身近な方の不幸はいつ降りかかるかわかりません。そのような時でも、故人との最後の別れの場である「火葬」はきちんと進めたいものです。本記事では火葬をおこなう火葬場の選び方や火葬許可証の取り方、火葬にかかる時間や費用についてもご紹介しています。
身近な方の不幸はいつ降りかかるかわかりません。
そのような時でも、故人との最後の別れの場である「火葬」はきちんと進めたいものです。
この記事では大切な儀式である火葬についてまとめました。
いざという時のためにしっかりと確認しておきましょう。
INDEX
- 09
- 火葬についてのまとめ
火葬とは?
まずは火葬に関する基礎的な知識を覚えておきましょう。
火葬の意味
火葬は日本の葬法の中で最も代表的なもの。ご遺体を焼き、残ったお骨を無事に葬ることです。
この火葬をすると、もう故人の顔を見ることはできないため、正真正銘最後のお別れの場となります。
そのため火葬の前には、棺の中にいる故人のお顔に触れたり、お別れの言葉を述べる方も非常に多いです。
骨上げの儀式
この火葬の後には「骨上げ」という儀式が行われ、ご遺骨を骨壷に納めることになります。
日本ではご遺体を葬る方法としては、ほぼ100%が火葬です。
土葬は自治体の条例で禁止されている
土葬自体が法律で禁止されているわけではありません。
しかし土地不足や衛生上の問題もあり自治体の条例で禁止されていることがほとんどです。
死亡から24時間以内は火葬が禁止されている
法律で死亡してから24時間以内の火葬は禁止されています。その為、24時間ご遺体を保管しておく必要があります。
日本における火葬・埋葬の歴史
日本の火葬文化は、仏教が伝わったと同時に入ってきた説が有力。
お釈迦様も火葬された、ということにちなんでいるそうです。
日本で最初に火葬された人
日本で最初に火葬されたのは、奈良の僧である「道昭」という人物です。
この道昭が自らの意思で示した模範によって火葬が広まっていったのです。
しかし平安時代以降は、皇族などに火葬が広まった後でもまだ土葬の方が主流でした。
もともと儒教においては体を傷つけることがご法度とされていた上に、土葬の方が庶民にとっては安上がりだったためといわれています。
明治時代には「火葬禁止令」が公布
明治時代になると火葬時の煙などによる健康被害が出たことが問題となり、明治6年には火葬禁止令が公布されました。
しかし徐々に土葬用の墓地が足りなくなり、受け入れ不可能となる場所が増加していくことで、明治8年には火葬禁止令が廃止されます。
そこからは衛生上の問題を重要視するようになったことで火葬を扱うようになりました。
伝染病により亡くなった方の遺体は火葬する義務が生まれ、土葬用の土地拡張にも規制が作られ始めます。
大正時代以降は火葬がメインに
大正時代になると火葬場設営を行う地方団体が増え、火葬費用が低下したこともあり現在ではほぼ100%火葬が行われるようになりました。
主要宗教の火葬・埋葬
このように日本では火葬がメインですが、実は世界的には土葬の方が主流です。
宗教による埋葬方法の違い
これは、信者数が世界第1位のキリスト教と世界第2位のイスラム教が火葬を行っていないからです。
しかし昨今では伝染病の回避といった意味合いからも火葬を行うケースが増えています。
保守系のカトリックが多いイタリア、フランス、スペインなどの南ヨーロッパでは、現在でも土葬が主流です。
一方でプロテスタントがメインであるイギリスなどの北ヨーロッパやアメリカの西海岸周辺では、そこまで宗教的伝統に対するこだわりが強くはないため、火葬の割合が上昇しています。
インドでは遺灰は川に流す
インドは日本と同じく火葬がメインですが、「遺灰を川に流す」という文化は違います。
これはインドにおいて「魂は肉体に執着することがない」という考えのもと行われている儀式です。
このように地域や宗教によっても埋葬法方は分かれる傾向にあります。
ただし最近では、こうした価値観を残しつつも衛生面やコスト面でも合理的である火葬が主流になりつつあるようです。
火葬にあたって準備すること・必要物
では次からは、火葬を行うにあたり確認しておくべき事項をご説明していきましょう。
亡くなったからといってすぐに火葬が行われるわけではありません。
きちんとした行政手続きをいくつか踏む必要があります。
大切な方が亡くなり精神的にも大変な時期ではありますが、無事に故人を見送れるように素早く対応していきましょう。
死亡届の提出
まずは死亡届を提出します。これを提出しないと火葬許可証が発行されず、火葬を行うことができません。
死亡届は、ご遺族に手渡される「死亡診断書」の左半分に必要事項を記入することで完成します。
死亡届は死後7日以内に提出を行いましょう。
国外で亡くなった場合
ただし国外で亡くなった場合は「その事実を知った日から3ヶ月以内」であれば提出可能です。
理由なく提出が遅れると5万円以下の罰金となるので注意してください。
死亡届は届出人の署名が必要
この死亡届への署名などを故人の代わりに行う「届出人」を立てる必要があります。
「同居の親族・親族以外の同居者・家主や地主・後見人や補助人」などが届出人となるのが一般的です。
ただし、身寄りがない方の場合は、病院長などが届出人となることもあります。
届出人がしっかり立てられていれば、提出自体は別の代理人でも大丈夫です。
死亡届を提出する場所
提出する場所は「亡くなった場所」「故人の本籍」「届出人の住所」のいずれかの市区町村役場です。
ただし距離が離れすぎていると住民票の除票手続きなどに時間がかかるため、基本的には本籍地か届出人の住所にある役場で行う方が無難です。
死亡届についての詳細は、
・死亡届の基礎知識を押さえておこう!書き方やその他の手続きについても解説
・意外と知られていない「死亡届の提出方法」につい徹底解説!
