遺族が準備する食事・ドリンクの量目安
遺族が準備する食事・ドリンクの量目安 ー人数を想定することで迷わない実務ガイドー
「葬儀の食事は、どれくらい用意すれば足りるのか分からない。」
「通夜振る舞いは多めが安心なのか、それとも余らせるのが心配なのかで迷う。」
その迷いは自然です。
遺族の準備は、気持ちの整理と同時に、人数の読み・段取り・手配が一気にのしかかるからです。
結論から言うと、食事の数量は「完璧に当てる」より、「不足しない仕組み」を作れば大丈夫です。
ポイントは、人数を3つに分けて見積もること、主食と汁物で最低ラインを作ること、そして飲み物は温冷・ノンアルを必ず押さえることです。
この記事では、葬儀の会食と通夜振る舞いを分けて考え、遺族の準備がラクになる量の目安をシミュレーションし具体化します。
読み終えたら「うちはこの量でいける」と自信を持って手配できるようになります。
1. 食事シーンは「通夜の振る舞い」と「葬儀の会食」で目的が違う
通夜振る舞いは、焼香後に短時間つまめる軽食が中心です。
立食や出入りが多く、「全員が同じ量を食べる」前提ではありません。
一方で、葬儀の会食(精進落とし等)は、席に着いて食べるため、人数と食事の数量が連動しやすいです。
ここを分けるだけで、見積もりは一気に簡単になります。
2. 人数の見積もりは「確定・揺れ・追加」の3箱で考える
遺族の準備で一番疲れるのは「人数が読めない」ことです。
そこで人数を、次の3つに分けます。
- 確定人数:親族や近しい方など、ほぼ来る人。
- 揺れ人数:仕事の都合や移動で変わりそうな人。
- 追加人数:当日に増えやすい近所・関係者・弔問客など。
食事の数量は「確定+揺れの半分」を基本にし、追加は足せる形で担保すると安全です。
足せる形とは、追加注文しやすい品を用意しておくことです。
たとえば、おにぎり・汁物・飲料・乾き物などが「追加しやすい保険」になります。
3. 通夜の振る舞いの量目安は「参加者数×0.6〜0.8人前」
通夜の振る舞いは、全員が長居するわけではありません。
そのため、参加者数の6〜8割を「食べる想定人数」として見積もると、過不足が出にくいです。
例として、参列者が20人なら、12〜16人前が基準になります。
ただし、親族中心でしっかり座って食べる形式なら0.9人前まで上げます。
逆に、出入りが多い都市部の通夜や短時間の会場なら0.5〜0.6人前でも成立します。
迷ったら「20人×0.7=14人前」を基準にし、足せる保険で不足を防ぐのが一番ラクです。
4. 通夜の振る舞いは「主食・たんぱく質・つまみ」の三角形で整う
「何をどれだけ」に迷うときは、三角形で考えると決まります。
- 主食:寿司、いなり、サンド、おにぎりなど(腹落ちを作る)。
- たんぱく質:オードブル、焼き鳥、唐揚げなど(満足感を作る)。
- つまみ:漬物、枝豆、乾き物など(調整弁になる)。
主食だけ、揚げ物だけ、に偏ると「足りない」「重い」が起きやすいです。
三角形で置くと、年齢差があっても自然に収まります。
5. 葬儀の会食は「席数=人数」を基本にし、8〜9割で安全ラインを作る
葬儀の会食は席が決まるため、基本は人数分を用意します。
ただし、急な欠席も出るので、料理をきっちり人数分にすると余りやすいです。
おすすめは、コースや弁当は「確定+揺れの半分」で席数を作り、足りなさそうな場合は汁物と主食で調整するやり方です。
会場や仕出しは追加対応できることも多いので、「追加は何分前まで可能か」を先に確認すると不安が減ります。
6. 飲み物は「温冷×アルコール/ノンアルコール」で揃えると失敗しない
葬儀の食事で飲み物が足りないと、場の落ち着きが崩れます。
