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一周忌,法要,マナー

一周忌のお返しはどうする? お返しの品物やのしについても解説します

故人が亡くなって1年経つ頃に行われる一周忌の法要は、親族にとっては節目の行事ですね。けれども、一周忌の準備を進めとお返しの品物やマナーについて、意外と知らないことが多いのではないでしょうか?そこで、今回は一周忌法要に用意すべきお返しの品物について解説します。

一周忌法要のお返しについて


一周忌の法要とは、故人の逝去から1年経つ頃に行われる法要のことです。

年忌(ねんき)と呼ばれる法要の中で1番最初に行われる法要であり、最も重要なものだとされています。

一周忌では、葬儀に参列した親族や近しい友人など多くの方が集まり、故人を偲びます。

そんな一周忌の法要を行う上で、遺族が準備をしなければならない一周忌のお返しにスポットを当てて、今回は話を進めていきたいと思います。

    • ・一周忌法要のお返しって何?
    • ・お返しの品物は何が良いの?
    • ・お返しの品物、金額の相場はどのくらい?
    • ・お返しの渡し方のマナーはあるの?
    • ・一周忌で参列者が渡すものって何?

以上の5点を軸に、一周忌法要のお返しについて解説していきます。

この記事を読んでおけば、一周忌法要のお返しについて一から理解できると思います。

いざというときに困らないように、ぜひ最後までご一読くださいね。


一周忌とは?服装・香典・お布施・挨拶に関する知識を解説!

大切な方を葬儀でお見送りしてもそこで終わりではありません。四十九日法要などを通じて故人の供養をしていく必要があります。故人をしのぶための法要で故人が亡くなって1年の節目に行うのが一周忌です。今回は一周忌で行うことや知っておくべきマナーなどについて見ていきます。

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一周忌法要のお返しって?


まずは、一周忌法要のお返しとは何を指すのでしょうか?

この場合のお返しとは、遺族が法要の参列者に準備するものです。

以下で詳しくお話していきます。

「お供え」・「御仏前」にお返しをします

まず、葬儀の際に参列者が持参するものと言えば何でしょうか?

それは皆さんがご存知の通り「御香典」です。

一周忌の法要でも、参列者は「御香典」を持参するものだと思っている方がいらっしゃいますが、実は違います。

香典とは亡くなった方が仏様になる前にお供えするもので、四十九日法要までしか使われない言葉なのです。

四十九日以降の法事で参列者が持参するものは、「お供え」もしくは「御仏前」と呼ばれます。

つまり、一周忌法要で参列者は「御香典」ではなく、「お供え」や「御仏前」を持ってくるのです。

引き出物と香典返しは違うの?

一周忌法要で参列者は香典を持参しないので、遺族が準備するものも「香典返し」ではありません。

お供えと御仏前に対するお返しは、引き出物と呼ばれます。

引き出物というと、結婚式のような慶事のイメージが強いですが、一周忌などの法事でもお返しに使われる言葉なのです。

お返しのおすすめの品物


それでは、一周忌法要のお返しとしては、どんなものがふさわしいのでしょうか?

人気のある品物を具体的に見ていきたいと思います。

お菓子・タオルが一般的

一周忌法要には、葬儀ほどではないものの親族以外の、故人と縁のある方をお招きします。

遠方からいらっしゃる方も多いため、持ち帰りやすいものをお渡しすることが多いのです。

一般的なのは、お菓子の詰め合わせやタオルなどです。

比較的軽く、日持ちがするという点でこの2つを選ぶ方が多くいらっしゃいます。

カタログギフトも人気

持ち帰りやすいという点で、近年特に人気が高いのがカタログギフトです。

カタログギフトでは、小さな雑誌のようなサイズの冊子にさまざなま商品が掲載されていて、もらった人がその中から欲しい商品を選ぶことができます。

参列者の趣向がわからない場合でも、送りやすいお返しだと言えます。

商品券でも大丈夫?

かさばらなくて持ち帰りやすいという点では、「商品券も良いのでは?」と、考えられる方もいらっしゃるでしょう。

実際に、商品券を香典返しや引き出物として贈るという場合もあります。

けれども、商品券は金額があからさまなのであまり好ましくないと考える方もいらっしゃいます。

特に、目上の方にお送りすることは失礼な印象を残す可能性があります。

このため、一概に商品券をおすすめすることはできません。

お返しはあとに残らない物がいいの?