ケース別での死亡届提出方法
基本的には死亡届の提出方法は上記の流れで行います。
しかし以下の場合では手続き方法が少し異なるので確認しておきましょう。
死産した場合
死産した場合は、死亡届ではなく「死産届け」の提出を行います。
死産の定義は「妊娠12週目以降の胎児が胎内で死亡する」というものです。
流産や中絶なども死産に分類されます。死亡届と同じように、死産届けも7日以内に市区町村役場に提出しましょう。
届出人となれるのは「両親・両親以外の同居人・医師・助産師」です。
生まれてすぐの赤ちゃんが亡くなった場合は、死亡届と同時に「出生届」も提出する必要があります。
ペットが亡くなった場合
同じように死亡届の提出を行います。
犬に加えて、ライオンやワニなどの特定動物に指定されているペットは死亡届が必要です。ただし猫の場合は提出不要です。
死亡届は、亡くなってから30日以内に各市区町村のHPで手続きするか、保健所に書類を直接提出します。
その際には、飼い主の情報に加えてペットの登録番号と登録年度を記入する必要があるので準備しておきましょう。
火葬許可証の受け取り
上記の手続きで死亡届を提出した際は、その場で「死体火葬許可申請書」の作成も行ってください。
これらの提出と申請に不備がなければ「火葬許可証」が発行されます。この火葬許可証が無いと火葬は行えません。
火葬許可証無しで火葬を行うと?
もし火葬許可証無しで火葬を行うと2万円以下の罰金となるので注意してください。
死亡届と火葬許可証の発行は代行可能
この「死亡届の提出」及び「火葬許可証」の発行は葬儀社に代行してもらうことも可能です。
死亡直後は何かと慌ただしい時期なので、お任せするのもいいでしょう。
この火葬許可証は、墓地などに埋葬する際にも必要になるので大切に保管しておいてください。
火葬許可証についての詳細は、
・火葬するには火葬許可証が必要!発行の流れや再発行について解説
それ以外に必要な届け出・手続き
この死亡届の提出以外にも、年金や保険に関する諸々の手続きまでしなくてはいけません。
こちらも大切な行政手続きなので速やかに終わらせましょう。
各種保険の資格喪失届
亡くなった日から14日以内に手続きを行いましょう。
健康保険の場合は「協会けんぽ」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3つが対象です。
協会けんぽでの手続き
協会けんぽに関しては、ご遺族が会社側に保険証を返還した後はお任せして問題ありません。
残りの2つはご遺族自身で手続きを行いましょう。
国民健康保険での手続き
国民健康保険は市区町村窓口で申請します。
後期高齢者医療制度の手続き
後期高齢者医療制度は「後期高齢者医療広域連合」の窓口になっている市区町村で申請します。
介護保険も同様に14日以内に資格喪失届を申請しましょう。
市区町村の福祉課窓口で手続き可能です。その際には介護保険証が必要なります。
各種年金の資格喪失届
亡くなった翌日から年金受給資格が失われます。
そのため、定められた期日内に「年金の資格喪失届」を提出しなくていけません。
国民年金の場合はご遺族が14日以内に手続きし、厚生年金の場合は事業主が5日以内に手続きすることが定められています。
国民年金は各市区町村役場、厚生年金は年金事務所で手続き可能です。
また、年金受給者が亡くなった場合は「年金受給者死亡届」も提出しましょう。14日以内にご遺族が年金事務所に提出するものです。
会社員の夫の扶養に入っていた「国民年金の3号被保険者」である妻などは、「1号被保険者」に変更するための手続きも必要です。
世帯主の変更届
世帯主が亡くなった場合は、14日以内に「住民異動届」を提出しましょう。市区町役場の窓口にて申請書を記入します。
名義変更
電気やガスなどの公共サービスや、不動産の所有名義などを変更する必要があります。
不動産は相続人の間でトラブルになることも多いので、きちんと話し合いの上で相続人の名義に変更しておきましょう。
住民票の除票
