれば、銀行名・支店名・口座番号が分かるため、後の銀行 手続きが一気にスムーズになります。
ATMでの引き出しには注意
「葬儀費用を払うために、暗証番号が分かるからそのままATMでお金を下ろしてしまおう」と考える人もいますが、これはトラブルの原因になります。
故人の死亡後に、家族が暗証番号を使ってお金を引き出すと、他の相続人から「勝手に遺産を使った」と問題視される可能性があります。
相続人間のトラブルを防ぐためにも、死亡後にATMで引き出しを行うことは避け、正式な相続 銀行手続きで払い戻しを受けるようにしましょう。
2. 銀行窓口で「残高証明書」を発行してもらう
通帳がある程度揃っている場合でも、正式な金額の証明のために「残高証明書」の発行が必要になることが多くあります。
残高証明書が必要になる場面
残高証明書は次のような場面で使われます。
- 相続税申告の際に、税務署へ提出する資料として
- 準確定申告を行う際の資料として
- 遺産分割協議書を作成する際の裏付け資料として
- 他の相続人へ「預金額の根拠」を示す資料として
残高証明書は、相続における「預金額の正式な証明書」と考えると分かりやすいでしょう。
残高証明書の発行時に必要な書類
銀行によって多少の違いはありますが、一般的には以下の書類が求められます。
- 故人の死亡が分かる書類(死亡診断書のコピーや除籍謄本など)
- 故人との関係が分かる書類(戸籍謄本など)
- 申請者(相続人)の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
- 申請書(銀行所定の様式)
- 印鑑(シャチハタ以外)
分からない点があれば、銀行のコールセンターや窓口に「故人の残高証明書を取りたい」と伝えれば、必要書類を丁寧に教えてもらえます。
3. 銀行・口座が分からない場合の「預金 調査」
故人が複数の銀行を使っていたり、通帳が見つからない場合は、どの金融機関にいくら預金があるのか分からないこともあります。その場合、「預金 調査」という考え方が必要です。
まず自宅でできる預金 調査
以下のような方法で、故人が利用していた銀行の手がかりを探します。
- 銀行や信用金庫からの郵便物(残高通知・定期預金のお知らせなど)
- クレジットカードの明細書(引き落とし口座の銀行名が分かる)
- 年金や給与の振込通知書
- 公共料金や税金の引き落としの通知
- 故人のスマホやパソコンのメール・アプリに残るネットバンク情報
これらを確認するだけで、多くの場合、故人のメイン口座やサブ口座のほとんどを特定できます。
どうしても分からない場合の専門家による調査
それでも預金の有無や金融機関が分からない場合は、司法書士や弁護士などの専門家に依頼し、家庭裁判所の手続きを通じて、金融機関に照会してもらう方法があります。
一般の方が、「全国の銀行すべてを調べてください」と一括で銀行に依頼することはできないため、必要に応じて専門家の力を借りることも検討しましょう。
口座凍結は怖くない?銀行凍結の意味と注意点
故人の死亡が銀行に伝わると、その銀行 口座は一時的に「凍結」されます。この言葉だけ聞くと、「もうお金が動かせないのでは?」と不安になる方も多いですが、実際には家族を守るための仕組みです。
銀行凍結の目的
- 第三者や一部の相続人による不正な引き出しを防ぐ
- 相続人全員で公平に遺産を分けるための準備をする
- 死亡後の取引を止め、正確な残高を確定する
口座凍結は家族に不利益を与えるためのものではなく、むしろ相続人を守るための安全装置だと考えると安心です。
凍結後もできること
口座が凍結された後でも、以下のようなことは可能です。
- 預金残高の確認
- 残高証明書や取引明細の発行
- 必要書類を揃えた上での相続手続き
銀行が求める書類を揃えれば、最終的には預金を払戻し、相続人へ分配することができます。
銀行 手続きに必要な4つの重要書類
故人の預金を払い戻したり解約するためには、各銀行ごとのルールに従って必要書類を提出する必要があります。よく使われる代表的な書類を整理しておきましょう。
1. 故人の戸籍(出生から死亡までの一連の戸籍)
誰が相続人になるのかを確認するために、故人の戸籍を出生から死亡まで遡って取得する必要があります。
