喪主が読む開式・閉式の挨拶文例
葬儀の場で、喪主が言葉を述べる時間は長くありません。けれど短いからこそ、「何を言えばいいか」が分からないと、胸の奥が詰まるように苦しくなります。
声が震えるのが怖い。涙が出て読めなくなるのが怖い。言葉を間違えて失礼にならないか怖い。
それは当然です。喪主は、気丈に振る舞うほど体の緊張が強くなり、普段なら読める文章も急に遠く感じることがあります。
結論として、喪主の挨拶は「立派に話す」より「迷わず読める形」に整えるほうが、参列者にいちばん伝わります。
この記事では、喪主 開式 挨拶と喪主 閉式 挨拶の文例を、通夜・告別式・家族葬・会社関係が多い場合など、状況別にまとめました。さらに、当日に詰まらないための「差し替えフレーズ」や、読みやすくする小技も載せています。
喪主の喪主 言葉は、うまさより落ち着きが価値になります。ここにある喪主 式文を、あなたが読みやすい形に変えて使ってください。
1.喪主の挨拶は「短く」「ゆっくり」「順番どおり」で整う
喪主挨拶(喪主スピーチ)は、暗記しなくて大丈夫です。紙を見ながら読むのは失礼ではなく、むしろ丁寧です。
参列者が受け取りたいのは、流暢な話術ではありません。「来てよかった」「ちゃんと見送れた」と感じられる、静かな区切りです。
喪主の挨拶は、次の“型”を守ると短くても整います。
【開式の型】
①参列への感謝 → ②喪主名(続柄) → ③これより開式 → ④見送りのお願い
【閉式の型】
①参列への感謝 → ②生前のお礼 → ③滞りなく終えた報告 → ④(案内)→ ⑤結びの感謝
「型に当てはめて読む」だけで、喪主の言葉は十分に“式文”になります。
2.開式挨拶の基本(通夜・告別式どちらでも使える)
開式の挨拶は、場の空気を整える言葉です。長く語るほど感情が揺れやすいので、基本は短めが安全です。
なお、宗教者が進行する場合でも、冒頭で喪主が一言述べることは多くあります。葬儀社から「開式の前に喪主さま一言お願いします」と言われたときのために、準備しておくと安心です。
以下の文例は、喪主 開式 挨拶としてそのまま読めます。〇〇をあなたの状況に合わせて差し替えてください。
文例A:最短(20〜30秒)|涙が出そうなときの“逃げ道”
本日はご多用のところ、〇〇(故人続柄)〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
喪主を務めます〇〇(氏名)でございます。
ただいまより葬儀を執り行います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
文例B:標準(45〜60秒)|迷ったらこれ(万能)
本日はご多用のところ、〇〇〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
喪主を務めます〇〇でございます。
生前、故人が皆さまより賜りましたご厚情に、家族を代表して心より御礼申し上げます。
ささやかではございますが、ただいまより葬儀を執り行います。
どうぞ最後までお見送りくださいますよう、お願い申し上げます。
文例C:丁寧(60〜90秒)|遠方・高齢者の参列が多い場合
本日はご多用のところ、また遠方より〇〇〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
喪主を務めます〇〇でございます。
皆さまには生前、故人に対し温かいお力添えを賜り、家族一同深く感謝しております。
本日は故人を偲び、静かに見送る場とさせていただきます。
どうぞ最後までお見送りくださいますよう、お願い申し上げます。
文例D:家族葬向け|親族中心で静かに見送りたい場合
本日は、〇〇〇〇の葬儀にお集まりいただき、ありがとうございます。
喪主を務めます〇〇でございます。
故人の遺志(または家族の思い)により、本日は親族を中心に、静かに見送りたいと考えております。
ただいまより葬儀を執り行います。
どうぞよろしくお願いいたします。
文例E:無宗教・献花式向け|焼香ではなく献花の場合
本日はご多用のところ、〇〇〇〇のお別れの会にお越しいただき、誠にありがとうございます。
喪主を務めます〇〇でございます。
本日は宗教形式にとらわれず、献花にて故人を見送りたいと思います。
短い時間ではございますが、どうぞ故人を偲びながらお過ごしください。
3.開式挨拶で“言い過ぎない”ための注意点(喪主スピーチの落とし穴)
喪主の挨拶は、気持ちを込めようとするほど長くなりがちです。けれど長くなると、途中で涙が込み上げ、言葉が途切れやすくなります。
開式では、とくに次の3点を避けると読みやすくなります。
・故人の経歴紹介を入れすぎる(後の弔辞・弔電と役割が被る)
・「本日は〜でして…」と説明が増える(情報過多で焦りが増える)
・謝罪を重ねる(場の空気が重くなり、喪主自身も苦しくなる)
開式は“始めます”の合図です。喪主の気持ちは短い感謝の言葉だけで十分に伝わります。
4.閉式挨拶の基本(通夜の終わり/告別式の終わり)
閉式の挨拶は、参列者の気持ちを着地させる言葉です。ここも長く語る必要はありません。
閉式は、喪主自身の疲れが出やすい時間帯です。通夜の閉式なら夜で声が出にくいこともありますし、告別式の閉式なら火葬場への移動が控えていて気持ちが急ぎがちです。