基本的には、死亡届が受理されると自動的に住民票の除票も行われるので新たな手続き等は不要です。
除票することによって死亡の事実が公的に認められたことになります。
この除票は、不動産など各種サービスの相続や名義変更を行う際に提出する場合があるので注意してください。
遺族年金を請求する際にも必要です。この除票は最低でも5年間は各市区町村で保管されるので必要に応じて使用しましょう。
葬祭費請求
国民健康保険の加入者が亡くなると葬祭費の請求を行うことができます。
金額は、市区町村ごとに違いますが、いずれも亡くなってから2年以内に請求しないと権利が消滅するので注意してください。
ちなみに健康保険組合に加入していた場合は5万円が支給されます。こちらも請求期限は2年以内です。
銀行口座の凍結手続き
こちらは特に手続き等は無く、死亡した旨を伝えると口座の凍結手続きを行ってくれます。
死亡届を提出しただけで凍結されることはないのでご安心ください。
相続税の改定により、凍結後でも150万円を上限に口座から引き落とせるようになりました。
この際には「故人の戸籍謄本と除籍謄本」「相続人全員の戸籍謄本」「引き出しを行う方の印鑑証明書」が必要です。
亡くなってから一周忌までの手続き一覧は、
・親が死んだらすることは何?亡くなってから一周忌までを時系列順に解説!
・死亡手続きを完全解説!するべきこと・期間・費用を一覧で紹介!
火葬場の選び方
ここからは具体的な火葬場の選び方についてご説明します。
選ぶ火葬場によって料金が大きく変動することもあるのでしっかりと確認しておきましょう。
火葬場の選び方
火葬場を予約する際は、やはり葬儀を行う場所から近い方が便利です。
火葬場によっては葬祭場と一緒になっているケースもあるので、ご自身のスケジュールと合わせて決めるといいでしょう。
料金面も大切です。後述しますが「火葬場が公営なのか、民営なのか」によって料金が変わります。
公営であれば比較的安価に使用できますが、その分競争率も高いので空き状況のチェックは必須です。
他には「葬儀の規模」「サービス内容」「宗派」を考慮して火葬場を選ぶのがいいでしょう。
例えばご遺族や親戚だけで簡素に行いたい場合は、比較的こじんまりした設備の多い公営の火葬場を選ぶのがオススメです。
では先ほど触れた火葬場の種類についてご説明します。
公営の火葬場
各自治体が運営している火葬場です。
公営の火葬場を使用するメリット
行政の税金で運営されており、喪主や故人が住んでいる地域なら民営の火葬場よりも安価に使用することができます。
地域住民の場合、日程の面でも優遇されるので、ほとんどの場合、その地域の公営の火葬場を使用することが多いです。
中には葬祭場を併設している場合もあるため、葬儀からの流れをスムーズに行うことができます。
公営の火葬場を使用するデメリット
一般的には郊外に施設があることが多く、火葬場がある関係で少しアクセス的に不便な場所にある可能性があります。
最寄駅からはかなり離れた山中に設置されている場合もあるので、高齢者などが多いと少し移動に苦労するかもしれません。
サービスに関しては、利益サービスを提供することがメインではないため、基本的には必要最低限の設備・サーピスとなります。
民営の火葬場
全国には企業が運営している火葬場があります。「〜〜会館」「××ホール」等、斎場と名前に入っていないケースが多く、シンプルに◯◯斎場と表記されることが多いです。
>>斎場とはどんな場所?斎場の選び方・種類・火葬場との違いを目的別に完全解説!
公営の火葬場と比べ、数自体は民営の火葬場は少ないです。中には東京23区のように、民営の火葬場の数が公営火葬場より多い珍しい地域もあります。
民営の火葬場を使用するメリット
公営とは違い利益を生み出す目的もあるので、設備やスタッフサービスの充実を行なっているところも多数存在します。
民営の火葬場を使用するデメリット
一方、民営の運営である以上、利益を生み出さなくてはいけないので公営よりも料金が割高に設定されております。
>>火葬場の選び方と利用方法!東京都の火葬場の特徴・使用料金・利用方法を解説!