結婚・転籍・離婚などで本籍地が変わっていると、複数の市区町村から戸籍を取り寄せる必要があるため、早めの準備が大切です。
2. 相続人全員の戸籍
銀行は「誰が相続人にあたるのか」を確認するために、相続人全員分の戸籍を求めます。相続人が多い場合は、代表者がまとめて取り寄せるとスムーズです。
3. 死亡が分かる書類
死亡診断書のコピーや、死亡の記載がされた除籍謄本など、故人が亡くなったことが分かる書類も必要です。葬儀社経由でもらった書類が役立つこともあります。
4. 代表相続人の本人確認書類
銀行 手続きは、相続人を代表して1人が窓口に行うのが一般的です。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポート
- 健康保険証+公共料金の領収証
など、本人確認ができるものを忘れずに持参しましょう。
銀行 手続きは代表者ひとりで進められる
「相続人全員が銀行に行かなければいけないのでは?」と不安に思われる方もいますが、通常は代表者ひとりが窓口に行けば問題ありません。
代表相続人を決めておくメリット
- 必要書類の収集や提出の窓口を一本化できる
- 相続 銀行手続きの進捗管理がしやすい
- 高齢の相続人や遠方在住の相続人が無理に動かなくて済む
銀行側が用意する「相続届」や「払戻請求書」に、相続人全員が署名・押印すれば、代表者ひとりがまとめて手続きを進められるケースがほとんどです。
代表者がやるべき3つの進行管理
相続 銀行手続きが「なんとなく大変」に感じてしまう大きな理由は、自分が今どこまで進んでいるのか分からなくなることです。そこで、代表者は次の3つを意識すると、負担がぐっと軽くなります。
1. 口座の一覧表を作る
見つかった通帳やキャッシュカード、残高証明書をもとに、次のような一覧表を作っておきましょう。
- 銀行名・支店名
- 口座種類(普通・当座・定期など)
- 口座番号
- おおよその残高
- 用途(年金受取口座、公共料金の引き落とし口座など)
メモ帳やExcel、スマホのメモアプリなど、やりやすい方法で構いません。
2. 書類のチェックリストをつくる
銀行ごとに必要書類が異なるため、銀行名ごとにチェック欄を作り、
- 集め終わった書類
- まだ取得していない戸籍
- 記入が終わった申請書
- 押印が必要な書類
などを整理しておくと、「何度も銀行に行き直さなければならない」という事態を防ぐことができます。
3. 銀行の担当窓口をメモする
銀行には「相続専用窓口」や「相続センター」が設けられていることがあります。最初の問い合わせの際に、
- 担当部署名
- 担当者名
- 電話番号(またはコールセンター番号)
を控えておくと、分からない点を後から確認しやすくなります。
残高証明書を取得するときのポイント
預金残高を相続税や遺産分割に使う場合、「いつ時点の残高か」が非常に重要です。
基準日の指定
残高証明書を依頼する際に、次のような「基準日」を指定します。
- 故人の死亡日(相続開始日)
- 特定の日付(年末など)
相続税の申告では「死亡日現在の残高」を求められることが多いため、基準日を間違えないよう注意しましょう。税理士に依頼している場合は、事前に基準日を確認しておくと安心です。
預金だけでなく「マイナスの財産」も確認する
財産と言うと預金や不動産など「プラスの財産」に目が行きがちですが、相続では借金やローンなどの「マイナスの財産」もすべて引き継がれます。
確認しておきたいマイナス財産
- カードローン・消費者金融の借入残高
- 住宅ローン・自動車ローン
- クレジットカードのショッピング残高やキャッシング残高
- 個人間の借金(借用書やメモが残っている場合 など)
クレジットカードの明細書やローンの返済予定表、督促状などが手掛かりになります。プラス・マイナスを含めた全体像を把握した上で、相続放棄や限定承認の検討を行うことが大切です。
郵送でできる相続 銀行手続き
近年は、高齢の相続人や遠方在住の家族にも配慮し、多くの銀行が「郵送」での相続手続きに対応しています。
郵送手続きのメリット
- 平日に窓口へ行く必要がない
- 遠方の支店にもわざわざ出向かなくてよい
- 書類を落ち着いて確認しながら記入できる
- 手続きの履歴が書類として手元に残る