香典返しでは、石鹸やお茶といった日用品や食品などあとに残らないものが良いとされています。

このため、一周忌の引き出物でもこういったものが選ばれる傾向にあります。

しかしながら、タオルや寝具などのずっと使えるものも、一周忌のお返しとして悪くはありません。

あとに残らないものが良いのかどうかというのは、地域の慣習によっても異なります。

事前に親戚などに確認すると良いでしょう。

お返しの金額相場は?


お返しの品物を決めた後は、品物の金額を決めていきます。

このときに気になるのが、お返しの金額の相場ですね。

引き出物の金額は2つのものが基準になります。

参列者の包む御仏前の金額次第

参列者が持参する御仏前の金額は、故人との付き合いの親密度や地域性によって異なるものです。

血縁があったり親しい間柄だったりする方は、1万円から3万円程度包むことが一般的です。

また、法要のあとに会食がある場合にはプラス1万円した金額が相場だと言われています。

遺族側は、この御仏前に対して5割程度でお返しするのが常識的と考えられています。

ただし地域や親戚同士の関係で、いただいた御仏前と同等のお返しが必要だというところもあります。

会食があるかどうか

一周忌の法要のあとに会食を行い、そちらに参列者の方が出席する場合は会食のお膳の金額を差し引いて引き出物の金額を決定します。

例えば、食事代が1万円の場合で考えてみます。

御仏前で3万円包んだ方の引き出物を5千円にすると合計が1万5千円になり、ちょうど半返しとなります。

ただし、「会食代+引き出物」で御仏前と同等の金額になるように、お返しを地域もあります。

この金額のバランスも、親戚などに事前に確認したほうが良いでしょう。

お返しの渡し方・マナー


お返しをお渡しする際のマナーについても考えてみましょう。

引き出物の包装の仕方など、具体的に解説します。

一周忌のお返しには熨斗(のし)を付ける

一周忌のお返しには、のしを付ける必要があります。

お店ではさまざまなのしを用意しているので、一周忌法要にふさわしいものを選びます。

水引きはどうする?

水引きは、黒白か双銀の結びきりを使うのが一般的です。

一部の地域では、黄白の水引きを用いるところもあります。

のし上に書く表書きは?

のしの上部には、「粗供養」もしくは「志」と書きます。

のし下には喪主の氏名を書く

のしの下部には、喪主の名前を姓のみ書きます。

のしには濃い墨で書く

のしに文字を書く際に、弔事であれば「薄墨で」と思っている方が多くいらっしゃいます。

けれども、一周忌法要のお返しには、濃い墨で書くのがマナーとして正解です。

薄墨を使うのは、故人がまだ仏様になっていない四十九日までだからです。

それ以降は、普通の濃い墨でのしを書くようにします。

お返しにお礼状・挨拶状を添える

お返しには、お礼状や挨拶状を添えるようにします。

文例を以下にご紹介します。

例文

「拝啓

亡父 ○○○○(故人の氏名)儀 一周忌法要に際しましては、

ご多忙の中ご参列いただきまして、誠にありがとうございました。

また、故人へのお供えとしてお心遣いを頂戴いたしまして、厚くお礼を申し上げます。

この1年、私たち家族は皆様の温かい励ましのお陰で、何とか前向きに生活できるようになりました。心から感謝しております。

今後とも変わらぬご交誼を賜りますようお願い申し上げます。

同封の品はほんの心ばかりではありますが、御礼の品でございます。

略儀ながら書中を持ちましてお礼申し上げます。

敬具  

平成△△年△月△日

〒□□□(郵便番号以下施主の住所を記載) ○○○○(施主の氏名)」

また、挨拶状を書くときにはいくつかのポイントがあります。

以下ではポイントをいくつかご紹介します。

    • ・「拝啓」ではじめ「敬具」でしめること。
    • ・参列していただいたことへのお礼を書くこと。
    • ・家族の近況や現在の心境などを簡単に説明すること。
    • ・「本来は直接出向いて挨拶をすべきところを、このお手紙で失礼します」という旨の一文を最後に添えること。

上記のポイントをおさえると、失礼のない挨拶文を書くことができます。

お返しを渡す時期

引き出物は、一周忌法要当日に参列者の方に持って帰ってもらいます。

お返しを後日発送する場合は、一周忌法要後1~2週間後を目安に贈るようにしましょう。

欠席した人にお返しは渡すの?