閉式は「ありがとうございました」を丁寧に言えたら十分です。整った短さが、いちばん強い喪主の言葉になります。
5.閉式の挨拶文例(状況別に選べる6パターン)
文例F:最短(20〜30秒)|声が出にくい・涙で読めないとき
本日はご多用のところ、〇〇〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。
これをもちまして葬儀を終了させていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
文例G:標準(45〜60秒)|迷ったらこれ(通夜・告別式どちらも可)
本日はご多用のところ、〇〇〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。
生前、故人が皆さまより賜りましたご厚情に、家族を代表して心より御礼申し上げます。
おかげさまで滞りなく葬儀を終えることができました。
本日は誠にありがとうございました。
文例H:丁寧(60〜90秒)|会社関係・近所関係が多い場合
本日はご多用のところ、〇〇〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。
生前、故人が皆さまより賜りましたご厚情に、家族一同心より御礼申し上げます。
至らぬ点もあったかと存じますが、何卒ご寛恕くださいますようお願い申し上げます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
文例I:精進落としへ案内(会食がある場合)
本日はご多用のところ、〇〇〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。
この後、ささやかではございますが別室にてお食事をご用意しております。
お時間の許す限り、お立ち寄りいただけますと幸いです。
本日は誠にありがとうございました。
文例J:家族葬向け|親族中心で静かに終える
本日は、〇〇〇〇の葬儀にお集まりいただき、ありがとうございました。
皆さまのおかげで、静かに見送ることができました。
これをもちまして葬儀を終えさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
文例K:通夜の閉式(明日の告別式案内を添える)
本日はご多用のところ、〇〇〇〇の通夜にお越しいただき、誠にありがとうございました。
明日の告別式は、〇時より〇〇にて執り行います。
夜分お疲れのことと存じますので、どうぞお気をつけてお帰りください。
本日は誠にありがとうございました。
6.その場で詰まらない「差し替えフレーズ」集(喪主 式文の予備パーツ)
当日は予定通りに進まないこともあります。言葉が詰まりそうなときは、以下の一文を足すだけで整います。
参列への配慮(天候・移動)
・本日は足元の悪い中、ご参列いただきありがとうございます。
・寒い(暑い)中お越しいただき、誠にありがとうございます。
・ご遠方よりお越しいただき、心より御礼申し上げます。
不手際が心配なとき(角が立たない言い方)
・何かと行き届かぬ点もあったかと存じますが、何卒ご容赦ください。
・至らぬ点がございましたら、どうかご寛恕くださいますようお願い申し上げます。
香典辞退を添える(必要な場合のみ)
・故人の遺志により、誠に勝手ながらご香典はご辞退申し上げております。
・お気持ちだけ頂戴し、失礼ながらご香典はご遠慮申し上げます。
締めの一文(迷ったら“これだけ”でもOK)
・本日は誠にありがとうございました。
・どうぞお気をつけてお帰りください。
・今後とも変わらぬお付き合いを賜りますようお願い申し上げます。
7.当日に「読める」喪主スピーチにする小技5つ
同じ文章でも、読み方の準備で成功率が変わります。喪主の挨拶は、気合より設計です。
① A4に大きめの文字で印刷する(スマホ画面は意外と揺れる)
② 「故人名」「続柄」「会場名」「時刻」だけ太字にする(読み間違い防止)
③ 句点「。」のたびに一呼吸置く(早口を防ぐ)
④ 冒頭の一文を固定する(声が出るまでの助走になる)
⑤ 30秒だけ声に出して練習する(頭より口を慣らす)
“練習”は上手くなるためではなく、「当日に読める状態」を作るためにあります。
8.30秒チェックリスト:喪主の挨拶で迷わないために
最後に、当日直前に確認できるチェックリストをまとめます。
□ 開式は短く(感謝→喪主名→開式→お願い)
□ 閉式は感謝で締める(感謝→生前のお礼→終了→案内→感謝)
□ 紙はA4で大きく、固有名詞は目立つように
□ 早口になりそうなら「句点で一呼吸」
□ 泣いても大丈夫。最短文例に切り替えてOK
まとめ:喪主の言葉は「短く整っている」ほど、参列者に届く
喪主の挨拶は、立派なスピーチである必要はありません。
短くても、順番が整っていれば参列者の心には十分に届きます。
「感謝」「簡潔」「場を整える」。この3点を守るだけで、喪主の式文は完成します。
当日は紙を見ながらで大丈夫です。ゆっくり、一文ずつ。喪主が落ち着いているほど、場の空気は静かに整います。
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