火葬に関する費用
では具体的に、こうした火葬を行う際にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
上記のような火葬場の種類によっても違いますが、大まかに相場をご説明します。
火葬費用の相場
火葬に際に支払うお金というのは、火葬場に支払うお金だけではありません。
具体的には以下のような諸々の費用がかかります。
・待合室の使用料
・骨壷料
公営なのか民営なのかによっても変わりますが、大まかにはこれらの料金がかかります。
では具体的に、公営と民営それぞれにかかる火葬費用の相場を見ていきましょう。
公営の火葬場
住民の税金で運営されているので、基本的には全ての金額が民営よりも安く設定されています。
市によっては無料で使える場合もあるほどです。
金額相場は自治体によってばらつきがありますが、だいたい0〜5万円程度になります。
●具体的な利用料金
物価の高い地域では金額相場が上がる傾向にあり、例えば東京23区の料金は5万9千円。
>>東京の火葬場料金が値上げ?!町屋斎場・四ツ木斎場・桐ヶ谷斎場・代々幡斎場・落合斎場・堀ノ内斎場の火葬費用改定と値上げについて
しかし他の大都市圏では、横浜市の平均料金が1万2千円、名古屋市では5千円。
物価の高い東京では金額が跳ね上がるのです。
一番料金が高いといわれる東京の瑞江葬儀所では6万円以上かかります。
>>瑞江葬儀所とは⁈東京23区で唯一の都営火葬場の概要・使用料金・予約方法とは
ちなみに子供料金は、大人料金の約7割ほどです。
その地域の住民でなくとも火葬は行えます。
しかし料金は倍程度になることは覚えておきましょう。
待合室の使用料金は0〜1万円ほど。公営の場合は無料で使えることも多いので確認してみるといいでしょう。
骨壷料は4千円前後です。
また場合によっては霊安室が設置されている場合もあり、24時間の使用で3千円前後かかります。
民営の火葬場
民営の場合は、金額が一気に上がります。
だいたい5万〜15万円ほどになることが多く、かなり良い火葬場を使うと30万円前後かかる場合もあるほどです。
公営だと最高でも5万円程度なので民営がいかに高いかわかりますね。
こちらも公営と同じく、子供料金は大人料金の7割ほどです。
待合室の使用料金は2万円前後。公営とは違い基本的にはお金がかかります。骨壷料も1万円前後なので倍以上です。
霊安室を使用する場合は5千〜1万円前後かかります。
このように、全ての面で民営の料金が高いです。
しかし先述の通り、公営よりもサービスに力を入れていることも多く対応プランも多種多様。
故人やご遺族の希望に合わせて、適切な方を選びましょう。
●上記以外の料金が加算される場合も
また葬儀社によっては、上記以外にも「安置の付き添い費用」「寝台車の移動距離が一定を超える」「ドライアイスの使用日数が延びる」「当初よりも参列人数が増える」など様々な要因で料金が加算されることもあります。
後々トラブルとならないように、民営の火葬場を使う場合はこの辺りもしっかり確認しておきましょう。
費用を抑えるには?
もちろんできるなら極力費用は抑えて火葬を行いたいですよね。
まずは公営の火葬場を使用することを検討しましょう。
先述の通り居住者であればかなり安く火葬を行うことができます。
ただし競争率は高いのでダメだった時の候補も決めておくことが大切です。
場所によっては公営の火葬場を無料で使えることもあります。
都内であれば、東京都立川市にある「立川聖苑」、八王子にある「八王子市営斎場」、青梅市にある「青梅市民斎場」などです。
>>八王子市で葬儀を行う方は必読!費用・葬儀社・斎場・火葬場の情報を完全解説!
>>青梅市で葬儀を行う方は必読!費用・葬儀社・斎場・火葬場の情報を完全解説!
