コロナ禍で葬儀参列はどうすればよい⁈現状の葬儀参列・考え方について
新型コロナウイルスの影響を受け、葬儀の在り方にも変化がありました。
従来は必ず参列を行い、現地で受付を行い香典をご遺族に渡していましたが、現地に参列をしにくい状態となっており、どのように対応をすれば良いか悩んでしまう親戚が多いと感じております。
今回はコロナ禍の現状で、葬儀参列や香典・供花手配などの現状を確認しておくことは大事となります。
葬儀参列の現状
元々、この十数年で家族葬という言葉が定着し、葬儀の参列者数が減少しておりました。
喪主の繋がりなどではなく、故人と直接縁のあった方のみに声を掛け、お葬式に参列をしていただく形が家族葬です。
家族だけで行うから「家族葬」という意味ではないのですが、コロナ禍の現状では「遺族」「故人の兄弟姉妹」を中心に数十人規模の家族葬が目立っております。
平成の最初の頃では、平均約200名が参列をしていたと言われるお葬式が、現状では約50人程度まで参列者が減少していました。
そこに新型コロナウイルスによる影響で、緊急事態宣言時はご遺族数名〜約十数名程度にまで参列者は減っておりました。
現在は元に戻りつつありますが、昔のように一般の方で100人以上の方が参列される葬儀はほとんど見ることがありません。
コロナ禍では葬儀参列をしてはいけないのか?
コロナ禍で葬儀の参列自体を遠慮されている方が増えておりますが、参列をしてはならないということはありません。
葬儀会館も消毒やソーシャルディスタンスを意識をして対応を行っております。
不要不急の外出を控える様にという流れが起こっておりますが、葬儀は不要不急のものではありませんので、やはり直系のご親族やお世話になった方のお葬式は参列をしても問題ないと私たちは考えております。
ご親戚の中には参列辞退をご遺族から言われてしまい、葬儀参列が出来なかったという辛い事例も起こっています。
価値観も問題もありますが、コロナ禍なので葬儀参列をしてはいけないわけではありません。
通夜や葬儀は大きな声で話す場ではないので、ほかの集まる場に比べて感染するリスクは少ないのではないのでしょうか。
葬儀会館はどのような対策をしているのか?
コロナ禍における葬儀会館は消毒液の設置や席数制限を行ったりと、対策を行っております。
一時は食事を行わない形の通夜や葬儀も行われていた様ですが、現状では食事の提供を再開し少しずつ元に戻っている印象があります。
接触をさけるように受付で集まらないように、時間をずらして受付案内を行っているケースもございます。
特に画期的なことは行っておりませんが、できる手段を尽くし感染拡大を抑えております。
コロナ禍での御香典について
直接参列を行うことを懸念する世の中となっておりますので、香典を渡すこともできない状態です。
そのため、現金書留などで郵送を行う方もいらっしゃいますが、香典袋と現金書留の手間が必要となります。
ちなみに、香典の金額は親戚の方から喪主への香典は1万円〜5万円程度を準備される方が多いのです。
しかし遠方の方は現地に伺うことができないため、交通費分に相当する金額を御香典と一緒に入れるご遺族もいらっしゃいます。
【交通費分を香典に入れるかは強制ではありません】
現金書留が難しい方へは、スマート葬儀のような「オンライン葬儀参列システム」を使用し、香典の送金を行える葬儀社もございます。
オンライン葬儀参列システム「スマート葬儀」
葬儀の費用はどれくらい掛けているのか
コロナ禍での現状では、参列者数が減っている現状があり、従来より葬儀費用は下落をしていることは間違いありません。
元々葬儀費用は寺院へのお布施を含め、平均約195万円と言われておりましたが、家族葬の場合、葬儀社への支払いは100万円前後の水準にまで減少をしております。
緊急事態宣言の際は、参列者がほぼいらっしゃらない現状がありましたので、料理・会葬者への返礼品を行うことがほとんどない現状が続きましたが、現状では元の水準にはまだ戻ってはいませんが、少しずつ料理・返礼品の手配が増えております。
オンライン葬儀・オンライン法要について
コロナ禍で「オンライン」が一気に注目をされ、葬儀業界においても「オンライン葬儀・オンライン法要」を行うケースもございます。
本来であれば現地で葬儀参列を行うことが一番ですが、遠方で現地に向かうことができない、高齢の身内を連れて留守番をさせて家を離れることはできないなど様々な事情があります。
また参列ができなくても気持ちだけでもということで「遠隔地から受付・御香典・供花など」を送りたいという方もいらっしゃいます。
そしてこれらに対応する、オンライン葬儀参列システム導入している葬儀社がございます。
まだまだオンライン葬儀に対応する葬儀社は少ないのですが、これから随時増えていくものと思われます。
元々ありましたこれらの問題を解決するのが、オンライン葬儀・オンライン法要であり、オンライン葬儀はまだ新しい考え方ではありますが、これから一つの選択肢として定着するのではないでしょうか。
まとめ
葬儀は不要不急のものではない。できる限り現地で参列をすることが良い。
葬儀会館も消毒・体温検査・参列制限を行う会場もある。
万が一のご不幸はご遺族、親戚と話し合い過剰に参列を控える必要はない。自身の考えを伝える必要がある。
コロナ禍によって、オンラインでの参列など新しい価値観が生まれている。どうしても現地で参列できない方も一定数はいらっしゃるので、その方のための一つの選択肢として考える。
コロナ禍であっても葬儀の規模を極端に小さくする必要はない。一方過剰に華美にする必要もない。
準備できる予算、家族の考え方を共有してお葬式の段取りを行う必要がある。
現地まで伺うことができない場合は香典の送金を考える人も増えている。これに自身が現地へ向かった場合の交通費を上乗せされる方もいるが、強制ではなくお気持ちで問題はない。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール