葬儀の準備リスト:喪主がやるべきこと全まとめ
不安は、「何を・いつ・どうするか」が線でつながった瞬間に小さくなります。だからこそ本記事は、初めての方でも迷わないように、〈全体像→細かな手順→当日運営→精算・お礼〉までを一気通貫でチェックリスト化しました。読むだけで段取りが整い、1つずつ実行すれば確実に前へ進める実務ガイドです。合言葉は5つ――葬儀 準備 / 喪主 準備 / 葬儀 チェックリスト / 葬儀 手順 / 葬儀 流れ。この順で要点を押さえることで、時間のゆとりと心の余白を取り戻し、故人への想いにしっかり向き合えるはずです。
まずは全体像を3行で把握(俯瞰図)
いま:医療機関→ご遺体搬送→安置→日程/会場/形式の仮決め。感情より初動が先です。死亡診断書の受取り、搬送先の確保、会場の仮押さえで迷いを最小化します。
これから:葬儀社との打合せ(式の設計会議)→家族の役割分担→関係者への一斉連絡→祭壇・返礼品・供花・遺影など準備品の手配。決定事項は「今・明日・当日」の時系列で整理します。
当日と以後:通夜・告別式の運営→精算→香典返し→挨拶・法要→年金/保険/名義変更など事務手続き。式後の「後始末」を計画化するほど、心の余白が生まれます。
ポイント:段取りは「決める→伝える→整える→当日運営→後始末」の5サイクル。
各サイクルをチェックリストで潰していけば迷いません。
- 決める:日時/会場/形式(家族葬・一般葬など)/宗派/規模/予算(まずは仮決定でOK)
- 伝える:家族・親族・参列者・職場・ご近所へ一括連絡(誰が・何を・いつを明確に)
- 整える:祭壇・会葬礼状・返礼品・受付導線・席次・弔辞原稿・会計ルール
- 当日運営:受付/司会/進行/導線/控室/急な弔電・供花の差し込み対応までの連絡網
- 後始末:精算・香典返し・お礼状・法要日程の確定・公的手続きのToDo化
時系列で見る「葬儀の流れ」と喪主の最重要タスク
A. 逝去直後(~6時間)—初動の3本柱で迷いを断つ
- 【決める】主治医/医療機関に死亡診断書の受領可否と受取場所・時間を即確認。コピー枚数も想定。
- 【整える】搬送先(自宅/安置施設)を即決。迷う場合は安置施設が無難(温度・衛生・面会可否が明確)。
- 【連絡】親族のコアメンバーへ一次連絡。連絡役を1名指名し重複/漏れを防止。
- 【選ぶ】24時間対応の葬儀社へ連絡。搬送のみ→打合せ後に本契約でも可。
- 【記録】貴重品・身の回り品をスマホ撮影+簡易メモ。後日の返却・形見分け・精算で有効。
ここでの喪主 準備:まずは「安置」「診断書」「葬儀社」の3点を最速で確保。
B. 安置~打合せ(半日~1日)—“設計会議”で全体像を描く
- 【決める】日程/会場/宗派/形式(家族葬・一般葬・一日葬など)。規模と予算は仮決定でOK。
- 【決める】喪主(原則:配偶者→長子→親族の順だが柔軟でOK)。喪主 誰/喪主 順番の正解は1つではありません。
- 【決める】施主(費用管理の責任者)。喪主と兼任 or 別任を選択。
- 【整える】見積書は2~3社比較(式場費・火葬料・料理・返礼・車両・控室・司会)。含む/含まないの線引きを明確に。
- 【伝える】コア親族へ集合場所/時間/服装/香典方針を共有(香典辞退の有無など)。
- 【整える】遺影用の写真データ収集(背景差し替え・解像度の可否を確認)。
喪主 手順の要:人数見込みと料理・返礼・会葬礼状は連動。人数が揺れる場合は“可変”プランを選択。
C. 参列案内~前日(1~2日)—“伝える/整える”で式の骨格を固定
- 【伝える】訃報文テンプレで参列案内(家族葬は範囲限定・SNS拡散の抑制を明記)。
- 【整える】お布施の目安・のし袋・袱紗・表書き。宗派不明時は汎用文言+葬儀社に確認。
- 【整える】会葬御礼(品・礼状)と香典返し方式(即日 or 後日)。後日派は台帳の整備が鍵。