一周忌法要に欠席したけれど、お供えをいただいた方にもお返しを渡します。

直接渡すことができれば1番良いのですが、遠方などの理由で直接お返しを持参できない場合は引き出物と一緒に挨拶状を添えます。

欠席した方に向けた挨拶状は、「おかげさまで一周忌法要が滞りなく済ませることができました」と、報告を一文加えると良いでしょう。

一周忌で参列者が渡すものは?


これまで一周忌法要のお返しについてお話してきました。

一方で、参列者が持参するものは何なのでしょうか?

先ほども解説したように、葬儀における香典のように、お供えや御仏前といってお金を包むのが一般的です。

お金だけでなく、以下のようなものを渡すこともあります。

    • ・果物の盛り合わせ
    • ・お菓子(クッキーなどの焼き菓子や水羊羹など)のセット
    • ・供花
    • ・お線香

お花の種類

一周忌は、故人を偲ぶ時期ですので、明るい色の花を選んで大丈夫です。

また、故人が生前好きだった花を選ぶのもご遺族が喜ぶことでしょう。

しかし、明るい色や故人が好きだった花ならば、何でも良いというわけではありません。

バラやヒガンバナなどの棘や毒がある花はタブーとされています。

また、しきみなどの香りが強い花も避けるようにしましょう。

 

一周忌は節目となる特に大切な年忌法要です。今回は一周忌での正しいマナーについて、お供え物の選び方に注目して解説いたします。お供え物につけるのし紙の書き方やお供え物の渡し方についてなど、一周忌の法要に関する知っておきたいマナーの情報です。

一周忌法要のお返しについてまとめ


いかがでしたでしょうか?

今回「やさしいお葬式」がまとめた一周忌のお返しの記事について、要点を整理すると以下となります。

    • ・一周忌のお返しって何?
      参列者が持参する「お供え」や「御仏前」に対するお返しのことです。
      四十九日を過ぎると、葬儀の際の「香典」に該当するものが「お供え」や「御仏前」と呼ばれます。それに対するお返しは、「引き出物」といいます。
    • ・お返しの品物について
      日持ちがよくて重くない、お菓子やタオルが一般的です。
      最近では、参列者が趣向に合わせて選ぶことのできるカタログギフトも人気です。
      お返しに商品券を渡すことは失礼だという考えもあるので、控えたほうが良いでしょう。
    • ・お返しの金額の相場は?
      お返しは、参列者の御仏前の5割程度が一般的です。
      一周忌法要のあとの会食に出席される方へのお返しは、会食代と引き出物を合わせた金額で考えます。
      けれども、地域によってお返しの金額の相場は異なるので、事前に確認をするほうが良いでしょう。
    • ・お返しの渡し方とマナーについて
      一周忌のお返しには、黒白・双銀で結びきりののしを使います。
      のしの表書きは「粗供養」もしくは「志」で、のし下には一周忌の施主の姓を書きます。
      のしを書くときは濃い墨を使います。
      お返しの品には、手紙か挨拶状を添えるようにしましょう。
    • ・一周忌で参列者が渡すものは何?
      参列者が持参するものは、「お供え」か「御仏前」です。
      袱紗に包んで持参するお金以外にも、お菓子やお線香などをお供えとして渡すことがあります。

一周忌法要は年忌の中で最も大切な法要ですが、葬儀に比べるとお招きする方が減るのが一般的です。

このため、葬儀には参列したことがあるけれど、一周忌には参列した経験のない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

参列の経験がないと、いざ一周忌の施主側になったときにわからないことが多くで、戸惑うものだと思います。

この記事を読んでいただければ、一周忌法要のお返しについておわかりいただけるはずです。

また記事にも書きましたが、法要については地域や親族の慣習でやり方が異なる部分も多くあります。

もし判断に迷うことがある場合には、事前に近しい親戚に確認してみましょう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

「やさしいお葬式」では、他にも一周忌法要に参列する側のマナーや法要の流れなど、さまざまな役立つ記事を掲載しています。

法事のことでわからないことがある方は、ぜひ「やさしいお葬式」の他の記事も読んでみてください。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

プロフィール

運営会社

会社概要

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資本金 11,930万円(資本準備金含む)
代表取締役 白石 和也
設立 2019年9月
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お葬式セミナー講師
エンディングコンサルタント
栗本 喬一(くりもときょういち)
1977年 東京生まれ(名古屋育ち)
略歴
母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者(セレモニーディレクター)として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、5,000件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等
株式会社GSI グリーフサポート アドバンスコース修了。