逆に少し余る程度なら、大きな問題になりにくいです。
飲み物は次の4枠で考えると迷いません。
- 冷たいノンアル:水、お茶、炭酸水など。
- 冷たいアルコール:ビール、酎ハイなど。
- 温かいノンアル:お茶、コーヒー(会場により)。
- 温かい汁物:味噌汁、吸い物(食事の数量調整にもなる)。
特に遺族の準備で忘れがちなのが「ノンアルの比率」です。
車で来る人、体質的に飲めない人、妊娠中の人もいます。
アルコールを用意する場合でも、ノンアルを厚めにするほど全体がスムーズになります。
7. 余らせないコツは「可変の食事」と「持ち帰り不可前提」を最初に決める
通夜の振る舞いは衛生面から持ち帰り不可の会場も多いです。
だからこそ、余らせない工夫は「量を削る」より「可変にする」が正解です。
可変とは、当日増やせる・減らせる品を混ぜることです。
- 増やせる:おにぎり、パン、汁物、飲料、乾き物など。
- 減らせる:大皿オードブルの品数調整、寿司桶の数を1つ減らすなど。
「足りないより余るほうがいい」と感じる場合も、可変品で余白を作れば、気持ちを守りつつ現実も整います。
8. シミュレーションしておくと、食事の数量が一気に決まる※20名の場合
ここからは、目安人数20人を想定して、具体的な食事の数量とドリンク量を作ります。
前提は次のように置きます。
- 通夜の振る舞い:20人が立ち寄るが、食べるのは7割(14人相当)。
- 葬儀の会食:着席で20人のうち18人分を基本にし、不足は汁物と主食で調整。
- アルコールを飲むのは3割(6人程度)。
- 季節は通年対応(冷温どちらも用意)。
前提が違う場合でも、「割合」を置き換えればすぐ自分のケースに転用できます。
9. 通夜振る舞いの食事量(14人相当)※20名の場合
通夜振る舞いは「14人相当」を基準にします。
迷うときは、主食で最低ラインを作り、オードブルで満足感を足し、つまみと飲料で調整します。
9-1. 主食(最低ラインを作る)
寿司は通夜の振る舞いで最も安定しやすい主食です。
- 寿司:桶2〜3(1桶が約5〜6人前なら2桶、3〜4人前なら3桶)。
- いなり/巻き寿司:合計20〜24個(寿司が少なめなら増やす)。
主食があるだけで「足りない不安」が大きく下がるため、最初に主食を決めるのがコツです。
9-2. たんぱく質(満足感を作る)
- オードブル:大皿2枚(揚げ物・焼き物が混ざったタイプ)。
- 唐揚げ/焼き鳥など単品追加:20〜30個(若い層が多いなら増やす)。
油物は多すぎると重くなりやすいので、オードブル2枚+単品少しが扱いやすいです。
9-3. 調整弁(足りなさと余りを両方吸収する)
- 枝豆:2パック。
- 漬物や小分け惣菜:10〜15人分。
- 乾き物(せんべい等):1〜2袋。
ここは「足りない不安」を静かに消す保険です。
10. 通夜振る舞いのドリンク量※20名の場合
通夜は短時間でも、飲み物が切れると場が落ち着きません。
目安は「一人あたり1〜1.5本(350〜500ml換算)」です。
食事の数量を14人相当で見積もっていても、飲み物は来場者20人で持つと安心です。
10-1. ノンアル(基本)
- 水:6本(500ml)。
- お茶:10本(500ml)。
- 炭酸水 or スポーツドリンク:4本(500ml)。
合計20本程度が目安です。
寒い季節なら、お茶を多めにして水を少し減らします。
10-2. アルコール(飲む人が6人想定)
- ビール:350mlを12本(1人2本想定)。
- 酎ハイ:6本(甘くない系も混ぜる)。
会場によっては提供不可の場合もあるので、手配前に必ず確認します。