- 【整える】司会台本・喪主挨拶の草案、献花順、席次表。弔辞の制限時間を事前共有。
- 【整える】持ち物セット(数珠/喪服小物/印鑑/領収書ファイル/筆記具/常備薬)。喪主ポーチを作成。
ここで「葬儀 チェックリスト」が効く:前夜の15分“通しリハ”で当日の混乱を半減。
D. 通夜~告別式(当日運営)—喪主は「語り・見守り・承認」に集中
- 会場前:式次第/席次/献花動線/喪主控室/トイレ/喫煙所/クロークを確認。混雑点は受付と献花、人員を厚めに。
- 本番:開式→読経→焼香→弔辞→喪主挨拶→出棺を全員で共有。アナウンスは短く同表現で繰返し。
- マネジメント:香典/記帳/弔電は受付へ委任。喪主は弔問対応と挨拶に専念。差し込み供花の締切時刻を司会が明示。
- 会食:アレルギー・宗教配慮を厨房へ伝達。献杯挨拶の位置/マイク確認。
- 終了後:香典集計はダブルチェック。弔電・供花リストに金額欄を追加し、返礼振分けを容易に。忘れ物・領収書は1カ所集約。
喪主の合言葉:「目は会場全体、心は故人、判断は短く」。迷ったら司会/葬儀社と即相談。
E. 精算~アフター(1~4週間)—“後始末”が心の余白を生む
- 精算:最終見積の確定・支払い。差額理由をメモ化。
- 返礼:香典額に応じた香典返し(後日派は発送台帳:氏名/住所/金額/発送日/品目/御礼状)。
- 礼状:弔電・供花・参列への御礼。テンプレ+1行の思い出で温度を上げる。
- 手続:死亡届(7日以内)、年金/保険/相続/名義変更を着手。診断書のコピーが各所で有効。
- 法要:初七日~四十九日の日程・会場・お布施・案内を準備。“短時間でも顔を合わせる場”が家族を支える。
:段取りの5サイクル=決める→伝える→整える→当日運営→後始末。
各サイクルをチェックリスト化して一つずつ潰せば、「葬儀 準備」「喪主 準備」「葬儀 チェックリスト」「葬儀 手順」「葬儀 流れ」の不安は確実に小さくなります。
初めてでも迷わない「葬儀 準備」に効く万能チェックリスト
1 連絡・案内
- 親族の連絡網(続柄・携帯・メール)
- 弔電・供花の窓口(葬儀社のFAX/フォームを共有)
- 訃報テンプレ(日時・場所・形式・香典/供花の方針・喪主名)
訃報テンプレ例(家族葬・シンプル版)
〇〇(故人名)が〇月〇日〇時に永眠いたしました。
通夜・告別式は近親者中心の家族葬にて執り行います。
【通夜】〇月〇日(〇)18:00~ 【告別式】〇月〇日(〇)11:00~
【式場】〇〇セレモニーホール(住所・電話)
誠に勝手ながらご香典・ご供花・ご供物の儀は固くご辞退申し上げます。
喪主 〇〇(続柄)/連絡先 〇〇
2 役割分担(喪主の負担を軽くする)
- 喪主:挨拶・意思決定・挨拶状の確認
- 施主(同一可):費用管理・見積/精算・領収書保管
- 受付係:香典/記帳/会葬礼状・返礼品手渡し
- 案内係:式場/駐車場/クローク/席次の誘導
- 写真/アルバム係:遺影・スライド・集合写真
- 連絡係:訃報配信・弔電整理・供花順管理
Tips:喪主と施主を分けると心理/実務の負担が激減。喪主は人前での言葉・見送りに集中でき、施主は予算と帳尻に集中できます。
3 物品・書類
- 死亡診断書(死亡届の控え含む)/保険証/年金手帳
- 遺影写真データ(顔が大きく明るい写真・保存媒体)
- 喪服一式・数珠・袱紗・黒小物(靴/ベルト/ストッキング替え)
- お布施セット(白封筒・薄墨筆ペン・袱紗)
- 返礼品・会葬御礼・礼状
- 領収書ファイル・電卓・メモ
「葬儀 手順」を迷わないための決め方のコツ
1 形式(家族葬/一般葬/一日葬/直葬)
- 家族葬:参列範囲を限定、挨拶/受付の負担が軽い
- 一般葬:参列が見込まれる場合に安心(弔問対応の負担あり)
- 一日葬:通夜なし、費用と時間の負担軽減
- 直葬:火葬式のみ。宗教儀礼や会食を省略