他にも各都道府県ごとに無料の公営火葬場があるので探してみましょう。
直葬/火葬式について
上記と関連しますが、葬儀全体の費用を抑えるために「直葬(火葬式)」という形を選択する方もいます。
これは、通夜や葬儀・告別式を行わず火葬だけで済ませる儀式のこと。
直葬/火葬式のメリット
参列するのはご遺族や少数の親しい友人だけなので、一般的な葬儀よりもグッと費用を抑えることができます。
もちろん今までの葬儀に慣れてきた方からすると、少し違和感があるかもしれません。
しかし大切なのはあくまでも故人を偲ぶ気持ち。
それさえあれば、経済的な問題で直葬しかできなくてもなんら問題はありません。
そもそも故人の意思で直葬にする場合もありますからね。
儀式自体も数時間で終わるので、打ち合わせも一般葬ほどはかかりません。
喪主側からすると、諸々の準備に神経をすり減らす機会が無くなるのでその点でも良いのかもしれませんね。
直葬/火葬式のデメリット
直葬や火葬式では故人とのお別れの時間が十分に取れないというのがデメリットです。
また、葬儀に参列してきちんと手を合わせたかったという方とトラブルになる可能性もあります。直葬を選ぶ場合は親族や故人と近しい人にも相談し、双方が納得した形式で行う必要があります。
直葬/火葬式での注意
直葬や火葬式での注意点ですが、一つは火葬までの間、遺体を安置する場所を確保しなければいけない点です。冒頭でも触れましたが、日本の法律では死亡後24時間以内での火葬は禁止されています。
その為、自宅や葬儀書などに安置することになります。すぐに火葬できれば良いのですが、火葬場の予約が取れないケースがあり、状況によっては数日間待たされます。
二つ目は、先祖代々お世話になっている菩提寺がある場合、直葬や火葬式でのお骨はお墓への受け入れを拒否されてしまう可能性があることです。もし菩提寺がある方は、お寺に相談してみましょう。
昨今は、お寺とのお付き合いも薄くなってきており菩提寺を持っていない方も多いです。その場合は僧侶を手配することもできます。
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直葬/火葬式の流れ
直葬、火葬式の流れは下記になります。
②ご遺体を搬送・安置
③葬儀の打ち合わせ(※直葬・火葬式に対応した葬儀社へ)
④お別れ
⑤火葬場へ行き火葬
直葬/火葬式を含めた各種葬儀プランは『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。
直葬・火葬式については下記記事もご参考ください。
・火葬のみで葬儀を行う「直葬」を完全解説!
・直葬とは?流れ・費用・マナー・選ばれる理由を完全解説!
・直葬(火葬)の費用を完全解説!相場・流れ・メリット・デメリットを紹介!
火葬当日の流れ
それでは具体的な火葬当日の流れをご説明しましょう。
大まかな流れ、かかる時間の目安
大まかには以下のような流れで進行していきます。目安となる時間も記しておくので参考にしてください。
出棺:約20分
火葬:約1〜2時間
骨上げ:約20分
精進落とし:約1時間
ではもう少し具体的に見ていきましょう。
葬儀
葬儀は通夜の翌日に行います。だいたい午前10時頃から始まり1〜2時間ほどで終了するのが一般的。
午前中から行うのは、その後の火葬までを含めると3〜4時間ほどかかることが多いためです。
特に火葬場までが遠い場合は午前8時頃から葬儀が始まることもあります。
さらにご焼香の人数にもよって時間は変動するので、そのあたりを考慮しながらスケジュールを立てましょう。
葬儀についての詳細は、
・今更聞けない葬儀・告別式のマナーと費用を地域別に徹底解説!
・仏式葬儀とは?一般的なマナーや葬儀の流れについて徹底解説
出棺
葬儀が終わると出棺です。ここが故人との最後のお別れの場になります。
棺を開けて生花や思い入れのある品などを入れていきましょう。
最後の声かけなどをする方も多いようです。時間は10〜20分ほど。
お別れが終わったら、ご遺族以外の参列者は外で待機し出棺をお見送りしましょう。
>>出棺の挨拶のポイントは?出棺の挨拶のポイントから出棺のマナーまで徹底解説!
火葬場に同行したい場合
火葬場へは基本的には故人と近しい家族が行き、他の参列者は見送りとなります。
しかし、どうしても火葬場へ同行したい場合は、遺族へ許可をもらいましょう。しかし、ご遺族から辞退してもらいたい旨を伝えられた場合は無理に同行することは絶対に避けましょう。
地域によっては火葬場まで同行する場合もありますが、ご遺族の意志を尊重することが大切です。
火葬場へ持って行く物
火葬場へ持って行く物は下記になります。忘れないように気を付けましょう。特に「火葬許可証」を忘れると火葬が行えません。骨壺は葬儀社が手配してくれている可能性がありますが、あらかじめ確認しておきましょう。
・骨壺
・位牌
・遺影
火葬
火葬場に到着したら、まずは「納めの式」を行います。
これは火葬炉の前に棺を安置し、僧侶の読経及びご焼香を行うという儀式です。
僧侶がいない場合はご焼香だけを済ませます。
ここで本当に最後のお別れをし、参列者全員で合掌をしながら火葬炉に棺が納まるのを見届けましょう。
故人の体重などにもよりますが、火葬には1時間前後かかることが多いです。
そのため参列者は控え室で待機しておきましょう。
地域によっては親族が点火ボタンを押す
火葬場での点火スイッチは基本的には火葬場のスタッフが押すことになります。
昔は、遺族の中で故人と一番近しい方が押していましたが、なかなか気持ち的にも押すことができないというケースが多いため、スタッフが押すことになりました。ご遺族からの要望や地域によっては、遺族が点火ボタンを押す場合もあります。
ちなみに。この点火ボタンで火が付く訳では無く「火を付けても良い」という合図を別のスタッフへ伝えるものとなります。
火葬については下記記事もご参考ください。
・火葬を完全解説!準備・必要物・手続き・必要な時間・マナー!