11. 葬儀の会食の食事量(18人分+調整)※20名の場合
葬儀の会食は着席なので、基本は席数で考えます。
ただし欠席リスクを見て、ここでは18人分を基本にします。
11-1. 会席・弁当(核になる数量)
- 会席/弁当:18食(子どもがいるなら子ども用を別で調整)。
多世代なら普通中心で、量が少なめを1〜2食混ぜると残りにくいです。
11-2. 追加の主食(不足が怖いときの保険)
- おにぎり:20個(欠席が出たら控え、足りなければ出す)。
- 小さなパン:10個(高齢者や子どもが食べやすい)。
足りなさそうなときに出せる主食があるだけで、遺族の準備の不安はかなり減るからです。
11-3. 汁物(体調と満足感の底上げ)
汁物は食事の数量の調整だけでなく、緊張で胃が重い人にも優しく、場を静かに整えます。
12. 葬儀の会食のドリンク量※20名の場合
会食は「一人あたり2杯」を基準にすると外しません。
20人なら合計40杯相当です。
実務ではペットボトルと缶で持つほうが簡単なので、次の目安が使いやすいです。
12-1. ノンアル
- お茶:15本(500ml)。
- 水:8本(500ml)。
- 炭酸水:5本(500ml)。
合計28本程度です。
会場にポットのお茶が出るなら、ペットボトルは少し減らしてOKです。
12-2. アルコール(飲む人6人想定)
- ビール:350mlを18本(会食は通夜より飲む量が増えやすい)。
- 日本酒(小瓶):2〜3本(希望が出やすい場合のみ)。
- 酎ハイ:6本。
アルコールを増やすより、ノンアルを厚くするほうが失敗しにくいです。
13. 手配の順番は「3つの確認」で遺族の準備が軽くなる
葬儀の食事で迷いを減らすには、手配先(葬儀社・仕出し)に次の順番で確認します。
- 通夜振る舞いは、何人前が標準で付くか(プラン込みの有無)。
- 追加注文の締切はいつか(前日か当日か)。
- 余った場合の取り扱い(持ち帰り可否・廃棄ルール)。
この3つが分かると、食事の数量の見積もりが「気持ち」ではなく「運用」で決まります。
14. よくある失敗と、目立たずに立て直す方法
葬儀の食事は、失敗をゼロにするより「戻し方」を知っているほうが強いです。
- 不安で品数を増やしすぎて、置き場と管理が崩れる。
- アルコール中心で揃えて、車の人や若い人が手持ち無沙汰になる。
- 通夜振る舞いが足りなく見えて焦る。
立て直しはシンプルです。
主食・汁物・飲料を厚くし、オードブルは絞ります。
ノンアルを先に決め、アルコールは「飲む人数×2」で止めます。
おにぎり・パン・汁物を追加できる保険にしておきます。
15. 読後に行動が変わる「1分チェックリスト」
- 通夜の振る舞いは参加者数×0.6〜0.8人前で見積もった。
- 葬儀の会食は席数を決め、不足は主食と汁物で調整すると決めた。
- 飲み物は温冷×アル/ノンアルで揃え、ノンアルを厚めにした。
- 追加注文の締切と、余った場合の扱いを確認する予定を入れた。
- 20人想定の目安を、自分の割合に置き換えた。
このチェックができれば、遺族の準備はもう十分に整っています。
まとめ:葬儀の食事は「気合で当てる」より「不足しない設計」で整う
葬儀の食事は、通夜振る舞いと葬儀の会食を分けて考えるだけで、食事の数量の迷いが大きく減ります。
遺族の準備は、人数を「確定・揺れ・追加」に分け、主食と汁物で最低ラインを作り、飲み物はノンアルを厚めにするだけで整います。
この型ができれば、手配は心配事から、淡々と進む段取りに変わります。
あなたが落ち着いて準備できることが、参列者の安心にもつながります。
まずは「追加注文の締切だけ確認する」からで十分です。
_1.png)