銀行のホームページから「相続手続きの申込書」を取り寄せたり、コールセンターに電話して「郵送で手続きしたい」と伝えることで案内してもらえるケースが増えています。
相続人が多い場合の注意点と工夫
兄弟姉妹が多い、再婚家庭で相続人が複雑、という場合には、話し合いが長引いてしまうこともあります。
トラブルを避けるための工夫
- 最初に「やるべきことの一覧」を全員に共有する
- 代表相続人をあらかじめ決めておく
- LINEグループやメールで進捗を共有する
- 感情的になりそうな場合は、税理士や専門家に同席してもらう
相続は「誰が悪い」というより、制度や手順が分かりにくいことが原因で揉めてしまうケースがほとんどです。情報を共有しながら、落ち着いて話し合いを進めることが重要です。
預金が少額の場合の簡易な銀行 手続き
預金残高が10万円〜20万円程度など少額の場合、銀行によっては「簡易な相続手続き」の制度を設けていることがあります。
簡易手続きが利用できる条件の一例
- 預金残高が一定額以下であること
- 相続人が少ない、または相続人が1人であること
- 相続人間で争いがないこと
このような条件を満たす場合、戸籍一式を省略できたり、必要書類が通常より少なくて済むこともあります。該当しそうな場合は、銀行に「簡易な相続手続きが利用できるか」を確認してみましょう。
ネット銀行・ネット証券の預金確認の注意点
最近では、ネット銀行やネット証券で資産を運用している方も増えています。これらの口座についても、通常の銀行と同様に相続の対象となります。
1. オンラインでの問い合わせが基本
ネット銀行の場合、相続専用の問い合わせフォームやメールでのやり取りが中心になります。サイト内に「相続手続きのご案内」といったページがあることも多いので、まずはそこを確認してみましょう。
2. スマホやPCに情報が残っていることが多い
ネット銀行のIDやパスワード、確認用メールは、故人のスマホやパソコン内に残っている場合があります。ただし、勝手にログインして操作することは避けるべきです。
ログイン情報はあくまで「どこのネット銀行を使っていたか」の手掛かりとして確認し、正式な相続手続きは銀行の指示に従って進めましょう。
3. 本人確認がより厳格なケースも
ネット銀行は不正利用を防ぐため、相続時の本人確認を厳しくしているケースもあります。必要書類や手順を事前にしっかり確認し、余裕を持って進めることが大切です。
財産目録を作成すると全体が見えやすくなる
故人の預金残高を調べたら、次のステップとして「財産目録」を作成することをおすすめします。
財産目録の項目例
預金に関しては、次のような項目をまとめます。
- 銀行名・支店名
- 口座種類(普通・当座・定期など)
- 口座番号
- 残高(残高証明書の金額)
- 備考(年金振込口座、公共料金引落口座など)
さらに、不動産や生命保険、株式、ローンなども含めて一覧にしておくと、相続財産全体のイメージが一気にクリアになります。
故人の預金に関する銀行 手続きの全体の流れ
ここまでの内容を踏まえて、故人の預金残高の確認から相続 銀行手続き完了までの流れを整理しておきましょう。
ステップ1:銀行へ死亡の連絡
まずは、故人の預金がある銀行に「本人が亡くなった」ことを連絡します。この時点で口座は凍結されますが、残高確認や相続手続きの相談はできます。
ステップ2:必要書類の案内を受ける
銀行から「相続手続きに必要な書類」を教えてもらいます。パンフレットや案内書をもらっておくと、後から確認しやすくなります。
ステップ3:戸籍や本人確認書類を揃える
故人の戸籍や相続人の戸籍、死亡診断書のコピー、相続人の本人確認書類などを揃えます。このステップがもっとも時間がかかることが多いです。
ステップ4:残高証明書・取引明細の取得
銀行に申請して、死亡日現在の残高証明書や、必要に応じて取引明細書を発行してもらいます。これをもとに財産目録を作成します。
ステップ5:遺産分割協議書の作成
相続人全員で話し合い、預金をどのように分けるかを決めます。その内容を「遺産分割協議書」として文書にまとめ、相続人全員の署名・押印を行います。
ステップ6:銀行へ書類一式を提出