・火葬の時間はどれくらいかかる?一般的な火葬の所要時間から火葬の流れ、待ち時間の過ごし方まで完全解説!
骨上げ
火葬が終わると連絡が入るので全員で収骨室に向かいましょう。
この場では、遺骨を骨壷に納める「骨上げ」という儀式を行います。
お骨が骨上げ台に乗せられているので、二人一組になって竹の箸を使い、お骨を同時に拾い上げ骨壷に納めていきましょう。
箸は桃や桑の木で作られたものもあります。
骨壷は箱に納めた後布で包まれ、喪主が持ち帰るのが一般的です。
火葬場から戻った際には塩とお水で体を簡単に清めましょう。
骨上げを辞退する場合
火葬場で行う骨上げですが、故人が骨になった姿に抵抗があるという方や、子供に見せたくないという方もいらっしゃいます。その場合は、骨上げを辞退することができます。辞退する場合は、葬儀社や火葬場へ相談していみましょう。
火葬と納骨の地域が異なる場合の注意
骨上げでは骨壺にお骨を納めていきます。全てのお骨を入れることを「全収骨」、一部の遺骨を入れる「部分収骨」と言います。
「全収骨」は主に東日本、「部分収骨」は西日本で行われることが多いです。「全収骨」と「部分収骨」で骨壺のサイズが異なります。その為、火葬と納骨の地域が違う場合は、骨壺が納骨堂に収まらないというケースも考えられます。
納骨堂のサイズは事前に確認しておくようにしましょう。
納骨については下記記事もご参考ください。
・納骨にかかる費用を完全解説!相場・内訳・流れ・準備物を紹介!
・納骨とは?納骨式の時期と準備・流れと費用を完全解説!
精進落とし
火葬後には「精進落とし」という会食が行われます。
参列者や僧侶に感謝の気持ちを表明しもてなすための食事のことです。
時間は約1時間30分くらいが一般的。お酒を交えながら故人の思い出話をするといいでしょう。
席順にも決まりがあります。僧侶が上座で、そこから「世話役の方→会社関係の方→ご友人→近親者→親族→喪主とご遺族」という順番が一般的です。
前火葬と後火葬の違い
こうして葬儀から火葬までの一連の流れは終了します。
基本的にはこのような形で、葬儀の後に火葬を行う「後火葬」が一般的です。
しかし地域によっては、葬儀の前に火葬を行いお骨で葬儀を行う「前火葬」を行う場合もあります。
前火葬(骨葬)を行う地域や宗派
この前火葬には地域差が影響しています。
前火葬を行う地域は、北海道・東北・沖縄・離島などが多いといわれ、関東・関西・九州などでは後火葬が多いです。
ただし地域内でも差はあります。例えば同じ東北地方の中でも、岩手や山形などは後火葬を行うことが多いそうです。
また宗派によっても違うことはあるのですが、「この宗派は前火葬」ときっちり決まっているわけではありません。
「同じ地域内で前火葬を行う風習だからそれで行う」というケースがほとんどのようです。
前火葬(骨葬)のメリット
前述したように東北地方や九州の一部地域では、さきに火葬を済ませお骨にしてから葬儀を行う場合もあります。骨葬のメリットは、交通事故などに遭われた場合のご遺体でも損傷を気にせずに、葬儀が行えることや搬送費用が抑えられるなどです。ただ、故人のお顔を最後に見たいと言う方には不向きかも知れません。
火葬・骨上げに関するマナー・注意点
火葬や骨上げは故人の身体に関連するものを見届ける最後の場です。
しっかりとマナーを守って丁寧にお見送りすることが大切。ではどのようなマナーを守るべきなのでしょうか?