迷ったら「家族葬」→関係者に後日お別れ会や弔問時間を案内する折衷案が現実的。
2 会場・日程
- 自宅/寺院/公営・民営ホールのアクセス/駐車を最優先
- 火葬場の空きがカギ。葬儀社に第一希望日+予備日で押さえてもらう
- 宗教者の都合(導師・司式者)も早めに
3 予算・見積の見方
- 基本セット(式場・安置・棺・骨壺・搬送・人件費)
- 変動費(会葬品・料理・返礼・供花・会葬礼状)
- 実費(火葬料・霊柩車・マイクロバス・ドライアイス)
- 宗教費(お布施・読経・戒名/法名)
3社比較で「同じ条件に揃えて」見積依頼。含まれる/含まれないを必ず線引き。総額より1人あたり単価視点がブレにくい。
喪主挨拶のテンプレ&アレンジ例
超短文(出棺直前・家族葬)
本日はお見送りいただきありがとうございます。生前皆様に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます。故人も喜んでいると思います。どうぞこれからも変わらぬお付き合いをお願いいたします。
標準(一般葬)
喪主の〇〇でございます。本日はお忙しい中、故〇〇のためにご会葬くださいまして誠にありがとうございます。生前は皆様より温かいご支援を賜りました。至らぬ点も多々あったかと存じますが、皆様のおかげで無事に式を終えられます。今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
感謝重視(弔電・供花への言及)
多数の弔電・ご供花を賜り、あらためて故人が皆様に支えられていたことを感じております。深く御礼申し上げます。未熟な私どもではありますが、故人の志を胸に歩んでまいります。どうか温かくお見守りください。
目安:いずれも30~60秒。長い話は会食時に回すとスマートです。
供花・弔電・香典の運用ルール(トラブル回避の実務)
「善意」が集まる場ほど、表記・基準・導線のブレが誤解を生みます。先に“共通ルール”を見える化すれば、温かさはそのままに運営は驚くほどスムーズに。
供花(きょうか)の表記統一
- 名札の型式を統一:会社…「部署・役職+氏名」/個人…「フルネーム」。
- 同名回避:申込時に読み仮名と会社住所を併記してもらう。
- 掲示順:故人と関係の深さ→敬称→五十音の順で整理。
弔電(読み上げ選定~掲示)
- 式前に3〜5通を読み上げ候補として選定(重複企業は代表1通)。
- 全文は会場掲示または冊子へ添付し、読み上げ分は2〜3文へ要約。
- 読み上げ順:ご親族→ご勤務先→友人・団体→その他。
香典(受領/辞退のルール)
- 家族葬で辞退する場合は、訃報・会場入口・司会アナウンスの三重表示で明確化。
- 受領する場合は即日返し(会葬礼品)+後日返しの併用で金額帯を整える。
- 受付では金額口外禁止・代理受領時のメモ必須を徹底。
記帳と返礼の実務
- 記帳は後の返礼・礼状に直結。住所・氏名が読み取れるフォーマット(フリガナ欄あり)を用意。
- 返礼は3帯(例:1,500円/2,000円/3,000円)で在庫過不足を回避。
ひと目で分かる掲示例:「香典辞退のご案内」/「弔電読み上げについて」/「供花名札の表記ルール」
当日の動線設計(会場で迷わせない)
迷いは混雑と焦りの元。受付→焼香→着席までの“一方通行”を作るだけで、会場の温度が落ち着きます。
基本設計
- 入口に案内ボード、床に矢印サイン、司会は3ポイントで口頭案内。
- 喪主控室・トイレ・クローク・喫煙所・授乳/おむつ替えスペースにピクト+文字の掲示。
ピーク対応
- 通夜の開式30分前〜開式後30分が弔問ピーク。受付係を増員、記帳台を2ライン化。
- 高齢者・車椅子は最短ルート案内。エレベーター位置を係が即答できるよう共有。
チェック:①案内ボード/②床サイン/③司会アナウンス/④係の配置図/⑤バリアフリー導線
よくあるQ&A(喪主 準備の実践疑問)
Q1. 喪主は必ず長男?
