なかなかその場では聞けない：お参りの作法について

Feb 20 2020

お葬式についてインターネットなどで検索を行う方は

「将来のお身内のお葬式・終活・相続」などを気にされる方と

「実際に参列をする時に戸惑わないようにマナーを調べる」方と大きく２つに別れます。

お葬式のマナーについて調べる方は比較的多いことが当社の調べでございます。今回はお葬式・告別式に参列し、その場ではなかなか聞けない、お参りの方法を記載させて頂きます。

INDEX

仏式の場合、焼香回数で悩む人が多い
神式の「玉串拝礼」がよくわからない
キリスト教の告別式は基本的には「献花」
故人を弔う気持ちが一番大事

仏式の場合、焼香回数で悩む人が多い

ご親戚の方、参列をされる方の共有の戸惑う事柄として「各宗派のお参りの仕方」がよくわからないという話をよく伺います。

基本的には

①「焼香台の前に進み」

②「遺族に一礼を行い」

③「正面の遺影写真に合掌・礼拝」を行ったあと、

④「焼香を行い」

⑤「再度・合掌礼拝」

⑥「遺族に一礼」

上記のような流れになります。

●天台宗の場合

基本的は焼香の回数は3回と言われております。
右手の3本の指（親指と人差し指と中指）を使ってお香をとり、額にいただき（目の高さまで持ち上げる）、お香を指で軽くこすりながら香炉に入れる。

これを3回繰り返す形となります。※厳密には焼香の回数は強制ではないと言われております。

●真言宗の場合

真言宗の場合、基本的な焼香の回数は3回と言われております。天台宗同様の方法で御焼香を行って頂ければ問題ございません。

●浄土宗の場合

浄土宗の場合、焼香の回数に決まりがないと言われておりますが、基本的に3回焼香にてお参りをされる方が多い印象を受けます。

●浄土真宗本願寺派（西）の場合

本願寺派の場合、焼香の回数は1回と言われております。そして額にいただくことはなく、摘んでそのまま香炉に入れていただくことになります。

●真宗大谷派（東）の場合

大谷派の場合、焼香の回数は2回と言われております。本願寺派と同様、額にいただくことなく、香炉に入れていただくことになります。

●真宗高田派の場合

高田派の場合、焼香の回数は3回と言われております。本願寺派・大谷派同様、額にいただくことなく、香炉に入れていただくことになります。

●日蓮宗の場合

正式は焼香回数は3回と言われております。実際は一般参列の方は1回〜3回のいずれかで行う方が多いです。

●臨済宗の場合

焼香の回数は1回と言われております。そして頭にいただくことを行わず、お香をつまみそのまま香炉にくべる形が多いです。

●曹洞宗の場合

焼香の回数は2回と言われており、1回目は頭にいただき焼香を行います。2回目はそのままつまみ香炉にくべる形になります。

神式の「玉串拝礼」がよくわからない

日本人の７割から８割のお葬式が仏教と言われており、神式での告別式そのものに慣れている方は少ないのではないでしょうか。

神式と言っても仏教同様、多くの考えがあり細かく分かれているのですが、基本的な拝礼の仕方として、

①斎主様または葬儀社スタッフから玉串を両手で受け取り、（右手は玉串の上に、左手は下に）遺族に一礼。

②玉串を正面に立てイメージで持ち、時計回りで玉串を回転させる。

③根元が祭壇に向くように玉串を置く。

④二礼、二拍手（音を立てない）一礼を行う。

⑤一歩下がり、遺族に一礼。

他に天理教や金光教など、同じ神式と呼ばれる中でも玉串拝礼の方法が分かれております。

仏教に比べ「慣れていない人が多い」ため、戸惑う方も多いのですが、作法自体特に難しくはありませんのでご安心ください。

キリスト教の告別式は基本的には「献花」

キリスト教の多くの場合は「献花」を捧げる形のお参り方法となります。

①献花を葬儀社スタッフから両手で受け取り、遺族に一礼。

②右手に花・左手に茎を添える形で献花を持ち、茎を祭壇側へ向け、献花を献花台に置きます。

③一礼をして、頭を下げ黙祷を行います（仏教ではないので、手を合わせません）

④遺族に一礼を行い、席に戻ります。

キリスト教のお葬式も仏教に比べ、ご参列を行う頻度は少ないと思いますが、こちらも特に難しくはございません。

故人を弔う気持ちが一番大事

いざその場で戸惑ってしまい前に、事前に調べておくことが理想です。

焼香回数の定義などは確かにありますが、作法以上に大切なのは、やはり故人を偲ぶ気持ちとなります。作法も大事ではありますが、故人を弔う気持ちを一番大切にしましょう。

【監修】栗本喬一(くりもときょういち)

略歴: 栗本喬一(くりもときょういち); １９７７年生まれ; 出生地：東京都(愛知県名古屋市育ち); 株式会社東京セレモニー取締役; ディパーチャーズ・ジャパン株式会社; 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校葬祭・宗教学講師。; 株式会社おぼうさんどっとこむ　; 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。; 株式会社ティア　; 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。; 著書：初めての喪主マニュアル（Amazonランキング２位獲得）

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栗本喬一（くりもときょういち）

1977年東京生まれ（名古屋育ち）

略歴: 母の死をきっかけに葬儀業界に興味を持ち、大学卒業後、大手葬儀社へ入社、家族葬から大規模葬儀まで、幅広くお葬式を葬儀担当者（セレモニーディレクター）として活躍。その後、葬儀会館の店長、新規開拓を歴任。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとし、これまでに10年以上、５,０００件以上の葬儀現場に立ち会う。
資格等: 株式会社GSI グリーフサポートアドバンスコース修了。