心づけ
「心づけ」とは欧米のチップのようなものであり、葬儀費用とは別でマイクロバスの運転手や火葬場のスタッフにお礼のお金を渡す習慣のことです。
葬儀社からの明細で、料金にすでに心づけ分の金額が入っていることもあるので確認が大事となります。
対象となるのは主に以下の方々です。
・火葬場のスタッフ(料理の配膳係や休憩室の係員など)
・葬儀を手伝ってくださった方々
・世話係
・僧侶
僧侶へは心付けではなくお布施をお渡しする
僧侶への心づけはお布施という形でお支払いします。
だいたい20万前後が目安です。
その他の方には、多少前後しますが2千円〜1万円ほどをお渡しするのが一般的といわれています。
ただし、この心づけはあくまでも任意です。ですので、無理してお渡しする必要は全くありません。
特に公営の火葬場では受け取りを禁止している場合もあるので、迷惑をかける場合もあります。
もしお渡ししたい場合は、あらかじめ葬儀社に相談しておくといいでしょう。
心付けの渡し方とタイミング
心付けは無地の白い封筒やポチ袋に入れてお渡ししましょう。封筒の表書きは「御礼」「志」と書くのが基本です。霊柩車はマイクロバスの運転手へお渡しする場合は、乗るタイミングでお渡ししましょう。
葬儀場へのスタッフなど人数が多い場合は代表者へ挨拶するタイミングにお渡しすると良いでしょう。
心づけについては下記記事もご参考ください。
・心付けとは?心付けの相場や渡し方を徹底解説!
・心付は本当に必要?お葬式を行う家族は実際どうしてる?
・葬儀・葬式の心付けとは⁉火葬場や霊柩車の運転手などに渡していた心付けについて
出棺時のマナー
出棺は会場の外で行います。外は公共の場であるため静かに待機しましょう。
実際に見送る時は、上着を脱いで合掌し黙祷を捧げます。
真冬の場合でも脱ぐのがマナーなので、インナーなどを着用しておきましょう。
傘を使う場合は、黒や紺などの地味な色のものを使います。
副葬品の注意点
副葬品とは、故人と一緒に棺に入れる品物のこと。
副葬品には故人が好きだったものや思い出の品を持たせることが多いです。
しかし、どんなものでも入れていいわけではなりません。
基本的には花や故人の写真、お気に入りの洋服などを副葬品にすることが多いです。あるいは故人への手紙などもあります。
副葬品に不向きな物
しかし、腕時計やメガネなどの燃えにくいものや、爆発の危険がある缶製品などは入れられません。
また、生きている方の写真を入れると「あの世に呼ばれる」という意味合いを持ってしまうため避けましょう。
基本的には「爆発の危険がないもの」「燃えにくいもの」「火葬炉の故障に繋がるもの」以外であれば大丈夫です。
>>棺桶(御棺)とは?意味と選び方と副葬品に入れてよいものダメなものを解説!
火葬中のマナー・過ごし方
火葬中は控え室で待機し、簡単なお菓子などを振る舞いながら、ご遺族が参列者を接待します。
僧侶がいれば、僧侶が上座に座り喪主が応対するのが一般的です。
ちなみに火葬炉の前に祭壇を設置する場合もあるため、その際は火葬中も線香の火を絶やさぬように時々お参りをしましょう。
火葬のマナーについては「火葬を完全解説!準備・必要物・手続き・必要な時間・マナー!」の記事もご参考ください。
骨上げのマナー
拾い上げる際に男女ペアとなり、左を男性が持ち上げ右を女性が持ち上げるということもあります。
そのあたりは火葬場のスタッフの指示に従うといいでしょう。
また、骨を拾うのには順番があります。まずは足の骨から始めて最後に頭の骨を拾い上げるのが一般的。
喪主が最初に拾い上げてから、故人と血縁の深い者の順番に拾い上げましょう。
一番最後に、ご遺族が喉の骨を骨壷へ納めて骨上げは終わります。
出棺時の挨拶文例
最後に出棺時の挨拶についてご説明します。
出棺時には喪主や遺族代表の方が参列者への感謝の言葉を述べるのですが、なるべくコンパクトに済ませることが大切です。
あらかじめメモを用意しておいてスムーズに言えるようにするといいでしょう。
立場によっても多少違いますが、基本的には以下のような挨拶文を述べれば大丈夫です。
「本日はお忙しい中お集まりいただき、焼香賜りまして誠にありがとうございます。
このような大勢の方に見送られてさぞ喜んでいるだろうと思います。
また、皆様のおかげで葬儀、告別式も滞りなく進行し、無事に出棺の儀を執り行えたことを厚く御礼申し上げます。
これからも故人の遺志を継ぎ生きていく所存です。
残された私どもは未熟ではございますが、今後とも変わらぬご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。」
出棺時の挨拶については「出棺の挨拶のポイントは?出棺の挨拶のポイントから出棺のマナーまで徹底解説!」の記事もご参考ください。
お墓がない場合、遺骨はどうなるか?
火葬が終わった後に、お墓が無い場合は遺骨はどうすればよいのでしょうか?
その場合は、「手元供養」や「散骨」などの方法があります。
手元供養とは?