相続届、遺産分割協議書、戸籍一式、本人確認書類など、銀行が指定する書類をまとめて提出します。窓口だけでなく、郵送での提出に対応している銀行も多くあります。
ステップ7:払戻し・解約の完了
書類に不備がなく審査が完了すると、相続人名義の口座へ預金が振り込まれます。これで故人 口座の相続 銀行手続きは一通り完了です。
よくあるトラブルとその対処法
実際の現場では、次のようなトラブルがよく見られます。事前に知っておくことで、落ち着いて対応しやすくなります。
トラブル1:相続人の一部が協力してくれない
相続人の中に、忙しさや感情的な理由から、手続きに協力的でない人がいることがあります。その場合、
- 相続の全体像と、預金の金額・手続き内容を丁寧に共有する
- 協力してもらうのは「署名・押印」程度でよいことを伝える
- 第三者である専門家(税理士など)から説明してもらう
といった方法で、少しずつ理解を得ていくことが大切です。
トラブル2:書類の不備でやり直しになる
戸籍の不足や押印漏れなどで、何度も銀行に足を運ぶことになってしまうケースもあります。これを防ぐには、
- 提出前に銀行に電話し、必要書類を1つずつ確認する
- 窓口でチェックしてもらえる場合は、その場で確認を依頼する
など、提出前の「ダブルチェック」を徹底することが有効です。
トラブル3:通帳やキャッシュカードを紛失している
通帳やカードが見つからない場合でも、心配はいりません。本人名義の口座であることが分かれば、銀行側で口座を調べてくれるのが一般的です。
トラブル4:遠方の支店にしか口座がない
故人が昔住んでいた地域の銀行支店に口座がある場合でも、現在の居住地の支店や、相続センター・コールセンターが窓口になってくれることが多くなっています。郵送や電話相談を活用しましょう。
実務で役立つ「預金 調査チェックリスト」
故人の預金状況を把握するために使えるチェックリストをまとめました。プリントアウトして使っても便利です。
まず確認したいもの
- 通帳(銀行・信用金庫・JA・ゆうちょなど)
- キャッシュカード
- 銀行からの郵便物(残高通知・定期預金のお知らせ)
- クレジットカードの明細書(引き落とし口座の銀行名)
- 年金振込のお知らせ
- 公共料金・携帯電話料金などの口座引き落とし通知
- 確定申告書の控え(口座情報が書かれていることもある)
次に確認したいもの
- 生命保険や学資保険の振込口座
- 住宅ローンやカードローンの返済口座
- ネット銀行のアプリ・メール・ID情報
それでも分からない場合
どうしても預金の有無や金融機関が特定できない場合は、
- 司法書士・弁護士などの専門家に相談し、家庭裁判所を通じた預金照会を検討する
といった方法もあります。
ここまでできれば、相続 銀行手続きは必ず前に進む
故人の預金残高を確認する作業は、精神的にも体力的にも負担の大きいものです。しかし、ひとつひとつのステップを順番にこなしていけば、必ず手続きは完了します。
このページを読み進めてくださった時点で、すでに大きな一歩を踏み出しています。
相続は「完璧な知識」があるかどうかではなく、小さな前進を積み重ねていくことが何より大切です。
まとめ:故人の預金残高確認から始める、やさしい相続の第一歩
最後に、本記事のポイントを簡単に振り返ります。
・銀行 残高 確認は、相続全体の土台となる大切な作業
・通帳・キャッシュカード・郵便物などから、故人 口座の手掛かりを集める
・口座が分からない場合は、自宅での預金 調査と専門家への相談も選択肢
・口座凍結は相続人を守るための仕組みであり、残高確認や手続きは可能
・銀行 手続きに必要な書類(戸籍・本人確認書類など)は早めに準備する
・相続 銀行手続きは、代表相続人ひとりが窓口になって進められる
・ネット銀行や少額預金にも、それぞれのルールがあるため事前確認が重要
・財産目録を作成すると、相続財産の全体像が分かりやすくなる
・トラブルを防ぐには、情報共有と冷静な話し合いが何よりも大切
故人の大切な預金を、ルールに沿って正しく受け継ぐことは、「最後の大事な務め」でもあります。迷ったときはひとりで抱え込まず、銀行の窓口や専門家に相談しながら、無理のないペースで進めていきましょう。
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