A. いいえ。配偶者が第一候補。事情に応じて長子・次子・親族でもOK。故人との関係性と意思疎通のしやすさを優先。
Q2. 喪主と施主は分けるべき?
A. 初めてなら分けると安心。喪主=挨拶・対外役/施主=会計・契約・段取り。役割集中で全体品質が上がります。
Q3. 家族葬でも香典は受け取る?
A. どちらでも。辞退なら三重表示。受領なら即日返しの準備を。
Q4. お布施の金額相場は?
A. 地域・宗派・寺院との関係で幅あり。葬儀社の地域相場を参考に、無理のない額を封筒・袱紗で丁寧に。
Q5. 服装の注意点は?
A. 略礼装〜礼装を目安に。光沢・露出を避け、小物は黒基調。数珠は宗派違いでも略式で可。
迷ったら「シンプル・清潔・控えめ」。それが最善の礼節です。
直前48時間の「最終チェックリスト」
前日(−24時間)
- 司会・式次第・挨拶原稿の最終確認(30秒版・90秒版を用意)。
- 席次表と供花名札の整合性チェック。
- 受付セット:記帳台/香典箱/筆記具/会葬礼状/返礼品/名札/釣銭(辞退時は掲示)。
- お布施・心付けの封入(表書き・氏名・金額控え)。
- 喪服・靴・替えストッキング/ネクタイ・常備薬・目薬・ハンカチ。
当日朝(−1時間〜)
- 会場入り:控室→式場→受付→動線の順で点検。
- スタッフ/親族の役割再周知(受付・案内・会食係)。
- 弔電読み上げ選定、挨拶稿の最終短縮(結語は「御礼+故人の人柄+今後のお願い」)。
- 飲料・ティッシュ・安全ピン・絆創膏・消毒・マスクの配置。
“前日=段取りを固める日/当日朝=確認と短縮の時間”と覚えると迷いません。
精算とお礼の段取り(後悔を残さない締め方)
最後の印象は、「お礼」と「整った帳尻」で決まります。ここを丁寧に締めると、家族の気持ちも前へ進みます。
精算(請求の確定)
- 見積→請求の差異をチェック(キャンセル・追加・実費の根拠)。
- 領収書を項目別ファイル:返礼/料理/車両/式場/供花/実費。
お礼(3〜7日以内)
- 弔問者リスト確定→住所確認→礼状・返礼発送。
- 供花・弔電はお礼電話+礼状で二重の感謝を。
次の法要を先に押さえる
- 四十九日/納骨の日時・会場・僧侶を先に決め、親族へ共有。
「終わりを美しく」——その積み重ねが、故人への最大の贈り物です。
これだけ覚えれば安心:エッセンシャル・メモ
- 判断は早く、伝え方は丁寧に。迷ったら“シンプル”を選ぶ。
- 喪主と施主を分けると楽。人前の言葉と会計事務は別物。
- 家族葬は有力な選択肢。関係者には後日ゆっくり感謝を。
- 1人あたり単価で予算管理。見積は「含む/含まない」を線引き。
- チェックリスト主義。書いて消すだけで品質が上がる。
まとめ(前向きな一歩を)
葬儀は「正解」を競う場ではありません。大切なのは、故人の人生にふさわしい見送りを、無理のない段取りで実現すること。本ガイドは、初めての喪主 準備でも迷わないよう、葬儀 準備の全体像を分解し、葬儀 流れと葬儀 手順を葬儀 チェックリスト化しました。これらを家族で分担し、喪主は「想いを伝える」、施主(同一でも可)は「段取りと会計」に集中する。それだけで当日の緊張は和らぎ、参列者にも温かい時間が生まれます。
最後に——いま感じている不安は、愛情の裏返しです。段取りが整えば、その愛情は「安心」に変わります。必要なときにこのページを開き、チェックを1つずつ消してください。きっと、思い出話に笑顔がこぼれる、良いお別れになります。
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