手元供養とは、自宅でお骨の一部やすべてを骨壺に入れてほかんする方法です。「自宅供養」とも呼ばれます。お墓の継承者がいない方や、持病がありお墓参りに頻繁に行けないなどといった場合に手元供養を選択する方がいらっしゃいます。
散骨とは?
散骨とは、遺骨をパウダー状にし山や海に還す散骨方法です。散骨は個人で行う事も出来ますが、散骨禁止区域やマナーの問題などもあるため、専門業者への依頼がおすすめです。
海への散骨を行う海洋散骨については『やさしい海洋散骨』でもご相談を受け付けております。ご家族に代わり散骨する「代理プラン」、少人数で散骨をする「合同プラン」、船を貸切る「貸切プラン」や「ペット散骨」などからお選びいただけます。オプションでは手元供養のお骨壺や遺骨リングなども作成可能です。
火葬場での新型コロナウイルスの感染予防
火葬場でも、新型コロナウイルスの感染拡大を予防するための対応策が必要です。
●会食は感染リスクを高めるためできるだけ控える
●火葬場の控室や待合室では、できるだけ密を避ける
新型コロナウイルスで死亡した方の葬儀・火葬については下記記事もご参考ください。
・新型コロナで死亡した人の火葬・葬儀はどうしたらよい?厚生労働省と葬儀社の見解を解説!
・新型コロナ感染者はどのように火葬する?コロナ禍での火葬の疑問を完全解説!
・コロナ禍で葬儀はどうなる?参列時や葬儀を営む際の注意点を徹底解説!
やさしいお葬式でも新型コロナウイルスで死亡した方の葬儀に対応しています。
・新型コロナウイルスで死亡した方の火葬・葬儀(直葬+お別れ会)への対応を開始しました。
火葬についてのまとめ
以上が火葬に関するマナーや一連の流れです。
簡単にここまでの内容をまとめておきましょう。
【火葬とは?】
●火葬は日本の葬法の中で最も代表的なもので、ご遺体を焼き、残ったお骨を無事に葬ること。
●日本の火葬文化は、仏教が伝わったと同時に入ってきた説が有力。
【世界の火葬状況は?】
●日本では火葬がメインだが、世界的には土葬の方が主流。
【火葬を行う手続き】
●死亡届を提出して火葬許可証を発行してもらう。
●死亡届を提出し、その場で「死体火葬許可申請書」の作成も行う。
●これ以外にも「各種保険の資格喪失届」「各種年金の資格喪失届」「世帯主の変更届」「名義変更」「住民票の除票」「葬祭費請求」「銀行口座の凍結手続き」の手続きが必要。
【火葬場の選び方】
●火葬場は「火葬場が民営なのか、公営なのか」「葬儀の規模」「サービス内容」「宗派」などを考慮して選ぶ。
●公営の火葬場は、喪主や故人が住んでいる地域なら民営の火葬場よりも安価に使用できる。
【火葬で支払うお金】
●火葬の際に支払うお金には「火葬料」「待合室の使用料」「骨壷料」がある。
【火葬の費用を抑えるには?】
●公営の火葬場はだいたい0〜5万円程度で使用できる。民営の場合はだいたい5万〜15万円ほど。費用を抑えるなら公営がオススメ。
●葬儀全体の費用を抑えるために「直葬(火葬式)」という形を選択する方もいる。
【火葬当日の流れ】
●火葬当日は以下のような流れで進める。
葬儀:約1〜2時間
出棺:約20分
火葬:約1〜2時間
骨上げ:約20分
精進落とし:約1時間
●地域によっては、葬儀の後に火葬を行う「後火葬」と、葬儀の前に火葬を行いお骨で葬儀を行う「前火葬」を行う場合に分かれる。
【「心づけ」とは?】
●「心づけ」とは欧米のチップのようなもの。強制ではない。
【出棺時のマナー】
●出棺は会場の外で静かに待機する。見送る時は、上着を脱いで合掌し黙祷を捧げる。
●出棺時の喪主挨拶はなるべくコンパクトに済ませる。
【棺に入れる副葬品についての注意】
●副葬品には「爆発の危険がないもの」「燃えにくいもの」「火葬炉の故障に繋がるもの」以外のものを選ぶ。
【火葬のマナー】
●火葬中も線香の火を絶やさぬように時々お参りをする。
●骨上げの際は足の骨から始めて最後に頭の骨を拾い上げる。
このようにいくつか細かいマナーなどはあります。
しかし火葬は故人との最後の別れの場。
なるべくスムーズにお見送りするためにも、いざという時に慌てないようあらかじめ覚えておきたいですね。
これから準備を行う方にとってのお役に立てば幸いです。
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